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健達ねっと>健康・生活>高齢者の病気>腹水のセルフチェック方法!ぽっこりお腹の正体・病気の可能性を徹底解説

腹水のセルフチェック方法!ぽっこりお腹の正体・病気の可能性を徹底解説

腹水は少量の時は自覚症状があまりありません。
腹水なのか肥満によるものかの区別もつきにくいです。

「最近、急にお腹が出てきた」「ダイエットをしてもウエストだけが変わらない」といった悩みは、単なる脂肪ではなく、重大な病気のサインである可能性もあります。

腹水はどうして溜まるのでしょうか?
腹水と肥満の見分け方があるのでしょうか?

本記事では腹水セルフチェックについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 腹水が溜まる原因と背景にある疾患の詳細
  • 腹水セルフチェックのコツと脂肪との見分け方
  • 腹水の最新の治療方法と受診すべき科

腹水セルフチェックについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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腹水のセルフチェック前に知るべき基礎知識

腹水のイメージ

腹水のセルフチェックをする前に、腹水について知るべき基本を見ていきましょう。

腹水とは

 

腹水はお腹の中に水(タンパク質を含む体液)がたまった状態です。
通常、お腹の中には腸がスムーズに動くために50mL程度の腹水が存在しています。

正常時は腹水は腹膜などで産生され、血管や腹膜での吸収でバランスを取っています。
腹水は「腹水の過剰産生」や「腹水の排出の妨げ」でバランスが崩れて起こります。

腹水の原因や症状について、さらに詳しく知りたい方は「腹水になる原因と症状|診断方法と治療方法・難治性について」の記事もご覧ください。

腹水による身体の不調症状

お腹の中に溜まった腹水の量が増えるにしたがって症状があらわれてきます。
通常は症状を起こすことはありませんが、腹水が進むと他の症状を起こすこともあります。

腹水が大量になると、胃の圧迫や横隔膜の押し上げで以下のような症状がみられます。

蛙腹になる(おなかが膨らむ)おへそが飛び出る
胃の圧迫で食事が摂れない吐き気がする
呼吸が苦しく息切れがする足のむくみ
体重の増加疲労
便秘消化不良

溜まった腹水の対処法はいくつかありますが、症状の一時的な改善がほとんどです。
腹水は再発性の高い症状です。

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あなたは当てはまる?腹水がたまる3つの原因

腹水の原因

腹水が溜まる原因には大きく分けて以下の3つがあります。

  • アルブミンの低下
  • 肝臓の血管障害
  • 病気によるもの

アルブミンの低下

アルブミンの低下は、腹水が溜まる原因となります。
アルブミンとは、血液中のタンパク質のことです。

アルブミンの役割は、血管中の水分量の保持と余分な水分を血管に吸収することです。
アルブミン低下は腹水の吸収不良を来し、血管の水分が外へ滲みだして腹水になります。

肝硬変などによってアルブミンが正常に作られなくなると、腹水が溜まりやすくなります。
肝硬変は初期症状が出にくいため、定期的な肝機能検査が重要です。

腹水の大きな原因となる「アルブミン」の低下を防ぐには、日々の栄養管理が不可欠です。
学研グループのメディカル・ケア・サービス(MCS)では、MCS版自立支援ケアとして、科学的根拠に基づいた栄養管理を実践しています。
具体的には、低栄養状態を防ぎ、健康な血液状態を維持するために、以下の指標を推奨しています。

  • タンパク質摂取の目安:1日80g(※個人の状態により調整が必要)
  • 水分摂取の目安:1日1,500ml〜1,800ml

単に「バランスよく食べる」だけでなく、具体的な数値を意識することが、腹水の原因となる肝機能低下や低アルブミン血症の予防に繋がります。

肝臓の血管障害

肝硬変で肝臓が硬くなると、肝臓へ血液を送る門脈が圧迫され肝臓内で血管障害(血圧の上昇)が起こります。
血管内圧が高くなると、不要になった腹水を血管に吸収することができなくなります。

腹水を吸収できずに圧の高い血管内から水分が外へ滲みだして腹水になります。
肝硬変はアルブミンの低下と血管障害の両方の原因が起こる代表的な疾患です。

病気によるもの

肝硬変のほかにも以下のような病気で腹水の貯留が起こります。

がん性腹膜炎

腹水が起こる原因の1つにがん性腹膜炎による「腹水の過剰産生」があります。
腹水の過剰産生は主に腹膜の炎症によって起こります。

がん性の腹膜炎は、がんがもとの部位から腹腔内へ転移したときに起こります。
肝臓がんや大腸がん、胃がんなどが進行して腹膜へ転移したがんを腹膜播種といいます。
腹膜播種は、がん性腹膜炎を起こします。

