湿疹は、多くの人が一生のうちに一度は経験するといわれています。
湿疹は、ストレスが原因でもみられるのでしょうか?
ストレスによる湿疹は、どのように治したら良いのでしょうか?
この記事では、ストレスによる湿疹について解説しながら、以下の内容をご紹介します。
- 湿疹の原因とストレスとの関係性
- ストレスによる湿疹を治す方法
- 湿疹とじんましんの違い
ストレスによる湿疹で悩んでいる方は参考にして頂けると幸いです。
ぜひ、最後までご覧ください。
ストレスについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
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湿疹の原因は?ストレスとの関係性
湿疹の原因は、外的要因と内的要因の大きく分けて2つになります。
それぞれの要因とストレスとの関係について詳しく見てみましょう。
外的要因
皮膚を外側から刺激するさまざまな要因のことを、外的要因といいます。
外的要因には、
- 紫外線・寒暖差・摩擦などの物理的な刺激
- 洗剤・化粧品・薬品などの科学的な刺激
- 花粉・ハウスダスト・食べ物・金属・虫などのアレルギー物質
- カビや細菌などによる感染
などがあります。
湿疹の原因が、外部からの刺激によるものとはっきりしているものを接触性皮膚炎といいます。
内的要因
皮膚を内側から刺激するさまざまな要因のことを、内的要因といいます。
内的要因には、
- 乾燥肌や脂質肌などの皮膚そのものの性質
- アレルギー体質など体質によるもの
- 皮膚のバリア機能が弱いなど免疫力の低下
- ストレスや疲労など心身の健康状態
- 皮脂の分泌や発汗状態
などがあります。
湿疹は外的要因と内的要因から影響を受けますが、ストレスも湿疹の重要な原因の一つです。
ストレスが体に与える影響は多岐にわたり、特に免疫系の乱れや皮膚のバリア機能の低下が関係しています。
これにより、皮膚は外部からの刺激に対して脆弱になり、炎症が起こりやすくなるため、湿疹が発生しやすくなります。
さらに、ストレスは皮膚を乾燥させ、その結果、小さな刺激にも敏感に反応するようになることがあります。
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ストレスによる湿疹の種類
一言にストレスによる湿疹といっても、実際に発症する種類は人によって異なります。
先に話した要因によって、発症する内容に個人差が生じるのです。
ここではストレスによって生じる湿疹の種類について解説します。
ニキビ
角質が厚くなり毛穴を塞いでしまうことで生じると考えられています。
悪化を防ぐためできるだけ早い段階で皮膚科を受診する必要があります。
あせも
汗腺に詰まりが生じて皮膚内側に汗が溜まることで発症します。
肌の通気性を良くし肌を清潔に保つことで改善されます。
毛嚢炎(もうのうえん)・毛包炎(もうほうえん)
ムダ毛処理などで傷ついた肌の傷口から、細菌や真菌が毛穴の中に侵入し炎症をおこします。
軽症の場合は肌の清潔を維持することで治ります。
蕁麻疹(じんましん)
皮膚の一部分が赤く盛り上がり数十分〜数時間以内に消失する皮膚疾患です。
じんましんの原因となる物質を特定し避けることで改善されます。
湿疹・皮膚炎
接触性皮膚炎は皮膚にアレルギー性物質などが接触し、1〜3日後に接触部分にかぶれが生じます。
皮膚が赤くなり、かゆみ・水ぶくれ・膨張などの症状があらわれます。
対処法は原因となった物質を特定して接触しないことで防げます。
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ストレスによる湿疹の症状
湿疹とは、皮膚炎とも呼ばれ、皮膚の表面にあらわれる炎症の総称をいいます。
湿疹の症状としては、
- かゆみ
- 赤み
- ブツブツ
- 小さな水疱
などさまざまです。
正常な皮膚は、表面のバリア機能が外部からの刺激や異物の侵入から守っています。
しかし、何らかの原因により皮膚の表面をバリアしきれなくなる場合があります。
そのようなとき、皮膚が細菌に感染したり、アレルギー物質に触れることで皮膚の免疫反応が起こってしまいます。
このような細菌の感染やアレルギー反応により、かゆみや赤みなどの湿疹がみられるようになります。
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ストレスによる湿疹を治す方法
ストレスによって引き起こされた湿疹を治すにはどのような治療法があるのでしょうか?
