みなさんは、高次脳機能障害について、ご存じですか?
高次脳機能障害はケガや病気で脳に損傷を負い、日常生活に様々な支障をきたす病気です。
高次脳機能障害になってしまった場合、どのような治療を進めていけばよいのでしょうか?
この記事では高機能障害の概要を説明したうえで、以下の内容を中心に説明します。
- 高次脳機能障害の原因や症状
- 高次脳機能障害の治療法
さらに、症状がよく似ている発達障害との違いについても説明しますので、ぜひ最後までお読みください。
高次脳機能障害について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。
高次脳機能障害は、外見上分かりにくく、本人にも自覚症状が無いことが多いです。今回は、そんな高次脳機能障害の症状や原因を以下のポイントに沿ってご説明します。高次脳機能障害になった場合に失われる機能はどのようなも[…]
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高次脳機能障害とは
高次脳機能障害は主に脳の損傷によって起こる症状をいいます。
症状は、記憶障害、注意障害、失語障害などがあります。
高次脳機能障害の原因の8割は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、モヤモヤ病などの脳血管疾患です。
残りの2割は、頭部外傷や脳腫瘍などの病気です。
高次脳機能障害の症状について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。
病気やケガが原因で脳に損傷を負うと、高次脳機能障害を発症することがあります。高次脳機能障害は、ほかの障害のように目に見えるものではありません。そのため周りの方に理解されず、「離職」や「離婚」など社会的に孤立して苦しむケースも少なくあ[…]
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高次脳機能障害の治療法
高次脳機能障害には確立した治療法がありません。
そのため、高次脳機能障害の患者に対する治療は、日常生活に適応するためのリハビリによる治療が中心になります。
症状によっては、薬物療法による治療で症状の改善を図ります。
リハビリ療法
高次脳機能障害の治療方法として様々な方法があります。
ここではいくつかのリハビリ方法について紹介していきます。
機能訓練
障害に影響されている能力を訓練により向上させていく治療法です。
たとえば、トランプの神経衰弱で記憶訓練をしたり、漢字の書き取りテストをしたり、一つの物事に集中する訓練などがあります。
代替障害訓練
障害をあまり受けておらず、保たれている能力を活用する訓練・治療法です。
たとえば、日記やメモを活用することで記憶を補う方法や、時計のアラーム機能を使って時間の管理を行う方法があります。
環境への働きかけ
自宅の環境を変えて、生活しやすい環境を作ったり、周囲の人が対応方法を工夫したりします。
自宅の環境を変える方法には、自分の部屋がわかるように目印をつける方法があります。
また、何かを患者に説明する必要がある場合、周囲の人がバラバラな話し方をすると患者さんを混乱させるため、対応方法を統一する方がいいでしょう。
薬物療法
高次脳機能障害に確立された薬物による治療法はありません。
しかし、機能の回復が期待できるのではないかと考えられている薬がいくつかあります。
そのうち、市販されている神経可塑性(神経の回復や補填)を促進させる薬物を、いくつか組み合わせて治療します。
高次脳機能障害は、外見上分かりにくく、本人にも自覚症状が無いことが多いです。今回は、そんな高次脳機能障害の症状や原因を以下のポイントに沿ってご説明します。高次脳機能障害になった場合に失われる機能はどのようなも[…]
高次脳機能障害と発達障害の違いは?
高次脳機能障害と発達障害の症状は似ている部分があります。
しかし、これらは違う障害なので注意が必要です。
まず、簡単に発達障害について説明します。
発達障害は生まれつきの脳機能障害です。
自閉症やADHD(注意欠陥・多動障害)、LD(学習障害)などの症状を伴います。
これに対して、高次脳機能障害は後天的な障害です。
しかし、高次脳機能障害の脱抑制・注意障害・記憶障害・遂行能力障害は、発達障害の症状とよく似ています。
子どもの高次脳機能障害は、脳の機能に問題はなく生まれたものの、その後の病気やケガなどで脳に損傷を受けた場合に起こります。
このように高次脳機能障害と発達障害は症状がよく似ています。
しかし、別の病気であり治療法なども変わってくるため、不安な時は専門医に相談するとよいでしょう。
高次脳機能障害の治療法のまとめ
今回は高次脳機能障害の原因や治療法を中心にお伝えしてきました。
高次脳機能障害の原因や治療法についての要点を以下にまとめます。
- 高次脳機能障害の原因は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、モヤモヤ病などの脳血管疾患がほとんど
- 高次脳機能障害の治療法はリハビリ療法が中心
- 高次脳機能障害に確立した薬物による治療法はない
- 神経可塑性を促進させる薬をいくつか組み合わせることで機能の回復が期待できる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。