「手足口病の流行の時期と要因を知りたい」
「手足口病の感染が拡大している地域の情報を得たい」
手足口病が周囲で流行しており心配な方、自分あるいは周囲で感染の疑いがある方の中には、このようなお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
手足口病に感染しないためには、流行の時期や諸症状、全国の感染状況の情報の集め方について正しい知識を
身につけることが大切です。
そこで今回は、手足口病の流行する時期について以下の項目を中心に解説します。
- 手足口病の流行時期とその要因
- 手足口病の流行状況を知る方法
- 手足口病の感染経路
手足口病に関するお悩みを抱えている方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
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手足口病について
はじめに、手足口病についてご紹介します。
手足口病とは
手足口病とは、5歳までの幼児を中心に主に夏に流行する感染症の1つです。
同じ時期に感染が拡大するヘルパンギーナと咽頭結膜熱(プール熱)と合わせて、
夏の三大感染症といわれています。
感染症発生動向調査の結果によると感染者の大半は2歳以下ですが、小学校における集団的流行や成人の感染も
発生しているのが現状です。
手足口病の原因となるウイルスは、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなど複数存在しているため、
抗体が生成されていない異なるウイルスに感染した場合、再度感染する可能性があります。
しかし、小学生までの多くの子どもは、症状があってもなくてもウイルスに感染していることが一般的です。
そのため、抗体ができることで、小学生以降に発症する可能性は低くなります。
なぜ流行するのか?手足口病の流行時期と要因
次に、手足口病の流行時期とその要因についてご紹介します。
手足口病の感染流行の時期は主に夏です。
これは、手足口病の原因になるコクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどが高温多湿を好むためであると考えられています。
インフルエンザは冬に感染拡大することから、ウイルスは低温乾燥を好むイメージですが、
ウイルスごとに特性が異なるため、注意が必要です。
手足口病などのウイルス感染症にならないためにも、日頃から感染症予防を行うように心がけましょう。
インフルエンザの流行については、以下の記事をお読みください。
毎年、冬が近づくとインフルエンザの流行が心配されますが、実際にはどれくらいの人が影響を受けているのでしょうか?インフルエンザは、子供から高齢者まで、幅広い年齢層に影響を及ぼすことで知られています。家族や友人の健康を守るためにも、[…]
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大人もうつる?手足口病の感染の確率
手足口病は、幼少期に多くの子どもが症状の有無にかかわらず感染し、自然に抗体を獲得することがほとんどです。
しかし、抗体を持っていないウイルスの場合、大人でも感染することがあります。
大人が手足口病に感染した場合、水泡性の発疹以外に筋肉痛や40度近くの高熱が出るなど、
子どもと比べて症状が重く出てしまうのが特徴です。
仮に自分自身が感染してしまった場合は、休息をしっかりとりつつこまめな水分補給をおこない、
脱水症状にならないように注意しましょう。
症状が重い場合は医師の診察を受け、仕事も、飛沫感染や接触感染の点から症状が落ち着くまでは自宅療養するのが好ましいです。
また、感染してしまった場合は、症状を落ち着かせるため回復に専念することと、周囲への感染拡大を防止することを心がけるようにしましょう。
2024年の東京/大阪/愛知/他の都道府県の流行状況
現在東京都は約12600、大阪府は約8547、愛知県は約5230の一般診療所が存在し、感染者数の数値は1週間ごとに数値が更新されていきます。
感染状況を把握する場合は、国立感染症研究所や各地方公共団体の公式ホームページなどを随時確認しておきましょう。
本項目では、2024年度第32周目(8月5日から8月11日)の1医療機関あたりの感染者数について、
