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健達ねっと>健康お役立ち記事>体の不調>耳鳴りについて|原因や種類、対処法を詳しく解説

耳鳴りについて|原因や種類、対処法を詳しく解説

耳鳴りは誰もが経験する症状です。
耳鳴りは疲れたときや精神的に不安があるときにあらわれやすい症状です。

耳鳴りの原因には疲れや不安のほかにどのようなものがあるでしょうか?
耳鳴りの対処法にはどのようなものがあるでしょうか?

本記事では耳鳴りについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 耳鳴りの原因について
  • 耳鳴りで受診する診療科と受診の目安
  • 耳鳴りの対処法・治し方

耳鳴りについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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耳鳴りの原因

耳鳴りの原因として考えられる項目を以下に挙げました。
それぞれ説明していきます。

疲れ(身体的ストレス)

身体的ストレスが長く続くと、自律神経が乱れ、耳鳴りの原因となります。
以下のようなものが体に与える身体的ストレスの原因となります。

  • 精神的ストレス(仕事や人間関係など)
  • 生活習慣(睡眠不足や喫煙、飲酒など)
  • 生活環境(騒音など)

睡眠不足

睡眠不足は耳鳴りの原因になります。
耳鳴りの原因となる自律神経を整えるには、十分な睡眠が大切になります。

自律神経を乱す睡眠不足は、生活習慣の危険因子の1つです。
耳鳴りは生活習慣と関係があり、睡眠不足にも大きな影響を受けます。

精神的ストレス

精神的ストレス(仕事や人間関係などによる)が原因で耳鳴りが起こることがあります。
長く精神的ストレスが続くと自律神経が乱れ、耳鳴りが起こります。
自律神経が乱れると心身にさまざまな不調があらわれますが、耳鳴りもその1つの症状です。

ビタミン不足

ビタミン不足も耳鳴りに影響を与えます。
ビタミンB群が不足するとストレスや疲れ、だるさ、倦怠感などを感じるようになります。

疲れが続くと自律神経の乱れに繋がり、耳鳴りにも影響を与えます。
ビタミンB群は耳鳴りの治療薬にも使われる栄養素です。

ヘッドホンで大音量で聞く

ヘッドホンで音楽を大音量で聞くと強い耳鳴りを起こすことがあります。
強い耳鳴りに加えて、聞こえが悪くなる難聴を伴うこともあります。
耳鳴りや難聴は内耳の蝸牛の有毛細胞が大きな音で損傷を受けたことで起こります。

自律神経の乱れ

耳鳴りの原因の1つに自律神経失調症があります。
自律神経失調症はストレスや生活環境などによって自律神経が乱れて起こる病気です。

自律神経失調症の症状は耳鳴りの他にも以下のような症状があらわれます。

  • 不安・緊張の高まり
  • 吐き気・多汗
  • 動悸
  • めまい

自律神経失調症は更年期とも関連があります。
女性ホルモンを分泌する脳の視床下部は自律神経もコントロールしています。
更年期の女性ホルモンの激減は、視床下部にも影響がでて、自律神経が乱れることになります。

鬱(うつ)病

耳鳴りはうつ病が原因で起こる場合があります。
うつ状態になると聴覚の感度が防御反応として上がることがあります。
聴覚の感度が上がると、普段なら気にならないような耳鳴りが強く感じるようになります。

メニエール病

メニエール病はめまいの前後に片耳だけ耳鳴りを発症する病気です。
メニエール病のめまいは持続時間の長い(10分~数時間)回転性めまいで、突然起こります。

メニエール病は耳鳴りやめまいのほかに

  • 吐き気・嘔吐
  • ふらつき
  • 頭痛

などの症状を伴うことがあります。

その他の病気

耳鳴りの原因となるその他の病気には以下のようなものがあります。

  • 外傷(交通事故などによる外的要因を原因とする)
  • 中耳炎(中耳に液体が貯留することによる)
  • 加齢性難聴(内耳や聴神経など)の老化によるもの
  • 薬剤性難聴(薬の副作用を原因とする)
  • 脳梗塞・脳出血など(脳の病気の前兆としての耳鳴りの可能性)
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耳鳴りの種類

