睡眠障害と頭痛には、一体どのような関係があるのでしょうか。
また、睡眠障害の症状はさまざまです。
症状や原因について詳しくご存じですか?
本記事では睡眠障害と頭痛の関係について以下の点を中心にご紹介します。
- 睡眠障害の種類
- 睡眠障害と頭痛の関係性
- 睡眠障害や頭痛にお悩みの方におすすめの診療科
- 睡眠障害の治療方法
- 睡眠障害や頭痛に関連しているその他の症状
睡眠障害や頭痛の関係について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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睡眠障害ってなに?
睡眠障害とは、睡眠に伴う障害のことです。
睡眠障害があると、日常に支障が出たり、心や身体の健康に影響が出たりします。
睡眠障害と聞くと「不眠」を思い浮かべる方も多いと思います。
しかし睡眠障害は、不眠だけではありません。
睡眠障害には、以下のようにさまざまな種類があります。
- 不眠
- 過眠
- ナルコプレシー
- 睡眠呼吸障害
順に解説していきます。
不眠
まずは、睡眠障害の代表的な種類である、不眠についてです。
不眠には、以下のようなパターンがあります。
不眠のパターン | 症状例 |
入眠困難 | ベッドに横になっても、なかなか寝付けない。 |
中途覚醒 | 睡眠中に何度も目が覚めてしまう。 |
早朝覚醒 | 起床したい時間よりも早く起きてしまう。 |
熟眠障害 | 眠っているはずなのに、睡眠が浅いため熟睡できていないように感じる。 |
また、不眠状態が継続すると、以下の症状もあらわれやすくなります。
- 集中力や注意力の低下
- 体調不良
- 眠気が日中にあらわれる
- 疲労感
不眠による症状が、日常生活に支障をきたす恐れもあるため注意しましょう。
入眠困難が起こる要因として挙げられるものは以下の通りです。
要因 | 具体的な理由 |
薬剤による副作用 | 降圧薬やパーキンソンの治療薬、副腎皮質ステロイドなど |
症状 | 慢性的な症状(腰痛やかゆみ等)や気管支喘息、前立腺肥大や膀胱炎など |
疾患 | 神経や脳血管の疾患(アルツハイマー型認知症やパーキンソン病等)や脳腫瘍、頭部の外傷など |
生活環境 | 騒音や部屋の明るさ、時差がある場所への往来、気温や枕の変化など |
生活習慣 | アルコールやニコチンの摂取、カフェインの摂取、運動不足など |
以下のような場合は、睡眠障害の不眠に含まれないため、混同しないようにしましょう。
- 精神的・身体的なストレスが原因の一時的な不眠状態
- 睡眠に適した時間に眠れなかったことが原因で眠れなくなった(断眠)
過眠
不眠と対をなすような印象の過眠も、睡眠障害の1つです。
過眠の特徴として以下が挙げられます。
- 睡眠時間を十分に確保しているのに日中に眠たくなる
- 日中に感じる眠気が過度であるため、日常生活に支障が出る
過眠には以下のパターンがあります。
- 特発性過眠症
- 反復性過眠症
- ナルコレプシー
それぞれの特徴は以下の表をご覧ください。
パターン | 発症しやすい年代 | 症状 | 特徴 |
特発性過眠症 | 10~20代 | 日中に眠気を感じる、日中に1時間以上の居眠りをする、居眠りから覚めても眠気がすっきりしないなど | 夜間の睡眠時間が10時間以上の場合もある、居眠りから覚めても眠気は継続する |
反復性過眠症 | 10代(初めて発症するのはほとんど10代とされている) | 過度な眠気を感じる時期(傾眠期)と全く症状が出ない時期をくり返す | 男性の方が発症しやすい、傾眠期が持続する期間は3日から3週間程度である |
ナルコレプシー | 10代で発症することが多い | 日中の過度な眠気と居眠りをくり返すなど | 1000~2000人で1人に見られる疾患だと言われる |
