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健達ねっと>健康お役立ち記事>ストレス>ストレス過食を防ぐ!過食に陥る原因や対処法を徹底解説!

ストレス過食を防ぐ!過食に陥る原因や対処法を徹底解説!

「ストレスがたまるとついつい食べ過ぎる…」という方はたくさんおられます。
おいしい食事は良いストレス発散になりますが、食べ過ぎると心身の健康を損なうことがあります。

ところでなぜ、ストレスがたまると食べ過ぎてしまうのでしょうか。
本記事では、ストレスによる過食について、以下の点を中心にご紹介します。

  • ストレスが引き起こす健康被害
  • ストレスで過食が起こる理由
  • 過食による健康への悪影響とは

ストレスによる過食について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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ストレスとは

ストレスとは、外部からの刺激に対して心身が示す反応です。
より具体的には、なんらかの圧力によって心身に緊張・歪みなどが生じることをストレスと呼びます。

たとえば、ふくらませた風船を指で強く押す場面をイメージをしてください。
風船を「指で強く押す」という事柄が、ストレスを生じさせる「外部の刺激」です。

対してストレスとは、押された風船が「へこむ・歪む」ことです。
ちなみに刺激を与えるものはストレッサーと呼ばれます。

風船の例においては、「指」がストレッサーに該当します。
出典:厚生労働省【ストレスって何?
出典:厚生労働省【1 ストレスとは:ストレス軽減ノウハウ|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

ストレスとなる原因って何?

ストレスの原因は大きく分けて以下の4つがあります。

分類
環境的要因高湿度・気温差が大きい・工事現場の騒音・人混み
身体的要因病気・ケガ・睡眠不足・疲労
心理的要因勉強や仕事の悩み・将来への不安・失恋・死別
社会的要因職場での人間関係・近隣トラブル・DV・貧困・結婚・離職
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ストレスが原因でこんな重大な病気に?病院通いの危険も

ストレスは、ときに重大な病気を引き起こすこともあります。
代表的な病気は次の通りです。

高血圧

高血圧とは、血圧が140㎜Hg/90㎜Hg以上の状態です。
多くの場合、自覚症状はありません。

しかし、人によっては以下のような症状が出ることもあります。

  • 頭痛
  • 肩こり
  • 動悸
  • 息切れ

高血圧は動脈硬化を招くケースが多くみられます。
動脈硬化とは、血管が硬く分厚くなることです。

動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な疾患が起こりやすくなります。
つまり高血圧は、間接的に心筋梗塞などのリスクを高める病気です。
出典:厚生労働省【高血圧 | e-ヘルスネット

過喚起症候群

過換気症候群とは、呼吸が過剰になることで息がうまく吸えなくなる状態です。
いわゆる過呼吸にあたります。

主な症状は以下の通りです。

  • 呼吸困難
  • 手足のしびれ
  • 胸痛
  • 動悸
  • めまい

息がうまく吸えなくなることで、パニック状態に陥ることもあります。
ほとんどの場合、死亡することはありません。

糖尿病

血液中に糖が過剰に蓄積する状態です。
原因は、血糖値を下げる「インスリン」というホルモンの効きが悪くなることです。

糖尿病の主な症状には次があります。

  • のどが渇く
  • 飲水の回数が増える
  • 頻尿
  • 皮膚のかさつき・かゆみ
  • 倦怠感・疲労感

糖尿病が進行すると、動脈硬化が起こりやすくなります。
動脈硬化は、心筋梗塞・脳梗塞などの重大な疾患を引き起こすこともあります。
出典:厚生労働省【糖尿病 | e-ヘルスネット

心筋梗塞

心筋梗塞とは、心臓を動かす筋肉(心筋)に血液が届かなくなる状態です。
血液が届かなくなると心臓が酸欠に陥るため、激しい痛みなどが生じます。

心筋梗塞の主な症状は次の通りです。

  • 激しい胸痛
  • 息切れ
  • 動悸
  • 冷や汗
  • 吐き気

重症化すると失神などの意識障害が起こります。
症状を放置すると、高確率で死に至ります。
出典:厚生労働省【狭心症・心筋梗塞などの心臓病(虚血性心疾患) | e-ヘルスネット

