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アスパラギン酸の4つの効果|含まれる食品と摂取量・副作用を説明

アスパラギン酸は、エネルギーの代謝に関係する非必須アミノ酸の一種です。

アスパラギン酸は、どのような食品に含まれているのでしょうか?
アスパラギン酸には、どのような効果があるのでしょうか?

この記事では、アスパラギン酸について以下の点を中心にご紹介します。

  • アスパラギン酸とは
  • アスパラギン酸の効果とは
  • アスパラギン酸が含まれる食品とは

ぜひ、最後までご覧いただき、アスパラギン酸の過不足にならない健康づくりの参考にしてください。

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アスパラギン酸の基本情報

アスパラギン酸とは、どのような栄養素なのでしょうか?
アスパラギン酸について詳しく見てみましょう。

アスパラギン酸とは

アスパラギン酸は、タンパク質を構成する非必須アミノ酸の一種です。
非必須アミノ酸は、食品から摂取する以外にも体内で合成されます。

アスパラギン酸は、アスパラガスから発見された非必須アミノ酸になります。

アスパラギン酸は、大脳皮質・小脳・脊髄などに存在し、中枢神経で働く神経伝達物質です。
アスパラギン酸は、エネルギー源として最も利用されやすいアミノ酸の1つといわれています。

アスパラギン酸は、グルタミン酸と同様にうま味成分の1つとなっています。
アスパラギン酸は、水に溶けやすい性質を持っています。

アスパラギン酸は、経口・経腸栄養剤やアミノ酸輸液などにも利用されています。
ヨーロッパでは、アスパラガスの根の部分が利尿薬として利用されています。

また、アスパラギン酸は甘味料アスパルテームの材料です。
アスパルテームは、フェニルアラニンとアスパラギン酸によるもので砂糖の200倍の甘味があります。

しかし、砂糖よりもカロリーが少ないため、飴やチューインガム、清涼飲料水などに使用されています。

アスパラギン酸の種類

アスパラギン酸は、L型とD型の2種類あります。

体に必要なタンパク質を構成するアミノ酸は、すべてL型であると考えられてきました。
しかし、近年の研究により、紫外線などの影響でL型からD型に変化していることがわかっています。

アスパラギン酸のD型は、老化の要因にもなることが明らかになっています。
また、アスパラギン酸のD型の増加は、白内障やアルツハイマー病の要因にもなる可能性があるといわれています。

アスパラギン酸のL型とD型では、味が異なることも明らかとなっています。
アスパラギン酸のL型は苦味があるのに対し、D型では甘味があるものが多いといわれています。

そのため、アスパラギン酸はうまみ成分の1つとして、多くの食材に含まれています。

アスパラギン酸の働き

アスパラギン酸の働きは、

  • 体内でのエネルギーの生成を促進する
  • アンモニアを体外へ排出する
  • 脳の神経シグナルを伝達する
  • カリウムやマグネシウムなどのミネラルを細胞内へ運搬する
  • 疲労物質である乳酸をエネルギーに変換し、疲労を回復する

