「マイコプラズマ肺炎の症状は?」
「マイコプラズマ肺炎に感染した場合の対処法を知りたい」
発熱やせきがある場合「マイコプラズマ肺炎かもしれない」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。
発熱や乾いたせきが続く場合は、マイコプラズマ肺炎に感染している可能性があります。
マイコプラズマ肺炎は、風邪に似た症状が出ますが、熱が長引いたり、せきが続いたりする点が特徴的です。
本記事では、マイコプラズマ肺炎の症状について以下の点を中心に詳しく解説します。
- マイコプラズマ肺炎について知っておくべきこと
- マイコプラズマ肺炎の症状
- マイコプラズマ肺炎の予防方法
マイコプラズマ肺炎の症状にご興味のある方はご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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マイコプラズマ肺炎について知っておくべきこと
まずはじめに、マイコプラズマ肺炎について知っておくべきことを5つの項目に分けて解説します。
- 原因
- 感染経路
- 発生状況
- 検査方法
- 治療方法
原因
マイコプラズマ肺炎に関する解説の1つ目は「原因」です。
マイコプラズマ肺炎は「マイコプラズマ」と呼ばれる細菌に感染し、発症する感染症です。
マイコプラズマには、細胞壁を持たないという特徴があり、一般的な抗菌薬では殺せません。
そのため、マイコプラズマを殺すには、特別な抗菌薬を使う必要があります。
また、マイコプラズマ肺炎は、比較的若い人の間で流行しやすく、何度も感染するリスクがあります。
とはいえ、成人が感染しないわけではないため、家族や会社に感染者がいる場合は、予防や対策をすることが大切です。
感染経路
2つ目は「感染経路」です。
マイコプラズマ肺炎の感染経路には、主に「飛沫感染」と「接触感染」があげられます。
感染者のせきの飛沫を吸い込んだり、感染者と接触したりすると感染するリスクがあります。
子ども同士が接触する機会の多い学校や保育園などの施設ではとくに注意が必要です。
また、潜伏期間は、約2〜3週間と比較的長いのが特徴のひとつにあげられます。
発生状況
3つ目は「発生状況」です。
マイコプラズマ肺炎は、特に秋や冬に感染が多く見られるものの、1年を通して感染するリスクがあります。
マイコプラズマ肺炎は、医療機関から週単位で感染状況が報告される5類感染症のひとつです。
2014年〜2023年の10年で、もっとも報告数が多いのは2016年の19,721件でした。
一方、もっとも少なかったのは2022年の395件です。
2024年は報告数が増加しています。
出典:厚生労働省「マイコプラズマ肺炎」
検査方法
4つ目は「検査方法」です。
マイコプラズマ肺炎の検査方法には画像検査や血液検査、迅速検査などがあげられます。
肺炎ということもあって、画像検査をすると、すりガラス状の陰影が見られることもあります。
ただし、ほかの病気でも同様な陰影が見られたり、感染後すぐにはレントゲン画像に映らなかったりすることもあるため、断定はできません。
どれかひとつの検査で確実に診断できるわけではないため、流行状況や症状なども参考にしながら、総合的にみて判断します。
治療方法
5つ目は「治療方法」です。
前述した通り、マイコプラズマ肺炎は細胞壁を持たないという特徴から、一般的な抗菌薬はあまり効果がないといわれています。
そのため、マクロライド系などの抗菌薬が使われるケースが多いです。
ただし、マイコプラズマ肺炎によく使われる抗菌薬が効かない「耐性菌」に感染した場合は、ほかの抗菌薬を使って治療します。
基本的には軽症で済みますが、重症化した場合は、入院して治療する必要があるでしょう。
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マイコプラズマ肺炎の症状
次に、マイコプラズマ肺炎の症状を3つ解説します。
- 発熱
- せき
- その他
症状①|発熱
