「手足口病の症状は?」
「手足口病の対策方法を知りたい」
手足口病が流行していると聞いて、上記のような疑問を持った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
手足口病の主な症状は発しんですが、発熱や倦怠感をともなうこともあります。
また、子どもよりも大人の方が重症化しやすいため、手足口病に感染した大人の方は、早い段階で医療機関を受診することがおすすめです。
そこで本記事では、手足口病の症状について以下の項目を中心に解説します。
- 手足口病の具体的な症状
- 手足口病の対策方法
- 手足口病に感染しやすい人の特徴
最後までお読みいただき、参考にしてみてください。
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手足口病について知っておくべきこと
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はじめに、手足口病について知っておくべきことを以下の4つの項目に分けて解説します。
- 感染経路
- 治療法
- 発生状況
- 重症化のリスク
手足口病の感染経路
手足口病の感染経路は、主に以下の3つです。
- 飛沫感染
- 接触感染
- 糞口感染(便と一緒に排泄されたウイルスが口に入って感染すること)
感染者の飛沫を吸い込んだり、タオルや食器を共有したりして感染が広がります。
ウイルスは便からも排泄されるため、感染者のトイレ利用時や、子どものおむつ交換時などは、消毒や手洗いなどが欠かせません。
また、手足口病は子どもが感染するリスクが高い病気であるため、保育園/幼稚園ではとくに注意が必要です。
手足口病の治療法
手足口病に特効薬はないため、対症療法(症状を和らげたり消したりする治療)を行います。
水ぶくれにかゆみがある際はアレルギー反応をおさえる薬、発熱時は解熱剤などが処方されることもあります。
口内炎ができた場合は、鎮痛薬や粘膜保護剤の軟膏が処方されることもあるでしょう。
とはいえ、栄養と水分をしっかりと摂取できれば、対症療法で自然に回復するのが一般的です。
ただし、まれに重症化する恐れがあるため、感染後の体調を注意深く観察する必要があります。
手足口病の発生状況
国内では、毎年子どもを中心に夏に発生することが多く、7月下旬が流行のピークです。
そんな手足口病は、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)に並ぶ、乳幼児の三大夏風邪のひとつとしても知られています。
また、手足口病は5類感染症で、全国の医療機関から週単位で感染状況が報告されます。
報告数は年々増えており、直近では2019年の402,529件がもっとも多い結果でした。
(参照:厚生労働省|手足口病)
2024年は4月頃から増加し、週単位の平均報告数は、過去5年間よりも多い水準となっています。
手足口病の重症化のリスク
手足口病は、子どもよりも大人の方が重症化しやすい傾向にある点が特徴です。
手足口病は多くの場合、軽症で治りますが、まれに重症化するリスクがあるため、体調の変化には注意しましょう。
重症化した場合は、髄膜炎や脳炎などの中枢神経系の合併症や心筋炎などに感染することもあり、最悪の場合は死に至ります。
以下のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
- 高熱が続く
- 呼びかけに答えない
- 呼吸が速くて息苦しそう
- ぐったりとしている
- 頭を痛がったり嘔吐したりする
夏に特に気をつけたい体の不調について、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
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手足口病の具体的な症状
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次に、手足口病の具体的な症状について、5つ解説します。
- 発しん
- 発熱
- 倦怠感
- のどの痛み
- 下痢/嘔吐
発しん
手足口病の具体的な症状の1つ目は「発しん」です。
感染してから3〜5日後に、口の中や手のひら、足の甲などに2〜3mmの水ぶくれを伴う発しんが出ます。
口の中にも発しんができるのが特徴です。
水ぶくれが潰れると口内炎ができることもあり、痛みで食事や飲み物が摂取できなくなると、
脱水症状を引き起こす恐れがあります。
さらに、大人の場合は痛みが強く出ることもあるため、歩くのが難しくなるケースも見られます。
初期症状に発熱がなく、発しんが出てはじめて手足口病に感染したと気づくこともあるでしょう。
発熱
2つ目は「発熱」です。
約3分の1のケースで発熱が見られますが、38度以下のことが多く、高熱が続くことは基本的にありません。
発熱時は、安静にしながら、しっかりと水分補給をすることが重要です。
ただし、前述した通り重症化のリスクがあるため、40度程度の高熱が出たり、
