ホーム

認知症を学ぶ

down compression

介護を学ぶ

down compression

専門家から学ぶ

down compression

書籍から学ぶ

down compression

健康を学ぶ

down compression
健達ねっと>健康お役立ち記事>高齢者の病気>骨粗鬆症の運動療法とは?目的やおすすめの運動方法について解説します!

骨粗鬆症の運動療法とは?目的やおすすめの運動方法について解説します!

骨粗鬆症の方は骨折しやすいため、運動を控えた方が良いというイメージがあります。
しかし、骨粗鬆症の予防・改善のためには、適度な運動が必要です。
なぜ運動が骨粗鬆症の予防に役立つのでしょうか。

本記事では、骨粗鬆症と運動について、以下の点を中心にご紹介します。

  • 運動が骨粗鬆症予防に役立つ理由
  • 骨粗鬆症予防におすすめの運動
  • 運動以外の骨粗鬆症の予防方法

骨粗鬆症と運動について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

スポンサーリンク

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症とは、骨密度が低くなることです。
骨の中が空洞化するため、軽い転倒でも骨折しやすくなります。

骨粗鬆症の主な原因は、カルシウム不足のほか、閉経・加齢などです。
特に40代以降の方は骨粗鬆症のリスクが高くなります。
出典:厚生労働省【骨粗鬆症 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

スポンサーリンク

骨粗鬆症予防に運動をすすめるのはなぜ?

骨粗鬆症になると、骨折が起こりやすくなります。
そのため外出や運動を控えるという方は少なくありません。

しかし、骨粗鬆症の予防・改善には、ある程度運動することが大切です。
なぜなら骨は、物理的な負荷がかかることで丈夫になるためです。

物理的な負荷とは、具体的には衝撃のことです。
たとえばウォーキングなどは着地の際に、足の裏・かかとなどに物理的な衝撃が加わります。

物理的な衝撃が加わると、新しい骨を作る「骨芽細胞」が活性化しやすくなります。
骨の生成が盛んになるため、骨粗鬆症の予防・改善につながるというわけです。

反対に、自宅などに閉じこもって運動不足に陥ると骨芽細胞は活性化しません。
すると骨がますます脆くなるため、骨粗鬆症が悪化しやすくなります。

骨粗鬆症を予防・改善するには、身体を動かして骨に衝撃を加えることが大切です。
ただし、運動は無理のない範囲で行ってください。

すでに骨粗鬆症が進行している方が無理に運動すると、骨折するおそれがあるためです。
骨粗鬆症の予防・改善の運動の仕方については、かかりつけ医に相談するのがおすすめです。
出典:厚生労働省【骨粗鬆症予防のための運動 -骨に刺激が加わる運動を | e-ヘルスネット

骨粗鬆症防止におすすめの運動方法

骨粗鬆症の代表的な予防方法は以下の通りです。

  • カルシウム・ビタミンDの摂取
  • 日光浴でカルシウムを増やす
  • 骨に適度な刺激が加わるような運動

第1に大切なのは、カルシウムやビタミンDの積極的な摂取です。
いずれも骨を丈夫にする作用があるため、日頃から意識して摂りましょう。

ビタミンDは紫外線を浴びると、体内で合成されます。
骨粗鬆症予防のためにも、1日30分程度を目安に日光浴するのがおすすめです。

骨粗鬆症の予防には、骨に刺激が加わるような運動をするのも有効です。
ただし運動は、個人の体力などにあわせて無理のない範囲で行ってください。

高齢の方が無理に運動をすると、転倒・骨折のおそれがあるためです。
ある程度の運動が可能な方は、骨粗鬆症予防のために、ぜひ以下のような運動に取り組んでみてください。
出典:農林水産省【大切な栄養素カルシウム
出典:厚生労働省【骨粗鬆症の予防のための食生活 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
出典:厚生労働省【骨粗鬆症予防のための運動 -骨に刺激が加わる運動を | e-ヘルスネット

ウォーキング

ウォーキングとは、腕を大きく振りながら、すこし大股で歩くことです。
いつもより早い速度で歩くと、身体にかかる負荷が大きくなるため、骨粗鬆症予防に有効です。

具体的なウォーキングのポイントは以下の通りです。

  • 胸を張って背筋を伸ばす
  • あごを引いて、視線はやや遠くをみる
  • 膝を伸ばして歩く
  • つま先で地面を蹴り、着地はかかとから行う
  • やや早足で、リズミカルな歩調を意識する
  • 歩幅は70~80cm程度(通常の歩行より大股を意識する)
  • 時間は30分程度

