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健達ねっと>健康お役立ち記事>高齢者の病気>運動不足のせいで不整脈に?!関係性と受診のタイミングを知る

運動不足のせいで不整脈に?!関係性と受診のタイミングを知る

不整脈とは、心臓の脈拍が正常とは違うタイミングで起こる状態のことです。
運動不足は、不整脈の悪化や生活習慣病のリスクが高まる可能性があります。

そもそも不整脈と運動不足にはどのような関係があるのでしょうか?
また運動不足以外の不整脈の原因にはどのようなものがあるのでしょうか?

本記事では、不整脈と運動不足の関係について以下の点を中心にご紹介します。

  • 運動不足による身体への影響とは
  • 運動不足を解消したら、不整脈は治るのか
  • 運動不足以外の不整脈の原因について

不整脈と運動不足の関係について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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不整脈とは

不整脈とは、心臓の脈拍が正常とは違うタイミングで起こる状態のことです。

不整脈には以下の3種類があります。

  • 拍動のリズムが不規則になる(期外収縮)
  • 拍動のリズムが異常に速くなる(頻脈性不整脈)
  • 拍動のリズムが異常に遅くなる(徐脈性不整脈)

心臓は1日に約10万回拍動し、収縮と拡張を繰り返し、全身に血液を送ります。
心臓の中の電気刺激により、心臓は動きます。
刺激された心室の筋肉が収縮することでポンプのような働きをし、血液を送り出すのです。

不整脈の種類によりますが、症状には個人差があります。
また、症状が出る方と出ない方もいます。
すぐに治療を必要とする重症の不整脈もあり、注意が必要です。

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不整脈と運動不足の因果関係

不整脈と運動不足には、因果関係があることがわかっています。
適度な運動は心臓の機能を改善し、心筋や心肺機能を向上させます。

運動不足は、不整脈やさまざまな生活習慣病の原因です。
以下で運動不足による身体への影響について見ていきましょう。

運動不足による身体への影響

運動不足による身体への影響には、以下のものがあります。

  • 筋肉量の減少
  • 血行が悪くなる
  • 免疫力の低下
  • 自律神経が乱れる
  • 生活習慣病のリスクが高まる

それぞれ具体的にご紹介します。

筋肉量の減少

運動不足は、筋肉量が減少する原因の1つです。
筋肉は、使わなければ落ちてしまいます。

また、足には多くの筋肉があります。
とくに、ふくらはぎは第二の心臓といわれるほど重要な筋肉です。

筋肉は収縮して血管を圧迫し、血液を押し上げて心臓に戻すポンプのような働きをします。
運動することで、ポンプ機能が常に働き、安静時の5倍の血液を循環させることが可能です。
さらに、心臓病などでポンプ機能が弱っている場合、補助ポンプとしての働きもします。

そのため、筋肉を落とさないために、継続的に運動することが大切です。

血行が悪くなる

運動不足は、血流が悪くなり、老廃物の排出が滞ります。
血行不良は、肩こりや腰痛、冷え性、むくみなどの原因です。

ひどい場合、末梢から心臓への血液の戻りが悪くなります。
結果、下肢の静脈血栓症を起こす可能性があります。

免疫力の低下

運動不足は、免疫力低下の原因の1つです。
基礎代謝が下がるため、脂肪が燃えにくく、身体も冷えやすくなります。

ヒトの身体は、体温が1℃下がると、免疫力は3割以上低下するといわれています。
しっかり運動することは、免疫力向上につながるのです。

自律神経が乱れる

自律神経は、

  • 活発モードの交感神経
  • リラックスモードの副交感神経

の2種類がバランスよく働いています。

運動不足になると、自律神経のバランスが乱れます。
そのため、不整脈や過呼吸、不眠などの不調があらわれるのです。

運動を継続することで、代謝やホルモン分泌などの、身体の活動を維持できます。

生活習慣病のリスクが高まる

運動不足と密接な関係にあるのが、生活習慣病です。

運動不足になると、インスリン抵抗性が低下します。
すると、肥満や糖尿病、脂質異常などの生活習慣病のリスクが高くなります。
生活習慣病でとくに多いのは、動脈硬化や高血圧、心臓病など血液に関する病気です。

慢性的な運動不足になると、生活習慣病のリスクが高まるため、注意が必要です。

運動不足を解消したら不整脈は治る?

