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健達ねっと>健康お役立ち記事>高齢者の病気>骨粗鬆症になる原因と症状|診断方法と治療薬・予防方法を説明

骨粗鬆症になる原因と症状|診断方法と治療薬・予防方法を説明

骨粗鬆症とは、骨がスカスカになり、骨が折れやすくなる病気です。
骨粗鬆症は、とくに女性に多く、閉経期に発症する傾向にあります。
では、骨粗鬆症の症状や予防にはどのようなことがあるのでしょうか?

本記事では、骨粗鬆症について以下の点を中心にご紹介します。

  • 骨粗鬆症になる原因について
  • 骨粗鬆症の症状とは
  • 骨粗鬆症の予防方法について

骨粗鬆症について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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骨粗鬆症とは

骨粗鬆症とは、体内のカルシウム不足により骨がスカスカになり、骨が折れやすくなる病気です。
骨粗鬆症により骨がもろくなると、つまずいて手や肘をついたり、くしゃみをしたりなどの衝撃でも骨折しやすくなります。

また、骨は同じように見えても、新たに作られることと溶かして壊されることを繰り返しています。
骨が作られることと壊されることのバランスが崩れると骨粗鬆症を発症します。

骨粗鬆症は、がん、脳卒中、心筋梗塞などのように生命に影響する病気ではありません。
しかし、骨粗鬆症による骨折から、寝たきり状態になり介護が必要になる方もいます。

また、骨粗鬆症は痛みなどの自覚症状がほとんどありません。
そのため、定期的に骨密度検査や普段からの細やかなチェックが必要になります。

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骨粗鬆症になる原因

骨粗鬆症になる原因には

  • 加齢
  • 女性ホルモンの低下
  • 生活習慣
  • 病気や薬の影響

などがあります。
それぞれ具体的にご紹介します。

加齢

骨密度は、男女共に一般的に20歳代でピークに達します。
その後、骨密度は徐々に低下します。

加齢により骨密度が低下する原因には、腸管でカルシウムが吸収されにくくなったり、ビタミンDをつくる働きが弱くなったりするなどの原因があります。
また食事量運動量が、若いときよりも減るといった生活習慣の変化も関係しています。

女性ホルモンの低下

骨粗鬆症は女性に多い病気で、患者の約80%以上が女性といわれています。
女性ホルモンの1つであるエストロゲンは、骨の新陳代謝に関して骨吸収をゆるやかにする働きがあります。
さらに、骨からのカルシウムが溶けだすのを防ぐ働きがあります。

そのため、閉経期に女性ホルモンの分泌が低下すると、急速に骨密度が減ります。
その結果、同年代の男性と比較して早く骨密度が低下します。

生活習慣

無理なダイエットによる栄養不足は、骨粗鬆症の原因となります。
とくに成長期は丈夫な骨をつくり、骨にカルシウムを貯蔵する大切な時期です。
そのため、無理なダイエットは将来の骨密度に悪影響を与えます。

また、家にいる時間が長く運動不足な方も注意しましょう。
骨に負荷がかかると、骨をつくる細胞が活発になります。
外出する機会が少ない方や運動をする習慣が少ない方は、骨が衰えやすくなります。

そのほか、喫煙、過度な飲酒の習慣がある方は骨粗鬆症の発症リスクが高くなります。
加齢や閉経は避けられない原因ですが、喫煙や飲酒は自分の意思で改善できます。
骨粗鬆症の予防のために、生活習慣を改善しましょう。

病気や薬の影響

特定の病気、服用している薬が原因で骨粗鬆症になることもあります。
原因となる病気には

  • 関節リウマチ
  • 副甲状腺機能亢進症
  • 糖尿病
  • 慢性腎臓病(CKD)
  • 動脈硬化
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • ステロイド薬の長期服用

などがあります。

糖尿病などの生活習慣病や関節リウマチ、副甲状腺機能亢進症では発症頻度が高くなります。
関節リウマチ、副甲状腺機能亢進症、生活習慣病などの病気は、骨代謝に影響を与えるホルモンが不足します。

