抜け毛が増えたのはストレスのせい?
日頃強いストレスを感じている方には、脱毛を気にする方が多いようです。
なぜストレスで脱毛になるのでしょうか。
本記事ではストレスによる脱毛について以下の点を中心にご紹介します。
- なぜストレスで脱毛が起こるのか
- ストレスによる脱毛にはどのような種類があるのか
- ストレスによる脱毛を防ぐ方法は
ストレスによる脱毛について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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ストレスとは
ストレスは、もともとは物理学などで使われていた言葉です。
外からの圧力によって、ゆがみが生じた状態のことです。
人の心や体にも、外部からの圧力によってストレスがかかるとゆがみが生じます。
外部からの圧力のことをストレッサーといいますが、大きく分けて3種類あります。
「物理的」「化学的」「心理的」ストレッサーです。
一般的に私たちがストレスと呼んでいるものは「心理的・社会的」ストレスです。
ストレス反応には個人差があり、ストレスに過敏に反応する人とそうでない人がいます。
過度なストレスが続く場合には、心身とともにさまざまな異常(ゆがみ)があらわれます。
異常の例には、以下のようなものが挙げられます。
不安 | イライラ | 頭痛 |
肩こり | 食欲低下 | 動悸息切れ |
不眠 | 下痢 | 便秘 |
脱毛もその1つの症状といえるでしょう。
社会で生活していく上で、ストレスを完全に避けることは困難です。従って、正しくストレスと向き合っていくことが、人が健康的に暮らしていくためには大切です。今回はストレスについて、以下の点を中心に解説していきます。 ストレス症状[…]
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ストレスにより脱毛する理由
では、なぜストレスが脱毛につながるのでしょう。
ストレスによる脱毛の仕組みをみていきましょう。
自律神経の乱れ
自律神経とは、体温を調節したり、心臓などの臓器を動かしたりする神経です。
私たちの生命を守り、心身の調子を整える働きがあります。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。
交感神経は活動を活発にして、ある種の緊張状態を作ります。
副交感神経は緊張状態から解放され、リラックスした状態を作ります。
自律神経がうまく切り替わることで、私たちは健康的な生活を送れます。
しかし、過度のストレスを受け続けると交感神経がずっと優位の状態になります。
常に緊張状態を強いられているという状態です。
緊張状態が続くと、血管が収縮して血流が悪くなります。
血流が悪くなると、髪の健康に必要な栄養が頭皮まで行き渡らなくなります。
さらに、睡眠の質が悪くなり成長ホルモンの分泌が悪くなって、新陳代謝が滞ります。
その結果、脱毛が進んでしまいます。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスも脱毛に大きく影響を及ぼします。
とくに、女性は毎月の生理、妊娠、出産とホルモンバランスが大きく変化します。
ストレスを感じるとストレスホルモンである「コルチゾール」が分泌されます。
コルチゾールの分泌が主となり、エストロゲンというホルモンの分泌がおろそかになります。
「エストロゲン」とは、髪の健康に大きな影響を及ぼすホルモンです。
エストロゲンの分泌が減ってしまうことで、髪の成長がストップして脱毛につながります。
自己免疫疾患
免疫とは、外部の敵から体を守る働きのことをいいます。
細菌やウイルスが身体に入り込むと、免疫細胞が攻撃して排除しようとします。
ところが何らかの原因で、自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患が起こります。
ストレスも自己免疫疾患のきっかけになるのではと考えられています。
自己免疫疾患で脱毛になるのは、毛根が攻撃対象になるからです。
この場合、一気に脱毛が起こり円形脱毛症などの症状があらわれます。
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ストレスによる脱毛の見分け方
自分の脱毛がストレスによるものなのか、あるいはほかに原因があるのかチェックしてみましょう。
見分けるには3つのポイントがあります。
抜け毛の本数をチェック
新陳代謝により、1日に抜け落ちる髪の毛は50~100本程度です。
これ以上抜けるようなことがあれば、ストレスによる脱毛かもしれません。
シャンプーをしたときに、排水口に抜け毛が溜まっていませんか。
枕にいつもよりも髪の毛がたくさんついていませんか。
ブラッシングのときに、ブラシに髪の毛が多くついていませんか。
いつもよりも抜け毛が多いと感じたら、ストレスによる脱毛を疑いましょう。
毛根の形と色をチェック