ストレス性胃腸炎

ストレス性胃腸炎は、ストレスが原因の消化器系トラブルです。
不安・緊張・ストレスを感じたときに症状があらわれるのが特徴です。

具体的な症状には次があります。

  • 便秘
  • 下痢
  • 吐き気
  • めまい

人によっては、疲労・頭痛・肩こりなどを併発することもあります。
ストレス性胃腸炎自体で死亡することは稀です。

ただし症状が重症化すると、胃穿孔や腹膜炎が起こることがあります。
胃穿孔や腹膜炎は、命を落とすこともある病気です。

その他症状

ストレスが原因で起こるその他の病気には、たとえば次があります。

  • 自律神経失調症
  • うつ病
  • 突発性難聴
  • 適応障害
  • 蕁麻疹
  • 喘息

以下の記事では、ストレスによって引き起こされる様々な症状について解説しております。
よろρしければご覧ください。

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ストレスによって起こる過食

ストレスは過食を引き起こすこともあります。
まずは、ストレスと過食の関係についてご紹介します。

過食が生じるのはなぜ?

過食の原因の多くはストレスです。
ただし、ストレスによって過食が生じる理由は主に2通りあります。

1つめは食事以外のことで感じる精神的なストレスです。
2つめは、食事に関する精神的なストレスです。

両者はそれぞれ違うメカニズムで過食を引き起こします。
それでは、それぞれの内容をご紹介します。

精神的ストレス

過食は、食事以外の精神的なストレスで引き起こされるケースが多くみられます。
精神的ストレスとは、たとえば仕事の悩み・対人関係のトラブルなどが挙げられます。

では、なぜストレスがたまると過食が起こるのでしょうか。
答えは、ストレスを発散させる方法として「食べる」という行為を選択するためです。

ストレス発散のための食事は「ストレス食い」などとも呼ばれています。
ストレス食いが起こるのは、脳内のホルモンバランスが崩れることと関係があります。

精神的ストレスを感じると、脳内では次のようなホルモンの分泌が増えます。

  • コルチゾール
  • ノルアドレナリン
  • ドーパミン

上記3つは、いずれも食欲を盛んにさせる作用があります。
また、コルチゾールには食欲を抑えるホルモン「レプチン」「セロトニン」の分泌を抑える働きもあります。

結果として食欲に歯止めが効きにくくなるため、必要以上に食べるというわけです。
精神的ストレスによる過食をやめるには、まず根本原因であるストレスを解消する必要があります。

実現不可能なダイエットによるストレス

ストレスによる過食は、食事に対するストレスで起こることもあります。
食事に対するストレスとは、過剰な食事制限などが代表的です。

たとえばダイエットのために、食べたいものを我慢することも多いでしょう。
食べたいという欲求を我慢し続けるのは、心身にストレスがかかる行為です。

欲求をため込みすぎると、なにかのキッカケに爆発しやすくなります。
すると食事制限をしていた反動で必要以上に食べすぎてしまうというわけです。

食事制限による過食が起こる理由は、脳とも関係があります。
具体的には、脳が栄養不良を改善しようとして食欲を促します。

極端な食事制限を行うと、炭水化物や脂質が不足しやすくなります。
炭水化物や脂質は肥満の原因と思われがちですが、脳の重要なエネルギー源でもあります。

極端な食事制限によって炭水化物などを摂らないと、脳がエネルギー不足を起こします。
すると脳が危機感を覚えるため、食欲を増進させて栄養を摂取しようとします。

結果、必要以上に食欲が増進されて過食に走るというわけです。
過食を防ぐには、脳に十分な必要な栄養を補給する必要があります。

たとえばダイエット中であっても、無理な食事制限は止めましょう。
過剰なカロリーや脂質の摂取は抑えつつ、炭水化物・タンパク質・ビタミン・ミネラルなどをバランス良く摂ることが大切です。

