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健達ねっと>健康お役立ち記事>脳梗塞>脳梗塞の4つの前兆症状|疑いのある症状とチェックリストを説明

脳梗塞の4つの前兆症状|疑いのある症状とチェックリストを説明

脳梗塞はよく知られた疾患ですが、いざ症状があらわれたときに、受診をためらう方は少なくありません。
脳梗塞は発症から治療開始までが短いほど、予後が良くなります。

そもそも、脳梗塞にはどのような症状があるのでしょうか?
適切な治療を受けるためには、どのような症状が出たときに医療機関を受診すべきでしょうか?

本記事では、脳梗塞の症状について、以下の点を中心にご紹介します。

  • 脳梗塞の前触れの症状
  • すぐに医療機関を受診すべき症状
  • 脳梗塞の症状のチェックリスト
  • 脳梗塞を予防するには

脳梗塞の症状について理解するためにも、ご参考にしていただけますと幸いです。

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脳梗塞とは

脳梗塞は、脳の血管が詰まり、その先の脳細胞に血液が届かなくなった状態です。
血液が止まった先の脳細胞は壊死します。

脳の血管が詰まる原因は、動脈硬化などによって血管が細くなることです。
あるいは、血栓という血の塊が血管を詰まらせることもあります。

脳梗塞には臨床病型で分けると、以下の3つのタイプがあります。

ラクナ梗塞細い血管が詰まるタイプ
アテローム血栓性脳梗塞太い血管が詰まるタイプ
心原性脳塞栓症心臓でできた血栓が脳血管を詰まらせるタイプ

また、発症機序によって分けると以下の3つのタイプがあります。

名前タイプ特徴
血栓性血管に血栓が生じ、血管が段々狭くなり閉塞する
  • 神経症状が時々出る
  • 症状が急に生じる
塞栓性大動脈や心臓で生じた血栓が脳等の血管を閉塞する
  • 症状が急に生じる
血行力学性何かのショックによって脳付近の血流が低下して脳血管が閉塞する
  • 脳に閉塞が無くとも発生する
  • 一過性脳虚血発作をよく繰り返す

