近年の研究により、ラクトフェリンのもつ健康効果が分かってきています。
具体的にラクトフェリンの効果とはどのようなものなのでしょうか?
また、ラクトフェリンを摂取するにはどうすればよいのでしょうか?
本記事ではラクトフェリンについて、以下の点を中心にご紹介します。
- ラクトフェリンの効果とは
- 妊活・不妊治療とラクトフェリンの関係
- ラクトフェリンを摂取するには
ラクトフェリンについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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ラクトフェリンとは
ラクトフェリンとは、主に哺乳類の乳に含まれるタンパク質です。
ヒトでは特に初乳に豊富です。
ラクトフェリンの主な作用には以下があります。
- 免疫機能の向上
- ウイルス等の感染防止
- 腸内環境の改善
- ダイエット効果
現在、ラクトフェリンの研究は盛んに行われています。
効果に言及した研究論文も増加しており、今後も新たな効果・効能の発見が期待されています。
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ラクトフェリンの効果
ラクトフェリンにはさまざまな効果が知られています。
主な効果をご紹介します。
ラクトフェリンは免疫力を高める
ラクトフェリンは身体の免疫力を高める作用があります。
具体的には、免疫細胞の活性化を促します。
代表的なものは、NK細胞の活性化です。
NK細胞は体内に侵入したウイルス・異物にいち早く反応する細胞で、ナチュラルキラー細胞とも呼ばれています。
ラクトフェリンには樹状細胞を活性化する作用もあります。
樹状細胞は免疫細胞の司令塔で、体内に侵入した異物に応じ、各免疫細胞を働かせる役割があります。
免疫細胞が活性化すると、風邪・インフルエンザなどの感染症にかかりにくくなります。
また、免疫細胞の活性化はガンなどのリスク低減にもつながります。
ラクトフェリンは腸内環境を整える
ラクトフェリンには悪玉菌を抑制し、善玉菌を増やす働きがあります。
ラクトフェリンは鉄分と結合しやすい性質であるためです。
鉄分は悪玉菌のエサとなります。
ラクトフェリンは悪玉菌からエサを奪うことで、増殖を防ぐのです。
腸内の悪玉菌が減ると、善玉菌が増えやすくなります。
また、ラクトフェリンは善玉菌のエサでもあります。
ラクトフェリンを摂取すると特にビフィズス菌が増殖しやすくなるため、腸内環境が整いやすくなります。
腸内環境が整うと、便通が改善されやすくなります。
さらに免疫力アップや脳の活性化も期待できます。
ラクトフェリンは内臓脂肪を減らす
ラクトフェリンはダイエットにも役立ちます。
具体的には、内臓脂肪を減らしてメタボリックシンドロームを予防する効果が期待できます。
ラクトフェリンには脂肪の合成を抑える作用があるためです。
さらに、すでに蓄積した脂肪を分解する作用もあります。
ラクトフェリンによって分解された脂肪は、身体の活動エネルギーに変換されます。
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ラクトフェリンと妊活(不妊)との関係
ラクトフェリンは、妊活や不妊治療を行っている方にも注目されています。
ラクトフェリンと妊活・不妊の関係について解説します。
ラクトフェリンが子宮内フローラを整える
ラクトフェリンは子宮内フローラを整える効果があることが分かってきました。
子宮内フローラとは、子宮内に存在する細菌の状態を指します。
子宮内フローラが良好であるほど、妊娠の確率は高くなります。
よって妊娠を望む女性は、子宮内フローラを整えることが大切です。
具体的には、ラクトバチルス菌を増やすことを意識しましょう。
ラクトバチルス菌は子宮内に存在する細菌で、子宮を病原体・異物から守ります。
ラクトバチルス菌の数が少ないほど、不妊・流産・早産などのリスクが高まります。
反対に、子宮内に90%以上のラクトバチルスが存在すると、円滑な妊娠・出産の可能性が高まります。
ラクトフェリンはラクトバチルス菌のエサです。
ラクトバチルス菌の増殖をサポートするため、ひいては子宮内フローラの改善に役立ちます。
ラクトフェリンは妊娠中の人にも効果的?
ラクトフェリンは、すでに妊娠している方にも効果があります。
具体的には、早産・流産などの防止が期待できます。
妊娠後、子宮内で悪玉菌が増殖すると、子宮内感染などが起こりやすくなります。
子宮内感染は早産・流産の原因となるほか、胎児の発達にも悪影響を及ぼします。
子宮内感染を防ぐには、悪玉菌の増殖を抑制することが大切です。
ラクトフェリンは、子宮内の善玉菌(ラクトバチルス菌)を増やす作用があります。
善玉菌が増えると悪玉菌は減りやすくなります。
つまり子宮内フローラが整うため、胎児を守ることにつながります。
なお、ラクトフェリンには妊娠中の貧血を予防する効果も期待できます。
特に妊娠後期は大量の鉄分が必要となるため、貧血を起こす方が少なくありません。
ラクトフェリンは鉄分の吸収率を高めることで、貧血を予防します。
育児用ミルクにもラクトフェリンが添加
育児用ミルクの中には、ラクトフェリンが添加されているものも多くあります。
なお、ラクトフェリンは乳由来の成分であるため、安全性に問題はありません。
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ラクトフェリンの効果はいつから?