不整脈などの心臓病の方に対して、積極的な運動がすすめられています。
運動は、心臓病に対して有効とされているためです。

また、運動能力が高い方は死亡リスクが低くなるといわれています。
反対に、長時間安静にしている方は、筋力低下や呼吸機能低下、骨粗鬆症などさまざまな病気のリスクが高くなります。
健康を維持するために、ウォーキングや散歩など適度な運動を心がけましょう。

過度な運動は逆効果!

運動不足を解消することで、不整脈の改善や健康維持が期待できます。
運動は、ウォーキングなどの適度な有酸素運動がおすすめです。

ただし、過度な運動は心臓に負担をかけてしまいます。
とくに、腕立て伏せや短距離走などの無酸素運動は、やりすぎに注意が必要です。
運動する前に、かかりつけ医に運動の種類や時間、強度、頻度などを確認するようにしましょう。

また運動する際は、運動に適した服装にし、胸部の不快感や息切れなどに注意しましょう。
体調や天候がよいときに運動すると気分も上がり、効果的です。

運動量は、運動後の様子を見ながら調節するようにしましょう。

運動不足だけが不整脈の原因ではない

運動不足以外の不整脈の原因には、以下のものがあります。

  • 病気による発症
  • 生活習慣の乱れによる発症
  • その他の要因

それぞれ具体的にご紹介します。

病気による発症

病気による発症には

  • 心筋症、心臓弁膜症、心不全などの心臓の病気
  • 高血圧
  • 甲状腺異常
  • 肺疾患

などがあります。

心臓の病気や高血圧、甲状腺ホルモンの異常などがある場合も不整脈を発症しやすくなります。

また、循環障害は、運動不足が原因で発症することもある病気です。
そのため、不整脈を発症するリスクが上がります。

他にも、服用中の薬の副作用が原因で不整脈が起こることもあります。

生活習慣の乱れによる発症

生活習慣の乱れによる発症には

  • 睡眠不足
  • 過度の飲酒・喫煙
  • カフェインの過剰摂取
  • ストレス

などがあります。

とくにストレスと不整脈は、深く関係しています。
ストレスと不整脈の関係性を調べた実験結果があります。

患者にホルター心電図をつけ、24時間計測します。
心電図とともに、不整脈の症状があらわれたときの感情を記録します。

記録から以下のことがわかりました。

  • ネガティブな感情では不整脈を起こしやすい
  • ポジティブな感情のときは不整脈を起こしにくい

ネガティブな感情は気分が落ち込み、ストレスになります。
結果、不整脈が引き起こされるのです。
そのため、日頃からポジティブな感情を心がけることが大切です。

その他の要因

不整脈と診断されても病気が見つからず、不整脈の原因が不明な場合もあります。

不整脈の原因が不明な場合は、以下の要因が考えられます。

  • 遺伝
  • 体質
  • 加齢

遺伝や体質が原因の場合、家族で同じような不整脈が見られることがあります。
また、加齢が原因の不整脈は、起こりやすいので注意が必要です。

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放置してよい不整脈とダメな不整脈

不整脈の中には、放置してはいけない不整脈もあります。
放置したらいけない不整脈の予兆には

  • 動悸
  • 息切れ
  • めまい

などがあります。

生涯の間で、不整脈があらわれない方はいないといわれています。
多くの場合、命の危険性はなく、心配のない不整脈です。

しかし中には、命の危険性があるような不整脈もあります。
注意が必要な不整脈について、解説していきます。

ブルガダ症候群

命の危険性がある不整脈には、「ブルガダ症候群」があります。
ブルガダ症候群とは、眠っている間などに急に頻脈の発作が起こる致死性の不整脈です