過眠は、脳内の覚醒維持機能で異常が起きた場合などに起こります。
次は、過眠の中でも1番発症率が高い、ナルコレプシーについて詳しく解説します。
ナルコプレシー
過眠の1つであるナルコレプシーは、10代で発症しやすいとされています。
ナルコレプシーを発症すると、以下の症状が現れます。
症状名 | 症状や特徴 | ナルコレプシーを発症して症状があらわれる人の割合 |
睡眠発作 | 前触れもなく急に眠くなるなど、自分で眠気をコントロールできない、居眠り直後にまた眠くなることもある、怖い夢を見て目が覚めることもある | 100% |
情動脱力発作 | 笑う・怒る・驚くなど感情が変化すると脱力してしまう | 70%未満 |
睡眠麻痺 | 寝つきの前後や目覚めたときに身体を動かしたくても動かせないことがある、時間が経過したり誰かに身体に触ってもらったりすると症状は治まる | 約25% |
幻覚 | 寝つきの前後や目覚めたときに幻覚が認められることがある、幻覚は鮮明に表れるため正夢よりも強烈な印象を受ける | 約33%(3分の1)に入眠時幻覚が認められる |
上記の症状があらわれると、集中力ややる気が低下します。
また、うつの症状があらわれる場合があります。
けがをしやすくなるなど、日常生活に支障をきたす恐れがあるため注意しましょう。
ナルコレプシーは寿命に影響がある疾患ではありませんが、完治しません。
しかし、治療をすることで症状を抑えることはできます。
ナルコプレシー発症後はうまく付き合っていく必要があります。
睡眠呼吸障害
睡眠障害には、睡眠呼吸障害が含まれます。
睡眠呼吸障害は、睡眠時無呼吸症候群などの呼吸に関連する疾患によって起こります。
睡眠時無呼吸症候群によって引き起こされる症状は、以下の通りです。
- 睡眠時に無呼吸になったり、呼吸が浅くなったりする
- 睡眠時にいびきがみられる
- 日中に眠気を感じる
- 意図していないが、居眠りをしてしまう
- 居眠りから目覚めても眠気がすっきりしない
- 息が詰まるなどがきっかけとなり夜間睡眠中に何度も目が覚める
- 頭痛
いびきによって気管が塞がれると、呼吸が浅くなったり無呼吸になったりします。
無呼吸などが起こると、血液の中の含まれる酸素の量が減少します。
そして、血中酸素量が減少すると、目が覚めやすくなり、睡眠呼吸障害が起こります。
睡眠呼吸障害が起こると、夜間に何度も目が覚めてしまうことも珍しくありません。
そのため、睡眠呼吸障害が起こると、睡眠による熟睡感を得ることが困難となります。
日本人の5人に1人が、何らかの睡眠問題を抱えているといわれています。60歳以上では、約3人に1人が睡眠障害を患っているというデータもあります。そのことから睡眠障害は、国民病ともいわれています。睡眠障害になると、どのような問題が生じる[…]
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睡眠障害と頭痛の関係性
睡眠障害と頭痛は、関係が深いといわれています。
しかし、どちらが原因でどちらが症状かははっきりと断言できません。
では、睡眠障害と頭痛にはどのような関係があるのでしょうか。
睡眠障害と関連している3つの頭痛について解説していきます。
- 睡眠関連頭痛
- 慢性連日性頭痛
- 朝方頭痛
睡眠関連頭痛
睡眠関連頭痛とは、睡眠中や寝起きなど睡眠に関連して起こる頭痛のことです。
頭痛には、2つの種類があります。
頭痛の種類 | どのような頭痛なのか |
一次性頭痛 | 病気が原因ではないが繰り返し出現する |
二次性頭痛 | 病気が原因で出現する |
一次性頭痛に含まれる代表的な頭痛は以下です。
- 片頭痛
- 群発頭痛
- 緊張型頭痛
それぞれの特徴を表にまとめました。
病名 | 痛みの出る時間帯やタイミング | 痛みの出る場所 | 痛みの程度 | 痛みの種類 | 頭痛の特徴 |