抜けた髪の毛の状態をチェックしましょう。
毛根が小さい、形がいびつという場合には、異常脱毛かもしれません。
自然に抜け落ちた髪は、マッチ棒のように毛根が丸みを帯びています。
毛根の色は半透明の白っぽい色になっています。
しかし、異常脱毛の場合には毛根が成長する前に抜けてしまいます。
そのため、毛根が小さく、いびつになっています。
また、毛根の色が黒い場合には異常脱毛かもしれません。
抜け毛の長さ・太さをチェック
自然に抜ける髪の毛は、太くてハリがあります。
しかし、異常脱毛で抜けた髪の毛は、成長途中なので、細くて短くなっています。
抜け落ちた髪の毛がいつもよりも細くて短いようなら、異常脱毛を疑います。
ストレスによる脱毛の種類
ストレスが原因で進行する脱毛には3つの種類があります。
それぞれの症状について詳しくみていきましょう。
休止期脱毛
休止脱毛の症状は、ヘアサイクルの乱れにあります。
正常のヘアサイクルは、髪の毛全体の10%程度が休止期に入ります。
ヘアサイクルが乱れてしまうと、成長期の髪の毛が一斉に休止期に入ってしまいます。
抜け毛だけが増え、新しい髪の毛が生えてこないため、徐々に脱毛が進行していきます。
円形脱毛症
いわゆる10円ハゲといわれている円形脱毛症の原因は、まだ解明されていません。
ただし、精神的なストレスが円形脱毛症の原因の1つであると考えられています。
10円玉大の脱毛がいくつもできる場合や、重症になると全体的な脱毛になります。
ストレス以外の円形脱毛症の原因としては、
- 自己免疫疾患
- 遺伝的要因
- 出産後の女性ホルモン値の変化
- アトピー素因
があると考えられています。
まず近年有力視されている円形脱毛症の原因としては、自己免疫疾患があります。
免疫機能は本来、外敵から身体を守る働きがあります。
しかし何らかのきっかけで、免疫機能が自分自身を攻撃してしまうのが自己免疫疾患です。
円形脱毛症は、Tリンパ球が毛根を攻撃してしまうために発症すると考えられています。
円形脱毛症は兄弟や親子など、家族で発症することも多くあります。
そのため、円形脱毛症には遺伝的な要因が関係する可能性が高いと考えられています。
妊娠から出産後における女性ホルモンの減少も、円形脱毛症になる原因の1つです。
女性ホルモンには発毛を促進する働きがあり、女性ホルモンが減少すると抜け毛につながります。
産後は頭髪全体が少なくなるケースが多いですが、円形脱毛症になる場合もあります。
円形脱毛症になる人の40%以上は、アトピー素因を持っていると言われています。
アトピー素因とは、
- アトピー性皮膚炎
- 気管支炎
- アレルギー性鼻炎
のいずれかを持っていることです。
円形脱毛症患者の多くがアトピー素因を持っていることから、原因の1つと考えられています。
AGA・FAGAの加速
AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性型脱毛症)は遺伝や加齢などが原因です。
直接ストレスが原因ではありませんが、症状を加速させる可能性は高まります。
AGA
成人男性が発症し、進行性の脱毛症となります。
AGAは、ひたいの生え際や頭頂部が脱毛するのが特徴です。
FAGA
成人女性が閉経などによって、ホルモンバランスが崩れることで発症します。
エストロゲンという女性ホルモンの急激な減少によって、脱毛が起こります。
脱毛の治療
脱毛の治療について、
- 治るまでの時間
- 受診する診療科
- 治療内容や費用
をご紹介します。
脱毛の治療を受ける際の参考にしてください。
脱毛が治るのにかかる時間は?
休止期脱毛症は、治療を始めてから6ヶ月程度で効果を目に見える実感できます。
ヘアサイクルにより回復し始めるのに3ヶ月かかり、回復した髪が成長するのに3ヶ月必要です。
ただし何らかの病気がもとで休止期脱毛症になっている場合は、改善までに時間がかかります。
円形脱毛症の場合は、軽度なら3ヶ月から4カ月ほどで自然に治ることもあります。
広範囲のものや、繰り返し起こる場合は治りにくく、治療が必要になります。
AGA治療は、治療の効果を感じられるまでに3ヶ月から6ヶ月かかると言われています。
治療期間には個人差がありますが、1年間は治療を継続することが必要です。
クリニックの診療科は何科?
脱毛は皮膚科で診察してもらえます。
休止期脱毛症や円形脱毛症、AGAも皮膚科で治療できます。
脱毛の原因がストレスの場合は、ストレスを軽減させることが重要です。
心療内科を受診すれば、カウンセリングや投薬治療でストレスを軽減させることができます。
皮膚科と合わせて受診すれば、脱毛を改善する効果が期待できます。
一般的な皮膚科で治療する以外にも、脱毛専門のクリニックで治療することもできます。
特にAGA治療は、専門のクリニックがおすすめです。
AGAクリニックなら、皮膚科では行えない専門的な治療が受けられます。
皮膚科よりも治療方法が多く、症状や体質に合わせて選択できます。
ただし、全額自己負担となる自由診療になります。
脱毛の治療法と費用は?