過食による健康被害

過食を続けると、健康に悪影響が出やすくなります。
過食による主な健康被害をご紹介します。

肥満

過食を続けると、肥満が起こりやすくなります。
肥満は生活習慣病の大敵です。

たとえば肥満の方は、糖尿病・脂質異常症・高血圧のリスクが高くなります。
糖尿病・脂質異常症・高血圧はいずれも動脈硬化を招きやすい疾患です。

動脈硬化は心筋梗塞・脳梗塞に発展するおそれがあります。
出典:厚生労働省【肥満と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

高血圧

過食は高血圧を招きやすくなります。
主な理由は2つあります。

1つめは、過食は肥満につながるためです。
肥満の方は、身体が大きいぶん、心臓が循環させる血液の量が多くなります。
つまり心臓と血管に大きな負担がかかるため、血圧が高くなりやすいのです。

2つめの理由は、過食による過剰な塩分摂取です。
塩分は血管を収縮させて血圧を上げる作用があります。
食事量が増えると、自然と塩分摂取量も増えやすいため、血圧が高くなりやすいというわけです。

高血圧は動脈硬化を招き、ひいては心疾患や脳卒中に発展することもあります。
出典:厚生労働省【高血圧 | e-ヘルスネット

糖尿病

過食は糖尿病の原因の1つです。
特に甘い物・炭水化物・脂っこいものを好む方は糖尿病が起こりやすくなります。

糖尿病とは、その名の通り、尿に漏れ出るほど体内の糖が多い状態です。
過食によって糖質を取り過ぎると、体内の糖の量が増えるため、糖尿病が起こりやすくなります。

糖尿病が進行すると動脈硬化が起こりやすくなります。
出典:厚生労働省【糖尿病 | e-ヘルスネット

過食症

過食症は、大量の食事を摂らなければ気が済まなくなる状態です。
過食症による発作は短時間で衝動的に起こり、自分でも止められないケースが多くみられます。

過食症を放置すると、肥満・生活習慣病などが起こりやすくなります。
肥満・生活習慣病は動脈硬化に発展し、心疾患や脳梗塞を引き起こすこともあります。

その他健康被害

過食が招くその他の健康被害は次の通りです。

  • うつ状態
  • 胃腸障害
  • 肝機能障害
  • 腎臓病
  • アルコール依存症

ストレス過食の人の割合

精神・神経医療研究センターの調査結果を参照します。
2014~2015年のストレスによる過食症患者は、4612人でした。

なお、1998年の患者数は6500人です。
ストレスによる過食症患者は、やや減少傾向であることが分かります。
出典:国立研究開発法人精神・神経医療研究センター【7.摂食障害の現状

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過食症の人の特徴

過食症とは、過食が起こる頻度が高い疾患です。
摂食障害の1種で、神経性過食症とも呼ばれます。

ここからは、過食症の症状の特徴をご紹介します。
次の症状に心当たりが多い方は、過食症に陥っている可能性があります。

大量に食べ、その埋め合わせ(過食嘔吐など)をする

過食症の方の代表的な特徴が、大量の食物摂取と代償行為です。
代償行為とは、意識的に吐いたり、下剤を乱用したりして、食べたものを体外に排出する行為を指します。

過剰な食事は、ダイエット目的などの無理な食事制限の反動として起こる場合が多いです。
食べ物への欲求を我慢するあまり、我慢が効かなくなって、爆発したように物を食べるというわけです。