片頭痛 | ストレスを感じているとき、季節の変わり目や気圧の変化、空腹で血糖値が下がったとき、生理などでホルモンのバランスに変化が起こったとき等 | 頭の片側(こめかみから 側頭部) | 中等度から高度、日常生活に支障をきたす可能性がある | 拍動的な痛みを感じる(例:ズキズキズ) | 痛みが4~72時間あらわれる、片頭痛は遺伝することがある、片頭痛の予兆として「キラキラした光」などが見えることもある、女性の方に起こりやすい等 |
群発頭痛 | 日中や夜中から明け方、時間帯は人それぞれだが決まった時間に起こりやすい | 頭の片側(特に目の奥・目の上・こめかみ) | 人間が感じる痛みの中でも最悪と感じられるほど痛みが強い | ズーンという思い痛みや激しい痛みを感じる | 20代後半〜40代に起こることが多い頭痛、男性の方に起こりやすい、痛みは15~180分間継続して現れる等 |
緊張型頭痛 | 緊張状態の後やほっとしたときなどに起こりやすい | 主に後頭部、頭の両側や首筋にかけて痛みが出現することがある | 鈍い痛み、頭痛だけでなく吐き気を伴うこともある | 頭がギューッと締め付けられるように痛む | 痛みは30分~1時間程度継続する、1日中の痛みが数日続くこともある、日本人の5人中1人に出現している、女性のほうが起こりやすい、原因の1つにストレスがあげられる等 |
上記のように、頭痛の種類によって痛みの程度や継続時間・期間などが異なっています。
また、片頭痛と緊張型頭痛の両方の特徴が混在している「混合タイプ」もあります。
一方、二次性頭痛は、以下のような病気が原因となることがあります。
- 脳腫瘍
- くも膜下出血
- 精神疾患(例:心身症)
- ホメオスターシス障害
二次性頭痛には、命に関わる病気も含まれています。
特に以下のような症状が現れた場合は、すぐ医療機関を受診することをおすすめします。
- 突然今までに経験したことがないくらい頭が痛くなった
- 手足の痺れや痙攣、麻痺を伴う頭痛が出現した場合
- 高熱や激しい嘔吐を伴う頭痛が出現した場合
慢性連日性頭痛
頭痛と関係の深い慢性連日性頭痛について解説していきます。
慢性連日性頭痛とは、片頭痛や緊張型頭痛が慢性的に起こっている状態です。
薬の飲みすぎが原因となり「薬物乱用頭痛」が慢性的に起こっているケースもあります。
以下の3つに当てはまると、慢性化している状態であるといえます。
- 片頭痛や緊張型頭痛が4時間以上継続して起こる日がある
- 1の状態が1か月に15日以上ある
- 2の状態が3か月以上継続している
慢性連日性頭痛の症状は、時間帯や場所・痛みの程度など人によってさまざまです。
そして、あらわれる症状も複雑です。
そのため頭痛の原因や種類などの診断や治療が難しくなる可能性があります
症状を抑えるためにも慢性化する前に診断を受け、早めに治療するのがおすすめです。
朝方頭痛
朝方頭痛とは、名前の通り朝の寝起き時に起こる頭痛のことです。
朝方頭痛は、以下のような場合に起こります。
- 片頭痛
- 緊張型頭痛
- 睡眠時無呼吸症候群
- 脳腫瘍
特に脳腫瘍の場合は、以下のような特徴もあります。
- 頭痛で目が覚める
- 起床時に感じた痛みが時間の経過により改善された
- 手足の痺れや麻痺なども伴う
- 朝方頭痛だけでなく痙攣が認められる
考えられる頭痛の種類や原因はさまざまです。
しかし、中には脳腫瘍などの危険な要因も含まれているため注意しましょう。
気になる症状がある場合は、この機会に医療機関に相談してみてはいかがでしょうか。
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睡眠障害や頭痛は病院で治療しましょう
重大な病気(脳や神経系の疾患)が原因で、睡眠障害や頭痛が起こる場合があります。
睡眠障害や頭痛など気になる症状がある方は、受診することをお勧めします。
市販薬の安易な長期服用は危険!?