マイコプラズマ肺炎の症状の1つ目は「発熱」です。
微熱で済む人もいますが、とくに大人の場合、熱が上がったり下がったりするケースがあります。
微熱程度でも熱が長引いたり、せきの症状が見られたりする場合は、マイコプラズマ肺炎に感染している恐れがあります。
また、初期症状には発熱のほか、頭痛、倦怠感などが見られるケースもあります。
症状②|せき
2つ目は「せき」です。
マイコプラズマ肺炎の特徴的な症状は、乾いたせきが長期間続くことです。
熱は下がっても、せきが3〜4週間ほど続くこともあり、夜間や早朝に激しく出る人もいます。
せきが続くと胸の筋肉が痛くなり、胸痛の症状が見られるケースもあります。
「ただの風邪にしてはせきが長引いている」という人は、医療機関を受診すると良いでしょう。
症状③|その他
マイコプラズマ肺炎には、発熱やせき以外の症状もあります。
たとえば、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器系の症状が出る人もいます。
咽頭痛や消化器系などの症状は感染者の約25%、発しんは約6〜17%で見られます。
出典:国立感染症研究所「マイコプラズマ肺炎とは」
後述する合併症にともなう症状が出ている恐れもあるため、気になることがあれば、医師に相談をしましょう。
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マイコプラズマ肺炎と風邪の違い
次に、マイコプラズマ肺炎と風邪の違いを解説します。
マイコプラズマ肺炎は軽症で済むケースも多く、初期症状が似ていることから、風邪と勘違いするケースもあります。
しかし、以下のような症状が見られる場合は、風邪ではなくマイコプラズマ肺炎に感染している恐れがあるため、注意が必要です。
- 熱が長引く
- せきが悪化する
- 解熱後もせきが続く
とくに、せきの症状に差があるため「風邪にしては様子がおかしい」と思う場合は、医療機関を受診しましょう。
マイコプラズマ肺炎の合併症
次に、マイコプラズマ肺炎の合併症を4つ解説します。
- 中耳炎
- 髄膜炎
- 溶血性貧血
- ギラン・バレー症候群
中耳炎
マイコプラズマ肺炎の合併症の1つ目は「中耳炎」です。
中耳炎には、耳の痛みや聞こえにくくなるなどの症状があります。
大人であれば見当がつくかもしれませんが、マイコプラズマ肺炎に感染しやすい子どもの場合、うまく症状を説明できない可能性があります。
以下のような様子が見られる場合は、注意しましょう。
- 発熱がある
- 耳をよく触る
- 機嫌が悪い
- 元気がない
マイコプラズマ肺炎の感染者のうち、5〜10%未満の人に、中耳炎、髄膜炎などの合併症が見られます。
髄膜炎
2つ目は「髄膜炎」です。
髄膜炎には大きく4つの種類があります。
マイコプラズマ肺炎の原因であるマイコプラズマは、無菌性髄膜炎の原因のひとつです。
無菌性髄膜炎には、発熱、頭痛、嘔吐などの症状が見られますが、基本的には適切な治療を受ければ、後遺症もなく回復するといわれています。
しかし、重症化するリスクがあったり、髄膜炎のなかには致死率の高い種類もあったりするため、放置は危険です。
溶血性貧血
3つ目は「溶血性貧血」です。
溶血性貧血は貧血の一種で、だるさ、息切れ、動悸など、貧血の典型的な症状が見られます。
子どもから大人まで幅広い世代で発症するリスクがあります。
自分の赤血球に反応してしまう自己抗体ができることが原因とされていますが、詳しい内容は明らかになっていません。
自然経過で治るケースもあれば、長期間の薬物治療が必要な人もいます。
いずれにしても、医療機関を受診し、医師の指示通りに治療にあたりましょう。
ギラン・バレー症候群
4つ目は「ギラン・バレー症候群」です。
ギラン・バレー症候群とは、力が入らなかったり、しびれたりする症状が出る、神経の障害による病気です。
1年間で10万人に1,2人がかかるといわれているまれな病気ですが、適切な治療を受ければ、症状は改善します。
そのため、回復後は以前とほぼ同じ生活ができるようになります。