以下の4つをご紹介します。
- 東京都の流行状況
- 大阪府の流行状況
- 愛知県の流行状況
- 他の都道府県の流行状況
東京都の流行状況
東京都は、2024年第32週目の1医療機関あたりの感染者数は7.71人になっています。
東京都では2023年度に比べて早いペースで手足口病の感染が広がっており、原因としては例年と比べて早い
気温の上昇や免疫力の低下が考えられています。
各区や市のホームページにも、手足口病の感染者数などの発表やお知らせが掲載されているため、
自分の住んでいる区や市のホームページの情報を確認してみましょう。
大阪府の流行状況
大阪府では、2024年第32週目の1医療機関あたりの感染者数は4.34人です。
大阪府は2023年と比較しても2024年の感染者数は6月月初の早い段階で多くなっています。
保育所や幼稚園などで感染者が発生した場合、ウイルスに抗体のない生徒が多いことや生徒同士の距離が近い
ことなどから感染が広まったと考えられています。
大阪府の公式ホームページにおいても、予防策や感染者数の報告が配信されていますので
大阪に住んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
愛知県の流行状況
愛知県では、2024年第32週目の1医療機関あたりの感染者数は9.34人です。
愛知県の2024年の感染者数は2023年と比べて約50倍以上と爆発的に増加している現状です。
新型コロナウイルス感染拡大期に感染者数が少なかったことから、手足口病のような夏風邪に対する抗体が
減ってしまったことが原因の1つと考えられています。
愛知県の公式ホームページにおいても、感染者数の動向や感染予防策について配信されているため、
愛知県内に住んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
他の都道府県の流行状況
2024年第32週目の1医療機関当たりの感染者数が多い地方公共団体5つは、以下の通りです。
青森県 | 19.89人 |
宮城県 | 16.80人 |
岩手県 | 14.90人 |
滋賀県 | 14.46人 |
広島県 | 13.37人 |
先述した通り、各都道府県においても手足口病などの夏風邪に対する免疫が落ちてしまったことが要因で
2023年度と比べて早い時期で流行しているのが特徴です。
全国の感染者数の動向は、週ごとに情報が更新されるため、1週間ごとに自身の都道府県の感染状況を参照して
現状を知っておくようにしましょう。
手足口病の流行状況を知る方法
本項目では、手足口病が自分の住んでいる都道府県で流行しているのかを知る方法についてご紹介します。
手足口病が自分の都道府県内において流行しているのかを知る方法として、主に以下の3つが挙げられます。
- 国立感染症研究所の公式ホームページ
- 各都道府県の公式ホームページ
- 各市区町村の公式ホームページ
上記3つのうち、全国的な感染状況の最新の情報を発信しているのが、国立感染症研究所の公式ホームページ
なので、全国的な感染状況について詳細な情報を得たい方におすすめです。
一方で、自分の住んでいる地方公共団体における感染状況を知りたい場合は、各都道府県ならびに各市町村の
公式ホームページを参照するようにしましょう。
各地方公共団体のサイトには、感染者が警報レベルの域に達しているかの情報、手足口病への対策や
予防法について紹介されているので、自分の身近な地域の感染状況を知りたい方におすすめです。
手足口病の主な症状
本項目では、手足口病の主な症状についてご紹介します。
手足口病に感染した際の主な症状は、以下の5つです。
- 水泡性の発疹
- 発熱
- 倦怠感
- のどの痛み
- 下痢/嘔吐
上記の中でも特に初期の段階で現れるのが、手のひらや足の甲、口の中にできる水泡性の発疹です。
特に口の中の水泡が破れた際は痛みを伴い、飲食がとりづらくなる場合があるため、刺激物を避けたのど越しの良い食品をとるようにしましょう。
加えて、のどの痛みや下痢・嘔吐で水分摂取が疎かになると脱水症状に陥ってしまうため、
意識的にこまめな水分補給を行うことも重要です。
発熱は38度以上の高熱になることは稀で、大半が37度台で収まることが多く、
倦怠感も短期間で治る場合がほとんどですが、長引く場合は医師に相談するようにしましょう。