がん性腹膜炎があらわれたときは、がんが末期に近い状態のときです。
腹水の溜まりによる痛みや腸閉塞、水腎症などの合併症を起こします。

心不全

心不全の腹水は、漏出液で血管内圧の上昇が原因となって出現します。
心不全によって、静脈で血液が滞留します。

結果、血管内圧の上昇を招き、水分が浸み出て腹水が増えます。
心不全と足のむくみの関係について詳しくは「不整脈による突然死の前兆はある?」もご参照ください。

腎不全

体の水分量は腎臓によって一定に保たれています。
腎不全の悪化で尿量が減ると体の水分量が増えて水分が滞留します。
お腹に滞留した水分は腹水となります。

腎不全と栄養管理については「カリウムと腎臓病の関係とは?」で詳しく解説しています。

ウイルス性肝炎

ウイルス性肝炎は、肝炎ウイルスによって肝機能障害を引き起こす病気です。
中でもC型肝炎は慢性化すると腹水の合併症を伴う肝硬変に進むことがあります。

膵炎

膵炎によって膵液が腹腔内に漏れ出して貯留する膵性腹水があります。
膵内で炎症が起こると活性化した膵酵素が血液や尿、腹水へと溢れだします。

結核性腹膜炎

結核性腹膜炎は細菌感染を伴う特発性細菌腹膜炎の1つです。
特発性細菌腹膜炎は結核や肝硬変、ネフローゼ症候群などに伴って発症します。
症状の1つに腹水貯留があります。

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腹水セルフチェックの方法・コツ

セルフチェックの様子

腹水のセルフチェックの方法・コツを以下に2点ご紹介します。

  • 自覚症状の確認
  • 腹水なのか脂肪なのかの見分け方

自覚症状の確認

腹水が溜まってくるとお腹が圧迫されて症状があらわれてきます。
セルフチェックで確認できる自覚症状は以下のようなものです。

原因症状
胃の圧迫によるもの食欲不振
吐き気
肺の圧迫によるもの息切れ
血管圧迫による血液循環の悪化足のむくみ

腹水なのか脂肪なのかの見分け方

腹水なのか脂肪なのかのセルフチェックによる見分け方について以下3点ご紹介します。

内臓脂肪の場合

内臓脂肪は触診だけでは見分けづらいものです。
内臓脂肪は内部から膨らんでくるので以下のような特徴があります。

  • 腹部が張る
  • 皮膚には光沢がある
  • お腹のふくらみは仰向けに寝ても横に流れず大きな変化がない

皮下脂肪の場合

皮下脂肪による肥満体形の特徴は以下のようなものです。

  • 下腹部を中心としたたるみができる
  • 内臓脂肪に比べやわらかい
  • お腹のふくらみは仰向けに寝ると左右の横腹に流れる
  • 起きているときに比べお腹のふくらみは減少する

腹水の場合

腹水の場合もお腹のふくらみは仰向けに寝ると皮下脂肪と同じく左右の横腹に流れます。
したがって、腹水と皮下脂肪のセルフチェックでの見分けは打診によります。

【腹水の波動のチェック】
片方の手のひらを脇腹に添え、反対側の脇腹を軽く叩きます。
添えていた手のひらに波動を感じた場合は腹水を疑います。

【打診音の違い】
仰向けに寝た状態で腹水があるときの打診音は、腹側で鼓音(高い音)、脇腹で濁音(鈍い音)となります。
腹水が多量にある場合は、水の移動がないため打診音による聴取ができません。

打診音による聴取ができない場合は、圧迫によって浮腫を調べる方法を検討します。

腹水の治療方法

腹水の治療

腹水の治療方法について以下4点を説明します。

  • 受診する科
  • 診断方法
  • 治療方法
  • 入院期間

受診する科

腹水が溜まっているかもしれないと思った場合は、まずは内科を受診しましょう。
腹水の診断は医師の診断、画像検査、腹水の分析と進んでいきます。

診断方法

腹水の診断には以下の3つがあります。

  • 医師の診断
    腹部を軽く打診すると鈍い音がしますが、少ない(約1Lに満たない)と検知できないこともあります。
  • 画像検査
    画像検査では超音波検査またはCT検査が行われることがあります。
  • 腹水の分析
    腹水の原因を分析するために腹壁に針を刺して腹水のサンプルを採取することがあります。
    にごりや細菌、がん細胞の有無などを詳しく調べます。

治療方法

腹水の主な治療方法には以下のようなものがあります。

  • 安静にする
    肝臓や腎臓に血液が届きやすくなり、余分な水分を尿で排出できる効果が期待できます。
  • 塩分制限
    利尿剤の効果を出すためには、塩分の制限が必要です。
  • 利尿薬
    食事による効果が得られない場合、通常は利尿薬を使います。
  • 腹水の排出
    症状が強い場合は、お腹に針を刺して腹水を排出する腹腔穿刺を行います。
    腹水ろ過濃縮再静注法(KM-CART)を用いて、抜いた腹水の栄養分を体に戻すこともあります。
    アルブミンの不足が原因である場合は、血液製剤のアルブミンの点滴を行います。

入院期間

腹水穿刺治療は、合併症を発症するリスクがあるため看護観察を必要とします。
腹水ろ過濃縮再静注法(KM-CART)では、入院期間は安全を診て2泊3日となっています。

治療法について、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も是非ご覧ください。

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腹水になりやすいのはどんな人?

