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健達ねっと>健康お役立ち記事>嚥下>飲み込みにくいと困っている高齢者の症状・予防・改善策について

飲み込みにくいと困っている高齢者の症状・予防・改善策について

加齢により、飲み込みにくくなったと感じている方もいるのではないでしょうか。
飲み込みにくくなることで、食事や薬が上手に飲めなくなってしまいます。
では、飲み込みにくくなる原因には、どのようなことがあるのでしょうか?

本記事では、飲み込みにくいと困っている高齢者について以下の点を中心にご紹介します。

  • 高齢者が飲み込みにくい原因とは
  • 高齢者が嚥下機能低下になる原因とは
  • 高齢者の嚥下障害の予防と改善策について

飲み込みにくいと困っている高齢者について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

高齢者が飲み込みにくい原因

高齢者が飲み込みにくい原因について

  • 食事

それぞれご紹介いたします。

食事

加齢により、嚙むことを含め食べること、飲み込むことに必要な筋肉は衰えてしまいます。
そのほか、歯、入れ歯などの問題により、上手く飲み込めなくなることがあります。

そのため、食べ物を口の中で飲み込みやすくすることができなかったり、筋力低下により鼻腔内へ食べ物が入り込んでしまったりします。

高齢者では、何種類もの薬を飲んでいる方もいるのではないでしょうか。
しかし、嚥下障害があると、薬を水分と一緒に飲み込めなくなることがあります。
とくに、水分などのさらさらとした物が流れるとむせやすくなります。

機能的原因とは、食道などの食べ物を飲み込む際に使う器官には問題が無いものの、それを動かすための筋肉や神経に問題が生じている状態です。

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うまく食事が摂れなくなるとどうなる?

うまく食事が摂れなくなると、食べやすい物や飲み込みやすい物ばかりを食べるようになってしまいます。
その結果、栄養バランスが偏り、低栄養状態になる可能性があります。

嚥下障害がある方は、低栄養状態、脱水状態になりやすくなるため注意が必要です。

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高齢者が嚥下機能低下になる原因

高齢者が嚥下機能低下になる原因には

  • 器質的な原因
  • 機能的な原因
  • 心理的な原因
  • 医原性の原因

などがあります。

それぞれ具体的にご紹介いたします。

器質的な原因

器質的な原因とは、食べ物を飲み込むときに関わる口や食道、胃などに障害があることが原因です。
口や食道や胃などの障害とは、口内炎・咽頭炎などの炎症やがんの腫瘍のことをいいます。

炎症やがんの腫瘍があると食べ物を通る道を塞いでしまいます。
その結果、飲み込むことができなくなります。
炎症を予防するために、普段から生活習慣を改善することが大切です。

機能的な原因

機能的な原因とは、喉や食道などの器官には問題がないが、口腔周辺を動かすための筋力や神経に問題が起きている状態です。

主に、発達障害、パーキンソン病、脳卒中、脳外傷などの障害が原因で神経などが上手く動かせなくなることがあります。

心理的な原因

心理的な原因とは、ストレス、うつ病などの精神的、心理的な疾患によるものをいいます。
心理的な違和感や疾患が原因で、喉の違和感、飲み込みにくさを感じることがあります。

心理的な原因の場合は、食事のときに嚥下が難しいと感じることは少ないとされています。
しかし、唾液を飲み込む際に喉に違和感を感じるなどの症状があらわれるのが特徴です。

医原性の原因

医原性の原因には、普段飲んでいる薬の副作用で嚥下障害を起こしていることがあります。
薬の副作用が原因で起こる嚥下障害を薬剤性摂食障害といいます。

たとえば、アレルギー症状の薬、頻尿、抗精神薬による副作用に口の中の乾燥があります。
また、睡眠導入剤、抗不安薬には筋肉の伸縮力を緩めるという副作用があります。
また、食事中でも急に眠気がでることがあり、食事に集中できないことがあるとされています。

