加齢や疾病の影響で嚥下機能が低下し、食事が行いにくくなることがあります。
嚥下機能を維持・改善するために重要な治療法の1つとして嚥下トレーニングがあります。
嚥下トレーニングにはどのような種類があるのでしょうか?
効果的に嚥下トレーニングを行うポイントは何でしょうか?
本記事では嚥下トレーニングについて以下の点を中心にご紹介します。
- 嚥下トレーニングの概要とは
- 嚥下トレーニングの方法とは
- 効果的に嚥下トレーニングを行うポイントとは
嚥下トレーニングについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
嚥下トレーニング(リハビリ)とは
嚥下トレーニングとは、嚥下障害が生じた方に対し訓練や生活指導を行うことをいいます。
嚥下トレーニングの目的は誤嚥のリスク予防や食事を楽しめるようになることです。
顎や口などの運動・知覚機能を刺激することで、誤嚥のリスクを予防することができます。
嚥下機能が改善し自分で食べられる食品が増えると、食事を楽しむことができます。
以下の記事では、嚥下障害について詳しく解説しておりますのでぜひ参考にしてみてください。
誰でも食事中にむせて、苦しい思いをしたことありますよね。でも、それが頻繁に起こるようなら嚥下障害かもしれません。とくに高齢者に多く、誤嚥性肺炎など重篤な病気の原因にもなります。本記事では嚥下障害について以下の点を中心にご紹介します[…]
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嚥下障害とは
嚥下障害とは食べ物や水分を上手く飲食できなくなる障害をいいます。
正常な嚥下では食べ物や水分を口に入れて胃に流し込むまで以下の過程で行われます。
嚥下障害の場合、上記過程の一部又は全体に問題が生じることで障害が起こります。
嚥下障害の主な原因
嚥下障害の主な原因は以下の3つに分類されます。
器質的要因
舌や食道など嚥下に関わる器官に炎症や腫瘍などが生じることが原因となります。
具体的には以下の疾患があります。
- 口蓋裂
- 口腔・咽頭等の腫瘍(舌癌など)
- 口腔・咽頭等の腫瘍術後
- 歯の欠損、入れ歯
機能的原因
嚥下に関わる神経や筋肉の異常により、嚥下運動に障害を伴うことが原因となります。
具体的には以下の疾患があります。
- 脳血管障害
- 脳性麻痺
- 脳炎
- 神経変性疾患(ALSヤパーキンソン病など)
- 筋疾患(筋ジストロフィーなど)
- 脳腫瘍
心理的要因
精神的疾患等により嚥下障害が生じます。
具体的には以下の疾患があります。
- うつ病
- ストレス性の胃潰瘍
- 心身症
嚥下障害の主な症状
嚥下障害では特徴的な症状が見られます。
具体的には以下の症状があります。
- 食事中のムセが増える
- 食事時間が長くなる
- 食事中に疲労が生じる
- 食べ物が胸につかえる
- 水分が飲み込みにくくなる
- 食べこぼしが増える
- 口の中に食べ物が残る
- 嚥下後に声が枯れる
- のどに引っかかった感覚がある
嚥下障害による弊害等
嚥下障害による弊害の1つに誤嚥があります。
誤嚥とは食べ物が誤って気管に入ってしまうことをいいます。
正常であればせき込むことで食べ物を気管の外に出すことができます。
しかし、せき込む力が低下していると食べ物が気管から肺まで届くことがあります。
結果、肺が炎症を引き起こし、誤嚥性肺炎を発症することがあります。
誤嚥を含む肺炎は高齢者の死因第5位以内に入る恐ろしい病気です。
出典:厚生労働省【死因順位(第5位まで)別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合】
嚥下障害の原因について詳しく知りたい方は以下の記事を併せてご覧ください。
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嚥下トレーニングの方法