腹水になりやすい人

腹水になりやすい人について説明します。

腹水を引き起こす代表的な病

腹水を引き起こす代表的な病気には以下のようなものがあります。

  • 炎症が原因:がん性腹膜炎、細菌性腹膜炎、ウイルス性腹膜炎、膵炎
  • 血管内圧上昇やアルブミン不足:肝硬変、心不全、腎不全

遺伝的に腹水が溜まりやすい人

腹水が溜まる原因の1つに以下のような遺伝性のがんがあります。

卵巣がん子宮体がん
乳がん大腸がん
胃がん膵臓がん

その他、腎不全も遺伝性の糖尿病を原因とする場合があります。
その中でも女性特有の腹水については、以下の関連記事で詳しく解説しています。

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腹水予防のコツ

予防のコツ

腹水を予防する1番のコツは、腹水の原因となる病気にならないことです。
特に、栄養バランスのとれた食事生活習慣病の予防が重要です。

腹水予防と健康維持のために

国立がん研究センターも提示するように、禁煙、節度ある飲酒、バランスの取れた食事、適度な運動が基本となります。

また、加齢による健康維持のサポートとして、記憶力や認知機能の維持に役立つ栄養成分も注目されています。
日々の健康管理に、機能性表示食品などのサプリメントを取り入れることも、健康な生活を送るための選択肢の一つです。
※あくまでも健康維持をサポートするものであり、病気の治療を目的とするものではありません。

腹水になったときのケアのポイント

腹水になったとき入院中にする治療の1つは安静塩分制限です。
腹水は再発性が高いので、退院後も自宅で安静や塩分制限を続けましょう。

塩分制限は以下のようにします。

  • 通常の場合 :1日の塩分は10gまで
  • 腹水が溜まる人 :1日の塩分は8g以下

塩分を控えるためには以下のようなことを心がけましょう。

  • 低塩調味料の使用
  • みそ汁やラーメンなどの汁は残す

腹水がある時期の食事の摂り方について、詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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腹水が溜まるのは末期癌の証拠?

末期がんと腹水

腹水が溜まるのは末期癌の証拠なのか以下の2点について説明します。

  • 末期がんと腹水の関係
  • 末期がんのその他の症状

末期癌と腹水の関係

がんの進行と腹水には関係があります。
腹水が起こる原因の1つに「腹水の過剰産生」があり、腹膜の炎症によって起こります。

がん性の腹膜炎は、がんがもとの部位から腹膜内へ転移した時に起こります。
肝臓がんや大腸がん、胃がんなどが進行して転移したがんを腹膜播種といいます。
腹膜播種は手術療法では完全に取り除くことができません。

がん性腹膜炎になると、炎症を抑えるために腹水が過剰に産生されることになります。
がん性腹膜炎があらわれたときは、がんが末期に近い状態のときです。

末期癌のその他の症状

末期がんになると腹水以外にも以下のような症状があらわれます。

癌性疼痛胸水
浮腫黄疸(肝)
吐き気嘔吐
吐血腸閉塞
体重減少と疲労リンパ節の腫れ

がんの進行と腹水の詳しい関係については「がんの進行と腹水貯留の関係性とは?」で詳しく解説しています。

進行したがんや難治性の腹水は不安が大きいものですが、適切なケアで穏やかな時間を過ごすことは可能です。
MCSが運営する施設では、医療機関と連携し、腹水による苦痛を最小限に抑えながら「その人らしい生活」を支えています。
実際に、末期がんによる腹水症状がある方でも、施設での介入によって家族との絆を深め、最期まで望む形での関係性を維持できた事例が多くあります。

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TIL療法について

TIL療法

TIL(腫瘍内浸潤リンパ球)療法は免疫細胞療法の1つです。
TIL療法は標準的ながん治療に加えて行う治療法で、腹水を利用します。

TIL療法は自分の体内にある免疫力を持つ細胞を活用し、がん細胞を攻撃する治療法です。
TILは他の免疫細胞に比べがんを確実に捉えて攻撃力も高いと考えられています。

TILは体内から取り出した腹水から免疫細胞を分離し、体外で増殖・活性化させます。
体外で増殖・活性化させた免疫細胞を再度体内へ戻しがんと闘わせるのです。
自身の免疫細胞を利用するTIL療法には以下のようなメリットがあります。

外来での治療が可能患者の生活の質(QOL)の改善
がんの状態に関わらず治療が可能転移や再発予防に効果
痛みの緩和副作用が少ない

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腹水セルフチェックのまとめ

まとめ

ここまで腹水セルフチェックについてお伝えしてきました。
腹水セルフチェックについての要点を以下にまとめます。

  • 腹水が溜まる原因にはアルブミンの低下、肝臓の血管障害、がんなどの病気がある
  • セルフチェックでは自覚症状の確認と、仰向け時の膨らみの変化や波動の有無を確認する
  • 治療には安静、塩分制限、利尿薬、腹腔穿刺などがある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
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