ストレスに伴う湿疹の治し方について詳しく見てみましょう。
今回は、アトピー性皮膚炎に対象を絞ってご説明します。
薬物治療
ストレスで起こる湿疹の治療法の1つに薬物治療があります。
薬物治療では、炎症やかゆみを抑えるためのステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬の内服などが用いられます。
細菌による感染など強い炎症がみられる場合は、抗生物質の内服を併用する場合もあります。
アトピー性皮膚炎の薬物治療では
- ステロイド外用薬
- 非ステロイド性抗炎症薬
- 免疫抑制薬
などが主に用いられます。
ステロイド薬は効きめの強さに応じて5つのランクに分類されており、症状に合わせて医師が処方します。
自己規律を考える
ストレス性の湿疹の場合、ストレスや疲れが増悪因子となりやすいです。
そのため、ストレスをできるだけ溜めないように生活する必要があります。
疲れが溜まるとストレスになるとともに免疫力が低下し、湿疹がみられたり、増悪してしまうという悪循環のサイクルになってしまいます。
十分な休息をとることや適度にストレスを発散するなど、できるだけストレスや疲れを溜めないようにしましょう。
光線療法
光線療法とは、皮膚に紫外線の一部の波長を当てて治療する方法です。
- アトピー性皮膚炎
- 円形脱毛症
- 乾癬
- 白斑
などの皮膚疾患に効果があるといわれています。
少ない照射量から開始し、徐々に照射量を上げて調整していきます。
1回の照射でかゆみや赤みが落ち着く場合もありますが、基本的には継続して治療を行っていく必要があります。
赤み、かさつきなどの副作用がみられる場合もあります。
食事療法
ストレスにより胃腸の働きが衰えたり、胃腸障害を引き起こすとストレスによる湿疹が出やすくなる場合があります。
暴飲暴食や間食は避け、栄養バランスがとれた規則正しい食生活を心がけましょう。
また、アトピー性皮膚炎の原因が食べ物や食品添加物など原因が明らかになっていることがあります。
その場合は、アレルゲンとなっている食べ物の摂取は基本的に避けるようにしましょう。
また、アレルギー性でないアトピー性皮膚炎の場合も食べ物の鮮度によって症状を増悪させてしまう場合もあります。
食材はできるだけ鮮度の良い、新鮮なものをとるようにしましょう。
民間療法
民間療法とは、医師の治療によるものではなく、科学的根拠がない経験や伝承による方法で行われる治療のことをいいます。
民間療法には、さまざまな種類があり、体質などによって効果のあらわれ方も様々です。
民間療法といわれる具体的な治療法には、
- 漢方薬
- ドクダミ茶
- ルイボスティー
- 入浴剤
- 馬油
- スクワラン
- 鍼灸
- 海水浴
などがあります。
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湿疹とじんましんの違い
湿疹とじんましんはしばしば混同されがちですが、それぞれ症状の原因や特徴には大きな違いがあります。
下記は、湿疹と蕁麻疹(じんましん)の違いを表にしています。
特徴 | 湿疹 | 蕁麻疹(じんましん) |
症状の種類 | 赤み、かゆみ、乾燥、皮膚のひび割れ、液体の滲出など | 赤い盛り上がり(膨疹)、かゆみ、症状の突発性 |
原因 | 遺伝的要素、環境要因、アレルゲンとの接触 | アレルギー反応、物理的な刺激、ストレス |
持続性 | 長期間、慢性的 | 短期間、数時間から数日で消失することが一般的 |
治療方法 | スキンケア製品の使用、生活習慣の調整 | 抗ヒスタミン薬の服用、アレルゲンの特定と避難 |
症状の出現 | 徐々に発症し、反復する | 突然現れ、通常は短期間で消失する |
湿疹は慢性的で繰り返し現れ、乾燥やひび割れを伴います。
一方、じんましんは突発的に現れ、数時間から数日で消失し、強いかゆみと膨疹が特徴です。
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ストレスによる湿疹解消方法
ストレスは湿疹のみではなく、心身に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
ストレスは適度に解消する必要があります。
ストレス解消のためにできる方法について詳しく見てみましょう。
考え方を変えてみる
日常生活の中でストレスを完全に無くすということは難しいでしょう。
ストレスは日常の中で避けて通れないものです。
そのため、その都度解消したり、ストレスとうまくつきあっていく方法をみつける必要があります。
物事をネガティブに考えるとストレスが溜まりやすくなってしまいます。
ネガティブな考え方をポジティブな考え方に変えることが重要です。
誰かに相談する
パートナーや友人、家族など親しい人と話すことで気持ちが軽くなることもあります。
人に話を聞いてもらうと気持ちの整理がついたり、自然と解決策がみえてきたりすることもあるでしょう。
ストレスが溜まっていると感じた時は、1人で溜め込まずに信頼できる相手に相談してみましょう。
信頼できる人がなかなかみつけられないという方は、カウンセリングのための専門家に相談してみると良いでしょう。
気分転換やリラックスをする
ストレスを感じたときは、気分転換やリラックスできる時間を積極的につくりましょう。
散歩や運動、映画鑑賞、旅行をすることで気分転換を図りましょう。
また、忙しい日々の中でもゆったり音楽を聴いたり、ストレッチ、入浴する時間をつくるとリラックスすることができます。
入浴で体を温めることによって、心身の疲れを癒し、睡眠しやすくなります。
十分な睡眠をとることは、疲労を回復し、ストレス軽減にもつながります。
ストレス解消グッズを使う
仕事や人間関係などさまざまなことが原因で多くの方がストレスを抱えています。
ストレスを解消するためにストレス解消グッズを使ってみることも1つの方法でしょう。
- パンチングボール(狭い部屋でも殴る・壊すことでストレス発散)
- もっちりポーズくん(とにかく誰かを投げ飛ばしてストレス発散)
- ストレスリムーバーパルスエッグ(握ることで微弱電流が流れすることでストレス発散)
上記のような、様々なストレス解消グッズが販売されています。
趣味を持つ
仕事やストレスを感じることを忘れ、自分が好きなことをする時間を確保しましょう。
好きな映画や小説、ゲームや趣味に没頭することはストレス発散になります。
自分自身に合った方法でストレスを発散しましょう。
環境を変える
自分自身がストレスを感じていることを明らかにすることが大切です。
原因を明らかにし、できるだけストレスの原因から離れることを意識しましょう。
ストレスの原因によっては、転職や転居など身の回りの環境を変えることも1つの改善策といえるでしょう。
ストレス解消法についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
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ストレスによる湿疹のまとめ
ここまで、ストレスによる湿疹についてお伝えしてきました。
要点を以下にまとめます。
- 湿疹は外的・内的要因に影響され、ストレスが免疫乱れや皮膚バリアの低下を引き起こし、発症を促進する
- ストレス湿疹を治す方法には、薬物療法、自己規律を考える、光線療法、食事療法、民間療法などがある
- 湿疹は慢性的で繰り返し現れ、乾燥やひび割れが特徴であり、じんましんは突発的、短期間で消失し、膨疹とかゆみが主な症状である
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。