嚥下トレーニングの方法は大きく分けて2種類あります。
具体的には以下の通りです。
間接訓練
間接訓練は食べ物を用いずに嚥下器官に対してアプローチを行う訓練をいいます。
嚥下障害を伴う方に対し最初に用いることが多い訓練になります。
間接訓練は目的別に以下のトレーニングに分類されます。
嚥下体操
嚥下体操は嚥下器官(頸部、肩、口唇、舌、頬)に対する準備体操です。
食事摂取の前に準備体操として行うと効果があらわれます。
目的 | 嚥下器官のリラクゼーションや機能向上、覚醒を促す |
方法 | 嚥下体操の手順は以下の通り |
①ゆっくりと深呼吸
鼻から吸って口から吐く
ゆっくり数回繰り返す
②首を回す、左右に倒す
左右1回ずつ首を回す
左右1回ずつ首を倒す
③肩をすくめる、おろす
肩をすくめた後力を抜いて肩を下す
2~3回繰り返す
④体を左右に倒す
ゆっくり左右1回ずつ体を倒す
⑤頬を膨らます、ひっこめる
2~3回繰り返す
⑥口を開けて舌を出す、ひっこめる、左右に動かす
2~3回舌を出してひっこめる
2~3回舌を左右の口角にあてるように動かす
⑦パタカラ体操
「パパパ、タタタ、カカカ、ラララ」とゆっくり発音する
5~6回ゆっくり発声する
その後5~6回早く発声する
⑧口すぼめ呼吸
口をすぼめて息を強く吸って3秒止めてから吐き出す
⑨額に手を当ててへそをのぞく
5秒間額に手を当てて抵抗させながらへそをのぞく
⑩ゆっくりと深呼吸
最初と同じ深呼吸をする
筋肉・関節・器官のトレーニング
嚥下に関わる筋肉・関節・器官を強化するトレーニングを紹介します。
具体的には以下の通りです。
口・舌・首のマッサージ | 目的 | 口元や頬、顎、のどに関する筋や関節の柔軟性低下予防、機能向上、感覚促通 |
方法 | 口・舌・首のマッサージの種類と方法は以下の通り |
- 口唇:口唇をつまみ前方に出す、口角を横に引く、口腔に指を入れて口唇を伸ばす
- 頬:口腔に指を入れ頬の外側と内側を伸ばす
- 顎:頬や側頭部の表面から軽く圧迫しながら1cm程度の円を描いてマッサージする
- 喉:下顎からのど仏にかけて優しくマッサージする
頭部挙上訓練 | 目的 | 嚥下の際、気道閉鎖や食道を拡大させるために必要な喉頭挙上に関わる筋肉等を強化 |
方法 | 頭部挙上訓練の手順は以下の通り |
- 姿勢は仰向けから開始し、足先を見るよう頭部を挙上・保持する
- 保持時間は60秒、訓練後60秒休憩する
- 自分で頭部挙上保持が困難な場合は介助者が後頭部を持ちサポートする
- 頭部挙上訓練を30回1クールとし、1日3クール行う
注意:負荷量が大きいため、状態により頻度や時間の調整が必要
ブローイング | 目的 | 嚥下の際鼻と口腔内(鼻咽腔)が閉鎖する鼻咽腔閉鎖に関わる神経や筋肉の機能改善 |
方法 | ブローイングの手順は以下の通り |
- 水の入ったコップとストローを準備する
- ストローでコップ内の水がぶくぶく泡立つように吹く
- 泡立たない場合は鼻から空気が漏れている可能性があるため指で鼻をふさぐ
- 状態に合わせて強弱をつけたり、ストローの長さの変更、水の粘性を調整する
注意:運動量が多いと過呼吸を引き起こす危険性あるため注意
プッシング | 目的 | 息こらえを利用し、声門閉鎖に関わる器官(軟口蓋挙上など)を強化 |
方法 | プッシングの手順は以下の通り |
- 近くにある壁や机を押して動作確認する
- しっかり息を止めた後、押す動作に合わせて「エイッ」と強い発声を出す
- 声が十分に出るようになったらプッシング動作を減らす
注意:瞬間的な力を伴い血圧が上昇するため、高血圧や不整脈の既往がある場合は要検討
メンデルゾーン手技 | 目的 | 食道拡大、喉頭挙上時間延長に必要な喉頭挙上筋の強化 |
方法 | メンデルゾーン手技の手順は以下の通り |
- 片手でのど仏を左右からつまむ
