ラクトフェリンとは、人の母乳や牛乳、唾液、鼻水、涙、血液などに含まれているタンパク質の一種です。
ラクトフェリンはどのような食品に多く含まれているのでしょうか?
ラクトフェリンには、どのような効果があるのでしょうか?
この記事では、ラクトフェリンについて解説しながら、ラクトフェリンを多く含む食品やラクトフェリンの効果と働きなどについてご紹介します。
- ラクトフェリンとは
- ラクトフェリンを多く含む食品とは
- ラクトフェリンの効果とは
ぜひ、最後までご覧いただき、ラクトフェリン食品を取り入れた健康づくりの参考にしてください。
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ラクトフェリンとは
ラクトフェリンとは、人の母乳や牛乳、唾液、鼻水、涙、血液などに含まれているタンパク質の一種です。
ラクトフェリンは、少し赤みがかった色をしています。
そのため、「赤いタンパク質」とも呼ばれています。
ラクトフェリンの語源は、ラクトは乳を意味し、フェリンは鉄を意味しています。
つまり、乳の中にある鉄を意味しています。
ラクトフェリンは、鉄と結合する性質を持っています。
ラクトフェリンは、1939年にデンマークの科学者によって牛乳から発見されました。
ラクトフェリンは、人の初乳100ml当たりに約600mgと最も多く含まれています。
また、人の産後数週間後の母乳100mlにはラクトフェリンが約200mg含まれます。
そのため、赤ちゃんの健康維持に必要な成分といわれています。
ラクトフェリンは殺菌する前の牛乳、つまり生乳にも含まれています。
しかし、生乳に含まれているラクトフェリンは、人の母乳の10分の1ほどといわれています。
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ラクトフェリンが豊富に含まれる食品
ラクトフェリンはどのような食品に多く含まれているのでしょうか?
ラクトフェリンが含まれている食品は、3つあります。
ラクトフェリンは65度以上、30分以上の加熱をしない乳製品に多く含まれているといわれています。
ラクトフェリンを多く含む食品について詳しく見てみましょう。
ナチュラルチーズ
ナチュラルチーズには、ラクトフェリンが100g中に約300mg含まれているといわれています。
プロセスチーズは、加熱処理をして製造されるため、ラクトフェリン含有量が少なくなっています。
牛乳
非加熱の牛乳、つまり生乳にラクトフェリンは多く含まれています。
生乳には、ラクトフェリンが100ml中に約20mg含まれているといわれています。
市販のラクトフェリン入りヨーグルト
ラクトフェリンが配合されたヨーグルトには、ラクトフェリンが1つの製品中に100mg含まれています。
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ラクトフェリンの効果と働き
ラクトフェリンにはどのような効果や働きがあるのでしょうか?
ラクトフェリンの効果と働きについて詳しく見てみましょう。
免疫を調節する作用
ラクトフェリンには、腸内に存在する細胞の活性を促し、細菌やウイルスなどを体外に排出する作用があります。
つまり、ラクトフェリンには、身体の免疫を調節する作用があります。
免疫調整作用によって、以下の効果を見込めます。
- 感染症や発がんの予防
- アレルギーの予防・改善
抗菌・抗ウイルス作用
ラクトフェリンには、抗菌活性作用があります。
この抗菌性は、
- グラム陰性細菌
- グラム陽性細菌
- 真菌
- ウイルス
- ピロリ菌
- 歯周病菌
など多くの微生物に有効といわれています。
抗菌性により、以下の効果が見込めます。
- 細菌・ウイルス感染の予防
ビフィズス菌を増殖・促進させる作用
ラクトフェリンは、大腸菌などの腸内に存在する悪玉菌の増殖を抑えます。
一方、人体にとって有用なビフィズス菌・乳酸菌などの菌に対しては増殖作用があります。
この作用による以下の効果があります。
- 腸内環境を改善
- 便通改善
鉄分の吸収を調節する効果
ラクトフェリンは鉄と結合し、鉄分を体内に吸収しやすくする作用があります。
そのため、貧血予防・改善効果があります。
抗酸化作用
ラクトフェリンには、がんや生活習慣病のもととなる活性酵素を除去する作用があり、以下のような効果があります。
- 生活習慣病の予防・改善
- アンチエイジング
内臓脂肪を低減させる効果
ラクトフェリンには、内臓脂肪の分解促進作用があります。