一方で過食症の方は「痩せたい」という欲求も持っています。
結果、食事後に食べた分の埋め合わせをするように、意図的な嘔吐や下剤の乱用を行います。

また、過食症の方は人目から隠れて過食をすることが一般的です。
理由は「食べてはいけないのに食べてしまう」という罪悪感があるためです。

体重の過度な重視・急激な変化

過食症の方の多くは、「痩せたい」という思いから摂食障害に陥ります。
そのため見た目を気にする傾向が強く、体重の増減に敏感です。

また、過食症の方は体重が短期間で急激に変化することもあります。
体重が減るのは、ダイエットのために極端な食事制限を行うためです。

特に過食症の方は、自身の体重・体型の変化に敏感です。
100gでも太ると強い罪悪感に駆られ、ますます無理な食事制限を行います。

反動で過食をしても、食事後は嘔吐・下剤の乱用で食べた分を排出するため、太ることはあまりありません。

つまり大量に食べても太らず、痩せ続けるというわけです。
結果、短期間で体重が変化しやすくなります。

若い成人・青年が罹患しやすい

過食症が起こりやすいのは、思春期~20代の比較的若い方です。
男女別でみると、女性のほうが摂食障害の発症率は高めです。

ただし、男性の過食症患者も一定数存在します。
若い方に過食症が多い理由として、体型への敏感さが挙げられます。

「スタイルをよくしたい」という思いから無理なダイエットを行い、反動として過食症に陥りやすくなります。
出典:厚生労働省【摂食障害|こころの病気を知る

うつの症状として過食をしてしまう

うつ状態の方は過食が起こりやすくなります。
うつの方は、もともと性格的に精神的なストレスを抱えやすい方です。

うつになると、「情けない」などの罪悪感からますますストレスを感じやすくなります。
結果、ストレスの反動として過食に走ることがあります。

うつ状態の方の中には、過食と拒食を交互に繰り返すケースも多くみられます。

過食症と過食性障害について

ストレスによる過食は、大きく分けて過食症と過食性障害の2つに分類できます。
それぞれの特徴をご紹介します。

過食性障害とは?

過食性障害とは、大量の食物摂取を止められなくなる障害です。
過食性障害の方の多くは、過食以外でもだらだらとなにかを口にする傾向がみられます。

過食症との違いは?

過食障害と過食症との大きな違いは、「体型・体重へのこだわり」です。
過食性障害の方の多くは、自分の体型・体重にあまり関心がありません。

つまり「痩せたい」とは思っておらず、実際に肥満の方が多くみられます。
また、痩せるために過食後に嘔吐したり、下剤を乱用したりすることはほとんどありません。

一方、過食症の方は自身の体型・体重に強いこだわりを持っています。
「痩せたい」という思いが強いため、過食後は嘔吐や下剤の乱用を繰り返す傾向がみられます。

健達ねっとECサイト

過食かも?まずはストレス診断してみよう!

ストレスが多い方は、知らない間に過食症に陥っている可能性があります。
もし自分の精神状態・食事状況に不安がある場合は、病院に相談してみるのも1つの方法です。

診療科は内科・精神科・心療内科が適当です。
病院での検査の結果、以下のような項目に該当する場合は、ストレスによる過食が疑われます。

A以下の2つにあてはまる
1普通の食事時間以外に、過剰な量を食べる
2自分で食べるスピードや量や内容をコントロールできない
B過食後に不適切な代償行為(嘔吐・下剤の乱用などで食べた分を排出する)をする
C過食・不適切な代償行為が少なくとも週1回あり、3ヶ月以上続いている
D自己評価の中心が体型・体重である
E過食が神経性やせ症の反動のみで起こるわけではない

 

薬の使い方

ストレス過食を辞めたい時の治療・対策

ストレスによる過食は、治療次第で改善できる場合があります。
ストレスによる過食の辞め方をご紹介します。

ぜひ参考にしてください。

薬物治療で過食を克服!