発熱が2日以上続いたりする場合は、医療機関を受診しましょう。
倦怠感
3つ目は「倦怠感」です。
インフルエンザのような全身倦怠感と筋肉痛などの症状が現れるケースもあります。
発熱時と同様、安静にしながら、水分補給と栄養摂取を意識することが重要です。
倦怠感や筋肉痛などの症状は、子どもには出ないこともあり、発しんができるまで手足口病に感染したと気づかない可能性もあります。
症状が重い場合は、医療機関を受診することをおすすめします。
のどの痛み
4つ目は「のどの痛み」です。
口の中にできた水ぶくれや口内炎などから、のどの痛みが生じることもあります。
痛みがあるときは、のど飴を食べたり、刺激の少ない飲み物を摂取したりしましょう。
熱いものや辛いものなどの刺激物は避け、少し冷たい食事や飲み物であれば、のどを通りやすく、
栄養も摂ることができます。
のどの痛みで飲み物を摂取できなくなると、脱水症状を引き起こす恐れがあるため、
水分補給はとくに意識することが大切です。
下痢/嘔吐
5つ目は「下痢/嘔吐」です。
手足口病では、下痢や嘔吐などの胃腸系の症状が出ることもあります。
高熱や頭痛などと合わせて、下痢や嘔吐がひどい場合は、無菌性髄膜炎の疑いがあるため、
医療機関を受診しましょう。
手足口病の原因である「エンテロウイルス」は、無菌性髄膜炎の70〜80%程度を占めているウイルスでもあります。
下痢や嘔吐が続くと、脱水症状を引き起こす恐れがあるため、水分補給も重要です。
手足口病の対策方法6選
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次に、手足口病の6つの対策方法について解説します。
- 手洗い/うがいをする
- こまめに消毒をする
- タオルや食器を分けて使う
- 排泄物を適切に処理する
- 感染者との接触を避ける
- 規則正しい生活を送る
手洗い/うがいをする
接触感染のリスクがあるため、帰宅後や食事前などは、忘れずに手洗いとうがいをしましょう。
ウイルスを洗い流すためにも、石鹸を使って指先や指の間などもしっかりと洗うことが重要です。
エンテロウイルスは、アルコール消毒が効きづらいといわれているため、一般的な感染症対策である
手洗い/うがいによってしっかりと汚れを落とすことが重要です。
大人と一緒に子どもも手洗い/うがいを習慣化しましょう。
こまめに消毒をする
エンテロウイルスはアルコール消毒が効きづらいため、次亜塩素酸ナトリウムを使った消毒がおすすめです。
次亜塩素酸ナトリウムの消毒液は、市販のハイターや漂白剤を薄めて作ることができ、特別なものを用意する
必要はありません。
接触感染を防ぐため、手で触れやすい電気やスイッチ、子どもがよく使うおもちゃなどをこまめに
消毒しましょう。
子どもは、保育園/幼稚園で先生や友達と接触する機会が多いため、おもちゃの消毒は欠かせません。
なお、次亜塩素酸ナトリウムはドラッグストアやインターネットなどで購入もできます。
タオルや食器を分けて使う
タオルや食器にはウイルスが付着しやすく、感染者が使ったものを共有すると、
ウイルスが拡散されるリスクがあります。
手足口病は、感染者の飛沫を吸い込んで感染することがあるため、日頃から別々のタオルや食器を使っていると安心です。
別々のものを準備するのが難しい場合は、使い捨ての食器やウエットティッシュなどが活用できます。
使用後はすぐに洗剤で洗ったり、処分したりして、ウイルスに触れないようにしましょう。
排泄物を適切に処理する
手足口病は、感染者の便にウイルスが含まれるリスクがあるため、トイレやおむつの利用には注意が必要です。
子どものおむつ交換後はしっかりと石鹸で手を洗ったり、トイレの利用後に消毒を徹底したりして、
排泄物からの感染を防ぐ必要があります。
感染者がいる場合、トイレやお風呂を分けることが理想的です。
しかし多くの場合、完全に分離するのが難しいため、感染者が最後に利用したり掃除や消毒を徹底したりして、感染拡大を防ぎましょう。
感染者との接触を避ける
手足口病は接触感染や飛沫感染のリスクがあるため、感染者と距離を保って生活することが重要です。
戸建の場合、1階と2階で分けたり、マンションは隔離部屋を1室用意したりして、物理的な距離をとれるような
環境を作りましょう。
とはいえ完全に接触をせずに生活するのは難しいため、掃除や消毒の徹底、マスクの着用などを心がけることが大切です。
規則正しい生活を送る
生活が乱れ免疫力が低くなると、手足口病に感染しやすくなる恐れがあるため、
規則正しい生活を意識しましょう。
以下のような行動を心がけることがポイントです。
- バランスの良い食事をとる
- 睡眠の質を高める
- 適度な運動をする
- ストレスを溜めない
一度にすべてを完璧にこなすのは難しいため、少しずつできることから取り組みましょう。
規則正しい生活を送り、免疫力を高めることは、手足口病だけでなく新型コロナウイルスや
インフルエンザなどの予防にも有効とされます。
手足口病に感染した場合の対処法5選
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次に、手足口病に感染した場合の対処法を5つ解説します。
