免疫向上作用などで知られるラクトフェリンは、実はダイエット効果もあります。
ラクトフェリンで痩せる理由とは、どのようなものなのでしょうか。
また、痩せるためには、どのようにラクトフェリンを摂取すればよいのでしょうか。
本記事では、ラクトフェリンで痩せる理由について、以下の点を中心にご紹介します。
- ラクトフェリンとは
- ラクトフェリンで痩せる理由
- ラクトフェリンの摂取方法
ラクトフェリンで痩せる理由について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
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ラクトフェリンとは
ラクトフェリンとは、牛乳から発見されたタンパク質です。
哺乳類の乳に含まれており、ヒトでは特に初乳に豊富です。
ラクトフェリンの主な作用は、免疫機能の向上です。
さらに、ウイルス等の感染防止・腸内環境を改善する効果も報告されています。
そのほかの効果には、ダイエット効果なども挙げられます。
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ラクトフェリンで痩せる理由は?
ラクトフェリンには、さまざまな健康効果が期待できます。
中でも注目されているのが、ダイエット効果です。
ラクトフェリンで痩せる理由は、内臓脂肪の蓄積を防ぐことが挙げられます。
内臓脂肪とは、腸管の周りに蓄積する脂肪を指します。
それでは、なぜラクトフェリンは、内臓脂肪の蓄積を防止するのでしょうか。
ラクトフェリンで痩せる理由・メカニズムについてご紹介します。
脂肪の合成を抑える
ラクトフェリンで痩せる理由は、脂肪の合成を抑制する作用があるためです。
ちなみに脂肪とは、体内に存在するグルコース・遊離脂肪酸などから作られます。
より簡単にいえば、体内で過剰に余った糖質などが脂肪の原料となります。
糖・脂質は通常、身体のエネルギーとして消費されます。
しかし糖・脂質がすべてエネルギーになるわけではありません。
エネルギーに変換されなかった糖・脂質は、脂肪に変換されたのち、身体に蓄積されます。
ラクトフェリンは糖・脂質が脂肪に変わるのを防ぐ作用があります。
つまり脂肪の身体への蓄積を防ぐわけです。
実際に、ラクトフェリンで痩せる理由・証拠を裏付ける実験も行われています。
ライオン株式会社の実験データを参照します。
ライオンの実験では、ラットの内臓脂肪にラクトフェリンを添加するグループと、添加しないグループの2つに分けています。
7日間の培養後、ラクトフェリンを添加したグループの内臓脂肪蓄積量は0.3となりました。
一方、ラクトフェリンを添加しなかったグループの内臓脂肪蓄積量は0.7以上でした。
ライオン株式会社の実験から、ラクトフェリンには内臓脂肪の蓄積を抑える効果があることが分かります。
出典:ライオン株式会社「ラクトフェリン研究室-効果検証2|健康美容ラボ|ライオン株式会社」
脂肪の分解を促進する
ラクトフェリンが痩せる理由の2つめとして、すでに蓄積した脂肪を分解する作用が挙げられます。
ラクトフェリンの脂肪分解メカニズムは主に
- cAMP濃度を上昇させる
- ペリリピンを減少させる
の2つだと言われています。
cAMPとは、脂肪を分解する仕組みをサポートしている成分です。
血中のcAMP濃度が高いほど、脂肪の分解が促進されます。
ペリリピンとは、脂肪の表面をガードしている成分です。
ペリリピンが多いほど脂肪は頑丈に保護されるため、分解されにくくなります。
一方、ラクトフェリンはペリリピンの量を減らすことで、脂肪のガードを手薄にします。
結果、脂肪がスムーズに分解されやすくなるというわけです。
分解された脂肪は、エネルギーとして消費されます。
つまりラクトフェリンで痩せる理由は、脂肪を分解・燃焼させる効果が高いからなのです。
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ラクトフェリンのその他の効果
ラクトフェリンには、ダイエット効果以外にもさまざまな効果を期待できます。
代表的な効果を以下に挙げます。
- 免疫機能の向上
- 腸内環境の改善
- 目などの粘膜を保護する
- がんの予防
- 骨粗しょう症の予防
特に知られているのは免疫機能の向上です。
ラクトフェリンには、免疫細胞である「NK細胞」「樹状細胞」を活性化させる作用があります。
いずれもウイルス・がん細胞などから身体を守る働きをします。
ラクトフェリンによって免疫細胞が活性化するほど、病気にかかりにくい体質に近づきます。
ラクトフェリンの摂取方法
ラクトフェリンは、年齢とともに減少します。
体内のラクトフェリンの量を一定に保つには、定期的に補給することが大切です。
ラクトフェリンを効率的に摂取する方法をご紹介します。
ラクトフェリンは母乳に多く含まれる
ラクトフェリンは母乳に豊富な成分です。
特に、出産後3~5日以内の母乳(初乳)に豊富です。
乳児を感染症から守るため、初乳にラクトフェリンが多く含まれていると考えられています。
ラクトフェリンは、腸内に善玉菌を増やします。
そのため、ウイルス・細菌感染を防ぐ作用があります。
乳児は母乳からラクトフェリンを摂取することで、腸内に善玉菌が増えます。
