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健達ねっと>健康お役立ち記事>脳卒中>脳出血の前兆とは?脳出血の予防方法についても紹介

脳出血の前兆とは?脳出血の予防方法についても紹介

脳卒中の1種である脳出血は、放置すると重症化・後遺症のリスクが高まります。
後遺症などを避けるためには、症状に気づいた時点で病院を受診することが大切です。

適切な治療につなげるためにも、脳卒中の前兆症状を把握しておきましょう。

本記事では、脳出血の前兆について、以下の点を中心にご紹介します。

  • 脳出血の前兆とは
  • 前兆が出た場合の対処法
  • 脳出血の予防法

脳出血の前兆について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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脳出血とは

脳出血とは脳卒中の一種です。
具体的には、脳の血管が破れて脳内出血した状態が該当します。

脳の血管が破れると、そこから先へは血液が届かなくなります。
すると脳細胞が酸欠に陥るため、壊死しやすくなります。

あるいは、血管からあふれた血が凝固して、脳神経を圧迫することも少なくありません。
いずれの場合でも、重篤な脳機能障害や後遺症があらわれやすくなります。

脳出血の主な原因は高血圧・動脈硬化です。

脳出血の前兆

脳出血を含め脳卒中は、多くの場合、ある日突然あらわれます。
しかし中には、発症前に前兆症状があらわれることもあります。

発症後の症状・後遺症を軽くするには、前兆に気づいた時点で適切な治療を受けることが大切です。

脳出血・脳卒中の代表的な前兆についてご紹介します。
ぜひ参考にしてください。

運動障害

脳出血の前兆では、身体機能になんらかの異常があらわれることがあります。

  • 手足に力が入らない
  • 箸・茶碗などを持てない
  • まっすぐ歩けない
  • 足をひきずる
  • 顔の片側が歪む

感覚障害

手足の異常な感覚も脳出血の前兆症状です。

  • 手足がしびれる
  • 手足の感覚が無い

言語障害

脳卒中の前兆として、言語機能に異常があらわれることがあります。

  • ろれつが回らない
  • 言葉がうまく出てこない
  • 他人の言葉の意味が分からない
  • 読み書きに支障がある

視覚障害

突然視覚に異常があらわれた場合、脳出血の前兆の可能性があります。

  • 片目が見えない
  • 視野の一部が欠ける
  • 二重映しに見える

その他

以下も脳出血の前兆症状です。

  • 激しい頭痛
  • 吐き気・嘔吐
  • めまい
  • 失神

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脳卒中の前兆チェックリスト

脳卒中は、前兆があらわれることが多い疾患です。
脳卒中の治療は時間との戦いでもあるため、前兆を見逃さないようにしましょう。

視覚にあらわれる前兆

  •  物が二重に見えたり、視野が欠けて見えたりする
  • よく障害物にぶつかり、転ぶことが多い
  • 片方の目が見えにくい

知覚にあらわれる前兆

  •  口の周りや顔がしびれる
  • 手足が急にしびれる
  • 手足が急に震える
  • 耳鳴り、めまいがする
  • 急な動悸や冷や汗が出る

運動にあれわれる前兆 

  • 足がもつれる
  • 段差で足をよく引っ掛ける
  • 物をつかみ損ねることが多い

発声・言語にあらわれる前兆

  •  早口で話されると理解できなくなることがある
  • 大声を出すと息切れすることがある
  • ろれつが回らないことがある
  • 急に言葉が出ないことがある

呼吸・飲み込みにあらわれる前兆 

  • 急にむせることが多くなった
  • 痰がからみやすくなった
  • 食べ物や飲み物が飲み込みにくくなった
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前兆が出たらどうすれば良い?

