「手足口病って大人もかかるの?」
「大人が手足口病にかかると重症化するって本当?」
周囲に手足口病に感染している人がいる方の中には、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、手足口病が大人にうつる確率について以下の項目を中心に解説します。
- 手足口病が大人にうつる確率
- 大人の手足口病の症状
- 大人の手足口病の感染予防対策
子育てや子供と接する機会のある方、周囲に手足口病に感染者がいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
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手足口病について
初めに、手足口病について簡潔にご紹介します。
手足口病とは
手足口病は、三大夏風邪といわれており、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスによって引き起こされる
感染症で、発疹や発熱、口腔内の症状などの症状が現れます。
一般的には子供が発症する病気として知られていますが、免疫がなかったり、体力が低下したりしている大人も
感染する場合があります。
小さな子供がいる家庭や子供と関わる仕事をしている方などは、感染する可能性があるでしょう。
手足口病は大人にも感染する?
前述したように、手足口病は主に子供がかかる病気として知られていますが、大人にも感染する可能性があります。
特に手足口病に感染する可能性があるのは、
- 子供と関わる機会がある方
- 子育てをしている方
- 保育園に勤めている方
- 医療従事者
などです。
また、大人が手足口病に感染した場合、症状が重くなる場合があります。
子供と関わることが多い場合は、感染予防をしっかりしましょう。
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手足口病が大人にうつる確率と重症化
ここでは、手足口病が大人にうつる確率と、重症化について解説します。
手足口病が大人にうつる確率
大人に手足口病がうつる確率は、子供と比較すると低い傾向にあります。
手足口病は、夏季(特に6月から8月)に流行がピークを迎え、日本国内では年間数万人から多い年には数十万人の子どもが感染しますが、大人はそれよりも少ないとされています。
しかし、手足口病に感染している子供を看病している方や子供と普段から接している方は、手足口病にうつる確率は上がります。
また、手足口病のウイルスは、数週間〜1ヶ月程、便から排出されるため、子供のオムツ交換をしている時に
感染する場合が多い傾向にあります。
さらに、公共交通機関で子供と接触する子で感染したり大人同士で感染したりすることもあるため、
大人の方も感染する可能性はあります。
大人が手足口病に感染すると約30%が重症化する
大人が手足口病に感染した場合、38度以上の高熱や大き目で広範囲の発疹(水泡)、発疹の強い痛み、
ひどい口内炎などの症状が起こります。
症状としては、子供よりもひどく重症化するといわれており、「大人だから治りが早い」というわけではありません。
大人の手足口病に感染すると、感染者の約30%が重症化する可能性があります。
また、熱や発疹が少なく体力があっても、口内炎がたくさんできると食事や水分補給が難しくなり結果として
体力を落としてしまう場合もあります。
症状を放っておくと、重症化が進み、脳や心臓の合併症を引き起こすこともあるため、症状が重くなる前に
医師の診察を受けることが大切です。
発熱が長引く場合や、喉の痛みが強くて食事ができない場合は早めの受診をしましょう。
特に高齢者や妊婦の方は、症状が発生したらすぐに受診をすることをおすすめします。
手足口病の潜伏期間
次に、手足口病の潜伏期間について解説します。
潜伏期間とは、ウイルスに感染してから症状が現れる期間のことを指します。
手足口病の潜伏期間は、通常3日〜7日程度です。
この期間は感染していても症状は現れませんが、感染力はあるため注意が必要です。
感染力が一番高いのは、発熱などの症状が現れてからになるため、発症後は発疹が治まるまで
他者との接触を控えましょう。
大人が手足口病に感染した場合の症状
それでは、大人が手足口病に感染した場合、どのような症状が現れるのでしょうか。
大人が手足口病に感染すると、主に以下の症状が現れます。
- 発熱
- 発疹
- 口腔内症状
- のどの痛み
- 下痢/嘔吐
発熱
感染者の多くは、発熱しても37度台の微熱ですが、稀に38度以上の高熱が出る方もいます。
発熱の症状は、1〜2日程度で改善しますが、もしも、3日間以上熱が下がらない場合は、
手足口病以外の病気の可能性もあるため、早急に医者に相談しましょう。
発疹
発疹は、手のひらや足の裏、指の間に赤い発疹や小さな水泡が出て、かゆみや痛みを感じる場合もあります。
発疹は、感染後3〜5日後に現れ始め、3日〜1週間程で発疹は治癒します。
しかし、触ったり引っ搔いたりすると水泡がつぶれてしまうため、感染が広がり発疹の症状が悪化してしまい、治りが遅くなる可能性があります。
よって発疹は、むやみに触らず掻かないようにしましょう。
口腔内症状
手足口病に感染すると、口の中や頬の内側、のどに小さな水泡ができます。
小さな水泡がつぶれると痛みを伴う潰瘍(かいよう)となるため、食事や飲み物を摂るのが難しくなるでしょう。
のどの痛み
手足口病に感染すると、のどの痛みが現れ飲み込むのが難しくなります。
そのため、食事や水分を摂取できなくなり、脱水になる可能性があります。
のどの痛みがある場合は、のどへの刺激が強い食品は控えて、のど越しの良い食品や柔らかいものを食べましょう。
のどが痛い時は、うどんやゼリーなどの食品がおすすめです。
下痢/嘔吐
手足口病のウイルスが胃腸などに影響を与えることにより、お腹が緩くなったり何度も吐いたりする場合があります。