高齢者の嚥下障害の可能性がある症状

高齢者の嚥下障害の可能性がある症状について

  • 食事による疲れ
  • 食事の嗜好が変化
  • 栄養不足
  • 脱水症状
  • 食べ物の詰まり
  • 誤嚥性肺炎

などがあります。

それぞれみていきましょう。

食事による疲れ

食べ物を飲み込みにくいため、咀嚼に時間がかかったり、食べる気がなくなったりなどの症状があります。
また、食事することで疲れてしまうため、食事に対して楽しい気持ちが減ってしまいます。

食事の嗜好が変化

嚥下障害があると、飲み込みやすい物ばかり食べる傾向にあります。
その結果、口の筋肉が衰えてしまい、ますます嚥下障害が悪化してしまいます。

栄養不足

柔らかい物や飲み込みやすい物ばかり食べる傾向が強くなり、栄養バランスが崩れてしまいます
そのため、低栄養状態になり体調不良の原因となります。

脱水症状

嚥下障害がある方では、水分が多い物を飲むとむせるため、自然と避けるようになります。
本人も周りも気付かないうちに脱水状態になっていることがあるので、注意が必要です。

食べ物の詰まり

嚥下機能が低下すると、食べ物が間違って気道へ入り込むことが多くなります
そのため、窒息するリスクが高くなってしまい、大変危険です。

誤嚥性肺炎

食べ物が胃へ送られずに誤って気管や肺に入ってしまうことを誤嚥といいます。
誤嚥により口腔内の細菌が肺に入り込むことで起こる肺炎を誤嚥性肺炎といいます。

誤嚥性肺炎は、食事のときだけでなく、睡眠中に唾液が気管に逆流することでも起こります。

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誤嚥性肺炎の予防

誤嚥性肺炎の予防には、口腔内を清潔に保つ事が重要です。
口腔内は、細菌にとって繁殖しやすい環境であります。

そのため、食後の歯磨きやうがいをしっかり行うことで、誤嚥性肺炎の予防につながります。

薬の使い方

高齢者の嚥下障害の具体的な症状

高齢者の嚥下障害の具体的な症状について、以下のチェックリストを確認しましょう。

  • 食べて飲んでもよくむせる
  • 最近急にむせることが増えてきた
  • 食べ物が喉につかえると訴える
  • 食べ物をお茶などで飲み込んでいる
  • むせそうな食べ物を避ける
  • 食後に声が枯れる
  • 食後も口の中に食べ物が残っている

当てはまることが増えてきたら、嚥下障害の可能性があります。
そのため、病院を受診することをおすすめします。
早期に発見することで、嚥下障害のリスクを減らせます。

嚥下障害について詳しく知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください。

飲食物がどのように運ばれるかの工程

飲食物がどのように運ばれるかの工程には

  • 先行期
  • 準備期
  • 口腔期
  • 咽頭期
  • 食道期

があります。

以下でそれぞれみていきましょう。

先行期

先行期とは、口に入れる前の段階です。
目と鼻や食感を使って、食べ物なのか飲み物なのかを判断します。
また、お箸やスプーンを使って、一口で食べられる大きさか認識、判断します。

準備期

準備期とは、飲み込む前の段階のことをいいます。
一口で食べられる量を口に入れ、飲み込みやすい塊になるまで咀嚼します。

口腔期

飲み込みやすくなった食べ物の塊を、舌を使って喉へ運ぶ段階です。
飲み込むときに、食べ物が誤って鼻へ行かないように鼻と口の間にある軟口蓋が働くようになっています。

咽頭期

咽頭期とは、食べ物を咽頭から食道へ運ぶ段階のことをいいます。
食べ物が食道の隣の気管に誤って入らないように、咽頭蓋が働く動作のことを嚥下反射といいます。

咽頭期では、嚥下反射の機能に異常があると、誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。

食道期

食道期とは、食べ物の塊が食道から胃へと運ばれる段階のことをいいます。
食道から胃へと食べ物が送られる働きは、食道の筋肉の動きと食べ物の重力によって舌へと落ちていきます。