耳鳴りの種類を大まかに以下の3つに分類することができます。

  • 耳鳴りの音の種類(高音・低音)
  • 片耳または両耳の耳鳴り
  • 一時的・持続的な耳鳴り

それぞれの種類の内容についてご紹介します。

耳鳴りの音の種類(高音・低音)

耳鳴りの原因を音の種類(高音・低音)から以下のように判断することができます。

【高い音】
高音の耳鳴りには電子音(ピー、ピピピなど)や金属音(キーン)などがあります。
高音の耳鳴りの原因は主に内耳が関連しています。

高音の耳鳴りは、脳に伝わる情報が内耳系統の神経や細胞の障害で減少すると起こります。
脳に伝わる情報が減少すると、脳が音の情報を補おうとして別の音を鳴らしてしまうのです。
高音の耳鳴りは以下のような病気が原因で起こります。

  • 騒音性難聴(長期間の騒音を原因とし内耳の有毛細胞や蝸牛神経が障害)
  • 老人性難聴(加齢による聴覚関連の神経細胞の減少)

【低い音】
低音の耳鳴りには低い音(ザーザー、ゴー、ボー)や虫の鳴き声(ブーン、ジー)のようなものがあります。
低音の耳鳴りは主に中耳に関連しています。

低音の耳鳴りは鼓膜周りのトラブルで、鼓膜中耳腔圧が安定しないことが原因で起こります。
低音の耳鳴りは以下のような病気が原因です。

  • 急性中耳炎(中耳に細菌などが感染して炎症)
  • 滲出性中耳炎(中耳腔に滲出液が貯留)
  • 耳硬化症(鼓膜奥の耳小骨の中のアブミ骨が振動しなくなる)

片耳または両耳の耳鳴り 

耳鳴りには「片側性耳鳴り」と「両側性耳鳴り」があります。
片側性耳鳴りは左右の耳のどちらかに耳鳴りを感じるものです。
両側性耳鳴りは左右同時もしくはどちらにも入れ替わるように起こる耳鳴りです。

片側性耳鳴りには以下のような病気の可能性があります。

  • 中耳炎
  • 突発性難聴

中耳炎や突発性難聴の耳鳴りは、トラブルが生じた方の耳に起こります。

両側性耳鳴りには以下のような病気の可能性があります。

  • 老人性難聴
  • メニエール病
  • 片頭痛

メニエール病は左右どちらかに感じるものの、耳鳴りが左右に入れ替わります。

一時的・持続的な耳鳴り

耳鳴りは、夜の静かなときになると気になることがあります。
日中は生活音などがあるため、耳鳴りの音が気になりにくいからです。

また飛行機の離着陸時やトンネルに入ったときなどに感じる一時的な耳鳴りもあります。
ストレスや寝不足が続いたときも一時的に耳鳴りが起こることがあります。
何か月も続くようなときや耳鳴りの悪化を感じるようなときは、病院を受診しましょう。

耳鳴りの中で、持続的にシャー、ジョー、ドクドクなどが聞こえるときは注意が必要です。
以下のような症状発生のサインの場合があります。

  • 脳梗塞・脳出血の前兆
  • 脳腫瘍による血管の圧迫
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耳鳴りで受診する診療科と受診の目安

耳鳴りがする場合の受診の目安や受診する診療科についてご紹介します。

以下のような症状がある場合は、我慢をせずに受診をしましょう。

  • 耳鳴りが繰り返し起こる
  • 耳鳴りが長時間持続する
  • めまいを伴う
  • ふらつきがある
  • 顔面の感覚がおかしいと感じる

特に突発性難聴の場合は早期治療が重要です。
1週間以内、できれば48時間以内に受診することが推奨されています。

受診する診療科は、まずは耳鼻咽喉科になります。
その後は症状にあった治療を受けることで、早期改善や重症化を防ぐことができます。

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耳鳴りの対処法・治し方

耳鳴りの対処法・治し方について以下の3点をご紹介します。

  • 生活習慣の改善
  • 自分で試せる簡単な耳鳴りの止め方
  • 耳鳴りの薬

生活習慣の改善

生活習慣の改善は耳鳴りを軽減させることができる対処法の1つです。
耳鳴りの原因は、病気以外ではほとんど生活習慣が原因となっています。

生活習慣の乱れは自律神経の乱れを引き起こし耳鳴りの原因になります。
生活習慣の改善には以下のようなものがあります。

  • 睡眠不足を改善し自律神経を整え精神的・肉体的な疲労回復をはかる
  • バランスの良い食事で血流を改善する
  • 適度な運動やストレッチで血流を改善する
  • 精神的・肉体的ストレスを発散し自律神経を整える