歩く姿勢・速度などは、個人の体力などに応じて調整してください。
無理に大股・早足で歩くと、転倒のおそれがあるためです。
ウォーキングが難しい方は、ゆっくり散歩するだけでも良いです。

ランニング

体力などに問題がなければ、ランニングするのも良い方法です。
ランニングの着地時には、体重の3~4倍の衝撃が足に加わるため、骨芽細胞が活性化しやすくなります。

高齢者の方がランニングをする際は、無理をすると転倒や骨折のおそれがあります。
転倒などを防ぐためにも、以下のポイントに注意してください。

  • ランニングシューズはサイズがぴったりで、足裏のクッション性が高いものを選ぶ
  • 靴紐はしっかり結ぶ
  • できれば平坦で柔らかい道(整備された芝のランニングコース)を走る
  • 上り坂は歩くなどして、無理のない範囲で行う
  • 雨の日はすべりやすいため、ランニングは控える
  • 1日15分程度から始める

ランニングは負荷の大きな運動であるため、体調などと相談しながら無理のない範囲で行ってください。

ランニング中に膝の痛みや動悸・息切れなどが出た場合は、すぐに中止するのが無難です。
気温や湿度が高い日は、熱中症のおそれがあるため、ランニングは控えましょう。

ウエイトトレーニング

上半身の骨を丈夫にするには、ウエイトトレーニングを行うのもおすすめです。
「ウエイトトレーニングは筋肉を鍛える運動では?」と思う方も多いでしょう。

骨は腱を介して筋肉とつながっています。
ウエイトトレーニングで筋肉を鍛えると、骨にも刺激が加わるため、骨芽細胞が活性化しやすくなるのです。

骨粗鬆症予防に有効なウエイトトレーニングは、スクワット・ダンベル上げなどです。
ウエイトトレーニングの時間は、1日10~20分程度が目安です。

転倒や骨折のおそれが高い方は、無理にウエイトトレーニングに取り組む必要はありません。
出典:厚生労働省【骨粗鬆症予防のための運動 -骨に刺激が加わる運動を | e-ヘルスネット