ラクトフェリンは一定期間服用しなければ効果を実感できません。
具体的には、効果を明確に確認できるのは、服用開始後8週間からです。
肥満気味の男女を対象にした実験を参照します。
投与開始後8週間で、約15平方cmの内臓脂肪面積の減少が確認されました。
腹囲の変化は4週目で-2cm、8週目でー4cmでした。
体重については8週間で-1.5kgとなりました。
出典:J stage「腸溶加工技術に着目したラクトフェリン含有機能性食品の開発」
ラクトフェリンの注意すべき副作用は?
ラクトフェリンは母乳にも含まれる成分です。
そのため、副作用のおそれはほとんどありません。
また、各種の実験・調査でも副作用は報告されていません。
出典:厚生労働省「ラクトフェリン」
ラクトフェリンは肝臓に悪い?
ラクトフェリンによる肝臓への障害は報告されていません。
ただし、肝臓障害がすでにある方がラクトフェリンのサプリメントなどを服用する際は、かかりつけ医に相談してください。
ラクトフェリンを摂取するとおならが出る?
ラクトフェリンを摂取するとおなら・排便回数が一時的に増加することがあります。
ラクトフェリンによって腸内環境が変化するためです。
腸内環境が変化する過程では、おなら・排便の回数が増えたり、においが変わったりすることがあります。
いずれも腸内環境がよい方向に変化するサインです。
症状は一時的なものであり、数日で収まることがほとんどであるため、あまり心配はいりません。
もし症状が1週間以上続く場合は、医師に相談してください。
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ラクトフェリンの1日の摂取量
ラクトフェリンの1日の摂取量について、明確な基準はありません。
ただし多くの臨床試験は、1日あたりの摂取量を100~700mgの摂取を前提としています。
そのためラクトフェリンは、1日最大700mgを目安に摂取するのがおすすめです。
ラクトフェリンは摂取量が少なすぎると効果を感じにくくなります。
効果を実感したい場合は、少なくとも1日100mg以上摂取しましょう。
ラクトフェリンを摂取するタイミング
ラクトフェリンは、1日1回決まった時間に摂取するのがおすすめです。
ラクトフェリンの効果は24時間程度持続するためです。
24時間周期で摂取することで、ラクトフェリンの効果が途切れにくくなります。
なお、ラクトフェリンは空腹時に摂取すると、効率よく吸収できます。
ただし、空腹時の摂取が難しい場合は食後などでもかまいません。
朝食後・夕食後など、自分が忘れないタイミングで摂取しましょう。
なお、ラクトフェリンは母乳由来の成分であるため、食べ合わせが悪い食品・医薬品はありません。
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ラクトフェリンが多く摂取できる食品
ラクトフェリンが摂取できる食品は以下の通りです。
- 低温殺菌牛乳
- 粉ミルク
- ナチュラルチーズ
ラクトフェリンは熱・衝撃に弱いという性質があります。
そのため牛乳などから摂取するときは、低温処理・非加熱処理のものを選ぶのがおすすめです。
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ラクトフェリンの効能は手作りヨーグルトで期待できる?
ラクトフェリンは哺乳類の乳全般に含まれます。
つまり、ヨーグルトなどの乳製品にもラクトフェリンは含まれているはずです。
しかし実際には、手作りヨーグルトにはほとんどラクトフェリンは含まれていません。
ラクトフェリンは熱に弱い性質があるためです。
手作りヨーグルトに使う牛乳などの乳製品の多くは加熱処理されています。
加熱処理によって、ラクトフェリンはほとんどが消失しているのです。
仮に手作りヨーグルトからラクトフェリンを摂取できたとしても、効果を実感することは困難です。
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腸溶性のラクトフェリンを選ぶのがおすすめ
ラクトフェリンを含む乳製品はたくさん市販されています。
しかしヨーグルトなどに含まれるラクトフェリンは未加工の状態であるため、腸に届く前に胃で分解されてしまいます。
ラクトフェリンを確実に腸に届けるには、腸で吸収されるように設計されたものを摂取する必要があります。
代表的なのは腸溶性のサプリメントです。
特殊加工により、胃で溶けずに腸で溶けるように設計されているため、確実にラクトフェリンを腸に届けられます。
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ラクトフェリンまとめ
ここまで、ラクトフェリンについてお伝えしてきました。
ラクトフェリンの要点を以下にまとめます。
- ラクトフェリンに期待できる効果は、免疫力アップ・腸内環境改善・内臓脂肪の減少など
- ラクトフェリンは子宮内フローラを改善する効果もあるため、妊活・不妊治療の一環として役立つ
- ラクトフェリンを摂取するには、腸溶性のサプリメントがおすすめ
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。