痛み止めや睡眠薬、睡眠改善薬などの市販薬を服用している方もいると思います。
しかし、市販薬を長期服用したり飲みすぎたりすると悪影響を及ぼす可能性があります。
具体的にどのような悪影響があるのかについては、以下の通りです。
症状の名前 | どのような悪影響があるのか |
薬物乱用頭痛 | 市販薬の片頭痛治療薬・鎮痛剤を服用すると頭痛がひどくなった |
消化器症状 | 腹痛、食欲不振、胃もたれ、胃に激しい痛みを感じる、消化性潰瘍(胃炎・胃潰瘍など)が起こる等 |
市販の痛み止めの副作用には消化器症状があります。
特に以下の方は自己判断で服用しないようにしてください。
- 胃や腸が弱い方
- 胃や腸に潰瘍がある方
痛み止めの中には、胃の粘膜を保護する成分が含まれているものもあります。
市販薬を服用する場合は、あわせて確認すると良いでしょう。
何科を受診する?
睡眠障害や頭痛でお悩みの方は、まずは内科を受診することをおすすめします。
睡眠と頭痛どちらの診察も受けることができます。
また、必要に応じて検査の実施や、他科や他院への紹介も行われます。
不眠や頭痛以外に気になる症状がある方は、専門の診療科を受診すると良いでしょう。
具体的な症状別におすすめの診療科を表にまとめました。
症状が不眠のみである場合は、一般の内科で相談してみてください。
症状 | おすすめの診療科 |
ストレス | 精神科 |
気分の落ち込み | |
精神的な症状が身体に現れている場合 | 心療内科 |
呼吸に関係している症状が認められる場合 | 耳鼻咽喉科 |
睡眠障害の治療方法
睡眠障害の治療の最終的な決定は、医師によって行われます。
最終決定を行う際に、医師は以下を考慮しています。
- 出現している症状の程度
- 症状が現れている方の基礎疾患の有無
睡眠障害の治療方法として以下の2種類が挙げられます。
- 薬物による治療
- 睡眠習慣の見直し
それぞれ解説していきます。
薬物による治療
薬物による治療では、名前の通り医薬品を用います。
睡眠障害の各種症状に応じて処方された薬を服用して、症状の改善を図る治療法です。
中には睡眠薬の副作用を心配して、処方されても服用をためらう方もいると思います。
しかし、医師が必要であると診断した場合に薬は処方されます。
そのため、指示に従って服用するようにしましょう。
また、薬物療法とあわせて睡眠習慣の見直しも行います。
睡眠習慣の見直し
睡眠習慣の見直しは、十分な睡眠を摂ることを目的としている治療法です。
薬物療法とは違い、睡眠習慣の見直しは薬を使用しません。
睡眠習慣の見直しでは以下のようなことを行います。
見直すポイント | どのように見直したらよいか | 見直しをするとどうなるか |
運動 | 定期的な運動を日中に行う | 深い睡眠を摂りやすくなる、寝つきが良くなる |
食生活 | 規則正しい食生活をする、胃もたれの原因となりやすい脂っぽい料理などを寝る前に食べないようにする | 空腹や胃もたれによる睡眠不足を防げる |
寝る前の水分量 | 寝る前に水分を摂りすぎないように気をつける(脳梗塞など血液循環に問題のある場合には、医師の指示に従いながら見直しを行う) | 夜間のトイレ回数や目覚める回数を抑えることができる |
寝る前の喫煙 | 寝る前の喫煙を控える(ニコチンの摂取を控える) | 煙草に含まれるニコチンの神経刺激作用が起こらなくなり、睡眠が妨害されなくなる |
寝る前の飲酒 | 寝る前にお酒を飲むと寝付きは良くなる、しかし睡眠が浅くなり、夜間に目覚めやすくなったりするため寝る前の飲酒は控える | 飲酒時よりも飲酒していないときの方が、睡眠が深くなったり夜間に目覚めにくくなったりする |
カフェイン | 就寝から4時間以内にカフェインが含まれている飲み物や食べ物などを摂取しない | 寝付きの悪さが改善される、カフェインによって睡眠の質が低下することを防げる |