また、骨形成に必要な細胞などに異常が起こり骨密度が減ることもあります。

さらに、ステロイド薬を長期で服用することで、骨粗鬆症の発症リスクが高くなります。

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骨粗鬆症の分類

骨粗鬆症には

  • 原発性骨粗鬆症
  • 続発性骨粗鬆症

の2つの種類があります。
以下でそれぞれ具体的にご紹介いたします。

原発性骨粗鬆症

加齢や閉経などによって起こる骨粗鬆症を原発性骨粗鬆症といいます。

生理が始まると卵巣などから女性ホルモンであるエストロゲンが分泌されます。
エストロゲンは、思春期には丸みを帯びた体つきになり、乳房がふっくらとする第二次性徴に影響します。

また、エストロゲンは排卵を誘発し、妊娠、出産にも関わっています。
さらに、骨代謝において破骨細胞の働きを抑制します。

閉経によりエストロゲンの分泌が減少すると、破骨細胞が活発になります。
その結果、骨吸収が骨の形成を上回ることで、骨量の減少が起きます。

加齢による骨量の減少の原因は、老化により腸や腎臓の機能が低下することにあります。
腸や腎機能が低下することで、カルシウムを吸収する能力が低下し、骨吸収が骨形成を上回ります。

また、骨芽細胞の機能に異常が起きたり、筋肉量が低下したりすることが原因で骨粗鬆症が発症します。

そのほか、家族に骨粗鬆症にかかった方がいるなど遺伝的原因や生活習慣も影響します。
骨粗鬆症に関連する生活習慣には、カルシウム、ビタミンD、ビタミンEなどの摂取不足などがあります。

さらに、運動不足、喫煙、過度な飲酒なども骨粗鬆症に悪影響を及ぼします。

続発性骨粗鬆症

病気や薬の副作用が原因となって起こる骨粗鬆症を続発性骨粗鬆症といいます。

続発性骨粗鬆症の原因について、以下の表にあらわしています。

内分泌性副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、性腺機能不全など
栄養性胃切除後、神経性食欲不振症、吸収不良症候群、ビタミンC欠乏症、ビタミンAまたはDの過剰摂取
薬物ステロイド薬、抗けいれん薬、ワルファリン、性ホルモン低下療法治療薬、メトトレキサートなど
不動性全身性(臥床安静、対麻痺、廃用症候群)、局所性(骨折後など)
先天性骨形成不全症、マルファン症候群
その他糖尿病、関節リウマチ、アルコール依存症、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患など

続発性骨粗鬆症は、さまざまな疾患や薬の影響で発症リスクが高くなります。
中でも、糖尿病や慢性腎臓病はとくに骨折のリスクが高くなるとされています。

骨粗鬆症で見られる症状

通常、骨粗鬆症になっても痛みはありません。
しかし、転んだりつまずいたりちょっとしたことで骨折しやすくなります。

また、骨折しやすい部位には

  • せぼね(脊椎の圧迫骨折)
  • 手首の骨(橈骨遠位端骨折)
  • 太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)

などになります。

骨折すると、骨折部位に痛みが生じ動けなくなってしまいます。
また、背中や腰が痛くなった後は、背中が丸くなったり身長が縮んだりします。

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骨粗鬆症の診断方法

骨密度が低い場合、または骨折している場合は骨粗鬆症と診断されます。
骨粗鬆症となる目安は

  • 骨密度(骨量)が若年成人 (20~40歳)と比べて70%以下
  • 太ももの付け根や背骨を骨折している場合
  • その他の部位の脆弱性骨折があり骨密度(骨量)が若年成人の80%未満