ラクトフェリンの妊活への効果
ラクトフェリンは、妊活におすすめと言われています。
ラクトフェリンは悪玉菌が鉄と結びつき、悪玉菌の増殖を防ぎます。
早産の原因である子宮内感染や低出生体重児の原因である母体の低栄養を防ぎます。
出産後も、授乳による赤ちゃんの免疫力向上や育児ストレスの軽減が期待できます。
より詳しい効果や働きについては、以下の記事を参照ください。
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ラクトフェリンの目安摂取量
ラクトフェリンの1日あたりの摂取量を定めたデータはありません。
ラクトフェリンの毒性がないとされている量は、食品安全委員会の資料によると2,000mg/kg体重/日と示されています。
ラクトフェリンは、体重50kgで1日100,000mgを摂取しても毒性はないといわれています。
ラクトフェリンが配合された食品の多くは、1個当たり100mg含まれています。
1日100mgから継続的に摂取することにより、効果がみられるといわれています。
出典:食品安全委員会「動物用医薬品評価書 ラクトフェリン」
ラクトフェリンを効率よく摂取するには
ラクトフェリンには、さまざまな効果や働きがあります。
ラクトフェリンは、健康を維持するためにも積極的に摂取したい成分の1つです。
しかし、ラクトフェリンが含まれている食品は、ナチュラルチーズや生乳などしかありません。
ラクトフェリンを効率よく摂取するには、ラクトフェリンが配合されたヨーグルトやサプリメントを摂取するのがおすすめです。
ラクトフェリンをサプリメントで摂る際には、必ず目安量を守りましょう。
ラクトフェリンによる副作用
ラクトフェリンに関する副作用は、現在のところ報告されていません。
しかし、ラクトフェリンは牛乳などから抽出されて作られています。
そのため、乳製品にアレルギーのある方は注意する必要があります。
また、ラクトフェリンをサプリメントから摂取する場合は、1日の用法用量をしっかり守りましょう。
ラクトフェリン単体で肝臓に悪影響を及ぼすことは報告されていません。
しかし、サプリ摂取の場合、ラクトフェリン以外の要素が影響を及ぼす可能性があります。
ラクトフェリンと肝臓の関係について、詳しくは以下を参照ください。
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ラクトフェリンはピロリ菌の除菌率を上げる
日本消化器学会のラクトフェリンに関するある研究を見てみましょう。
出典:日本消化器学会「H. pylori 除菌治療の最近の話題」
ヘリコバクター・ピロリ菌患者にラクトフェリンを服用させることで、
- ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌率を上げる
- ヘリコバクター・ピロリ菌療法に関連する副作用を軽減する
などの作用があることが明らかとなっています。
ラクトフェリンはヘリコバクター・ピロリ菌に対して、強い抗菌作用があることがわかっています。
ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃の中にすみつき、胃潰瘍や胃がんの要因となる細菌です。
国民全体で約半数、50歳以上では約7割が感染しているといわれている細菌になります。
これらのことから、ラクトフェリンは
- ヘリコバクター・ピロリ菌を減少させる
- 胃潰瘍・胃がんの予防としての効果がある
ことが明らかとなっています。
ラクトフェリンを毎日食品から継続して摂取することは現実的に難しいでしょう。
そのため、ラクトフェリンが配合されたヨーグルトなどの食品やサプリメントを上手く活用して、健康的な体づくりを目指しましょう。
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ラクトフェリンの食品のまとめ
ここまで、ラクトフェリンについてやラクトフェリンを多く含む食品、ラクトフェリンの効果と働きなどを中心にお伝えしてきました。
- ラクトフェリンとは、人の母乳や牛乳などに含まれているタンパク質の一種である
- ラクトフェリンを多く含む食品には、ナチュラルチーズ、生乳、ラクトフェリンが配合されたヨーグルトがある
- ラクトフェリンの効果には、免疫調整・抗菌・腸内環境改善・貧血予防・生活習慣病予防・脂肪の分解促進などがある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。