過食は薬物治療で改善できる場合があります。
代表的な過食の治療薬は次の通りです。

  • 抗うつ薬(SSRI)
  • 抗てんかん薬
  • 食欲抑制薬
  • 減量薬

もっとも一般的なのは抗うつ薬や抗てんかん薬です。
いずれも脳に働きかけて精神的ストレスを和らげる効果があります。

過食の原因の多くはストレスです。
抗うつ薬などによってストレスを軽減することで、過食の衝動が抑えやすくなります。

なお、抗うつ薬や抗てんかん薬には副作用のリスクがあります。
代表的な副作用は次の通りです。

  • 吐き気・嘔吐
  • 不安
  • 不眠・眠気
  • 頭痛
  • めまい

副作用のリスクを低減するためにも、過食の治療薬は病院で医師の指導の下、服用することが望まれます。

病院では、抗うつ薬などとあわせて、食欲を抑制する薬剤などが処方されることもあります。

病院で過食の治療を受ける

過食が辞められない場合は、専門知識を持った方に相談するのがベストです。
具体的には、病院で治療を受けましょう。

過食の診療科は内科・精神科・心療内科が適当です。
病院での過食の治療は大きく分けて精神療法と認知行動療法の2種類があります。

精神療法

代表的な精神療法は、カウンセラーが行うカウンセリングです。
具体的には、過食症患者が考えや悩みをカウンセラーに話し、一緒に問題解決を目指します。

精神療法の目的は、患者本人の自己肯定感と問題に対処する能力を向上させることです。
患者はカウンセラーとの対話の中で、自分の考えを整理し、自分自身を見つめ直します。

自分自身を見つめることは、過食に走らせている原因の把握に役立ちます。
つまりストレスの素や、今抱えている心の問題をハッキリさせられるというわけです。

問題点を洗い出したら、カウンセラーと一緒に解決方法を探っていきます。
カウンセリングの主役はあくまで患者本人です。

カウンセラーは基本的に話を聞くだけの存在で、問題の解決は患者が自力で行います。
もちろん、本人1人で解決できないときはカウンセラーが手を貸します。

認知行動療法

認知行動療法も精神療法の1つです。
認知行動療法とは、自分の認知の歪みを発見し、改善していくことです。

過食症における認知行動療法の目的は、認知の歪みを正して過食頻度を減らすことです。
たとえば過食症の方は、実際には適正体重にもかかわらず「自分は太っている」と思い込んでいるケースが多くみられます。

太っている=痩せなければならないという認知の歪みは、無理な食事制限を誘発します。
結果、反動として過食症になるのです。

認知行動療法では、カウンセラーなどが患者の認知の歪みにアプローチします。
認知の歪みとは、「自分は太っている」「痩せなければらない」という思い込みです。

「本当に太っているのか?」という問いを投げかけられることで、患者は自分の体重や体型を見つめ直します。

結果、「心配するほど太っていない」と冷静に判断しやすくなるというわけです。
すると痩せたいという欲求が和らぐため、無理な食事制限をしにくくなり、過食も治まりやすくなります。

ストレスを減らす方法を用いて過食対策!

過食の原因の多くはストレスです。
つまり過食を減らすには、根本原因であるストレスを解消することが大切です。

どのような方法がストレス解消になるのかは、個人によって異なります。
ぜひ、自分に合ったストレス解消法を探してみてください。

今回は、ストレス解消に役立つ方法の一例をご紹介します。
もし自分に合うストレス解消法が分からないという場合は、次のような方法を試してみましょう。

趣味に没頭する

趣味に没頭するのは、代表的なストレス解消法です。
他のことを思い出さないくらい好きなことに熱中すると、気分をリフレッシュしやすくなります。

ちなみに、ストレス解消になる趣味は、個人の性格などによって異なります。
以下の表を参考に、自分に合った趣味を探してみてください。

内容
休息型心身の疲れを癒やす睡眠・森林浴・入浴・アロマテラピー
運動型身体を動かすことで気分をリフレッシュさせるスポーツ・アウトドア
親交型ストレスを感じさせない相手と交流する家族・親友などとの食事や団らん
娯楽型快楽を追求して気分をリフレッシュさせるギャンブル・飲酒・喫煙
転換型環境を変えることで気分をリフレッシュさせる部屋の模様替え・旅行
創作型物作りに励むことでストレスを昇華させる絵を描く・模型を作る・家庭菜園