脳出血の前兆が出たら、すぐに救急車を呼ぶのがベストです。
救急車を呼ぶのが難しい場合は、タクシーなどで病院にいきましょう。

前兆症状があらわれている場合、すでに脳内で出血が起こっている可能性があります。
自然に回復することはないため、放置はせず、すぐに治療を受けてください。

脳出血を予防するには

脳出血の原因は、多くの場合、高血圧です。
そのため脳出血を予防するには、まず高血圧の予防・改善に努めることが大切です。

脳出血の予防法をご紹介します。

食生活を改善する

塩分の摂りすぎに気をつけましょう。
塩分は血管を収縮させる作用があります。
そのため、塩分を過剰摂取すると、血圧が上がりやすくなります。

塩分の1日の摂取量目安は、男性で7.5g未満、女性で6.5g未満です。
すでに高血圧を患っている場合は、1日6g未満を目安にしましょう。

脳出血予防のためには、抗酸化作用のある食品を摂ることも効果的です。
血管の老化防止効果があるため、血圧を正常に保ちやすくなります。

抗酸化作用のある食品とは、たとえば以下があります。

  • 緑黄色野菜
  • コーヒー・緑茶
  • ワイン
  • 大豆・大豆製品

出典:厚生労働省「栄養・食生活と高血圧 | e-ヘルスネット
出典:厚生労働省「抗酸化物質 | e-ヘルスネット

禁煙をする

タバコは高血圧・脳出血の代表的な原因です。
たとえばタバコの煙に含まれるニコチンは、血管を収縮させたり、血圧を上昇させたりする効果が強いです。

簡単にいえば、血管に大きな負担がかかります。
そのため、慢性的に喫煙を続けると、動脈硬化や高血圧に発展しやすくなるのです。

脳出血予防のためには、タバコはやめるのがベストです。

運動をする

適度な運動は脳出血予防に効果的です。
全身の血流が促進されるため、血圧が下がりやすくなります。

また、運動は肥満解消にもつながります。
肥満は動脈硬化・高血圧の要因です。
運動によって肥満を防止・改善することが大切です。

特におすすめなのは有酸素運動です。
たとえば水泳・ウォーキング・サイクリングなどに取り組みましょう。

十分に睡眠を取る

脳出血や高血圧予防には、十分な睡眠も欠かせません。
睡眠不足は心身に疲労・ストレスをかけます。

疲労・ストレスは血圧をあげる原因の1つです。
身体に負担をかけないためにも、質の良い睡眠を取ることを心がけましょう。

なお、睡眠時間は1日6時間以上が理想的です。

ストレスを溜めない

ストレスは高血圧の代表的な原因です。
ストレスを受けると、体内では交感神経が活発化するためです。

交感神経は血圧・心拍などを上昇させる神経系です。
慢性的にストレスを受け続けると、交感神経が刺激され続けるため、血圧が高い状態が維持されます。

つまり、高血圧と呼ばれる状態に陥るわけです。

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脳出血の後遺症

脳出血は、治癒後もなんらかの後遺症が残ることも少なくありません。
代表的な後遺症をご紹介します。

運動障害半身が動かしづらい・力が入らない・まっすぐ歩けない・足をひきずる
感覚障害手足のしびれ・手足の感覚が過敏になる・手足の感覚がにぶくなる
視覚障害片目が見えない・視野の一部が欠ける・二重映しに見える
言語障害ろれつが回らない・言葉がでてきづらい・言葉の意味を理解できない・読み書きが困難
認知機能の低下注意力の低下・記憶障害・社会的な行動ができない
その他嚥下障害・排尿障害・抑うつ