40代以降の男性に多く、発作を起こすと心臓が痙攣し、血液を送れず意識を失います。
最悪の場合、そのまま死に至ることもある疾患です。

ブルガダ症候群は、動悸などの不整脈の予兆がなく、突然発作が起こります。
しかし、安静時の心電図に異常が見られることがあり、検査で指摘される場合があります。

また、近親者にブルガダ症候群で突然死した方がいる場合は注意が必要です。
将来、ブルガダ症候群になる可能性があるので、医療機関を受診しましょう。

QT延長症候群

怖い不整脈には「QT延長症候群」といわれる疾患があります。
QT型延長症候群は、失神や突然死を起こす疾患で、学童期から思春期に多い疾患です

運動中や精神的に緊張したときに、失神などの症状が見られます。
多くの場合、遺伝が原因で発症し、日本では2500人に1人の割合で発症するといわれています。

心室頻拍

また、心臓病がある方は「心室頻拍」に注意しましょう。
心室頻拍とは、心臓の下部にある心室に生じる不整脈のことです
通常の心拍は、1分間に60〜100回ですが、心室頻拍では1分間に100回以上となります。

心室頻拍は、心筋梗塞、心筋症などの心臓病がある方では、突然死を起こす可能性があります。
心室頻拍の方は、突然死を予防するために、植え込み型除細動器(ICD)での治療が行われます。

加齢による心房細動

加齢による心房細動にも注意が必要です。
心房細動とは、心臓の電気信号が多数発生することで、心臓が細かく震え、機能しなくなる状態です。

心房細動によって死に至ることはほとんどありません。
しかし、心房細動になると脳梗塞や心不全などのリスクが高まることがわかっています。

心房細動の初期には不整脈が起こりますが、進行すると継続的に心房細動が続く「持続性心房細動」となります。
治療方法は、抗凝固薬などの薬物治療やカテーテルアブレーションなどです。

放置してはいけない不整脈を正しく見極めるには、医師の判断が必要です。
不整脈は珍しい病気ではありませんが、重篤なリスクを起こす可能性もあります。
そのため、健康診断の心電図で異常が見つかったときは、医師に相談しましょう。

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不整脈の治療?体調に不安を感じたら受診を

どのような不整脈の症状が出たら、受診するべきなのか悩むでしょう。
以下で、具体的にご紹介します。

自覚症状

不整脈によってあらわれる自覚症状には、主に以下のものがあります。

  • 安静時に胸がドキドキする
  • 脈が乱れたような感じがする
  • 階段を昇る際や速足で歩くと息切れする
  • 常に倦怠感があり疲れやすい
  • 目の前が真っ暗になり失神したことがある
  • 頻繁にめまいが起こる

強い動悸やめまいが頻繁に起こるなどの場合は、不整脈の可能性があります。

診療科

日常生活で、動悸やめまい、脈が急に速くなるなどの症状がある場合は、心臓専門病院や循環器内科を受診しましょう。

不整脈は、早期発見することで症状の悪化を防ぐことが可能です。
また、突然死の予防にもつながります。

とくに、家族などの身内で心臓病を患っている方がいる場合は、受診するようにしましょう。

検査項目

不整脈の検査には

  • 心電図
  • 心臓超音波検査(心エコー検査)
  • 心臓電気生理学的検査(EPS)

などがあります。

心電図は、短時間で不整脈の有無を確かめられる検査です。
一般的に行われている心電図検査は、安静にしているときに計測する12誘導心電図検査です。
手首と足首に器具をつけ、胸部の6か所に電気信号を認識するための吸盤をつけます。

他にも、24時間心電図(ホルター心電図)があります。
医療機関で行う心電図検査では、不整脈のすべてを捉えられるとは限りません。
そのため、患者の生活リズムに合わせて24時間心電図を記録し、より詳しく不整脈の状態を調べます。