- ごっくんと空嚥下を行い、喉仏が最も挙上した場所で保つよう手で支える
- 数秒後力を抜いて元の状態に戻す
注意:喉仏を保持している間は無呼吸になるため呼吸器疾患等は禁忌
発音訓練 | 目的 | 舌や口の動きを十分に促し、嚥下機能を向上 |
方法 | 発音訓練は前述のパタカラ体操を行う |
手順や詳細は後述します。
呼吸訓練 | 目的 | 気道内圧を高めて誤嚥時に食べ物が排出できるための神経・筋活動を向上 |
方法 | 呼吸訓練の種類と手順は以下の通り |
①息こらえ嚥下
鼻から息を吸い、息を止めた後に空嚥下し、息を吐く
②腹式発声
腹筋を使って息を十分に吐いた後、腹部が膨らむ程度にたくさん息を吸う
咳嗽(がいそう)訓練 | 目的 | 痰や唾液の貯留、誤嚥時に食べ物を排出させる器官の神経・筋活動を向上 |
方法 | 咳嗽訓練の手順は以下の通り |
- できるだけ十分に息を吸う
- 吸った後息を止め、強い咳をする
注意:激しい咳嗽を行うと誤嚥を誘発する可能性あるため注意
出典:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会【訓練法のまとめ(改訂2010)】
嚥下反射のトレーニング
嚥下反射を誘発するトレーニング法を紹介します。
具体的には以下の通りです。
空嚥下 | 目的 | 嚥下の際に必要な舌をのどに押し込む運動を改善 喉の奥にある喉頭蓋谷への食べ物の貯留を減少 |
方法 | 空嚥下の手順は以下の通り |
- 喉の奥に舌を押し付けるようにする
- 力いっぱい舌で押し付けて空嚥下する
注意:嚥下の際力む可能性があるため血圧上昇に注意
アイスマッサージ | 目的 | 冷却刺激による嚥下反射の誘発 |
方法 | アイスマッサージの手順は以下の通り |
- 綿棒を凍らせる
- 凍った綿棒に水をつける
- 唇や軟口蓋、舌根に2,3回刺激させ、空嚥下を促す
注意:刺激により吐き気が出現(咽頭反射)した場合は中止
舌一突出嚥下法 | 目的 | 食べ物を運ぶ働きがある咽頭収縮筋を改善 |
方法 | 舌一突出嚥下法の手順は以下の通り |
- 舌をできるだけ前方に突き出して歯で軽く舌を噛む
- 舌を噛んだ状態で空嚥下する
注意:噛む力が強いと舌を傷つける可能性あるため注意
Kポイント刺激法 | 目的 | 仮性球麻痺が原因で開口障害が出現する方に対し、開口、嚥下反射を誘発 (開口障害とはあくびでは口が開くが食事のときはスプーン等を噛み込んでしまう症状) |
方法 | Kポイント刺激法の手順は以下の通り |
Kポイント:奥歯の奥にある小さな三角(臼後三角)のすぐ後ろの部分
- Kポイントに対して綿棒やあらかじめ作っておいたアイスマッサージ棒で軽く刺激する
- 正確に刺激できると口が開く、咀嚼運動や嚥下が誘発される
注意:刺激が強いと粘膜を傷つける可能性あるため注意
直接訓練
直接訓練は実際に食べ物を用いて行う訓練をいいます。
食べ物を噛む、飲み込むなど実際に体験することで安定した食事摂取を獲得します。
間接訓練と併用して行うこともあります。
直接訓練は目的別に以下のトレーニングに分類されます。
咀嚼トレーニング
目的 | 食べ物を噛むために必要な筋力の改善 |
方法 | 咀嚼トレーニングの手順は以下の通り |
- ガムやするめなどを準備する
- 口の中に入れ、実際に噛んでもらう
- 右3回、左3回を1セットとして5セット行う
注意:誤嚥に注意、口腔内刺激による唾液量過多に注意
スライスゼリー丸のみ訓練
スライスゼリー丸のみ訓練は薄いスライス状のゼリーを丸のみする嚥下訓練です。
薄いスライス状のゼリーは崩れにくくスムーズに喉や食道を通過します。
目的 | 誤嚥や口腔内貯留の防止 |
方法 | スライスゼリー丸のみ訓練の手順は以下の通り |
- なるべく平たいスプーンを使用する
- スプーンでゼリーをスライス型にすくい摂取する
注意:首が後ろにそると誤嚥のリスクがあるため注意