睡眠を摂る環境 | 周辺環境の見直しを行う、音で目覚めないために絨毯(じゅうたん)等を敷く、明るさへの対策で遮光カーテンを使用する、快適な室温を維持する、布団やベッドは眠るためだけに使用し「眠る場所」であることを意識づける | 周辺環境の見直しを行うと夜間に目覚める回数を軽減できる |
睡眠時間 | 日中に眠気が残っていないかという点を基準にしながら睡眠時間を見直す | 睡眠不足によって引きおこる日中の眠気を改善できる可能性がある |
横になってからの考え事 | 寝る場所である布団などで横になってから考え事をすると、なかなか寝付けなくなかったり睡眠が浅くなったりするので、横になってからは考えこまないようにする | 横になってからの考え事をしないようにするとすことで、寝付きの悪さや睡眠の浅さを改善できる可能性がある |
起床について | 毎朝同じ時間に起きるなど生活の中にリズムを作る、起床後に太陽の光を浴びる | 体内時間がリセットされる、リセットされた14時間後に睡眠を促進する「メラトニン」というホルモンが分泌されるようになる |
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睡眠障害や頭痛に関連するその他の症状
睡眠障害や頭痛に関連して出現するその他の症状があります。
症状を感じていても、睡眠障害や頭痛と関連しているとは思わない方も多いと思います。
一体どのような症状が睡眠障害や頭痛と関連してあらわれるのでしょうか?
睡眠障害や頭痛に関連している症状として以下が挙げられます。
- うつ
- めまい
- 肩こり
- 吐き気
- むずむず脚症候群
それぞれ解説していきます。
うつ
不眠を伴う疾患である「うつ病」が関連している可能性があります。
ちなみに、以下の症状が現れる場合は、うつ病を発症している可能性があります。
- 不眠
- 抑うつ状態
- 意欲の低下
- 興味の低下
- 食欲の減退
うつ病によって睡眠障害や頭痛が引き起こされることがあります。
症状 | どんな症状であるか |
入眠困難 | 寝付きが悪くなる |
中途覚醒 | 睡眠中に何度も目が覚めてしまう |
早朝覚醒 | 朝早くに目が覚める |
日中変動 | 朝は無気力だが夕方にかけて元気が出てくる |
以下のようなことも起こりやすくなるので注意しましょう。
- 昼夜逆転が起こる
- 昼間の眠気
- 頭痛
- 寝起きの疲労感
気になる症状がある方はぜひ早めに受診することをおすすめします。
めまい
めまいは頭痛と同様で、ストレスや生活習慣によって引き起こされます。
めまいには以下の2種類があります。
種類 | めまいの症状 | 原因 |
回転性めまい | 自分の周りが回転しているような錯覚を覚える(嘔気や嘔吐、眼振などを伴うこともある) | 前庭器官の障害(左右差が生じることで起こる) |
非回転性めまい | 明確に表現できないがめまい感やふらつきを覚える(目の前が暗くなったり意識が消失したりすることもある) | 耳石器や小脳の障害(何もしていなくても起こることがある・激しい運動後や転倒後などに起こることもある) |
めまいが以下の疾患に関係している可能性もあります。
- メニエール病
- 中耳炎が内耳まで及ぶことで起こる迷路炎
- 突発性難聴
- 脳血管障害
- 脳腫瘍
- てんかん
特に、脳血管障害や脳腫瘍によるめまいは、命に関わることもあるため注意が必要です。
心当たりがある方は症状を放置せずに、早めに医療機関へ相談するようにしてください。
肩こり
肩こりは、筋肉の緊張や血流の停滞によって起こります。
肩だけでなく、肩以外の部分が緊張していたり、血流が滞っていることもあります。
そのため、肩こりとともに緊張型頭痛などが出現することがあります。
吐き気
睡眠障害が起こると、吐き気があらわれることもあります。
吐き気には以下の2種類があります。
種類 | 原因 |