- 病院に行く
- 通園/通学や通勤を控える
- 水分補給をする
- のど越しの良いものを食べる
- 安静にする
病院に行く
4歳程度の子どもは小児科、大人は内科か皮膚科のいずれかを受診しましょう。
手足口病には特効薬がありませんが、症状を落ち着かせるために、鎮痛剤や軟膏を処方してもらえることもあります。
前述した通り、手足口病は子どもよりも大人の方が重症化しやすいリスクがあります。
手足口病以外の病気に感染している疑いもあるため、倦怠感や筋肉痛などの症状が見られたら、
医療機関を受診することをお勧めします。
通園/通学や通勤を控える
手足口病は、出席停止や出勤停止に該当する病気ではありません。
そのため「◯日すれば通園/通学してもOK」というルールはありませんが、体調が回復してから、
通園/通学を再開しましょう。
大人の場合も同様で、職場内での感染拡大を防止するためにも「元気だから」とすぐに出社するのは避けた方がよいでしょう。
また、保育園/幼稚園や職場などによっては、手足口病感染時のルールが設けられていることもあります。
感染拡大を防ぐためにも、ルールに従って行動することが大切です。
水分補給をする
手足口病は口の中にも発しんができるため、痛みで飲食が難しくなる恐れがあります。
とくに飲み物を摂取できなくなると、脱水症状を引き起こすリスクがあるため、水分補給を意識することが重要です。
オレンジジュースのような刺激物は避け、麦茶や牛乳などの少し冷たい飲み物を摂ると良いでしょう。
栄養も摂取できるため、冷やしたスムージーやスープなどもおすすめです。
のど越しの良いものを食べる
口の中が痛み、通常の食事が難しい場合は、以下のような食べ物を摂取すると良いでしょう。
- ゼリー
- ヨーグルト
- アイスクリーム
- バナナ
- うどん
- 冷めたおじや
- 豆腐
熱いものやすっぱいものなどの刺激物は避け、あまり噛まずに飲み込めるものであれば、負担が少なく、食べやすいのでおすすめです。
無理に食べる必要はありませんが、早く回復するためにも、少しずつ栄養を摂取することを心がけましょう。
安静にする
体力を消耗しないためにも、室内でゆっくりと過ごすことが大切です。
とくに子どもは、発熱がなく発しんだけが現れるケースもあり、元気に見えるかもしれません。
しかし、体力を温存し回復に専念するためにも、室内で静かに過ごしましょう。
手足口病に感染しやすい人の特徴
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最後に、手足口病に感染しやすい人の3つの特徴を解説します。
- 2歳以下の子ども
- 子どもと関わる仕事に就いている人
- 免疫力が落ちている人
2歳以下の子ども
国立感染症研究所の発表では、2024年第27週の手足口病の報告数は35,960例で、年齢別でみると1歳が33.1%(11,887例)ともっとも多いです。
次いで2歳が19.8%(7,116例)と、2歳以下の子どもが大半を占めているとわかります。
(参照:IDWR 2024年第27号<注目すべき感染症> 手足口病)
そのため、乳幼児がいる家庭や保育園/幼稚園は、とくに注意して感染症対策を徹底する必要があります。
子どもと関わる仕事に就いている人
乳幼児が感染しやすいため、子育て中の親はもちろん、保育士や幼稚園教諭などはとくに注意しましょう。
そのほかにも、音楽教室や学童で働いている人も子どもと接する機会が多く、注意が必要です。
すでに免疫のある大人でも再度感染する恐れがあるため、油断せず基本的な感染症対策を徹底することが求められます。
免疫力が落ちている人
免疫力が落ちていると、手足口病をはじめ新型コロナウイルスやインフルエンザなどにも感染しやすくなります。
適度な運動や規則正しい生活などを心がけ、免疫力を高めることが大切です。
仕事やプライベートで忙しい人や、ストレスが溜まっている実感がある人は、とくに注意しましょう。
免疫力を高める食べ物について、以下の記事で詳しく解説しています。
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手足口病の症状のまとめ
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いかがでしたでしょうか。
本記事では、手足口病の症状について解説しました。
要点を以下にまとめます。
- 手足口病の具体的な症状として、発しん、発熱、倦怠感、のどの痛み、下痢/嘔吐などが挙げられる
- 手足口病の対策として、手洗い/うがいをする、こまめに消毒をする、感染者との接触を避ける、
規則正しい生活を送るなどが重要 - 手足口病に感染しやすい人の特徴は、2歳以下の子ども、子どもと関わる仕事に就いている人、
免疫力が落ちている人などとされている
乳幼児がいる家庭や保育士/幼稚園教諭など、子どもと接する機会の多い人は特に体調管理に気を付けましょう。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。