「手足口病の潜伏期間について知りたい」
「手足口病の潜伏期間後の症状や対処法について理解したい」
手足口病に感染した可能性のある方、あるいは周囲に手足口病の感染者がいる方の中には、
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
手足口病は、ウイルスに感染してすぐに症状が現れる訳ではなく、数日間の潜伏期間を経て目にみえる症状が
出てくることが一般的です。
本記事では、手足口病の潜伏期間について以下の項目を中心にご紹介します。
- 手足口病の潜伏期間
- 手足口病の治療法
- 手足口病の感染を防ぐ方法
手足口病に感染した疑いのある方や感染者と関わる方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
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手足口病について
はじめに、手足口病の基本的な情報をご紹介します。
手足口病とは?
手足口病とは、主に5歳未満の子どもが感染する三大夏風邪の一種で、6月〜8月の時期に流行する病気です。
三大夏風邪には、手足口病の他にも「エンテロウイルス」と「コクサッキーウイルス」が存在します。
また、手足口病は子どもと触れ合う機会の多い大人でも感染することもあり、大人が手足口病に感染した場合は重症化することもあります。
特に6月〜8月の時期に手足口病に関連する症状が発覚した場合は、子どもや大人に関わらず安静にして過ごし、必要に応じて医師へ相談することをおすすめします。
手足口病が流行する時期と背景
前述したように、手足口病が流行する時期は6月〜8月の夏頃であり、三大夏風邪とも呼ばれています。
これは、手足口病の原因であるウイルスの生存環境が関係しており、高温多湿となる日本の夏の環境は、
エンテロウイルスやコクサッキーウイルスなどのウイルスが繁殖しやすいことが原因と考えられています。
また、子どもたちの外遊びや水遊びが増加し、プールや海水浴など、人が密集する機会が多くなることや、
暑さによる疲労や睡眠不足、食欲不振などが原因で、体の抵抗力が弱まることも原因として挙げられます。
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手足口病の潜伏期間と治るまでの期間
次に、手足口病の潜伏期間と治るまでの期間についてご紹介します。
手足口病の潜伏期間
結論から述べると、手足口病の潜伏期間は3日〜7日程度であるといわれています。
潜伏期間とは、病原体に感染してから症状が現れるまでの期間のことを指し、実際の症状は出ていないものの、体に感染したウイルスが体内で増殖し続けている状態を指します。
手足口病は、潜伏期間中から感染力を持つことが特徴的です。
つまり、症状が現れる前から他の人にうつしてしまう可能性があり、これが手足口病の感染拡大を防ぐことが
難しい理由の一つとなっています。
とはいえ、明確な症状が現れない潜伏期間の段階から手足口病への感染を確認することは難しいため、
実際には症状が現れてから対処を行うという流れになります。
手足口病は主に夏に流行する傾向にありますが、少なからず年間を通じて発生する可能性があるため、
常に注意が必要です。
手足口病が治るまでの期間
手足口病が治るまでの期間は人によって様々ですが、基本的には7日から10日程度で回復することが多い
とされています。
ただし、手足口病の症状の中には、初期症状として現れるものや、ある程度時間が経過してから現れるものも
あるため、必ずしも7日から10日程度経過した段階で全ての症状が治るわけではありません。
また、発疹が治った段階で口内炎が発生したり喉の痛みが現れたりすることもあるため、
症状がなかなか治らないと感じることもあるかもしれません。
基本的には自宅で安静にして回復を待つことが重要ですが、2週間を過ぎても回復がみられない場合は、
合併症に感染している可能性もあるため、医療機関に相談することが重要です。
手足口病の具体的な症状
本項目では、手足口病の具体的な症状について、以下の4つをご紹介します。
- 発疹
- 爪が剥がれる
- 発熱
- 喉の痛み
発疹
手足口病の具体的な症状の1つ目は「発疹」です。
発疹は、手足口病に感染し潜伏期間を経てからすぐに現れる症状で、口の中や手のひら、足などに水疱性の発疹が現れます。