消化器管から起こる吐き気 | 寝不足による自律神経の乱れにより交感神経が優位になったため。胃潰瘍・胃がん・急性胃炎・十二指腸潰瘍・腸閉塞・虫垂炎などの疾患の疑いなど |
消化器官以外から起こる吐き気 | 脳出血・心筋梗塞・脳腫瘍・くも膜下出血・食中毒・パニック障害などの精神疾患・心因性嘔吐などの疑い、服用中の薬の副作用など |
吐き気が起こる原因はさまざまですが、命に関わる疾患が隠れている場合もあります。
特に以下の場合には、命に関わる恐れがあるため、早めの受診をおすすめします。
- これまでに経験したことがない激しい吐き気や頭痛などがあった場合
- 吐き気などの症状に高熱を伴っている場合
- ろれつが回らない場合
むずむず脚症候群
むずむず脚症候群とは、以下のような症状があらわれる疾患のことです。
- ベッドなどに横になって安静にしているときに足が「むずむず」する
- 足を動かすとむずがゆい症状が軽減する
足を動かさなくなるとむずがゆくなるため、入眠を妨げる疾患であるといえます。
むずむず脚症候群が起こる原因として考えられるものは、以下の通りです。
- 鉄欠乏性貧血になっている
- 遺伝によるもの
- 抗精神病薬の副作用(ドーパミンの機能低下)
さらに、上記の原因は以下のような場合に起こりやすくなります。
- 慢性腎不全の方
- 胃の切除手術を受けた方
- 妊婦の方
- 透析している方
- パーキンソン病の方
- 末梢神経炎の方
また、むずむず脚症候群の方が、周期性四肢運動障害を合併することもあります。
周期性四肢運動障害を発症すると、睡眠中に不随意運動が繰り返し起こります。
睡眠中に症状が現れるため、不眠や過眠などの睡眠障害が起こりやすくなります。
睡眠障害を抱える人への支援
睡眠障害は、自分の意思だけでコントロールすることが困難な疾患です。
そのため、症状によって生活に支障が出ているという方も多いでしょう。
睡眠障害を抱える人が利用できる支援制度が用意されています。
一体どのような人がどのような支援を利用できるでしょうか。
以下の2点について解説していきます。
- 障害者手帳
- 傷病手当金
障害者手帳の取得
障害者手帳には3つの種類があります。
手帳の種類 | 取得対象者 |
身体障害者手帳 | 身体に一定以上の障害がある方 |
精神障害者保健福祉手帳 | 精神に一定以上の障害がある方 |
療育手帳 | 児童相談所や知的障害者更生相談の職員が「必要である」と認定した方 |
重度のうつ症状などが出現している睡眠障害の方は以下を取得できる可能性があります。
- 精神障害者保健福祉手帳
- 自立支援医療(精神通院医療)
さらに、上記を取得すると以下のようなメリットを得られます。
- 税金の軽減・免除が受けられる
- 公共交通機関を利用する際に発生する料金の割引が受けられる
- 障害者雇用枠の求人に応募できるようになる
自分が該当するのか分からない方や取得を希望する方は、お住いの市町村にある担当窓口にて相談してみてください。
出典:厚生労働省【障害者手帳について|厚生労働省】
傷病手当金の受給
病気で休業等をしている方を対象とした傷病手当金制度があります。
傷病手当金は、全国健康保険協会に加入していて以下の条件を満たすと受け取れます。
- 病気やけがなどが理由で働けない状態である
- 上記の理由で4日以上休んでいる
傷病手当金を受け取るには申請が必要です。
申請書には、自分と勤務先の担当者、そして担当医が記入します。
そして、勤務先から全国健康保険協会へ申請書が提出され、受理されると支給されます。
通算1年6か月までの期間を対象として、傷病手当金が支給されます。
最初の3日間は傷病手当金の支給期間に含まれないので注意しましょう。
傷病手当金の支給額目安は、過去1年間の平均標準報酬月×3分の2程度です。
傷病手当は、治療のためや治療に専念するために休業したい方を支援する制度です。
特に労働環境により睡眠障害が起こっている方は、傷病手当金を利用してみてください。
子供の頭痛も睡眠障害に関係している?