結果として、ウイルスなどの感染リスクが下がるというわけです。
市販の牛乳ではラクトフェリンは摂りづらい
ラクトフェリンはヒトだけでなく、哺乳類全般の乳に含まれます。
つまり、牛乳を飲むことでもラクトフェリンは摂取できます。
しかし、牛乳のラクトフェリンは、ヒトの乳に比べると含有量が少なめです。
さらにラクトフェリンには熱・衝撃に弱いという性質があります。
市販の牛乳の多くは過熱処理されているため、製造過程でほとんどのラクトフェリンは消失します。
具体的には、牛乳1リットルあたりのラクトフェリン含有量は100〜300mgといわれています。
なお、低温殺菌の牛乳には、1リットルあたり200mgのラクトフェリンが含まれています。
牛乳からラクトフェリンを摂取しようとする場合は、低温処理された製品を選ぶことが大切です。
ラクトフェリンを含む食材
ラクトフェリンが豊富な食品には以下があります。
- 低温殺菌牛乳
- 粉ミルク
また、ラクトフェリンは熱に弱い性質があります。
ラクトフェリンを摂取するには、牛乳は低温・非加熱処理などの製品を選びましょう。
サプリで効率的にラクトフェリンを摂取
成人は1日につき、ラクトフェリンを300mg程度摂取することが望ましいです。
しかし、低温殺菌の牛乳から必要分のラクトフェリンを摂取するには、1日1.5リットル飲む必要があります。
つまり、ラクトフェリンは食品から効率よく摂取することが難しい栄養素と言えます。
ラクトフェリンを効率よく摂取するには、サプリメントを活用するのも良い方法です。
サプリ選びの際には、「腸に届く」「腸溶性」「耐酸性」などの表示があるかをチェックしてください。
いずれも、サプリメントが腸で溶けることを示しています。
ラクトフェリンは、酸に弱いという性質があります。
そのまま摂取すると、胃酸で溶けてしまう可能性があります。
ラクトフェリンは、小腸で吸収されます。
そのため、小腸まで届かなければダイエット効果、健康増進効果を期待できません。
ラクトフェリンの効果を存分に引き出すには、腸で溶けるように設計されたサプリを選ぶ必要があります。
そのための目印となるのが、「腸に届く」「腸溶性」などのキャッチコピーです。
ラクトフェリンに副作用はある?
ラクトフェリンは、過剰摂取による副作用は報告されていません。
しかし、副作用の可能性はゼロではありません。
サプリメントなどを利用してラクトフェリンを摂取する方は、摂りすぎに注意してください。
出典:厚生労働省「ラクトフェリン」
出典:臨床ラクトフェリン研究会「臨床ラクトフェリン研究会 臨床関連 Q&A 3. ラクトフェリン服用時の注意点、服用方法」
ラクトフェリンのダイエット効果
ラクトフェリンのダイエット効果についての研究データをご紹介します。
あわせて、痩せる理由も解説します。
出典:「腸溶加工技術に着目したラクトフェリン含有機能性食品の開発」
ラクトフェリンによる内臓脂肪の低減
ラクトフェリンで痩せる理由は、内臓脂肪を減らす作用があるためです。
実際に肥満気味の男女に、ラクトフェリンを投与した実験があります。
この実験では、被験者の内臓脂肪の減少がみられました。
ラクトフェリンを8週間摂取した群は、内臓脂肪面積が平均で12.8平方cm減少しています。
一方、ラクトフェリンを摂取していない群は、内臓脂肪面積の変化はほとんどみられませんでした。
ラクトフェリンでお腹周りもすっきり
ラクトフェリンを継続して摂取し続けた群には、腹囲にも変化がみられました。
ラクトフェリンを摂取群の腹囲の平均は以下の通りです
ラクトフェリン摂取期間 | 腹囲 |
4週目 | −2cm |
8週目 | −4cm |
また、実験終了から4週間後の調査で、腹囲のリバウンドはほとんどみられませんでした。
対して、ラクトフェリンを非摂取群での腹囲の変化は、約8週目でも−1cmに留まりました。
実験終了4週間後の調査では、腹囲は+2cmと報告されました。
ラクトフェリンによって腹囲が痩せる理由として、内臓脂肪量の減少が推測されています。
ラクトフェリンで体重減少が認められた!
ラクトフェリン摂取による体重減少も確認されています。
ラクトフェリン摂取での体重変化の平均は、以下の表の通りです。
体重の変化(平均) | ||
ラクトフェリン摂取群 | 摂取8週目 | −1.5kg |
実験終了4週後 | −2kg | |
ラクトフェリン非摂取群 | 8週目 | +1kg |
実験終了4週後 | −0.5kg |
ラクトフェリン摂取群では、有意に体重が減少していることが分かります。
また、実験終了後もラクトフェリンの効果が持続することが考えられます。
ラクトフェリンで痩せる理由まとめ
ここまで、ラクトフェリンで痩せる理由についてお伝えしてきました。
ラクトフェリンで痩せる理由の要点を以下にまとめます。
- ラクトフェリンとは、乳に含まれるタンパク質
- ラクトフェリンで痩せる理由は、脂肪の合成・蓄積を抑制するほか、すでに蓄積した脂肪を分解すること
- ラクトフェリンは、非加熱処理の牛乳やサプリメントから摂取できる
ラクトフェリンで痩せる理由について最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これらの情報が少しでも皆様のお役にたてば幸いです。