脳出血による後遺症の種類・程度は個人差が大きいのが特徴です。
後遺症は、出血の部位・度合いなどに左右されるためです。

薬の使い方

くも膜下出血とは

くも膜下出血は、脳の表面にある「くも膜」の下の血管が破れて出血することです。
脳出血の一種と考えられています。

突然、これまで経験したことのないような激しい頭痛があらわれるのが特徴です。
本格的な発症に至る前に、前兆があらわれることもあります。

くも膜下出血の前兆の例は以下の通りです。

  • 血圧の大きな変動
  • 頭痛
  • 視力低下
  • めまい
  • 吐き気・嘔吐
  • 意識低下

脳出血と脳梗塞の違い

脳出血とよく似た疾患に脳梗塞があります。
脳梗塞と脳出血はまとめて脳血管障害(脳卒中)と呼ばれています。

脳梗塞とは、脳の血管が詰まることで、脳細胞に血液が行き渡らなくなる疾患です。

脳の血管が詰まる原因は、血管内部の狭窄です。
あるいは、血栓という血の塊が血管を塞ぐこともあります。

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脳卒中は遺伝する

脳卒中は遺伝することがあります。
家族・親族に脳卒中の既往者がいる方は、発症率が高いといえます。

脳卒中の中でも、くも膜下出血には特に遺伝的な要素があります
くも膜下出血の原因の約8割を占めているものに、脳動脈瘤があります。
この脳動脈瘤によるくも膜下出血を発症した方が2親等以内にいる場合、発症率が上がります。

一方脳卒中のうち、くも膜下出血以外のものは、遺伝性が明確には分かっていません。
しかし、脳卒中のリスクとなる生活習慣病には注意しましょう。

たとえば、糖尿病・高血圧・脂質代謝異常症などが代表的な生活習慣病です。
また、これら生活習慣病には遺伝の関与もあると指摘されています。

生活習慣は家族間で似ていることが多いです。
そのため、家族に生活習慣病を発症した方がいる場合には注意しましょう。

脳卒中になりやすい方でも、生活習慣を改善するなどの対策によって、発症リスクを低減できます。

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脳卒中になりやすい年代は?

一般的に、年齢が高くなるほど脳卒中の発症リスクも上昇します。
特に40代以降は発症率が急激に高くなるため、予防を心がけることが大切です。

平成18・19・21年の島根県の調査を参照します。
30代における脳卒中の初発・再発の合計者数は、人口10万人に対し36人でした。

その後、発症者数は40代で158人、50代で596人、60代で1037人と増加していきます。
男女別にみると、ほぼ全年齢において、男性のほうが発症率は高めです。

特に40〜60代では、男性の発症率は女性の2倍以上となりました。

出典:島根県「脳卒中発症状況調査

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若い人でも脳卒中は発症するの?

一般的に、脳卒中のリスクは年齢と共に高くなります。
ただし、20〜40代などの比較的若い方でも、脳卒中を発症することはあります。

若い方の脳卒中は、生活習慣の乱れ・ストレスに起因していることが多いです。

  • 偏った食生活
  • 運動不足
  • 睡眠不足
  • 喫煙・飲酒
  • ストレス

あるいは、全身疾患などが原因で発症することもあります。
たとえば以下のような疾患が代表的です。

  • モヤモヤ病
  • 脳動脈乖離
  • 偏頭痛
  • 卵円孔開存
  • 薬(経口避妊薬・持病の治療薬など)

特にリスクが高くなるのは40代からです。
早期発見・治療につなげるためにも、40歳を過ぎたら定期的に健康診断・脳ドッグなどを受けましょう。

40歳前の方でも、決して過信はしないでください。
おかしいと感じる症状があらわれたら、すぐに病院を受診しましょう。

脳出血が再発するとき前兆はあらわれない?

脳出血は、脳内の血管が細くなったり、詰まったりすることで発症します。
一度脳出血を起こすと、再発する可能性が高い病気です。
脳出血の再発には、前兆はあるのでしょうか。

脳出血が再発する際には、顕著な前兆はあらわれません。
脳出血は、脳内の血管が破れて出血することで症状があらわれます。
しかし、破れる一歩手前の状態でも、破れていなければ健常者と同じです。
前兆なく脳の血管が破れてしまうため、非常に恐ろしい病気といえます。

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脳出血の前兆まとめ

ここまで、脳出血の前兆についてお伝えしてきました。
脳出血の前兆の要点を以下にまとめます。

  • 脳出血の前兆は、運動障害・感覚障害・言語障害など
  • 前兆が出た場合は、すみやかに救急車を呼んだり、医療機関に搬送したりすることが大切
  • 脳出血の予防法は、食事の改善・適度な運動・質の良い睡眠など

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

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