などがあります。

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アスパラギン酸の4つの効果

アスパラギン酸には、どのような効果があるのでしょうか?
アスパラギン酸の4つの効果について詳しく見てみましょう。

疲労回復

アスパラギン酸は、クエン酸回路に働きかけ、乳酸の分解を促進する作用があります。
クエン酸回路は、炭水化物を代謝し、エネルギーを作り出す重要な機能を担っています。

クエン酸回路がうまく機能しなくなると、乳酸が蓄積し、

  • 疲労が溜まりやすくなる
  • 体が冷えやすくなる
  • 頭痛

などの症状を引き起こしやすくなります。

クエン酸回路を効率的に機能させるためには、カリウムやマグネシウムなどのミネラルが必要です。

アスパラギン酸は、カリウムやマグネシウムなどのミネラルを細胞内に取り込みやすくします。
また、乳酸をエネルギーに変換し、疲労を回復させる効果があります。

さらにアスパラギン酸は、筋肉や肝臓に蓄積しているグリコーゲンの生成を促進します。
グリコーゲンは必要時エネルギーに変換されます。

アスパラギン酸は、エネルギー源となるグリコーゲンの生成を促進するため、スタミナの向上効果も期待されています。

体液バランスの調整

アスパラギン酸は、体液バランスを調整する効果があります。

体の約50〜70%は、水分で構成されています。
水分の約3分の2が細胞内液、約3分の1が細胞外液として常に体液バランスの調整が行われています。

体液バランスは、ストレスや風邪などの感染症などによってビタミンやミネラルが消費されると変化します。
体液バランスの変化は、体調不良を引き起こします。

アスパラギン酸は、カリウムやマグネシウムなどのミネラルを細胞内に運搬する働きを担っています。
これにより、体液バランスを調整しています。

アンモニアの解毒

アスパラギン酸は、アンモニアを体外に排出する作用があります。

体内にアンモニアが蓄積すると、神経伝達物質の働きが妨げられ、肝性脳症などを引き起こしてしまう場合があります。

また、アンモニアは細胞内のエネルギーを作り出す役割を担うミトコンドリアの働きを低下させてしまいます。

アスパラギン酸は、アンモニアを体外に排出する働きがあるため、肝臓への負担を和らげる効果があります。

美肌効果

アスパラギン酸は、皮膚の新陳代謝を促進させる作用があります。
そのため、アスパラギン酸は、

  • 保湿効果
  • シミ・そばかすを予防する効果
  • コラーゲン産生を促進する効果
  • 酸化を防止する効果

などの美肌効果があるといわれています。

アスパラギン酸は、保湿剤や肌荒れ防止剤、皮膚コンディショニング剤などにも使用されています。

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アスパラギン酸が多く含まれる食品

アスパラギン酸は、どのような食品に多く含まれているのでしょうか?
アスパラギン酸が含まれている食品について詳しく見てみましょう。

アスパラガス

アスパラギン酸は、アスパラガスから発見された非必須アミノ酸になります。

アスパラギン酸はアスパラガスに含まれていますが、他の食品と比較するとそれほど含有量が多いわけではありません。
アスパラガスには、アスパラギン酸が100gあたり430mg含まれています。

ソラマメ

アスパラギン酸は、ソラマメに多く含まれています。
ソラマメには、アスパラギン酸が100gあたり1,100mg含まれています。

きんとき

アスパラギン酸は、きんときに多く含まれています。
きんときには、アスパラギン酸が100gあたり240mg含まれています。

グリーンピース

アスパラギン酸は、グリンピースに多く含まれています。
グリンピースには、アスパラギン酸が100gあたり750mg含まれています。

サヤエンドウ

アスパラギン酸は、サヤエンドウに多く含まれています。
サヤエンドウには、アスパラギン酸が100gあたり490mg含まれています。

ニラ

アスパラギン酸は、ニラに多く含まれています。
ニラには、アスパラギン酸が100gあたり240mg含まれています。

みつば

アスパラギン酸は、みつばに多く含まれています。
みつばには、アスパラギン酸が100gあたり530mg含まれています。

鶏肉

アスパラギン酸は、鶏肉に多く含まれています。
鶏肉には、アスパラギン酸が100gあたり3,700mg含まれています。

まぐろ

アスパラギン酸は、まぐろに多く含まれています。
まぐろには、アスパラギン酸が100gあたり2,700mg含まれています。

アスパラギン酸は、大豆製品・鶏卵・牛乳・魚類・肉類などに多く含まれています。
出典:文部科学省「食品成分データベース」

アスパラギン酸の目安摂取量

アスパラギン酸は、1日にどのくらい摂取すると良いのでしょうか?

