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健達ねっと>健康お役立ち記事>パーキンソン病>パーキンソン病は遺伝する?遺伝性の種類や検査についても解説!

パーキンソン病は遺伝する?遺伝性の種類や検査についても解説!

パーキンソン病は大多数が原因不明の進行性の病気です。
脳の黒質に存在するドパミン神経がなくなることで、筋肉が硬くなったり、手足が震えるなどの症状が見られます。

パーキンソン病は親から子への遺伝や影響はあるのでしょうか?

本記事では以下について解説していきます。

  • 遺伝が見られるパーキンソン病
  • 遺伝子診断やカウンセリング

パーキンソン病の遺伝について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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パーキンソン病とは

パーキンソン病にかかると、様々な症状が見られるようになります。
手足の震えや筋肉の硬直、姿勢が安定しないなどの運動障害や、睡眠障害や自律神経の乱れなどの非運動障害があらわれます。

パーキンソン病は、脳で運動機能をコントロールしているドパミンという神経伝達物質が不足してしまうことが原因で起こります。
ドパミンが不足した結果、脳が身体に「運動しろ」という指令を上手く出せなくなってしまうのです。

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遺伝がみられるパーキンソン病

パーキンソン病の種類や、遺伝の有無について解説していきます。

家族性パーキンソン病

パーキンソン病患者の約1割程度が遺伝的要因からパーキンソン病を患っています。

家族性パーキンソン病は、血縁の近い人の中にパーキンソン病患者がいて、「特定の遺伝子に起因するパーキンソン病である」と認められたもののことをいいます。

家族性パーキンソン病は両親から受け継いだ遺伝子の異常が原因で発症します。
頻度としては、60歳以上の100人に1人が発症します。
両親から受け継いだ原因遺伝子が劣勢遺伝子となり、遺伝情報が子に受け渡されなければ家族性パーキンソン病を発症しない場合もあります。

家族性パーキンソン病は、遺伝子が原因で起こる病気ですので、自分が持っている遺伝子の形質を解析することによって発症の可能性を調べることが可能です。
家族性パーキンソン病の原因遺伝子は既に10種類以上は存在していることが知られており、その有無を確認することで発症の可能性をある程度は予測できます。
遺伝子解析の結果、単一の遺伝子が家族性パーキンソン病の原因と分かった場合は、対象が絞れるので治療がしやすくなるというメリットがあります。

しかし、下記のような場合、発症原因の解明が難しく、治療法の確立も困難になってしまいます。

  • 家族性パーキンソン病の原因遺伝子が複数にまたがっている場合
  • 外的な環境要因なども絡んでいる場合

家族性パーキンソン病は国内外問わず、発症に関わる遺伝子の研究が広く行われています。
それだけ家族性パーキンソン病の治療には多くの注目が集まっているのです。

若年性パーキンソン病

若年性パーキンソン病は、若い年齢で発症するパーキンソン病のことです。

パーキンソン病の多くは50歳以降で発症することがほとんどですが、全体の10%ほどは40歳以下で発症することがあり、「若年性パーキンソン病」と呼びます。
まれに、10代という若さで発症するケースも存在し、このような場合は兄弟も既にパーキンソン病を発症している場合がほとんどです。

一般的なパーキンソン病と同じく、症状の進行スピードはそんなに速くありません。
数十年かけて徐々に進行していきます。

若年性パーキンソン病の症状は一般的なパーキンソン病と変わりません。
若年性パーキンソン病の特徴的な点は、手足の震えが比較的すくないことと歩行障害がよく見られることです。

治療法として、パーキンソン病によって不足したドパミンを補うために、レボドパ製剤という体内でドパミンに変化する薬剤を用いることが多いです。
加えて、神経のドパミン受容細胞をドパミンと似た薬理作用で刺激する薬(ドパミン受容体作動薬)がよく用いられます。

若年性パーキンソン病では、少ない量のレボドパ製剤やドパミン受容体作動薬で長期間効果があることが報告されています。
さらに、若年性パーキンソン病は、睡眠が症状の緩和に関与していることも多いので、日常生活において睡眠の質を向上させることが大切であるとされています。