となっています。

以下から骨粗鬆症の診断方法についてみ見ていきましょう。

骨密度検査

骨密度は、骨の強さを判断するための指標です。
骨密度検査では、骨の中にカルシウムやミネラルがどの程度あるか調べます。

以下では、骨密度検査についてご紹介します。

DXA法

DXA法は、エネルギーの低い2種類のX線を使用して測定します。
全身のほとんどの骨を測定できます。

一般的に腰の骨や脚の付け根の骨密度を正確に測定してあらわされます。

超音波法

超音波法は、かかとやすねの骨に超音波をあてて測定します。
骨粗鬆症の検診に使用されることが多く、X線を使用しないため、妊娠中の方も安心して測定できます。

MD法

MD法は、X線を使って手の骨と厚さの異なるアルミニウム板を同時に撮影します。
骨とアルミニウムの濃度を比べて測定します。

診療所などで簡単に測定できるため、普及している診断方法です。

CT法

CT装置で、手首の骨などの骨量を測定します。
CT装置は、被ばく量が大きくなるため、使用頻度はあまり多くありません。

レントゲン検査

主に背骨のX線写真を撮り、変形の有無や骨折、骨粗鬆症化の有無を調べます。
骨粗鬆症とほかの病気とを区別する検査になります。

また、骨粗鬆症化とは、骨がスカスカになっていることをいいます。

身長測定

身長測定では、25歳のときの身長と比較してどのくらい縮んでいるかを判断します。
また、背骨の変形や背部痛の有無などについて調べます。

薬の使い方

骨粗鬆症の治療薬

骨粗鬆症の治療薬は、大きく分けて以下の3種類があります。

  • 骨吸収を抑制するタイプ
  • 骨の形成を促進するタイプ
  • カルシウム製剤

以下でそれぞれ具体的にご紹介します。

骨吸収を抑制するタイプ

骨を壊す破骨細胞の活動を抑制する薬です。
骨吸収がゆるやかになると、骨形成が追いつき新しい骨が骨吸収された部分に埋め込まれます。
そのため、骨密度の高い骨になります。

骨吸収を抑制するタイプの薬には

  • 女性ホルモン製剤(エストロゲン)
  • ビスフォスフォネート製剤
  • SERM(塩酸ラロキシフェン、バゼドキシフェン酢酸塩)
  • カルシトニン製剤
  • デノスマブ

などがあります。

骨の形成を促進するタイプ

食事で摂ったカルシウムを吸収を良くする働きがあります。
また、骨形成と骨吸収のバランスを整えます。

また、ビタミンK2製剤は骨密度を著しく増加しませんが、骨折の予防効果が期待できます。

骨の形成を促進するタイプの薬には

  • 活性型ビタミンD3製剤
  • ビタミンK2製剤
  • テリパラチド(副甲状腺ホルモン)

などがあります。

カルシウム製剤

カルシウムは骨をつくるための主要な成分になります。
カルシウム製剤は、ほかの製剤と比較すると骨密度を増やす効果は弱いため、ほかの製剤と併用されることが多いです。

骨粗鬆症の患者には食事と薬の摂取量と合わせて1,000mgが望ましいとされています。
食事で補えない分は、カルシウム製剤で摂取します。

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骨粗鬆症の予防法

骨粗鬆症の予防法には

  • カルシウムを十分にとる
  • ビタミンD、ビタミンK、リン、マグネシウム、タンパク質をとる
  • 禁煙、アルコールは控えめにする
  • 運動、日光浴をする

などがあります。

骨密度を低下させないためにカルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどを積極的に摂りましょう。
カルシウムとビタミンDを一緒に摂ることで、腸管でのカルシウムの吸収率が高くなります。

また、高齢になると食の好みが変わったり、食事量が減ったりすることでタンパク質の量が減る傾向にあります。
タンパク質が不足すると骨密度が低下するので、意識的に摂りましょう。

そのほか、骨に負荷がかかるほど骨をつくる細胞が活性化します。
ウォーキングや階段の上り下りなど、普段から運動する習慣を取り入れましょう。

骨粗鬆症の予防に有効な運動には、ウォーキング、ジョギングなどがあります。
自身の体にあわせて無理のない範囲で続けることが大切です。

膝に痛みがある方や骨粗鬆症の治療中の方は、運動をする前に医師に相談しましょう。

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骨粗鬆症とロコモティブシンドロームの関係性

ロコモティブシンドロームとは、骨や関節や筋肉など運動機能の衰えが原因で歩行など日常生活に支障がある状態をいいます。
ロコモティブシンドロームが進行すると、寝たきり状態や介護になるリスクが高くなります。

ロコモティブシンドロームになる原因には、筋力、バランス能力の低下、骨や関節の病気があります。
中でも、骨や関節の病気は発症頻度の高い病気であり、骨粗鬆症も頻度の高い病気の1つとなります。

骨粗鬆症になると、転倒によって骨折をし、寝たきりや介護になる可能性が高くなります。
寝たきりを予防するためにも、骨粗鬆症を予防し、治療することが重要です。

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骨粗鬆症のまとめ

ここまで、骨粗鬆症の情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。

  • 骨粗鬆症になる原因には、加齢、女性ホルモンの低下、生活習慣など
  • 骨粗鬆症の症状は、痛みはないがちょっとしたことで骨折しやすくなる
  • 骨粗鬆症の予防方法には、カルシウム、ビタミンDを摂る食事法、運動など

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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監修者 メディカル・ケア・サービス

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  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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