円形脱毛症の治療には、
- ステロイド注射
- 局所免疫療法
- 内服薬
- 外用薬
などがあります。
ステロイド注射は、炎症を抑えるステロイドを患部に注射して毛根周辺の炎症を抑えます。
局所免疫療法は、人工的に患部にかぶれを起こして発毛を促進する治療法です。
円形脱毛症の治療には、2000円~3000円前後かかります。
休止期脱毛症やAGAの場合は、薬物療法やメソセラピーによって治療します。
メソセラピーとは、皮下注射によって髪の毛の成長を促す有効成分を頭皮に直接注入する方法です。
AGA治療には、月額15,000円~30,000円くらいかかると言われています。
自由診療になるので、クリニックや選択する治療法によっても費用に違いがあります。
ストレスによる脱毛を防ぐ5つの対策
ストレスによる脱毛は、どのように防いだらよいのでしょう。
脱毛対策を紹介しましょう。
ストレスを発散する・溜め込まない
ストレスが原因の脱毛ですから、何よりもストレスを溜めないことが重要です。
ストレスが心身に負担になる前に、発散しましょう。
ストレスの発散方法は人それぞれです。
手軽にできるストレス発散方法としては、以下のようなものがあります。
- 運動する
- 趣味に没頭する
- 映画や読書を楽しむ
- 友達とおしゃべりをする
- カラオケで思いっきり歌う
生活習慣の見直し
ストレスによる脱毛を防ぐためには、生活習慣の見直しも必要です。
良質の睡眠を得るためには、決まった時間に寝て起きることが大切です。
夜更かしをして睡眠不足になると、知らない間にストレスを溜めることになります。
良質な睡眠をとるためにも適度に運動しましょう。
運動は血行を良くするので、髪の毛へ栄養も十分行き渡られます。
そのほか、過度な飲酒や喫煙は避けるようにしましょう。
食生活の見直し
栄養バランスが崩れると、ヘアサイクルの乱れにつながります。
髪の成長には「タンパク質」「亜鉛」「ビタミン」が必須です。
これらの栄養素を中心に、バランスのよい食生活を心がけましょう。
ヘッドマッサージ
脱毛を防ぐためには、頭皮の健康が大切です。
頭皮の血行をよくすることで、髪の毛にも十分な栄養を行き届かせられます。
頭皮の健康を維持するためには、ヘッドマッサージやヘッドスパがおすすめです。
頭皮の毛穴に詰まった皮脂やスタイリング剤を落として、頭皮環境を整えます。
また、頭皮への程よい刺激によって、リラックス効果も期待できます。
ヘアケア・頭皮ケアの見直し
誤ったヘアケアをしていると、頭皮環境が悪化して脱毛のリスクを高めます。
シャンプー剤のすすぎ残し、シャンプーのやり過ぎによる頭皮乾燥などは頭皮を傷めます。
自分の頭皮に合ったシャンプーを選ぶことが大切です。
刺激の少ないアミノ酸系シャンプーにするのもよいでしょう。
ストレスは周囲のサポートや環境で緩和可能
ストレスの感じ方は個人によって大きく変わります。
ストレス対策としては、まずは個人の対処能力を高めることが大切です。
とはいっても、自分ではどうしようもないストレスもあるでしょう。
例えば、職場の環境や人間関係に対するストレスです。
このような場合には、周囲のサポートや環境を変えることで緩和できる可能性があります。
これをソーシャルサポートといいます。
ソーシャルサポートの効果は、強いストレスによる健康障害を緩和する働きがあります。
また、ストレスの大小関係なく、ストレスを軽減する効果もあります。
いずれにせよ、個人ではどうしようもないストレスに陥ったとき、周囲の協力は重要です。
ストレスを深刻なものにしないためにも、孤立を避けることが重要です。
友人に愚痴を聞いてもらえるだけでも、ストレスが解消できるものです。
SNSやオンラインでつながることでサポートを得られるかもしれません。
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ストレスによる脱毛のまとめ
ここでは、ストレスによる脱毛について紹介してきました。
その要点を以下にまとめます。
- ストレスで脱毛が起こる原因は「自律神経の乱れ」「ホルモンバランスの乱れ」など
- ストレスによる脱毛の種類は「休止期脱毛」「円形脱毛」「AGAの加速」など
- ストレスによる脱毛を防ぐ方法は「ストレス解消」「生活・食生活の改善」など
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。