「手足口病の初期症状について知りたい」
「手足口病の初期症状や具体的な症状について、原因や対処法が知りたい」
手足口病に感染した疑いのある方、あるいは周囲に手足口病の感染者がいる方の中には、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
手足口病には、いくつかの特徴的な初期症状が見られ、それらが確認できた場合にはすぐに対処することが重要となります。
そこで今回は、手足口病の初期症状について以下の項目を中心に解説します。
- 手足口病の初期症状
- 手足口病の感染経路
- 手足口病の感染を防ぐための対策
手足口病に関するお悩みを抱えている方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
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手足口病について
手足口病とは
手足口病は、4歳までの幼児を中心に夏に感染のピークを迎える感染症の1つで、ヘルパンギーナ、
咽頭結膜熱(プール熱)と合わせて夏の三大感染症といわれています。
現在効果的な治療法が開発されておらず、安静にして自然回復を促す方法が一般的な治療法です。
手足口病の原因となるウイルスは、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスなど数多く存在し、
総称してノンエンベローブウイルスと呼ばれています。
手足口病の感染経路
手足口病の症状は、ウイルス感染後3日から5日の潜伏期間を経て発症し、感染経路は以下の3つです。
飛沫感染 | 咳やくしゃみ、話す際の飛沫に含まれるウイルスが原因の感染経路 |
接触感染 | 感染者の唾液や鼻水などに触れることが原因の感染経路 |
糞口感染 | 感染者の便に含まれたウイルスが原因の感染経路 |
くしゃみや咳によって飛沫は約1mから2m飛散するため、知らずに他人にうつしてしまうことのないように
普段から咳エチケットをこころがけるようにしましょう。
また、感染者が触れたものや水泡、かさぶたにもウイルスが残っていることがあり、
アルコール消毒ではウイルスを不活性化させることができません。
そのため、接触した際はこまめに石鹸で手洗いをするのが効果的です。
糞口感染については、主に子どものオムツ交換の際に起こりやすいため、オムツ交換が済んだら感染予防の
観点からしっかりと石鹸を使って手洗いを行うようにしましょう。
手足口病に感染したら
手足口病の原因となるウイルスの種類は多く、一度感染しても異なるウイルスの影響で再発症してしまうことが多々あるので、感染が多くなる夏は特に注意が必要です。
また、手足口病は通常であれば1週間程度で治る場合がほとんどですが、まれに髄膜炎などの中枢神経系の合併症や心筋炎などを引き起こす場合があります。
症状がなかなか治らない場合は、医師に早めに相談するようにしましょう。
他にも、夏に気をつけたい体の不調について以下の記事で解説しています。
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手足口病の代表的な症状
ここでは、手足口病の症状についてご紹介します。
手足口病の代表的な初期症状
手足口病の代表的な初期症状は、手のひらや足の甲、口の中にできる痛みをともなう水泡性の発疹です。
水泡性の発疹以外に目立った症状が出ない場合があり、発疹に気づいて初めて手足口病を疑う方もいます。
幼児など言葉がまだ話せない子どもの場合は発見や診察、治療が遅れることがあるため、
発疹の有無の確認以外に、以下のサインを見落とさないようにしましょう。
- ミルクをあまり飲まなくなった
- 機嫌が悪い
- 泣くことが多くなった
- 離乳食を拒むようになった
口の中の水泡がつぶれると口内炎になり、激痛がともなったり、足にできた発疹の痛みで歩行が困難になったり
する場合があるため、痛みがひどい場合は病院で診察を受けるようにしましょう。
手足口病の諸症状
次に、手足口病の症状について、以下の4つをご紹介します。
- 発熱
- 倦怠感
- のどの痛み
- 下痢/嘔吐
発熱
手足口病に感染した際、38度を超える高熱が出るのは稀でほとんどは37度台の熱が1日から3日続きます。