アスパラギン酸の1日あたりの摂取量は、明確に定められていません。

アスパラギン酸をサプリメントから摂取する場合の1日の摂取目安量は、カプセルタイプで1日2〜4粒、パウダータイプで1日3gのものが多いようです。

アスパラギン酸は非必須アミノ酸の一種になります。
タンパク質は、非必須アミノ酸が構成要素として使われています。

そこで、タンパク質の1日の摂取量を目安にしてみましょう。

タンパク質の1日あたりの摂取推奨量は、男性で60〜65g、女性で50gとなっています。
タンパク質を摂取することで、タンパク質に含まれているアスパラギン酸も摂取できます。

タンパク質は、鶏ささみやむね肉・チーズ類などの乳製品・鶏卵・大豆製品などに豊富に含まれています。

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アスパラギン酸の効率を上げる摂取方法

アスパラギン酸は、水や熱に弱い性質があります。
食品から摂取する際には、加熱しすぎない調理方法にしましょう。

アスパラギン酸は、エネルギーを生成するために必要なミネラルを細胞内へ運搬する働きがあります。
そのため、カリウムやマグネシウムなどのミネラルを多く含む食品と一緒に摂取すると良いでしょう。

アスパラギン酸は、乳酸をエネルギーに変換し、疲労を回復させる効果があります。
アスパラギン酸が含まれている栄養剤やスポーツドリンクなどから摂取することもできます。

毎日栄養バランスのとれた食生活が難しいという方は、アスパラギン酸が含まれたサプリメントの活用をおすすめします。

薬の使い方

アスパラギン酸が過剰・不足するとどうなる?

アスパラギン酸が過不足した際には、どのような症状が見られるのでしょうか?
過剰摂取した場合と不足している場合の症状について詳しく見てみましょう。

過剰摂取した場合

アスパラギン酸は非必須アミノ酸であるため、食品で摂取する以外に体内でも合成されます。

アスパラギン酸は、通常の食生活では過剰摂取になる可能性はほとんどないといわれています。

しかし、アスパラギン酸を含むサプリメントなどからの摂取では、過剰摂取になってしまう場合もあります。
アスパラギン酸の過剰摂取では、下痢を引き起こす場合があります。

不足している場合

アスパラギン酸は非必須アミノ酸であるため、体内で合成されます。
そのため、アスパラギン酸が体内で不足することはほとんどないといわれています。

しかし、不規則な食生活や食事制限などに伴い、アスパラギン酸が不足する可能性もあります。

アスパラギン酸が不足すると、

  • 疲労しやすくなる
  • 血中アンモニア濃度が高まることによる肝性脳症

などの症状が見られる場合があります。

体内でアスパラギン酸が生成される過程

アスパラギン酸は、タンパク質を構成する非必須アミノ酸の一種になります。
非必須アミノ酸は、食品から摂取する以外にも体内で合成されます。

アスパラギン酸は、体内ではアスパラギンからアスパラギナーゼの作用により生成されます。
また、オキサロ酢酸に、グルタミン酸のアミノ基を転移することにより生合成されます。

このようにアスパラギン酸は不規則な食生活や食事制限など特別な要因がない限り、体内でも合成されます。
そのため、過不足になることが少ない栄養素であるといえます。

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アスパラギンと乳がん細胞の成長に関係がある?


2018年『ネイチャー』誌に掲載されたイギリスの研究によると、
アスパラギンの吸収を阻害したマウスのがん細胞の成長が抑えられた、と報告しています。
実験では、進行の早いがんにかかったマウスを用意し、一方にアスパラギンを阻害する薬を投与しました。
研究では、乳がんの細胞が特定の食べ物を好んでおり、それに反応して活発化する可能性が示唆されています。

しかし、アスパラガスなどのアスパラギン酸を含む食べ物を避けなければならないというわけではない、としてバランスの良い食事を推奨しています。
将来的には、アスパラギン酸を含まない、栄養バランスの取れた飲み物を治療として飲むことなどが考えられています。

出典:BBC News Japan「がん進行・転移に食品が影響か=英研究

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アスパラギン酸のまとめ

ここまで、アスパラギン酸についてや、アスパラギン酸の効果、アスパラギン酸が含まれる食品などを中心にお伝えしてきました。
アスパラギン酸について、要点は以下の通りです。

  • アスパラギン酸とは、エネルギーの代謝に関係する非必須アミノ酸の一種である
  • アスパラギン酸の効果には、疲労回復・体液バランスの調整・アンモニアの解毒・美肌効果がある
  • アスパラギン酸が含まれる食品は、大豆製品・鶏卵・牛乳・魚類・肉類などである

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
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  • 障がい者雇用

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