環境を変えてみる

ストレスが多い場合は、環境を変えるのも1つの方法です。
以前と違う環境に身を置くと、意識も自然と切り替えやすくなります。

するとストレスの問題点が見えてきたり、新しい活力がわいたりしやすくなります。
あるいは、環境そのものがストレスの原因となっていることもあります。

たとえば部屋の日当たりが悪いと体内時計が狂いやすくなるため、ストレスがたまりやすくなります。

ストレスを解消するには、日当たりを良くするための工夫が必要です。
たとえば部屋の模様替えや引っ越しなどが有効です。

音楽を聴く

音楽鑑賞はストレス解消に役立ちます。
音楽を聴くと、心身をリラックスさせる脳波(α波)が出やすくなるためです。

α波が出やすいのは、ゆったりしたテンポの音楽やクラシック音楽です。
あるいは、好きな音楽を聴いてもかまいません。

適度な運動をする

代表的なストレス解消法として、適度な運動が挙げられます。
主な理由は2つあります。

1つめの理由は、運動をすると筋肉の緊張がほぐれて血行が促進されるためです。
血行が促進されると体内の疲労物質が排出されやすくなるため、疲労の回復が早まります。

2つめの理由は、運動にはセロトニンの分泌を促す効果があるためです。
セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれており、リラックスを軽減させて幸福感を高める作用があります。

ストレス解消に役立つのは、有酸素運動です。
有酸素運動は息切れしない程度に続けられる運動のことです。

たとえばウォーキング・水泳などが代表的です。

健康的な食生活

ストレス解消には、栄養バランスのよい食事を摂ることも大切です。
栄養バランスのよい食事を摂ると、脳に必要な栄養・エネルギーが十分に補給されます。

脳が元気になると、心身はストレスを感じにくくなります。
栄養バランスを整えるには、1日3食しっかり食べることが大切です。

また、品数を増やすことも大切です。
品数が多い食事をすると、さまざまな食品を摂れるため、自然と栄養バランスが整いやすくなります。

カルシウムやビタミンA・Dを摂取する

ストレス解消に役立つ栄養素を積極的に摂りましょう。
具体的には、カルシウム・ビタミンA・ビタミンDの摂取が大切です。

カルシウムは脳の興奮を鎮めて、気持ちを和らげる作用があります。
ビタミンDは腸内でのカルシウムの吸収をサポートします。

ビタミンAは抗酸化作用のある栄養素です。
抗酸化作用とは、体内の活性酸素を取り除く作用のことです。

活性酸素は細胞・血管を老化させる物質です。
ストレスを受けると体内で活性酸素が大量に生成されるため、心身の疲労を感じやすくなります。

抗酸化作用のあるビタミンAは、体内の活性酸素を除去して、心身の疲労を軽減してくれます。
出典:厚生労働省【ストレスと食生活 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

ストレスの過食におすすめの漢方

ストレスによる過食がある場合は、漢方を利用するのも1つの方法です。
漢方は体質などによって相性があります。

相性が合わない漢方は副作用を起こす可能性があります。
副作用を避けるには、医師や薬剤師に相談して自分に合った漢方薬を探すことが大切です。

ちなみに、ストレスによる過食に効く漢方の例は次の通りです。

効果
大柴胡湯イライラを鎮めてストレスを和らげ、過食を防ぐ・脂肪燃焼効率を上げて肥満を解消する
桂枝加竜骨牡蠣湯イライラを鎮めてストレスを和らげ、過食を防ぐ
防風通聖散胃腸の熱を除去して食欲を抑制する
帰脾湯イライラ・不安を鎮めてストレスを和らげ、過食を防ぐ