発熱は身体の免疫機能がウイルスと戦っている証のため、通常の風邪の時と同様に十分な休息と水分補給を
行うようにしましょう。
38度台の高熱が複数日続いたり、子どもがぐったりしていてつらそうな様子を見せたりした場合は、
すぐに医師に相談するのがおすすめです。
倦怠感
手足口病に感染した際には、発熱とともに全身の倦怠感が出る場合があります。
倦怠感も身体の免疫機能がウイルスと戦っている証拠のため、症状が落ち着くまで十分な休息をとるようにしましょう。
ひどい倦怠感が続く場合は他の病気の可能性も考えられるため、医師に相談するのをおすすめします。
のどの痛み
手足口病に感染した際は口の中のみならず喉の奥の方にも発疹ができ、激痛が起こる場合があります。
このとき、痛みのあまり食事や水分補給が難しくなり、脱水症状を引き起こさないよう注意が必要です。
のどの痛みがある場合は刺激物を含む食品は避け、ゼリーやアイス、ヨーグルトなどの冷たく喉越しの
良い食べ物を中心に食べさせるようにしましょう。
加えて脱水症状防止のため、こまめな水分補給も忘れずに行うことも重要です。
のどの痛みが気になる場合は、のど飴やうがいを試すのも効果的とされますが、
長く症状が続く場合は医師に相談しましょう。
下痢/嘔吐
手足口病の際に発症する下痢や嘔吐は重度になることが少なく、比較的軽い症状で済む場合がほとんどです。
下痢や嘔吐のときは身体の水分が外に多く排出されてしまうため、こまめに水分を補給し、
脱水症状にならないように注意しましょう。
症状が完治した後も感染者の便の中には数週間ウイルスが含まれているため、便の処理をした際は
必ず石鹸で手洗いを行うように意識づけしておくのがおすすめです。
下痢や嘔吐がひどい、症状がなかなか落ち着かない場合は医師まで相談するようにしましょう。
手足口病に感染した場合
本項目では、手足口病に大人・子どもが感染した際の対処法をご紹介します。
大人が感染した場合
手足口病は子どもが感染する病気のイメージが強いですが、大人でも発症する場合があります。
大人が手足口病になった際は、発疹以外にも筋肉痛や悪寒、40度近くの高熱が出るなど子どもと比べて症状が
重いのが特徴です。
大人が感染してしまった場合は、十分な休息をとりつつこまめな水分補給を行い、医師の診察を受けるようにしましょう。
仕事についてもウイルス感染である点から、症状が落ち着くまでは自宅療養をするのが好ましいです。
子供が感染した場合
子どもが感染してしまった場合も休息をとりつつこまめな水分補給や栄養の摂取をおこない、
早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
特に口の中の痛みが原因で食事や水分の摂取を嫌がる子どももいるため、のど越しのよい食品を与え、
幼稚園などへの通園も症状が落ち着くまでは控えるようにするのが好ましいです。
子供の夏風邪について解説している以下の記事もおすすめです。
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手足口病の症状が出た場合の対処法
本項目では、手足口病の症状が出た場合の対処法について以下の4つをご紹介します。
- 医師の診察
- 十分な休息と栄養/水分の摂取
- 刺激物を避けた食事の摂取
- タオル等の共有を避ける
病院での診察
手足口病の初期症状の水泡性の発疹が出た際は、手足口病感染の可能性も踏まえて医師の診察を早めに受ける
ようにしましょう。
早期発見によって症状に対し早めに対処ができ、周囲の人間への感染も防げるため、気になる症状が出た場合は医師に相談するのがおすすめです。
十分な休息と栄養/水分の摂取
手足口病は特別な治療法がないため、感染してしまった場合は十分な休息とこまめな水分の摂取を行うように
しましょう。
特に口の中の発疹がひどい場合は、痛みにより水分や食事をとりたがらない子どももいますが、
脱水症状にならないように無理のない範囲で水分摂取を促すようにするのがポイントです。
症状によっては医師の判断のもと点滴をおこない、必要な栄養素と不足した水分を補うことがあります。
刺激物を避けた食事の摂取