脳梗塞によって脳細胞が壊死すると、身体にはさまざまな症状があらわれます。
症状を放置するほど、命を落とす危険性が高まります。

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脳梗塞の4つの前兆症状

脳梗塞では、多くの場合、前兆のような症状があらわれます。
脳梗塞の主な前兆症状を4タイプに分けて紹介します。

なお、脳梗塞の前兆症状は突然あらわれるのが特徴です。
前兆症状は、身体の片側にのみあらわれることがほとんどです。

運動障害

身体が急に動かしづらくなります。
具体的には以下のような症状があります。

  • 左右どちらかの手足だけが動かしづらい
  • 顔の片側だけが歪んでいる
  • 箸が持てない
  • 歩行中に身体がどちらかに傾く

運動障害は、身体の片側にのみあらわれることがほとんどです。
全身に症状があらわれている場合は、脳梗塞以外の原因が考えられます。

言語障害

言語障害があらわれると、会話が成立しにくくなります。
具体的な症状は以下の通りです。

  • ろれつが回らない
  • 言葉がうまく出てこない
  • 他人の言葉の意味が理解できない

感覚障害

手足などに異常な感覚があらわれます。
たとえば以下のような症状が代表的です。

  • 片側の手足のしびれ
  • 片側の手足の感覚がなくなる

感覚障害は運動障害と同様に、半身にのみあらわれることが多いです。

視覚障害

脳梗塞では視覚にも異常があらわれます。
運動障害や感覚障害と同じく、症状は片目にのみ起こることが多いです。

  • 片目が見えない
  • 二重映しにみえる
  • 視野が欠けている

【緊急度別】脳梗塞の疑いがある症状

脳梗塞が疑われる症状を緊急度別にご紹介します。
医療機関の受診の目安にしてください。

すぐに受診をした方が良い症状

以下のような症状がある場合は、すでに脳梗塞が発症・進行している可能性が高いです。

  • 片側の手足が上がらない
  • 片側の手足のしびれ・感覚消失
  • 顔の片側が歪んでいる
  • 片側の口の端からよだれが出る
  • ろれつが回らない

上記のような症状がある場合は、ためらわず、速やかに医療機関を受診してください。

強く疑われる症状

今後、脳梗塞を発症する可能性が高い症状には以下があります。

  • なにもない所でつまずきやすい
  • 話し方がぎこちない
  • ろれつが回らない
  • 一瞬目が見えなくなる・視野が欠ける
  • めまい・ふらつき

上記の症状は、一過性脳虚血発作の症状としてあらわれることが多いです。
一過性虚血脳発作とは、脳の血流が一時的にストップする状態です。

脳が一瞬だけ血液・酸素不足に陥るため、脳梗塞に似た症状があらわれます。
しかし血流がすぐに再開するため、その場で大事に至ることはほとんどありません。

一過性虚血脳発作の症状は、数分~数十分で消失することがほとんどです。
長い場合でも、1時間~24時間以内に収まります。

一過性虚血脳発作では症状が消えるため、そのまま放置する方も少なくありません。
しかし一過性虚血脳発作は、高い確率で脳梗塞に移行します。

もし、視野狭窄やろれつが回らないなどの症状が短時間で現出・消失した場合は、今後、脳梗塞を発症するリスクが非常に高いです。
すぐに医療機関を受診してください。

脳梗塞の症状のチェックリスト

脳梗塞の症状のチェックリストとして、「FAST」が活用されています。
FASTとは、以下の4つの項目の頭文字をとったものです。

  • F:Face
  • A:Arm
  • S:Speech
  • T:Time

それぞれの内容をみていきましょう。

顔の麻痺チェック

「Face」にあたる項目です。
笑顔をつくったときに、顔面に異常が無いかをチェックします。
具体的には、以下のような症状がある場合に脳梗塞が疑われます。

  • 笑顔になったときに、片側の口角だけが下がっている
  • 片側からよだれが出ている

腕の麻痺チェック

「Arm」の項目です。
腕の動きの異常をチェックします。

  • 両腕を胸の高さまであげたとき、片側の腕だけ自然に下がる
  • 手に力が入らず、箸・茶碗などが持てない

上記の症状がある場合は、脳梗塞の可能性が高いです。

言葉の障害チェック

「Speech」の項目です。
言葉に以下のような異常がないかをチェックします。

  • ろれつが回らない
  • 話し方がぎこちない
  • 言葉・名前がうまく出てこない
  • 言葉の意味を理解できない

発症した時刻

「Time」の項目です。
Timeでは、症状に気づいた時間を確認します。

「Face」「Arm」「Speech」のうち、どれか1つでもあてはまった場合は、脳梗塞が強く疑われます。

脳梗塞の治療は時間との戦いです。
具体的には、発症から4.5時間以内の治療が望まれます。

適切な治療を行うためには、発症の時刻を確認しておくことが大切です。
脳梗塞を疑う症状があらわれた場合は、その時点で時間を確認し、すぐに救急車を呼んでください。

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脳梗塞のリスクを上げる原因

脳梗塞は、生活習慣などを原因とするケースも多いです。
脳梗塞の主な原因をご紹介します。

生活習慣病

生活習慣病の方は、生活習慣病でない方に比べると、脳梗塞のリスクが高めです。
脳梗塞を誘発しやすい生活習慣病には、以下があります。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症(高脂血症)
  • 高尿酸血症

上記の生活習慣病は、動脈硬化に発展することが少なくありません。
動脈硬化とは、血管が硬くなる状態です。

動脈硬化になると、血管内部が狭くなったり、血栓ができやすくなったりします。
脳の血流が滞りやすくなるため、脳梗塞に発展しやすいのです。

出典:厚生労働省「脳血管障害・脳卒中 | e-ヘルスネット

生活習慣

脳梗塞は生活習慣にも起因します。
たとえば以下のような生活習慣のある方は、脳梗塞を発症する可能性が高いです。

  • 大量飲酒
  • 喫煙
  • 運動不足
  • 肥満

生活習慣の乱れは、糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めます。
生活習慣病は動脈硬化を引き起こし、その後脳梗塞に発展することが少なくありません。