自分で試せる簡単な耳鳴りの止め方

耳鳴りを止める方法の1つにツボを押すことがあります。
耳鳴りに効果のあるツボの位置は以下の通りです。

  • 耳門(じもん) :口を大きくあけたときにできる耳の穴の前にあるくぼみ
  • 翳風(えいふう) :口をあけたときにできる耳たぶの後ろのくぼみ
  • 太谿(たいけい) :くるぶしとアキレス腱の中間にあるくぼみ

ツボ押しの他に、耳のマッサージも効果的です。
耳のマッサージは、耳まわりの筋肉をほぐし血流を改善します。

耳鳴りの薬

耳鳴りの薬として「市販薬」「漢方薬」「処方薬」について以下、ご紹介します。

【市販薬】
選ぶポイントは、処方薬に含まれる以下のような成分の入っているものです。

  • 神経の調子を整えるビタミンB12
  • 体のエネルギーとなるアデノシン三リン酸二ナトリウム
  • 疲労回復のビタミンB1やB6

耳鳴りに効く市販薬3選を以下に挙げます。

  • ナリピット錠(原沢製薬工業)
  • パニオンコーワ錠150錠(興和)
  • アリナミンEXプラス270錠(武田薬品)

【漢方薬】
選ぶポイントは、体内の水分を調整する漢方薬です。
耳鳴りに効く漢方薬3選を以下に挙げます。

  • ツムラ漢方 苓桂朮甘湯 エキス顆粒20包(ツムラ)
  • ツムラ23 漢方当帰芍薬散料エキス顆粒48包(ツムラ)
  • ツムラ漢方 八味地黄丸 エキス顆粒A48包(ツムラ)

【処方薬】
内耳の機能改善薬として以下のようなものがあります。

  • アデノシン三リン酸二ナトリウム(ATP)
  • ビタミンB12製剤
  • ニコチン酸アミド、パパベリン塩酸塩配合錠
  • カリジノゲナーゼ

細胞のエネルギー源やビタミン剤の補給、血流を改善させる薬です。

原因となる病気の治療薬としては以下のようなものがあります。

  • イソソルビド製剤
  • ベタヒスチンメシル酸塩
  • ジフェニドール塩酸塩
  • ステロイド薬

メニエール病やメニエール病に伴って起こるめまい、内耳の炎症などの治療薬です。

ストレスの改善薬(抗不安薬、自律神経改善薬)として以下のようなものがあります。

  • ロフラゼプ酸エチル
  • アルプラゾラム
  • クロチアゼパム
  • エチゾラム

気分を安定させる治療薬です。

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耳鳴りの有病率と好発年齢は?

耳鳴りの有訴者率は国民生活基礎調査(2019年版)によると以下のようになります。

  • 耳鳴りの有訴者率の増加傾向は45歳ころから強まる
  • 耳鳴りの最大の有訴者率は70~74歳代で100人
  • 耳鳴りの有訴者率は80歳代になると減少傾向になり85歳以上では25人になる
  • 85歳以上では有訴者率が最大(122人)になる難聴に比べ耳鳴りは約5分の1

有訴者率は人口1,000人当たりの自覚症状のある者の人数をいいます。

出典:厚生労働省【国民生活基礎調査 令和元年国民生活基礎調査 健康 全国編

統計からみると耳鳴りは有訴者率が年齢とともに増加する難聴とは違う傾向性があります。
しかし、耳鳴りは身近な疾患でありその原因や対処方法をよく知っておくことが大切です。

薬の使い方

耳鳴りについてのまとめ

ここまで耳鳴りについてお伝えしてきました。
耳鳴りについて、要点を以下にまとめます。

  • 耳鳴りの原因にはストレス(身体的・精神的)、睡眠不足、ビタミン不足、大音量で聞く、自律神経の乱れ、うつ病、メニエール病、その他脳梗塞などがある
  • 耳鳴りが繰り返し起きたり、長時間持続する場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診する
  • 耳鳴りの対処法には、生活習慣の改善や、ツボやマッサージ、耳鳴りの薬の服用がある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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