エアロビクス

エアロビクスとは、簡単なステップを組み合わせた有酸素運動です。
たとえば音楽に合わせて台を上り下りする運動などがあります。

エアロビクスはやや負荷の大きな運動ですが、最近は高齢者向けのスローエアロビックも開発されています。

スローエアロビックとは、簡単なステップや運動を反復して行うものです。
気軽に行える動作が多いため、高齢の方・体力に自信のない方・運動が苦手な方にもおすすめです。

高齢者向けのエアロビクスのやり方は、動画などを参考にするのがおすすめです。
ぜひインターネットなどで動画を検索してみてください。

ちなみに、動画の内容をすべて実践する必要はありません。
転倒や骨折などを防ぐためにも、自分が無理なくできる運動だけをチョイスしてください。

サイクリング

サイクリングは骨粗鬆症予防には向かないという説があります。
サイクリングはウォーキングなどと比べると、身体への物理的な衝撃が少ないためです。

一方で、サイクリングでもある程度の骨粗鬆症予防は期待できるという説もあります。
また、サイクリングは心肺機能の強化や、下半身の筋肉増強効果も期待できます。

筋肉増強は骨の強化につながるため、ひいては骨粗鬆症予防が期待できます。
身体により大きな負荷を掛けるためにも、坂道を選んでサイクリングをしましょう。

ただし、体力などに自信のない方は平坦な道を選んでもかまいません。
サイクリングは交通ルールを守り、転倒に気をつけながら行ってください。

サイクリングで体力がついたら、負荷の大きな運動に挑戦するのもおすすめです。
たとえばランニングやウエイトトレーニングにも少しずつ挑戦してみましょう。

水泳

水泳はサイクリングと同じく、重力的な負荷が少ない運動です。
関節や腰への負担も少ないため、運動に慣れていない方・体力のない方でも挑戦しやすいでしょう。

水泳には、心肺機能の強化やバランス感覚を養う効果が期待できます。
バランス感覚が鍛えられると、転倒しにくくなります。

骨粗鬆症の方はささいな転倒でも骨折しやすくなっています。
そのため、バランス感覚を鍛えて転倒を予防することはとても重要です。

水泳は30分を目安に週2回程度取り組むのがおすすめです。
泳ぎ方に決まりはないため、自分が得意なフォームで挑戦してください。

泳ぐのが苦手な方は、水中を歩くだけでも良い運動になります。
プールに入る前はしっかり準備運動を行ってください。

スクワット

スクワットはウエイトトレーニングの一種で、膝を曲げ伸ばしする運動です。
太ももやお尻の筋肉が鍛えられるため、転倒防止に有効です。

太ももなどの大きな筋肉を鍛えることは、骨への適度な刺激にもなります。
基本的なスクワットのやり方は以下の通りです。

  • 肩幅程度に足を開き、つま先はやや外側に向ける
  • 両手を前へまっすぐつき出す
  • 上体をまっすぐに伸ばしたまま、5秒かけて膝を45度に曲げる
  • 腰を落とした状態を5秒キープする
  • 膝と背筋をまっすぐ伸ばしながら、5秒かけて腰を上げる

後ろに転倒しないよう気をつけてください。
転倒しそうな方は、椅子や机につかまりながら行ってもかまいません。
回数の目安は5~10回×2~3セットです。

縄跳び

縄跳びは着地時に足に大きな負荷がかかるため、骨粗鬆症予防に有効です。
衝撃が大きいぶん、身体全体に大きな負荷がかかるため、無理のない範囲で行ってください。

縄跳びは10cm程度のジャンプでかまいません。
回数は1日50回程度が目安です。

縄跳びは、縄が他人やものにあたらないように広い場所で行ってください。
膝などへの負担を減らすために、必ず靴を履きましょう。

靴は、クッション性が高く靴底が広いものがおすすめです。
もし縄跳び中に膝が痛くなった場合などは、無理をせずに休んでください。

しこを踏む

しことは、力士が土俵などで行う動作です。
しこの踏み方は次の通りです。

  • 1 足を肩幅に開き、腰を落とす
  • 2 膝に手を置く
  • 3 右脚を横に上げ、地面を叩くように下ろす
  • 4 3の要領で左足も同様にする

片足を上げる高さは、バランスを崩さない程度が目安です。
足を上げすぎると後ろに転倒するおそれがあるため、無理のない範囲で行ってください。
しこ踏みの回数は、左右10回ずつ×3セットが目安です。

ふくらはぎとアキレス腱のストレッチ

ストレッチによってふくらはぎとアキレス腱の柔軟性を保つと、転倒のリスクを低減できます。
また、筋肉や筋を鍛えると、骨に適度な刺激が加わるため、骨粗鬆症予防につながります。

ストレッチのやり方は次の通りです。

  • 1 壁に両手をついて身体を支える
  • 2 右足の膝を曲げながら前に出し、体重を掛ける
  • 3 左足のふくらはぎを伸ばして30秒キープする
  • 4 両足を揃える
  • 5 足を交代して2~3を繰り返す

ストレッチの回数に決まりはありません。
両足5~10回を目安に、無理のない範囲で取り組んでください。

背筋を伸ばすストレッチ

背筋の柔軟性を保つと、転倒のリスクを低減できます。
背筋を伸ばすストレッチのやり方を2通りご紹介します。

【ストレッチ1】

  • 壁から30cm程度離れた場所に立つ
  • 壁に沿って、両手をできるかぎり上に伸ばす
  • つま先立ちはせず、2の状態で背筋を伸ばす

【ストレッチ2】

  • 椅子に座って、頭の後ろで両手を組む
  • 両肘を後ろに引くようにして、胸を開く

それぞれ5~10回程度を目安に行ってください。

片脚立ちバランス運動

片足立ちをして、バランスを取る方法です。
目的は、片足に全体重をかけることで、骨にほど良い負荷を加えることです。

片足立ちを行う際は、片方の足を上に持ち上げて、10秒ほどキープします。
左右交互に5~10回程度繰り返しましょう。

転倒を防ぐためにも、足を高く上げる必要はありません。
もし転倒のおそれがある場合は、椅子や手すりにつかまってもOKです。

かかと落とし

屋外に出るのが難しい場合などは、屋内でかかと落とし運動に挑戦してみてください。
足に適度な衝撃が加わるため、骨粗鬆症の予防が期待できます。

【かかと落とし運動】

  • 1 足をそろえてまっすぐ立つ
  • 2 その場でつま先立ちする
  • 3 足の力を抜いて、かかとをまっすぐストンと落とす
  • 4 1~3を10回×3セット繰り返す

姿勢が不安定な方は、転倒を防ぐために机や椅子につかまってください。
立ち上がるのが難しい方は、椅子に座ったまま、かかとを上げ下げするだけでもかまいません。

骨粗鬆症に運動不足は関係ある?