薬の使い方

脳梗塞の予防と対策

脳梗塞の予防法や対策をご紹介します。
ぜひ参考にご覧ください。

不整脈の治療

不整脈とは、心臓の拍動リズムに異常が出ることです。
拍動が乱れると、血液の成分が凝縮して血栓ができやすくなります。

心臓でできた血栓が血流に乗って脳に運ばれると、脳梗塞の原因となります。
血栓を予防するためにも、不整脈の治療を受けることが大切です。

生活習慣病の治療

生活習慣病は動脈硬化のリスクを高めます。
動脈硬化は、血管狭窄や血栓の原因となります。

血管狭窄・血栓は脳梗塞の直接的な原因です。
動脈硬化を防ぐためにも、生活習慣病の予防・治療に努めることが大切です。

生活習慣の見直し

生活習慣の乱れは生活習慣病を引き起こします。
生活習慣病になると動脈硬化のリスクが高まり、ひいては脳梗塞に発展しやすくなります。

生活習慣病を予防するためにも、日頃の生活習慣を見直すことが大切です。
具体的には、以下のような生活を心がけましょう。

  • バランスの良い食事
  • 適度な運動
  • 質の良い睡眠
  • ストレス解消

食生活の見直し

偏った食生活は生活習慣病のリスクを高めます。
特に塩分・糖分・脂質の摂りすぎには注意しましょう。

反対に、積極的に摂りたいのが以下の栄養素を含む食べ物です。
血液をサラサラにする効果が期待できます。

  • DHA・EPA(魚・青魚など)
  • ナットウキナーゼ(納豆)
  • クエン酸(柑橘類・酢・梅干しなどすっぱいもの)

こまめな水分補給

水分不足は、血液をドロドロにします。
血液が血管内で詰まりやすくなるため、脳梗塞のリスクが高まります。

血液がドロドロになるのを防ぐためにも、水分補給はこまめに行いましょう。
特に運動後や、汗をかきやすい季節は、のどが乾いていなくてもこまめに水を飲んでください。

また、アルコールには利尿作用があり、脱水状態になりやすいです。
お酒を飲むときは、水も一緒に飲みましょう。

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脳梗塞で失われた機能は元には戻らない

手の震え

脳梗塞は命を落とす危険の高い疾患です。
実際に脳梗塞を含む脳血管障害は、日本人の死因の上位に食い込んでいます。

出典:厚生労働省「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況―結果の概要

たとえ命が助かった場合でも、重篤な後遺症が残ることは少なくありません。
壊死した脳細胞は、二度と元には戻らないためです。

脳梗塞による後遺症にはたとえば以下があります。

  • 運動麻痺:半身が不自由・歩けない・手足の感覚が失われる
  • 言語麻痺:ろれつが回らない・言葉や名前がうまく出てこない
  • 認知機能の低下:記憶障害・見えているものを認識できない

脳梗塞は発症から治療開始までが早いほど、後遺症のリスクが低くなります。
命を守り、かつ後遺症を防ぐには、脳梗塞の症状に気づいた時点で速やかに医療機関を受診することが大切です。

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脳梗塞の症状のまとめ

ここまで、脳梗塞の症状についてお伝えしてきました。
脳梗塞の症状の要点を以下にまとめます。

  • 脳梗塞は前兆として、運動障害・言語障害・感覚障害・視覚障害があらわれることがある
  • 半身の麻痺などがある場合は、速やかに医療機関を受診したほうがよい
  • 脳梗塞の症状のチェックリストとして、顔・腕・会話・時間を確かめる「FAST」が活用されている
  • 脳梗塞を予防するには、生活習慣を見直し、生活習慣病を予防することが大切

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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監修者 メディカル・ケア・サービス

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