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遺伝性パーキンソン病の治療法

服薬指導
パーキンソン病の主な治療法は薬物治療デバイス補助療法外科療法リハビリテーションになります。

薬物療法では、主にL-dopaと呼ばれる薬を用いて足りなくなるドーパミンの補充を行う作用があります。

デバイス補助療法は、脳内に入れた電線を用いて微弱な電気を脳へ送る装置を埋める方法です。装置によって脳を刺激してパーキンソン病の症状を和らげる効果が期待できます。

外科療法は薬物治療の効果が薄かった場合に適応となります。

最後にリハビリテーションではパーキンソン病の悪化を予防して、身体の使い方や筋力を維持するための運動を行います。

遺伝性パーキンソン病に対する治療法は確立されていません
海外では遺伝子に対してアプローチする方法が研究されています。

現在の日本でも研究段階であり実用化には至っていません。
遺伝子に対する治療法が認可されれば遺伝性パーキンソン病の有効な治療法の1つになるかもしれません。

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パーキンソン病の遺伝と生活習慣

パーキンソン病は、神経伝達物質であるドーパミンを産生する神経細胞が失われることにより、様々な運動障害が起こる病気です。

パーキンソン病の発症には生活習慣も大きく関わっています。
特に、遺伝的リスクを持つ人は、生活習慣の改善により発症リスクを下げることが可能です。

適度な運動やバランスの良い食事、十分な睡眠などは、神経細胞の健康を維持し、パーキンソン病の発症を防ぐことに役立ちます。

また、ストレスの管理も重要で、過度のストレスは神経細胞にダメージを与え、パーキンソン病の発症を促進する可能性があります。

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パーキンソン病の遺伝リスク

パーキンソン病は、運動機能に影響を及ぼす神経変性疾患であり、遺伝的要素が一部を占めることが知られています。

しかし、その全貌はまだ解明されていません。

パーキンソン病の遺伝的要素

パーキンソン病は、ほとんどの場合遺伝しませんが、若年発症の方では親から子へ遺伝する様子が見られ、原因遺伝子も複数確認されています。

遺伝するパーキンソン病は、常染色体優性(顕性)遺伝、常染色体劣性(潜性)遺伝、(まれにX連鎖遺伝)という形式で受け継がれます。

これまでに、

  • シナプス伝達
  • ミトコンドリアの質のコントロール
  • リソソームを介したオートファジー

という、細胞の正常な機能に必要な異なる3つのプロセスが、パーキンソン病の発症に関わっているということまでは、突き止められています。

遺伝的要素が及ぼす影響

遺伝するパーキンソン病は、全患者の5%未満で、それ以外のほとんどは、多因子または原因不明です。

ヒトゲノムが解読され、全ゲノム関連解析(GWAS)という方法で、パーキンソン病の感受性因子となり得るいくつかのゲノム領域や特定の遺伝子が同定されました。
しかしながら、これから解明していかなくてはならないことが、まだたくさん残っています。

薬の使い方

遺伝子診断やカウンセリング

一部の大学病院などではパーキンソン病のための遺伝子解析を行っています。

例えば、順天堂大学病院ではパーキンソン病をはじめとする神経変性疾患の遺伝子解析を行っています。
患者本人、ご家族からの直接の相談や依頼はできませんが、主治医の紹介があれば遺伝子解析を受けることが可能です。

順天堂大学病院の場合、次世代シークエンサーを用いてパーキンソン病の遺伝子解析を行っています。
遺伝子解析が終わるまでには3~6ヵ月ほどの時間が必要になり、場合によってはそれ以上の期間待つこともあるようです。
なお、解析にかかる費用は無料となっています。

さらに、パーキンソン病をはじめとする遺伝性の疾患は、日本遺伝カウンセリング学会などで専門的に相談を行えます。

興味のある方はぜひご利用を検討してみてはいかがでしょうか。

パーキンソン病遺伝についてのよくある質問|Q&A

パーキンソン病は遺伝する病気なのでしょうか?

パーキンソン病は主に環境要因と遺伝要因の複雑な相互作用によって引き起こされます。
多くの患者は、遺伝要因だけでなく、生活習慣や環境要因が影響していると考えられています。

しかし、ごく一部の患者(全患者の約10%未満)では、特定の遺伝子変異が明らかに関連していることが確認されています。

パーキンソン病を引き起こす遺伝子は何でしょうか?

パーキンソン病に関連すると考えられている遺伝子は複数存在します。

これらには、PARK2(パーキン)、LRRK2(リューキン)、SNCA(シヌクレイン)、PRKN、PINK1、DJ-1などが含まれます。
これらの遺伝子の異常は、脳の神経細胞が正常に機能しなくなることを引き起こす可能性があります。

パーキンソン病の遺伝リスクを知る方法は何ですか?

パーキンソン病に関連する特定の遺伝子変異を調査する遺伝子検査があります。
これは通常、神経科医や遺伝カウンセラーとの詳細なカウンセリングの後に行われます。

ただし、遺伝子検査は病気のリスクを完全に予測するものではなく、結果の解釈とその後の対策には専門的な知識が必要となります。

家族にパーキンソン病の人がいる場合、自分が発症する確率はどれくらい上がりますか?

一部のパーキンソン病は遺伝的要素が関与していますが、そのほとんどは遺伝するタイプではありません。
したがって、家族にパーキンソン病の人がいるからといって、必ずしも自分も発症するわけではありません。

ただし、家族にパーキンソン病の患者がいる場合、発症リスクはわずかに高くなるとされています。

遺伝的なパーキンソン病の治療法はどのようなものですか?

現時点では、パーキンソン病の根本的な治療法は確立していません。

治療は主に症状を管理し、患者の生活の質を改善することに焦点を当てています。
遺伝的なパーキンソン病の場合も同様で、症状や進行の程度に応じて、薬物療法、物理療法、手術などが用いられます。

しかし、遺伝子療法など遺伝的な要素に対する新たな治療法の研究が進行中です。

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パーキンソン病の遺伝のまとめ

ここまで、パーキンソン病とその遺伝についての情報を中心にお伝えしてきました。

この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • パーキンソン病は脳で運動機能をコントロールしているドパミンという神経伝達物質が不足することが原因で発症する
  • パーキンソン病には、家族性パーキンソン病と若年性パーキンソン病があり、遺伝子の異常が発症の引き金になっている
  • 一部の大学病院などでは、パーキンソン病をはじめとした神経変性疾患の遺伝子解析を行っている
  • 日本遺伝カウンセリング学会では、遺伝性の疾患の専門的な相談を受けてくれる

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
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