「手足口病の感染力が高まる期間が知りたい」
「手足口病の感染を避けるための予防策について理解しておきたい」
周りで手足口病の感染者がいる方、あるいは子育てをしている方の中には、このような悩みを抱えている方も
多いのではないでしょうか。
手足口病は、一般的に夏の時期に感染力が高まるといわれており、三大夏風邪の一種ともいわれています。
本記事では、手足口病の感染について以下の項目を中心にご紹介します。
- 手足口病の感染力が強い期間
- 手足口病にかかりやすい人の特徴
- 手足口病を予防する方法
特に子育てをしている方、普段から子どもと関わる機会が多い方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
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手足口病とは?
はじめに、手足口病についてご紹介します。
手足口病とは、主に5歳未満の子どもに見られる感染症であり、三大夏風邪の一種です。
感染すると発疹や喉の痛み、微熱などの症状が出ることがあり、場合によっては髄膜炎や小脳失調症などの
合併症に感染する場合もあります。
とはいえ、多くの場合は数日間の休養によって自然に治ることが多いため、
感染した場合は自宅で安静に過ごすことが重要となります。
また、大人に感染する可能性もゼロではなく、子育てをしている保護者の方、あるいは仕事などが理由で日常的に子どもと接触する機会が多い方は、手足口病を発症するリスクがあります。
大人が手足口病に感染すると、場合によっては子どもの症状よりも重症化することがあり、発疹によって激痛を感じたり、全身の倦怠感を感じたりする場合もあります。
幼少期に手足口病に感染し、免疫を持っている場合でも感染する可能性はゼロではないため、身近に子どもが
いる大人の方は注意する必要があるでしょう。
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手足口病の感染力が強い期間
次に、手足口病の感染力が高まる期間についてご紹介します。
手足口病の感染力が高まる期間とは、すなわち手足口病が流行する期間です。
冒頭でもご紹介した通り、手足口病は三大夏風邪の一種といわれており、一年の中でも6月〜8月の時期に
最も感染が拡大するといわれています。
手足口病の原因となるエンテロウイルスやコクサッキーウイルスなどのウイルスにとって、日本の夏の高温多湿な環境が繁殖に適しているためです。
特に、梅雨から梅雨明けの時期となる7月から8月にかけては、湿度が高く気温が30℃を超える日が続き、
ウイルスの活動が最も活発になります。
それに加え、夏場の暑さによって子どもの免疫力が低下することや夏休みの多くのイベントによって
子ども同士の交流機会が増えることも原因であると考えられています。
いずれにせよ、6月〜8月の時期に手足口病が流行することはデータでも分かっているため、
健康管理には十分注意が必要となります。
手足口病の特徴
本項目では、手足口病の特徴について、以下の3つをご紹介します。
- 5歳未満の子どもに多く見られる
- 自然治癒によって回復を待つことが一般的
- 三大夏風邪の一種
5歳未満の子どもに多く見られる
手足口病は5歳未満の子どもに多く見られる傾向にあり、幼稚園児以下の子どもが特に注意すべき感染症と言えます。
これには主に2つの要因が関係しており、
- 幼少期の子どもの免疫システムが整っていないこと
- 年齢的に物を口に入れる習性があり、手指の衛生管理も不十分なこと
が理由と言えます。
手足口病の感染経路には、主に飛沫感染や接触感染、糞口感染が挙げられ、不衛生なものを口に含んでしまうことでも感染してしまいます。
自然治癒によって回復を待つことが一般的
手足口病は、特定の薬によって治療する病気とは異なり、時間の経過とともに自然に回復します。
これは、手足口病が基本的にウイルス性の感染症であり、現時点で直接的にウイルスを排除する特効薬が存在しないことも関係しています。
手足口病の潜伏期間は3日〜7日程度であるといわれており、実際に感染してから完全に体調が戻るまで
7日から10日程度の日数が必要であるとされています。
とは言え、実際の回復期間や体調は個人によって異なるので、体調が完全に回復するまでは、
自宅で休養することが重要となります。
三大夏風邪の一種
手足口病は三大夏風邪の一種です。
三大夏風邪には、手足口病の他にもヘルパンギーナと咽頭結膜熱が挙げられます。
ヘルパンギーナとは、喉の奥(軟口蓋)に小さな水疱や潰瘍が現れることが特徴で、
場合によっては強い痛みを伴います。
痛みによって飲食に支障をきたす場合や、40度近い熱が出る場合もあります。
一方咽頭結膜熱は、プール熱とも呼ばれており、咽頭炎と結膜炎が主な症状となります。
それに伴い、のどの痛みや目の充血、痛み、まぶたの腫れなどの症状が現れることがあります。
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手足口病を予防する方法
次に、手足口病を予防する方法について、以下の4つをご紹介します。
- 手洗いうがいをする
- 共有するものを清潔に保つ
- マスクを着用する
- 排泄物を適切に処理する
手洗いうがいをする
手洗いうがいは、手足口病をはじめとするあらゆる病気を未然に防ぐために最も重要な方法と言えます。
手を洗う際には、指の間や爪の裏まで丁寧に洗うことを意識し、外出後や食事の前後、トイレの使用後には
必ず行うようにしましょう。
また、うがいも手を洗う際にセットで行うようにし、喉の奥までしっかりと洗い流すよう意識しましょう。
共有するものを清潔に保つ
前述したように、手足口病は接触感染や経口感染によって感染します。
手足口病の原因となるウイルスは、物の表面に付着してから一定期間生存できるため、
感染者が触れた物を介して感染が広がる可能性があります。
特に注意が必要なのは、おもちゃや文具、食器、タオルなどの日常的に使用する物です。