手足口病とヘルパンギーナの違い
本項目では、手足口病とヘルパンギーナの違いについて、ご紹介します。
手足口病とヘルパンギーナは共に夏に流行する感染症であり、比較的多様な症状であるため判断が難しい場合があります。
症状が出た際は自分自身で判断することなく医師の診察を受けるようにしましょう。
水泡性の発疹ができる箇所
手足口病とヘルパンギーナの違いの1つ目は「水泡性の発疹ができる箇所」です。
ヘルパンギーナは口内にのみ痛みの伴う水泡性の発疹ができますが、手足口病は口内のほかに手の平や足の甲にも水泡性の発疹ができます。
そのため、ヘルパンギーナと手足口病を見分ける際のポイントは、水泡性の発疹がどの範囲まで広がっているかが1つの目安です。
発熱症状の重さ
2つ目は「発熱症状の重さ」です。
手足口病とヘルパンギーナを比較した際、ヘルパンギーナのほうが38度以上の高熱が出ることが多い傾向にあります。
手足口病感染の際も発熱症状は起こりますが、冒頭でも記載した通り38度以上の高熱が出ることは稀で、
大半が37度台になります。
つまり、発熱症状の観点ではヘルパンギーナの方が発熱症状が重いといえます。
夏風邪について、以下の記事でも詳しく解説しています。
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手足口病の感染経路と対策法
最後に、手足口病の感染経路とそれぞれの対策法について、以下の3つをご紹介します。
- 飛沫感染
- 接触感染
- 糞口感染
それぞれの感染経路の特徴を知り、感染予防の対策を日常生活からとれるようにしておきましょう。
飛沫感染
飛沫感染は、主に感染者の咳やくしゃみ、話す際に発生する飛沫に含まれるウイルスが原因の感染経路になります。
飛沫感染を防ぐためには、咳やくしゃみをする際に口と鼻をハンカチや衣服の袖などでおさえる咳エチケットを心がけるようにしましょう。
加えて体調が良くない場合は、話す際などにマスクを着用して周囲への配慮を行うようにすると良いでしょう。
接触感染
接触感染は、主に感染者の唾液や鼻水、ウイルスがついたものなどを触った状態で、目や鼻や口の結膜や粘膜に触れ、ウイルスが体内に侵入してしまう感染経路です。
接触感染を防ぐためには、手足口病のウイルスはアルコールがあまり効かないため、石鹸を使って手洗いをするようにしましょう。
また、普段からこまめに多くの人が触れるものについては、熱湯や次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈したものを使用して消毒するようにしましょう。
糞口感染
糞口感染は、主に感染者の便に含まれているウイルスが体内に侵入して起こる感染経路です。
糞口感染を防ぐためには、幼児のオムツを取り換えた後に必ず石鹼を使って手を洗うようにしましょう。
糞口感染については、家庭内での感染のほかに保育所などでも感染が見られるので、
こまめな手指消毒を行うように心がけていきましょう。
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手足口病の流行情報を確認し適切な対応を!
本記事では、手足口病の流行についてご紹介してきました。
要点を以下にまとめます。
- 手足口病の流行時期は夏で、これは手足口病の原因になるコクサッキーウイルスやエンテロウイルス
などが高温多湿を好むためであると考えられている - 手足口病の流行状況を知るには、国立感染症研究所の公式ホームページ、
各都道府県の公式ホームページ、各市区町村の公式ホームページを確認すること - 手足口病の感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染の3つで、
石鹸を使った手洗いやこまめな消毒、マスクの着用などで予防することが重要
流行の時期以外に、手足口病の感染経路と対策法を知っておき、普段から感染防止に努めるようにしましょう。
そして、もし水泡性の発疹や発熱、倦怠感などの諸症状が出た場合は、自己判断せずに医師の診察を受けて適切な治療をおこなうように心がけていきましょう。
加えて自宅で療養する際は、休息を十分にとるようにしつつこまめな水分補給をして安静にすることが重要です。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。