ストレスコーピングを実施しよう

過食によるストレスを解消するには、「ストレスコーピング」を行うのも良い方法です。
ストレスコーピングとは、ストレスの原因に適切に対処することです。

目的は、ストレスの原因にアプローチすることで、ストレスを感じにくい環境を整えることです。

ストレスコーピングには次の2つの方法があります。
出典:厚生労働省【ストレスコーピング | e-ヘルスネット

問題焦点コーピング

問題焦点コーピングは、ストレスの発生源を取り除く方法です。
たとえばストレスの原因が上司とのトラブルだとします。

問題焦点コーピングでは上司に働きかけることで、ストレスが発生しない状況を整えます。
具体的には上司との話し合いや和解があります。

情動焦点コーピング

情動焦点コーピングは、ストレスを感じる「自身の心」に働きかける方法です。
具体的には、自分の考え方を変えることでストレスを発生させにくくします。

たとえばストレスの原因が上司とのトラブルだとします。
情動焦点コーピングでは、「上司も多忙でイライラしているのだから仕方ない」のように考え方を転換します。

すると上司の行動を素直に受け入れやすくなるため、ストレスを感じにくくなります。
あるいは上司とのトラブルを他人に話すことで、気持ちの整理をつける方法もあります。

ストレス相談窓口の紹介

ストレスを1人で抱えるのは本当に辛いことです。
誰にも相談できずにいると、孤独感などから自殺という悲しい選択をしてしまうこともあります。

もし身近な方にストレス・悩みを相談できない場合は、専門家を頼りましょう。
代表的な相談窓口は精神科医や心理カウンセラーです。

対面での相談に不安がある場合は、電話相談窓口を利用するのも1つの方法です。
もし誰にも相談できない悩みがある場合は、次のような窓口を頼ってください。

こころの健康相談統一ダイヤル

こころの健康相談統一ダイヤルに電話を掛けると、自治体などの公的機関が設けている各相談窓口につながります。

電話番号は1つですが、接続先は自動的に最寄りの窓口が選択されます。

電話番号0570-064-556
受付日・時間自治体によって異なる(東京都の場合:12時~翌5時30分・定休日なし
相談料無料
通話料自己負担

出典:厚生労働省【電話相談|自殺対策|厚生労働省

よりそいホットライン

よりそいホットラインでは、全国の方のさまざまな悩みを相談できます。
悩みの内容の一例としては、生活の悩み・DV・性被害・自殺・被災などが挙げられます。

よりそいホットラインは、外国語にも対応しています。
電話が苦手な方はチャット・SNS・FAXでの利用も可能です。

電話番号0120-279-338(宮城・岩手・福島:0120-279-226)
受付日・時間24時間
相談料無料
通話料無料

出典:【| 一般社団法人 社会的包摂サポートセンター

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ストレスによる過食を止めるには?

ストレスによる過食を防ぐための考え方をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
出典:加藤佳子【女子大学生の過食抑制,拒食抑制に関する セルフ・エフィカシーと食行動の異常傾向との関係

過食を抑えるための「自己効力感」

過食を抑えるには、まず自己効力感を持つことが大切です。
自己効力感とは、なにかの行動を行うときに「自分はきっとできる」と思うことです。

過食に関していえば「自分は過食をやめられる」と自信を持つことが自己効力感です。
自信がつくと課題に対するモチベーションが上がるため、目標を達成しやすくなります。

自己効力感に似た言葉に自己肯定感があります。
自己肯定感は、自分を肯定する考え方です。

たとえば課題にチャレンジして失敗したとしましょう。
失敗した自分を「よく頑張った」と認められる力を自己肯定感と呼びます。

簡単にまとめると、自己効力感は「自分は成功する」という考えを持つことです。
対して、自己肯定感は「成功しても失敗してもよい」という考えを持つことです。

過食は複雑なメカニズムで構成されている?

過食はさまざまな要因が相互に絡み合うことで発生します。

たとえば「痩せたい」という願望が高まると、無意識にでもストレスを感じます。

ストレスは「甘い物を食べたい」という欲求を高めます。
一方で、痩せ願望も高まっているため、「痩せるために甘い物を避けるべき」という意識も同時に発生します。

相反する2つの意識が複雑に絡むと、「甘い物を避ける」「反動で甘い物をたくさん食べる」といった行動があらわれやすくなるのです。

ストレスによる過食を防ぐには、自身のさまざまな意識を制御することが大切です。
たとえば自己効力感を高めると、意識の制御を行いやすくなります。

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ストレスによる過食のまとめ

ここまで、ストレスによる過食についてお伝えしてきました。
ストレスによる過食の要点を以下にまとめます。

  • ストレスが引き起こす健康被害は、過食症のほか、肥満・高血圧・糖尿病など
  • ストレスで過食が起こる理由は、ストレスを受けると食欲を盛んにするホルモンの分泌が過剰になることや、食事制限への反動
  • 過食による健康への悪影響は、肥満・生活習慣病など

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
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