運動不足は骨粗鬆症の代表的な原因の1つです。
しかし骨粗鬆症は、運動不足だけが原因で起こることはありません。

多くの場合、骨粗鬆症は複数の要因が重なって起こります。
運動不足以外の骨粗鬆症の原因としては、次のようなものがあります。

  • カルシウム・マグネシウム・ビタミンD不足
  • 閉経による女性ホルモンの減少
  • 加齢
  • 遺伝による体質

出典:厚生労働省【骨粗鬆症 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

健達ねっとECサイト

骨粗鬆症の予防に運動は効果あり?

骨粗鬆症の予防には、適度な運動が有効です。
運動による物理的な衝撃は、骨芽細胞を活性化させて骨密度を上げる効果があります。

骨粗鬆症予防のためには、運動だけでなく、食事に注意することも大切です。
具体的には、カルシウム・マグネシウムのほか、ビタミンD・ビタミンKなどの摂取を心がけましょう。

それぞれの効果や代表的な食品を以下にまとめました。

主な効果豊富な食品具体的な食品
カルシウム骨の原料になる乳製品牛乳・チーズ・ヨーグルト
緑黄色野菜ほうれん草・小松菜・モロヘイヤ
小魚煮干し・いわし・ししゃも・しらす
大豆製品大豆・豆腐・納豆・味噌・油揚げ
マグネシウム骨を強くする藻類あおさ・わかめ・のり
魚介類はまぐり・しらす・干しエビ
大豆類きなこ・納豆・豆腐
ビタミンDカルシウムの吸収を助けるきのこマイタケ・エリンギ・えのき・干し椎茸
魚類あん肝・かつお・しらす・いわし・かれい・鮭
卵類鶏卵・うずらの卵
ビタミンKカルシウムが骨から溶け出すのを防ぐ野菜類ブロッコリー・ほうれん草・小松菜・ニラ
大豆製品納豆

出典:厚生労働省【骨粗鬆症の予防のための食生活 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

薬の使い方

骨粗鬆症防止の運動を行う際の注意点

運動は骨粗鬆症の予防・改善に有効です。
しかし、すでに骨が弱くなっている方が無理に運動すると、かえって骨折のリスクが高まります。

骨粗鬆症予防のための運動は、体力などにあわせて、無理のない範囲で行ってください。
必ずしも特別な運動をする必要はありません。

たとえば趣味としてゴルフや散歩に取り組むだけでも、骨粗鬆症の予防を期待できます。
あるいは、買い物などの家事も骨粗鬆症の予防につながります。

歩行が難しい方は、椅子に座ったままできる運動に取り組みましょう。
たとえば椅子に座ったまま、かかとを上げたり下げたりする方法があります。

具体的な運動の内容・程度については、まずかかりつけ医に相談してください。

骨粗鬆症の推計患者数

骨粗鬆症の推計患者数について、厚生労働省のデータをもとに表を作成しました。
【平成29年】

推計患者数 (単位:千人)受療率 (人口10万対)総患者数(単位:千人)
総数入院外来入院外来
59.11.058.1146629

出典:厚生労働省【患 者 調 査

受療率とは、推計患者数を人口10万対であらわしたものです。
具体的には、調査日当日に全国の医療機関を受診した患者の推計数を人口で割り、人口10万あたりで表しています。
出典:厚生労働省【用語の説明
出典:厚生労働省【患者調査についてのよくあるご質問

スポンサーリンク

骨粗鬆症の運動のまとめ

ここまで、骨粗鬆症と運動についてお伝えしてきました。
骨粗鬆症と運動の要点を以下にまとめます。

  • 運動が骨粗鬆症予防に役立つ理由は、運動による物理的な衝撃が骨を丈夫にするためである
  • 骨粗鬆症予防におすすめの運動は、ウォーキングやランニングのほか、ウエイトトレーニング・ストレッチなど
  • 運動以外の骨粗鬆症の予防方法としては、カルシウム・マグネシウムの摂取や日光浴など

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

スポンサーリンク