高次脳機能障害では様々な症状が現れます。
では高次脳機能障害はどのような原因で発症するのでしょうか?
本記事では高次脳機能障害の原因について以下の点を中心にご紹介します。
- 高次脳機能障害の主な症状
- 高次脳機能障害の原因にはどのようなものがあるのか
- 高次脳機能障害におけるアンガーマネジメントは役に立つのか
ぜひ最後までご覧いただき、高次脳機能障害の原因を知ることにお役立てください。
高次脳機能障害に興味がある方は下記の記事も併せてお読み下さい。
高次脳機能障害は、外見上分かりにくく、本人にも自覚症状が無いことが多いです。今回は、そんな高次脳機能障害の症状や原因を以下のポイントに沿ってご説明します。高次脳機能障害になった場合に失われる機能はどのようなも[…]
スポンサーリンク
高次脳機能障害とは
高次脳機能障害とは、病気やケガで脳が損傷することが原因で、知的機能や行動、感情などに障害が起こることです。
後天的原因という点で先天的原因の脳障害や周産期の脳損傷、発達障害とは区別されます。
高次脳機能障害の主な症状は、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害があります。
今まで正常だった方が、ある時を境に別人のようになることもあります。
また、周りからの理解が得られにくいので、家族にも精神的な負担がかかります。
本人も理解されない苦しみや悲しみなどから精神的に不安定になって、急に怒りだしたり、ふさぎこんだりするようになります。
このように高次脳機能障害は、かくれた障害として本人やその家族を苦しめることも少なくありません。
高次脳機能障害について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。
高次脳機能障害は、外見上分かりにくく、本人にも自覚症状が無いことが多いです。今回は、そんな高次脳機能障害の症状や原因を以下のポイントに沿ってご説明します。高次脳機能障害になった場合に失われる機能はどのようなも[…]
スポンサーリンク
高次脳機能障害の原因
高次脳機能障害は、どのような原因で起こるのでしょう。
高次脳機能障害の原因の約80%が脳血管障害で、最も多くなっています。
次に多いのが頭部外傷で約10%です。
それぞれ、どのような症状なのか詳しく見ていきましょう。
脳血管障害
脳血管障害とは、脳梗塞、脳出血が原因となって起こる障害です。
脳梗塞とは脳の血管が詰まり血流が止まることです。
そのため栄養分や酸素が送られなくなり、脳細胞は死滅します。
脳出血は脳の血管が破れて出血する症状です。
この塊は脳細胞を圧迫し、やはり脳細胞を死滅させます。
頭部外傷
頭部外傷とは、頭に大きな力や圧力がかかり、脳に大きな負担がかかることで起こる症状です。
その中でも交通事故による頭部外傷が多くを占めています。
そのほかの頭部外傷原因としては、転落や転倒、最近では幼児虐待なども挙げられています。
脳炎
脳炎が原因で高次脳機能障害を起すこともあります。
脳炎には感染性脳炎と自己免疫性脳炎などがあります。
感染性脳炎はウイルスや細菌などが脳に感染して起こるものです。
また、自己免疫性脳炎は自己免疫が自分の脳内に働くことで起こる症状です。
脳炎の原因となるウイルスには単純ヘルペスウイルスなどがあります。
脳内に入り込んで炎症を起こすと、脳炎となり、脳に損傷を与えて高次脳機能障害を引き起こします。
高次脳機能障害は、外見上分かりにくく、本人にも自覚症状が無いことが多いです。今回は、そんな高次脳機能障害の症状や原因を以下のポイントに沿ってご説明します。高次脳機能障害になった場合に失われる機能はどのようなも[…]
高次脳機能障害とアンガーマネジメント
高次脳機能障害の症状の中でも、家族や周囲が戸惑ってしまうのが易怒性(いどせい)という症状です。
易怒性をコントロールするために、アンガーマンジメントを活用するリハビリが注目されています。
易怒性とは
易怒性とは怒りっぽさや興奮状態のなりやすさを表す言葉です。
高次脳機能障害の方にこのような易怒性が見られることがあります。
易怒性をリハビリで改善していくのがアンガーマネジメントです。
易怒性と生活環境
生活環境など周囲の関係は易怒性に大きく影響します。
睡眠不足や食生活など様々なことにも気をつける必要があります。
アンガーマンジメント
アンガーマンジメントという言葉を聞いたことはありませんか?
最近ではパワハラなどのトラブル回避や仕事の能率にも効果があるとされ、研修に取り入れる企業もあります。
高次脳機能障害では、怒りに対処することが社会との円滑な関係を築くとして、アンガーマンジメントをリハビリに取り入れることがあります。
怒りがわいたら6秒間数えて、怒りを鎮める
6秒ルールといわれています。
人の怒りのピークは、6秒であることからきています。
怒りを鎮めるのに、6秒我慢することを生活の中で実践します。
その場から離れる
怒りの原因の場所にとどまるのではなく、その場から離れて怒りの焦点から気持ちをそらします。
そのことで冷静になるきっかけをつかむことができます。
過去のうれしかったことなどを思い出す
高次脳機能障害の方の場合、実際に嫌なことがなくてもイライラしたり、怒りがふつふつと湧き上がったりすることがあります。
そのようなときには、過去のうれしかった経験を思い出すことで気持ちがリセットされて怒りをやり過ごすことができます。
深呼吸をする
深呼吸はとてもシンプルですが、効果があります。
何度か深い深呼吸をすることで、怒りで高ぶった気持ちを鎮めてトラブル回避が期待できます。
高次脳機能障害の対応について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。
高次脳機能障害の原因のまとめ
今回は、高次脳機能障害の原因についてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。
- 高次脳機能障害の主な症状は、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害がある
- 高次脳機能障害の原因は、脳血管障害、頭部外傷、脳炎がある
- 高次脳機能障害の易怒性をコントロールするリハビリに、アンガーマネジメントが期待できる
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。