子どもの場合は、単に上記のような体の部位に水疱性の発疹が現れるだけですが、大人の場合は発疹が発生した部分に激痛が走ることもあります。
手のひらや足の裏にできた発疹の部分に硬い小石が入っているかのような感覚があるという声もあり、
触ったり踏んだりすると歩くことが困難になる程痛みを感じる場合もあります。
痛みの強さは、感染したウイルスの強さによって異なると考えられ、中にはあまり痛みを感じないケースもあります。
爪が剥がれる
2つ目は「爪が剥がれる症状」です。
子どもが手足口病に感染した場合、発疹などの症状が現れてから数日後に爪の剥離が起こることがあります。
この症状は、発症から約4〜8週間後に起こることが多く、必ずしもすべての患者に現れるわけではありません。
爪の剥離は、手足両方の指の爪に見られ、ウイルス感染により爪の成長に一時的な障害が生じることが原因と
考えられています。
幸い、爪の剥離自体は痛みを伴わないことが多く、剥がれたあとは新しい健康な爪が下から生えてくるため、
通常は特別な治療を必要としません。
ただし、剥がれかけた爪によって怪我をしないよう、注意することが重要です。
発熱
3つ目は「発熱」です。
発熱は、発疹と同時に初期の段階で発症するケースが多く、38〜39度程度の中程度の熱が3〜4日間続きます。
ただし、発熱の温度は個人差が大きく、軽度の微熱程度で済む場合もあれば、40度近い高熱が出る場合もあります。
発熱が起こった場合も、数日間安静にしていれば自然治癒することが通常ですが、
高熱が続く場合や、発熱に伴って激しい頭痛や嘔吐などの症状がある場合は、
合併症の可能性もあるため、医療機関での診察が必要です。
また、発熱時は水分が不足しがちであるため、十分な水分補給と休養を取ることも重要です。
喉の痛み
4つ目は「喉の痛み」です。
喉の痛みは、咽頭(鼻の奥から食道に至るまでの食物や空気の通り道)や口腔内にできた小さな水疱や潰瘍
によって引き起こされます。
痛みの程度は軽度から中程度まで様々で、飲食時に特に痛みを感じることが多いと言えます。
また、喉の痛みは食欲不振を引き起こす原因ともなるため、特に子どもの場合はそれによる二次症状も
発生する可能性があります。
喉の痛みを和らげるためには、冷たい飲み物や柔らかい食べ物を摂取したり、うがいを行ったりすると良いでしょう。
喉の痛みが気になる方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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手足口病の治療法や対処法
本項目では、手足口病の治療法や対処法についてご紹介します。
手足口病の治療法
結論から述べると、手足口病に直接作用する治療薬は見つかっていないのが現状です。
そのため、手足口病への治療や対処には、症状や痛みを和らげる対症療法が用いられます。
手足口病に感染した人に対して用いられる対症療法は、主に以下の4種類です。
- 解熱剤/解熱薬
- 炎症を抑える薬
- 痒みを抑える薬
- 痛みを抑える薬
手足口病の症状や対症療法について相談した際は、これらの薬が処方されることが多いと言えます。
これらの薬でも症状が改善されない、あるいは悪化した場合は、改めて医療機関に相談することをおすすめします。
手足口病は大人にも感染する
既にご説明している通り、手足口病は一般的に子どもに多くみられる病気ですが、子育てをしている大人の方や、日常的に子どもに触れ合う大人にも感染する可能性があります。
大人の場合、子どもの頃に手足口病にかかった経験があることで部分的な免疫を持っていることもありますが、それでも完全に予防できるわけではありません。
また、大人が手足口病に感染した場合は症状が重症化するケースも珍しくなく、発疹や喉の痛みも子ども以上に深刻となる可能性があります。
大人が感染する手足口病は、主に子どもから感染するケースが多いため、普段から子どもと触れる機会が多い方は注意が必要です。
手足口病の感染を防ぐ方法
本項目では、手足口病の感染を防ぐ方法について、以下の4つの方法をご紹介します。
- 手洗い/うがいをする
- マスクを着用する
- 物の共有に注意する
- 排泄物の処理などに注意する
手洗い/うがいをする
手足口病の感染を防ぐ最も基本的かつ効果的な予防法は、こまめな手洗いとうがいです。
手洗いをする際は石鹸を使用し、指の間や爪の裏まで丁寧に洗うことが重要です。