手足口病に感染した際は口の中にできる発疹の影響で痛みが出るため、刺激物を含む食品の摂取を控えるようにしましょう。
カレーライスやキムチなどに使用される香辛料やお酢を使った酸味が強い料理、熱い飲み物や食べ物などは、
口の中の痛みを増大させてしまい一時的に症状がひどくなる場合があります。
摂取する食事や飲み物は、刺激の少ない食べやすく冷たいものを選ぶのがおすすめです。
タオル等の共有を避ける
手足口病の感染経路の中には接触感染があり、感染者が触れたものに付着したウイルスを間接的に体内に取り込まないように、手をふくためのタオルなどの共有を避けるようにしましょう。
自分や周囲の人間が感染してしまった場合は、生活環境における共有物を分けて使用したり、
共有タオルをなくし、使い捨てのペーパータオルを設置したりするなど、感染防止に努めるのがポイントです。
鼻水をかんだティッシュペーパーは鼻水に直接触れないようにする、お風呂は感染の可能性があるため感染者は極力最後に入浴するなどの工夫をして、感染防止に努めるようにしましょう。
手足口病にならないための予防策
本項目では、手足口病にならないための予防策について以下の3つをご紹介します。
- こまめな手洗い
- 咳エチケットの心がけ
- 身の回りのものの洗浄/除菌
こまめな手洗い
手足口病に限らず、感染症防止の観点からこまめな手洗いによる接触感染の防止は非常に有効とされています。
手のひらや手の甲のみならず、指の間や付け根、指先、手首まで石鹸を使ってしっかり手を洗うことで、
付着したウイルスを洗い流すことができます。
アルコール消毒もありますが、手足口病のウイルスには効果が薄いため、意識的に手洗いを行うように
こころがけるようにしましょう。
手洗いの正しいおこない方については、厚生労働省や各地方自治体のページに掲載されていますので
一度確認してみてください。
咳エチケットの心がけ
手足口病の感染経路には飛沫感染があり、咳やくしゃみによる飛沫が感染の原因になることがあるため、
日頃からの咳エチケットをこころがけるようにしましょう。
咳やくしゃみをする際は、ティッシュやハンカチを使い、服の袖などで口と鼻をおさえて飛沫が飛ばないようにするのが大切です。
咳エチケットの意識づけで手足口病の他、インフルエンザやマイコプラズマなど他の飛沫感染が要因の感染症の防止にもつながります。
自分が感染しないことも当然ですが、周囲の人間が知らない内に感染してしまうことがないように普段から
咳エチケットを意識づけておくことが重要です。
身の回りのものの洗浄/除菌
手足口病の接触感染を防ぐためには、身の回りのものの定期的な洗浄・除菌をおこなうのがおすすめです。
手足口病のウイルスを除菌する際は以下の2つの方法が効果的とされています。
- 熱湯による消毒
- 次亜塩素酸ナトリウムを使用した消毒
熱湯による消毒は、85℃以上の熱湯で1分以上加熱することでウイルスを不活性化できます。
次亜塩素酸ナトリウムを使用する場合は水で希釈し、濃度を0.1%ほどにして使用するのが好ましい方法です。
次亜塩素酸ナトリウムは台所用洗剤にも含まれている成分なため、台所用洗剤を水で薄めたものを使用しても
効果が期待できます。
手足口病の初期症状のまとめ
ここまで、手足口病について解説してきました。
要点を以下にまとめます。
- 手足口病の初期症状は手のひらや足の甲、口の中にできる痛みをともなう水泡性の発疹で、
水泡性の発疹以外に目立った症状が出ない場合があり、発疹に気づいて初めて手足口病を疑う人もいる - 手足口病の感染経路は主に、飛沫感染、接触感染、糞口感染の3つがある
- 手足口病の感染を防ぐためには、こまめな手洗い、咳エチケットの心がけ、身の回りのものの洗浄/除菌で対策することが重要
手足口病は現在の感染症法では小児科定点対象疾患5類感染症に定められており、厚生労働省を含め各地方自治体でも注意喚起がされる感染症です。
夏に幼児を中心とした子どもが感染することがほとんどですが、大人が感染してしまう場合もあります。
大人が感染した際は子どもよりも症状が重くなる場合があるため、感染予防を日頃からおこなうようにしていきましょう。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。