子供の頭痛が睡眠障害に関連していることもあります。
なぜなら、PC・スマホを使用している子供が増加しているからです。
夜間にPCやスマホの光を浴びると、以下の理由で睡眠不足になりやすくなります。
- 睡眠サイクルに不具合が生じる
- 睡眠を促すメラトニンの分泌が抑制されるようになる
睡眠不足から片頭痛が起こる子供もいるため注意しましょう。
また、スマホ等を長時間同じ体制で使い続けると、首や肩などの血流が滞ります。
そして、肩こりや緊張型頭痛が起こることもあります。
その他にも、以下のようなことが原因で頭痛や睡眠障害が起こる場合があります。
- ストレス
- 強い光
- 親からの遺伝
- 気圧の変化
子供に頭痛や睡眠障害の症状がある場合は、睡眠環境や生活リズム等を見直しましょう。
なかなか改善しない場合には、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。
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勤務間インターバル制度とは?
労働者を対象とする「勤務間インターバル制度」も注目されています。
勤務間インターバル制度とは、退勤から次の出勤までに一定の時間を空ける制度です。
次の勤務までに時間をあけることで、急速に必要な良質な睡眠を確保しやすくなります。
勤務間インターバル制度は、厚生労働省が推奨している制度です。
勤務間インターバル制度を普及・促進するための有識者検討会や広報事業なども積極的に実施されています。
勤務間インターバル制度の導入や導入予定、検討中の会社の推移を以下にまとめました。
平成29年 | 平成30年 | 平成31年 | 令和2年 | |
導入している | 1.4% | 1.8% | 3.7% | 4.2% |
導入予定もしくは検討中 | 5.1% | 9.1% | 15.3% | 15.9% |
出典:産業保健【睡眠障害の基礎知識】
平成29年に導入している会社等の割合は1.4%でした。
しかし、令和2年には約3倍に増加しています。
また、導入予定もしくは検討中の割合も約3倍に増加しています。
今後も勤務間インターバルを導入する会社等が増えていくと考えられます。
また、勤務間インターバル制度が以下を増進しているという研究やデータもあります。
健康増進効果 | 安全性を高める効果 |
勤務間インターバル制度を導入していない方が高血圧になる確率は、導入している方の約2倍である | 勤務間インターバル制度を導入していない方や導入回数が少ない方に2年後の労働災害の起こる確率を調べた結果、患者・他者への危害や機器類の破損が起こる割合が高いことがわかった。勤務間インターバル制度を導入する回数が増えていくごとに、患者・他者への危害だけでなく自分自身への危害も起こりにくくなる。 |
勤務間インターバル制度を導入することが、循環器系の負担軽減につながっている。 | 勤務間インターバル制度を導入すると、疲労回復が促進されるため、業務をより安全に行えるようになった。 |
出典:産業保健【睡眠障害の基礎知識】
労働する時間だけでなく労働していない時間の大切さにも目を向けることが重要です。
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睡眠障害と頭痛の関係についてのまとめ
ここまで、睡眠障害と頭痛の関係についての情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- 睡眠障害には不眠、過眠、ナルコレプシー、睡眠呼吸障害などの種類がある
- 睡眠障害と頭痛は深い関係がある
- 睡眠障害や頭痛は内科や症状に合わせた科を受診する
- 睡眠障害の治療には薬物療法と睡眠習慣を見直す方法の2種類がある
- 睡眠障害や頭痛に関連するその他の症状には、うつ、めまい、肩こりなどがある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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