また、運動負荷心電図も不整脈の検査で行われます。
運動負荷心電図は、自転車をこぐ、階段を昇り降りするなどの運動負荷をかけて行う検査です。

安静時にはわからない不整脈も、運動しているときに悪化することがあります。
運動負荷心電図をすることで、運動時の不整脈を調べられます。

心臓超音波検査(心エコー検査)は、心臓病の有無を判定するために行う検査です。
心エコー検査では、心臓壁の収縮力や心筋の厚さ、心室の拡大などを調べます。

心臓電気生理学的検査(EPS)では、不整脈をより正確に診断できます。
EPSでは、電極カテーテルという管を鎖骨下静脈という血管から入れる検査です。
カテーテルの先端の電極を心臓壁に接触させて、心臓の電気活動の情報を得ます。

他にも、血液検査や胸部レントゲン検査、胸部CT画像などの検査などがあります。

治療内容

不整脈の治療は

  • カテーテル
  • ペースメーカー

などがあります。

薬の治療では、血液を固まりにくくする抗凝固薬を使用します。
抗凝固薬で代表的なものが、ワーファリンです。
新しい抗凝固薬でも、ワーファリンと同等の効果が得られる薬があります。

またカテーテル治療は、カテーテルという管を入れて、肺静脈から不整脈が心臓に伝わらないようにする治療法です。
カテーテル治療では、1年後の心房細動の回避率はおよそ70%といわれています。

さらに、ペースメーカーでの治療があります。
ペースメーカーは、主に徐脈性不整脈で使用されます。
ペースメーカーは、人工的な電気刺激を心筋に送り、心拍数を増やします。

また運動不足の方は、適切な運動を習慣にすることで不整脈の予防につながります。

薬の使い方

不整脈との上手な向き合い方

不整脈との上手な向き合い方として

  • 不整脈を感じたときの対処法
  • 日々の心がけ
  • 心臓に負担のかかりにくい運動

などがあります。
それぞれ見ていきましょう。

不整脈を感じたときの対処法

病的な不整脈ではない場合、気持ちを落ち着かせることで治まることがあります。

まずはゆっくりと深呼吸しましょう

また、強いストレスや睡眠不足が続くときは、不整脈の症状を感じやすくなります。
そのため、ゆっくりと体を休めるように心がけましょう。

日々の心がけ

日常生活での心がけで、不整脈を予防できます。
以下のことに気をつけましょう。

  • カフェインの過剰摂取を控える
  • 十分な睡眠時間を確保する
  • ビタミンC・カルシウムを積極的に摂る

ビタミンCやカルシウムを積極的に摂ることは、ストレス軽減に効果的です。
ビタミンCは、柑橘系のフルーツや緑黄色野菜などに豊富に含まれています。
カルシウムは、小魚、牛乳、緑黄色野菜などに豊富に含まれています。

上記の食材を積極的に取り入れて、不整脈を予防しましょう。

心臓に負担のかかりにくい運動

心臓に負担のかかりにくい運動には、以下のものがあります。

  • 歩行
  • ランニング
  • サイクリング
  • 水泳

適度な有酸素運動を、20〜60分間ほど行いましょう。
運動負荷は、運動への慣れや疾患の重症度によって調節します。
少しつらいと思う強度の運動を上限にしましょう。

ただし、過度な運動は心臓に負担がかかるため、体調の悪化につながります。
そのため、体への負担の少ない運動を継続的に行うことが大切です。

不整脈と運動不足についてのまとめ

ここまで不整脈と運動不足の関係についてお伝えしてきました。
要点をまとめると以下の通りです。

  • 運動不足による影響には、筋肉量の低下、血行不良、自律神経の乱れなどがある
  • 運動不足を解消することは、心臓病に対して有効とされている
  • 運動不足以外の不整脈の原因には、病気による発症、生活習慣病の乱れなどがある

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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