また、うがいは、口腔内のウイルスを減らすのに不可欠な方法であり、手洗いとセットで行うことが重要です。
手洗いとうがいを習慣化することで、手足口病だけでなく、他の感染症予防にも大きな効果が期待できます。
マスクを着用する
手足口病のウイルスは、飛沫感染でも広がり感染するため、マスクを着用することでウイルスの拡散を防ぐことが重要です。
特に、咳やくしゃみなどの症状が出る場合、日常的に子どもと関わる機会がある場合などは、
可能な限りマスクをして感染を予防することが重要です。
子どもにマスクを着用させる際には、年齢や発達段階に応じて適切なサイズと形状のものを選びましょう。
ただし、2歳未満の乳幼児や呼吸困難のある人はマスク着用を避け、他の予防策を重点的に行うことが大切です。
物の共有に注意する
手足口病のウイルスは、感染者が触れた物を介して感染することがあります。
特に、タオルやコップ、食器、おもちゃなど、高頻度で繰り返し使用するものはその分ウイルスが付着する
可能性も高いため、共有していると感染するリスクが高まります。
これらの物は、定期的に消毒を行い、清潔な状態で保つことが重要です。
また、ドアノブやスイッチ、階段の手すりなども、普段から日常的に人が触れる場所として、
定期的に掃除すると良いでしょう。
排泄物の処理などに注意する
手足口病の感染経路には、飛沫感染や接触感染の他にも、糞口感染が挙げられます。
糞口感染とは、感染者の糞便に含まれるウイルスが、何らかの経路で他の人の口に入ることで感染が広がることを指します。
そのため、糞口感染は、主に幼少期の子どものおむつを変えたり排泄物の処理をしたりする親が注意すべきものと言えます。
子どもがまだ幼く、排泄物の処理を手伝う状況にある方は、糞口感染による手足口病への感染にも注意することが重要です。
手足口病に感染した場合の過ごし方
最後に、手足口病に感染した場合の過ごし方について、以下の3つに分けてご紹介します。
- 安静に過ごす
- 適度に水分を補給する
- 人との接触を避ける
安静に過ごす
手足口病に限った話ではありませんが、病気によって不調な状態が続く場合は安静にして自宅で休養を取ることが重要です。
病気によって体が弱っている時は、免疫が下がっている場合が多く、手足口病以外の病気や合併症に感染する
リスクも高まります。
室内の温度を適切な状態に設定し、横になってゆっくり休むと良いでしょう。
適度に水分を補給する
手足口病に感染すると、発熱や食欲不振の影響で、水分不足になってしまう場合があります。
体内の水分は、免疫力向上や体温調整にも作用するため、特に病気にかかっている間は、
適度に水分を補給することが重要です。
人との接触を避ける
前述したように、手足口病は飛沫や接触によって人に感染します。
手足口病は非常に感染力が強いため、症状がある間はできる限り自宅で療養し、外出を控えることが重要です。
また、自宅で休養している間も、必要以上に家族と接触することは避け、使用するタオルやコップは分けるように
すると良いでしょう。
手足口病の潜伏期間のまとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、手足口病の潜伏期間というテーマで、具体的な潜伏期間や具体的な症状、感染を予防する方法などをご紹介してきました。
要点を以下にまとめます。
- 手足口病の潜伏期間は3日〜7日程度であるといわれているが、手足口病は潜伏期間中から感染力を持つため、症状が現れる前から他の人にうつしてしまう可能性があり、これが手足口病の感染拡大を防ぐことが難しい理由の一つとなっている
- 手足口病に直接作用する治療薬は現状見つかっておらず、症状や痛みを和らげる対症療法が用いられている
- 手足口病の感染を防ぐ方法として、手洗い/うがいをする、マスクを着用する、物の共有に注意する、
排泄物の処理などに注意するなどが効果的とされる
本記事でもご紹介した通り、手足口病は、適切な薬と過ごし方によって自然治癒する可能性が高い病気ですが、他の病気と比較して感染力が高い点が特徴です。
手足口病に感染した場合は、周りへの感染に注意し、なるべく安静にして過ごすことが重要です。
また、予期せぬ症状が現れた場合や長い期間にわたって症状が改善されない場合は、医師に相談することをおすすめします。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。