交互嚥下法
交互嚥下法とは異なる形態の食べ物を交互に摂取する嚥下訓練です。
目的 | 口腔や食道の食べ物が残ってしまうことの予防 |
方法 | 交互嚥下法の手順は以下の通り |
- 素材は何でもいいが、固形物と流動食を準備する
- 2つの食材を交互に摂取する
交互嚥下法に似ているトレーニングとして、ストローピペット法があります。
コップから水分が取れない方に効果的なトレーニングです。
ストローピペット法の手順は以下の通りです。
- ストローの口先を閉じ、ストロー内に水分(1~2ml)をとる
- ストローを口に近づけ、水分をたらして摂取する
反復嚥下法
反復嚥下法とは1回の食事摂取の間に複数回嚥下する訓練です。
目的 | 口腔や食道の食べ物が残ってしまうことの予防 |
方法 | 反復嚥下法の手順は以下の通り |
- 食べ物を口に含んで嚥下する
- 嚥下後、2回以上の複数回空嚥下を行う
注意:嚥下機関の感覚低下等により、残渣の自覚がない場合は注意
嚥下体操はいつやるべき?
嚥下体操は食事摂取の前に行うと効果的です。
理由として、以下の通りです。
- 口腔内の筋肉を動かすことで唾液量の分泌が増える
- 誤嚥は食べ始めに多いため、食べ始めの誤嚥を防ぐ
嚥下トレーニングのポイント|日頃から意識しよう
嚥下トレーニングは毎日積み重ねることで徐々に効果を発揮します。
嚥下トレーニングを日常生活の中に取り入れることや環境を調整することも重要です。
嚥下トレーニングの具体的なポイントは以下の通りです。
嚥下機能に合わせて内容を選ぶ
嚥下機能の障害程度や部位は個人によって様々です。
例えば嚥下反射が遅延している方に反射を促すトレーニングは効果を発揮します。
反対に、嚥下に関する筋肉の筋力トレーニングのみを実施しても効果は少ないです。
個人の嚥下機能を考慮しトレーニング方法や食べ物などを適切に選択することが重要です。
トレーニングしやすい環境を用意する
環境を整えて嚥下トレーニングを実施すると効果は高まります。
具体的な環境調整の方法は以下の通りです。
食器
一度に多くの量を摂取すると誤嚥を誘発するリスクが高まります。
一口量を調整することや食べやすい食器を選択すると嚥下機能を高めることができます。
姿勢
安全に嚥下を行う上で姿勢を調整することは重要です。
姿勢を調整する場合、臥位姿勢や座位姿勢の選択、頸部の角度は重要となります。
具体的な姿勢のポイントは以下の通りです。
ベッド臥位
- 座位姿勢がとりにくい場合や重度嚥下障害を伴う場合はベッドを選択する
- ベッド角度により自己摂取の有無や支援のポイントは異なる
【具体的なベッド角度のポイント】
ベッド角度 | 食事摂取方法 | 対象者 | 支援のポイント |
30度 | 全介助 | 嚥下評価を行う方、座位保持が困難な方、自己摂取が困難な方、嚥下障害が重度な方 | 食事意欲を高めるため食事を見える場所に置く |
45度 | 一部介助 | 一部自己摂取が可能な方 | 自己摂取できるようサポートする、座位姿勢が崩れないようにする |
60度 | 自立可能 | 座位保持ができ、自己摂取が可能な方 | 座位姿勢が崩れないようにする、食べやすい食器など工夫する |
座位
- 顎が軽く引くことができる姿勢が理想的
ポイントは以下の通りです。
- 足の裏が床につく高さの椅子を選択する
- 骨盤が起きる位置に臀部をセッティングする
- 肘が軽くつくことができる高さに椅子・机の高さを調整する
頸部の角度
- 軽度前屈位は解剖学的に誤嚥防止に効果的
- 頸部後屈は咽頭と気管が直線になり、気道が閉塞しにくく食べ物が入りやすい
ポイントは以下の通りです。
- 咽頭機能に左右差がある場合、横に向いて嚥下する頸部回旋法がある
- 横に向いた側と反対の咽頭が広がるため食べ物がスムーズに通りやすくなる
- 咽頭機能の低下している側に向いて摂取することが望ましい
口腔をしっかりとケアする