特に下痢症状は水様便であることが多く、脱水症状を引き起こす可能性があります。
脱水症状を改善するために、水分補給を十分に行うことが重要です。
夏風邪と下痢について、以下の記事で詳しく解説しています。
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手足口病の感染経路
次に、手足口病の感染経路について解説します。
手足口病は、以下の経路から感染すると考えられます。
- 飛沫感染
- 接触感染
- 糞口感染
飛沫感染
咳やくしゃみ、会話などで飛び散るウイルスを含んだ飛沫を吸い込むことで感染します。
感染者の近くで長時間過ごすと、感染リスクが高まります。
接触感染
感染者の唾液、鼻水、便、発疹の中に含まれるウイルスに触れることで感染します。
例えば、ウイルスが付着した手で目、鼻、口に触れると感染する可能性があります。
糞口感染
手足口病のウイルスは便中にも含まれています。
感染者の便に触れた後、手洗いが不十分な場合に、口を介してウイルスが体内に入ることで感染します。
特におむつ替えの際やトイレ後の手洗い不足が原因で感染が広がる確率が高いです。
手足口病の感染予防
前項で手足口病の感染経路を解説しましたが、感染予防のためにどのようなことをすればいいのかを解説します。
手足口病には、以下の感染予防策が有効とされています。
- こまめに手洗い/うがいを行うこと
- 消毒をする
- 排せつ物の処理を適切に行う
- 食器やタオルの共有は避ける
- 室内を清潔に保つ
- マスクをする
こまめに手洗い/うがいを行うこと
手はさまざまな物や場所を触るため、ウイルスを運ぶ大きな原因となります。
そのため、石鹸を使った正しい手洗いをすることが感染防止に最も有効とされています。
正しい手洗いの方法を確認し、手のひらだけでなく、手の甲や指と指の間など細かいところまで洗いましょう。
また、のどにもウイルスが付着している可能性があるため、うがいもしっかりすることが大切です。
消毒をする
不特定多数の人が触るテーブルやドアノブなどにウイルスが付着する可能性があるため、定期的に消毒しましょう。
特に小さい子供がいる家庭は、おもちゃを口にいれたり汚れた手でリモコンなどを触ったりします。
そのため、子供が使うおもちゃや子供が良く触るところはこまめに消毒しましょう。
また、手足口病のウイルスはアルコール消毒が効きづらいため、次亜塩素ナトリウムでの消毒が効果的
とされています。
次亜塩素ナトリウムは、家庭用のハイターを薄めるだけで作れるため、ぜひ作ってみてください。
排せつ物の処理を適切に行う
オムツ交換後やトイレを使用した後は、石鹸を使ってしっかり手を洗いましょう。
手足口病のウイルスは、症状が出てから数週間〜1ヶ月程は便から排出されます。
特に乳幼児のオムツを処理する際には使用後のオムツはビニールに密閉し、すぐにゴミ箱に捨てることが大切です。
また、便が付着した衣類やシーツはすぐに洗濯し、トイレの周りを定期的に消毒すると良いでしょう。
食器やタオルの共有は避ける
手足口病は、タオルの共有を通じて感染が広がることがあります。
そのため、家族内であっても、感染者とタオルを共有しないようにしましょう。
特に、手を拭くタオルやフェイスタオルは、個別に用意することが重要です。
感染予防におすすめなのは、使い捨てのペーパータオルの使用です。
手足口病は感染力が強いため、家庭内でのタオル共有は避け、個々のタオルを使用することで感染拡大を防ぐことができるでしょう。
室内を清潔に保つ
消毒はもちろんですが、室内のウイルス濃度を下げるため、定期的に換気を行いましょう。
感染予防のために、窓を開け、空気を入れ替えることが重要です。
特に、密閉された部屋はウイルスが滞留しやすいので注意が必要です。
また、床やカーペットには、ウイルスが付着しやすいため、掃除機をこまめにかけましょう。
掃除機をかける際は、フィルターをしっかり清掃することや、ウイルスを取り除くために水拭きを行うと良いでしょう。
マスクをする
手足口病は、咳やくしゃみ、会話などで飛沫に含まれるウイルスが他の人に感染します。
そのため、マスクを着用することで飛沫の拡散を防ぐことができるでしょう。
手足口病に感染した場合のライフスタイル
最後に、大人が手足口病に感染した場合、ライフスタイルはどうするべきかを解説します。
例えば、仕事している方が手足口病にかかった場合、仕事に出勤すべきかどうかは
症状の重さや感染拡大のリスクを考慮する必要があります。
大人でも手足口病にかかると、職場での感染拡大を防ぐため、出勤について慎重に判断することが大切です。
そもそも、症状がある間は出勤を控えることをおすすめします。
特に、発熱期間や口内の痛みによる食事の困難がある場合は休養が必要となります。
症状が落ち着いても、体調が万全でない場合は無理をせず休むことが大切です。
また、職場での感染を広げるリスクがあるため、発疹がある期間や、咳やくしゃみを伴う場合は、
出勤を控えることが望ましいでしょう。
手足口病は、無理に出勤することで職場での感染が広がるリスクがありますので、
体調が悪いときは、しっかりと休養を取ることが最優先です。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事は、手足口病が大人にうつる確率について解説してきました。
要点を以下にまとめます。
- 手足口病が大人にうつる確率は子供と比較すると低い傾向にあるが、感染者の約30%が重症化する
可能性があるため、症状が重くなる前に医師の診察を受けることが大切 - 大人の手足口病の症状は、発熱、発疹、口腔内症状、のどの痛み、下痢/嘔吐などがある
- 大人の手足口病の感染予防対策として、こまめに手洗い/うがいを行うこと、消毒をする、排せつ物の
処理を適切に行う、食器やタオルの共有は避ける、室内を清潔に保つ、マスクをするなどが有効とされている
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。