しかし、どこかに障害がある場合、うまく胃へと運ばれないことがあるため注意が必要です。

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高齢者が飲み込みにくいプロセスの見極め

高齢者に嚥下障害がある場合、問題点を見極め、解決策を見つけることが大切です。
以下でそれぞれみていきましょう。

咀嚼

問題点

うまく噛めない

解決策

固形だとうまく噛めない場合は、軟らかく煮たり、きざんだりしましょう。
また、ゼリー状やペースト上にすることでしっかりと噛むことができます。

噛みにくい食事をそのまま提供してしまうと、うまく飲み込めずに喉に詰まってしまう恐れがあります。

食塊形成

問題点

噛んだものを飲み込みやすい形に整えられない

解決策

一口大に切り、飲み込みやすいように軟らかい形態に調理することで、飲み込みやすくなります。
飲み込みやすい形態は

  • ゼリー
  • ムース
  • ペースト食
  • ソフト食
  • 軟菜食

の順に飲み込みの難易度が上がっていきます。

本人の嚥下状態に合わせて食事の準備をしましょう。

嚥下機能

問題点

水分や固形物を飲み込むとむせる

解決策

固形物は軟らかくしたり、とろみをつけたりすることでむせにくくなります。
また、水分はお茶やスープなどにもとりみをつけることが有効です。

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高齢者の嚥下障害の予防と改善策

高齢者の嚥下障害の予防と改善策には

  • 歯の問題点を解消する
  • 食べる前に嚥下体操を行う
  • 食事に集中できる環境を整える
  • 食事の形態に注意する

などがあります。

それぞれ具体的にご紹介いたします。

歯の問題点を解消する

口内の細菌が繁殖すると、歯周病になったり、誤嚥により細菌が肺に入ると肺炎を起こしたりする可能性があります。

そのため、食後はきちんと歯磨きをし、義歯が合っていない場合は歯科へ受診しましょう。

食べる前に嚥下体操を行う

誤嚥を予防するためには、嚥下体操が効果的です。

パタカラ体操

  • 唇をしっかり閉じてから、開いて「パパパ…」と発音する
  • 舌先で口の上前歯の裏側をはじいて「タタタ…」と発音する
  • 舌の付け根を喉の奥に引くようにして「カカカ…」と発音する
  • 舌先を上に上げて「ラララ…」と発音する

パタカラ体操は、4つの発音をすることで、飲み込む機能が向上します。
嚥下体操は食前に行うと効果的です。

食事に集中できる環境を整える

噛んだり、味わったりなど食事に集中しないと誤嚥のリスクが高くなることがあります。
食事に集中できるように、テレビを消す、足を組まずに姿勢を整えるなどの工夫をしましょう。

食事の形態に注意する

本人の嚥下障害の状態に合わせた食事形態にすることが大切です。
パサパサしたもの、噛み切りにくいものなどは飲み込むことが難しくなります。

そのため、飲み込みやすくするために小さく切ったり、ペースト状にしたりなど食べやすくなるように工夫することが大切です。

嚥下障害の予防法について詳しく知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください。

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入院肺炎症例における誤嚥性肺炎の割合

厚生労働省の調査では、肺炎患者の約7割が75歳以上の高齢者とわかりました。
さらに、高齢者の肺炎患者のうち7割以上が誤嚥性肺炎となっています。

誤嚥性肺炎を引き起こす原因疾患には、脳卒中が約6割を占めており、脳卒中の後遺症が大きく影響していると考えられます。

誤嚥性肺炎の中には、食事中だけでなく、嚥下後に誤嚥することもあります。
そのため、気管に細菌が入らないように姿勢を整えるなどが誤嚥性肺炎の予防につながります。
出典:厚生労働省【高齢化に伴い増加する疾患の対応について】

飲み込みにくいと困っている高齢者まとめ

ここまで、飲み込みにくいと困っている高齢者の情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。

  • 高齢者が飲み込みにくい原因には、加齢により嚙むこと、食べることなどの筋肉の低下
  • 高齢者が嚥下機能低下になる原因には、器質的原因、機能的原因、心理的原因など
  • 高齢者の嚥下障害の予防と改善策には、歯を清潔にする、嚥下体操を行うなど

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
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  • 学研グループと融合したメディア
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  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
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