口腔内を清潔にすると口腔内細菌の除去や衛生状態を改善できます。
また、口腔ケアの刺激によって嚥下反射が促通されたり唾液が分泌しやすくなります。
口腔内が乾燥している場合は少量の水分を使用し保湿環境を整えることをおすすめします。
嚥下障害の予防にぴったりな嚥下トレーニング
嚥下障害を日頃から予防することを目的とした嚥下トレーニングがあります。
具体的には以下の通りです。
のど上げ体操
のど上げ体操は意識的に嚥下を行うことで嚥下機能を高める訓練です。
飲み込む動作を再現することで効果が限定的でなく、飲み込む力の予備能を高めます。
早期から取り組むことで嚥下機能を維持できるため、予防効果が期待されます。
のど上げ体操の方法は以下の通りです。
- うがいをする
- 姿勢を整える
- 嚥下運動を理解する
- 喉仏を触って嚥下するときの喉の動きを感じる
- 嚥下するとき舌が上あごについている感覚を感じる
- ごっくん筋(顎の奥)を触り嚥下するときに硬くなる感覚を感じる
- 意識して嚥下運動を行う
- 舌を上あごに力強く押し付けて嚥下する
- 喉仏を力強く持ち上げて嚥下する
- ごっくん筋に力を入れて嚥下する
- 上を向いて嚥下する
- ごっくんと音を立てて嚥下する
- 嚥下した後喉仏を上げたまま止める(止める時間は徐々に増やす)
パタカラ体操
パタカラ体操は「パ」「タ」「カ」「ラ」と発音するトレーニングです。
舌や口の動きを十分に促し、嚥下機能を向上させます。
日頃から歌や会話を楽しむこと
歌や会話をするときに使うのどや口元の動きは嚥下するときと類似した器官を使います。
日常会話などを普段から行っていると口元や喉の筋肉を効果的に鍛えることができます。
また、高音と低音が混ざった音域の幅が広い曲を歌うと喉仏の運動に効果的です。
嚥下障害が原因で肺炎になることも
嚥下障害が見られると、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
70歳代以上の入院肺炎患者のうち、70%以上は誤嚥が原因との報告があります。
嚥下障害を発症する原因のうち、約60%は脳卒中が関係しているとの報告があります。
また50歳を超えると、口腔機能が低下する方が半数以上になるとの報告があります。
嚥下障害は年齢や病気など様々な原因で発症し、誰でもなる可能性があります。
嚥下障害にならないよう早期より嚥下予防トレーニングを行うことが大切です。
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嚥下障害かも?セルフチェック
嚥下障害を早期発見するためには自らが嚥下機能の変化に気づく必要があります。
そこで嚥下障害に関するセルフチェック方法があります。
具体的には以下の通りです。
反復唾液確認テスト
方法 | 喉仏の上に指を横に置き、唾液を飲み込む 30秒間で、喉が指を乗り越えた回数を数える |
判定 | 3回以上唾液嚥下できれば正常、3回未満の場合は嚥下障害の可能性 |
スクリーニング
方法 | 口腔機能、嚥下機能、誤嚥に関する計9項目についてチェックする |
判定 | 各項目の「はい」の数で判定する 0個は正常、1個は嚥下障害の可能性あり、2個以上は嚥下障害の可能性が高い |
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嚥下トレーニングのまとめ
ここまで嚥下トレーニングについてお伝えしてきました。
嚥下トレーニングの要点をまとめると以下の通りです。
- 嚥下トレーニングは嚥下障害がある、又は予防のために行う訓練法
- 嚥下トレーニングの方法は嚥下体操、間接訓練、直接訓練などがある
- 嚥下機能や環境に合わせて日常的に嚥下トレーニングを行うと効果的である
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。