また、家族内に感染者がいる場合は、非感染者が使用するものをしっかりと分け、
可能な限り感染のリスクを下げることが重要です。
マスクを着用する
マスクの着用は、手足口病の感染予防に非常に効果的とされています。
飛沫感染によっても感染が拡大する手足口病は、特に人の多い場所などで爆発的に感染する可能性を秘めています。
マスクを着用する際は、鼻と口をしっかりと覆い、顔との間に隙間ができないようにフィットさせることが
重要です。
ただし、2歳未満の乳幼児や呼吸困難のある人はマスク着用を避け、他の予防策を重点的に行うことが大切です。
排泄物を適切に処理する
主に子どもに感染する手足口病ですが、子どもの排泄物を介して大人に感染する事例も多くあります。
特に幼少期の子どもの場合、1人でトイレを済ませることができない子どもも多いため、
どうしても親が排泄物に触れることがあります。
そのようなタイミングで排泄物に含まれるウイルスに触れてしまうと、それらが間接的に口や鼻から
体内に入り込み、結果として大人でも手足口病に感染してしまうことに繋がります。
徹底的に感染を予防するためには、使い捨て手袋を着用して専用のマットを使用し、
使用済みのおむつはビニール袋などで密閉して廃棄する必要があります。
また、トイレを使用した後は、便器のふたを閉めてから水を流すことで、ウイルスの飛散を防ぐことができるでしょう。
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手足口病にかかりやすい人の特徴
本項目では、手足口病にかかりやすい人の特徴について、以下の3つをご紹介します。
- 5歳未満の子ども
- 免疫力が弱っている方
- 子どもと接触する機会が多い方
5歳未満の子ども
5歳未満の子どもはその免疫体制や生活習慣などの理由から、手足口病に感染しやすいと言えます。
5歳未満の子どもの場合は、自身で感染対策や予防を意識することが難しいため、保護者がしっかりと管理することが重要となります。
健康管理や衛生環境など、感染への対策としてできることはしっかりと取り組むことが重要です。
免疫力が弱っている方
子どもや大人に関わらず、免疫力が弱っている方は手足口病にかかりやすいと言えます。
免疫力が弱っている状態は、手足口病だけでなく他の病気や感染症にかかるリスクも高まるため
、特にウイルスとの接触に気を付ける必要があります。
夏に手足口病が流行るという事実も、暑さによって免疫力が弱まることが原因の一つであり、
過度のストレスや睡眠不足、偏った栄養の接種なども免疫力低下に繋がります。
健全な生活習慣を意識し、安定した免疫力を保つことができるよう心がけると良いでしょう。
子どもと接触する機会が多い方
一般的には大人が感染しにくい手足口病ですが、子育て中の方や子どもと接触する機会が多い方はどうしても
感染する確率が高くなってしまいます。
子どもよりも免疫力や体が強いからと言って慢心せず、他の風邪や病気への対策と同様に感染を予防する意識を持つことが重要です。
手足口病の症状
本項目では、手足口病の症状についてご紹介します。
手足口病の具体的な症状は、個人によって多少異なりますが、主な症状は以下の通りです。
- 発疹
- 喉の痛み
- 発熱
- 爪の剥離
体調が悪くこれらの症状が現れた際には、手足口病を疑い、症状がひどい場合には医師に相談することをおすすめします。
手足口病に感染した際の過ごし方
最後に、手足口病に感染した際の過ごし方について、以下の4つをご紹介します。
- 自宅でゆっくり休養する
- こまめに栄養と水分を補給する
- 感染者が使用するものを区別する
- 風呂は最後に入る
自宅でゆっくり休養する
手足口病の特徴に関する見出しでもご紹介した通り、手足口病は安静にして休むことで自然治癒する病気です。
そのため、手足口病に感染した場合は無理をせず、適切な温度に保たれた部屋で安静にして休むことが重要です。
こまめに栄養と水分を補給する
手足口病に感染すると、体調不良や喉の痛みなどが原因で飲食が億劫に感じてしまうことが多々あります。
そのような状況が続いてしまうと、体内の水分や栄養が不足し、それに伴って体調の回復も遅れてしまいます。
手足口病に感染して体調が優れない際は、特に健康管理を意識して水分補給や栄養補給を積極的に行うと良いでしょう。
感染者が使用するものを区別する
前述したように、手足口病は飛沫や接触によって感染するため、感染者とものを共有することは感染のリスクを高めることに直結してしまいます。
そのため、コップやタオル、その他家族内で共有するものなどは、感染者と使用するものをしっかりと分け、
感染のリスクを最小限に抑えることが重要となります。
また、風呂のお湯などは感染した人が最後に使用することで、
浴室内の感染リスクも抑えることができるでしょう。
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手足口病の感染力が強い期間のまとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、手足口病の感染というテーマで、感染力が高まる時期やその理由、実際に感染を防ぐための対策などをご紹介してきました。
要点を以下にまとめます。
- 手足口病は三大夏風邪の一種で、一年の中でも6月〜8月の時期に最も感染が拡大するといわれている
- 手足口病にかかりやすい人の特徴は5歳未満の子ども、免疫力が弱っている方、子どもと接触する機会が多い方で、これらに当てはまる方は特に注意が必要
- 手足口病を予防する方法として、手洗いうがいをする、共有するものを清潔に保つ、
マスクを着用する、排泄物を適切に処理するなどが効果的とされる
手足口病は、免疫力が下がり人との交流が多くなる夏場ではどうしても避けられないケースもあります。
実際に感染した場合は自宅で安静にして過ごすよう心がけ、それでも症状が治らない、悪化するなどといった場合は、必要に応じて医師に相談すると良いでしょう。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。