しかし重症化するリスクもあり、回復までに時間がかかったり、何らかの障害が残ったりする人もいるため、油断はできません。
マイコプラズマ肺炎の予防方法
マイコプラズマ肺炎を予防するための方法を3つ紹介します。
- 手洗い・うがいとアルコール消毒を徹底する
- マスクを着用する
- 感染者との接触を避ける
予防法①|手洗い・うがいとアルコール消毒を徹底する
マイコプラズマ肺炎を予防するための方法の1つ目は「手洗い・うがいとアルコール消毒を徹底すること」です。
マイコプラズマ肺炎は、濃厚接触による感染リスクがあるため、日頃から手洗い・うがいと、アルコール消毒を意識することが大切です。
帰宅後や食事の前などは、忘れずに石鹸を使用して手洗いとうがいをし、必要に応じてアルコール消毒もしましょう。
保育園や小学校などでの集団感染の恐れもあるため、一人ひとりが感染対策を徹底することが重要です。
新型コロナウイルスの流行で意識する人も増えていますが、引き続き手洗い・うがいとアルコール消毒を習慣化しましょう。
予防法②|マスクを着用する
2つ目は「マスクを着用すること」です。
前述した通り、マイコプラズマ肺炎は、感染者のせきの飛沫を吸い込むことで感染する恐れがあります。
マイコプラズマ肺炎の感染者が人と接触する際はもちろん、感染していなくても、予防としてマスクの着用を心がけると良いでしょう。
また、感染者が使用したマスクを介して感染が拡大するリスクもあるため、使用後のマスクは、触らず適切に処分することが大切です。
ごみ袋の口をしっかりとしばったり、ごみ捨て後に手洗いをしたりして予防しましょう。
予防法③|感染者との接触を避ける
3つ目は「感染者との接触を避けること」です。
マイコプラズマ肺炎に感染した場合は、学校や会社を休むのはもちろん、家庭内での行動にも注意が必要です。
たとえば、感染者と同じタオルや食器を使ったり、食べ残しを食べたりすることは避けましょう。
子どもが感染した場合の対応は難しいですが、兄弟との接触を避けたり、消毒をしたりすることには、一定の効果が期待できます。
使い捨ての食器やウェットティッシュなどを活用するのもおすすめです。
マイコプラズマ肺炎の対処方法
最後に、マイコプラズマ肺炎の対処法を3つ解説します。
- 病院に行く
- 抗菌薬を飲む
- 学校・会社を休む
病院に行く
マイコプラズマ肺炎の対処法の1つ目は「病院に行くこと」です。
マイコプラズマ肺炎は、基本的には軽症で治りますが、前述した通り合併症を発症する恐れがあるため、医療機関を受診しましょう。
とくに発熱が続いたり、せきがひどかったりする場合は、ただの風邪ではなくマイコプラズマ肺炎の可能性があるため、注意が必要です。
軽症であれば内科で対応可能ですが、肺炎や気管支炎などが悪化している場合、呼吸器内科での治療が必要なこともあります。
マイコプラズマ肺炎が疑われる場合、大人は一般内科、子どもは小児科を受診しましょう。
抗菌薬を飲む
2つ目は「抗菌薬を飲むこと」です。
マイコプラズマ肺炎は、軽症であれば、抗菌薬を飲まず、自然に治るのを待つケースもあります。
しかし症状によっては、マクロライド系などの抗菌薬が処方されます。
抗菌薬を処方された場合は、効果を薄れさせたり、副作用を起こしたりしないためにも、医師の指示通りに飲むことが大切です。
とくに、服用するタイミングや量などを間違えないように注意しましょう。
学校・会社を休む
3つ目は「学校・会社を休むこと」です。
マイコプラズマ肺炎には、出席停止期間の定めはないため、体調が回復すれば、学校や会社に復帰できます。
最終的には、感染者の体調や医師の判断を基準に決めますが、解熱後2日程度経てば、日常生活に支障がないといわれています。
とはいえ、学校や会社で周囲の人に感染させるリスクがあるため、無理は禁物です。
学校や会社を休んでいる間は、水分や栄養を補給し、しっかりと体力を回復させるためにも、安静に過ごしましょう。
処方された薬を飲みながら、しっかりと体を休めれば、治療開始から1週間程度で治ると考えられます。
マイコプラズマ肺炎の症状まとめ
ここまでマイコプラズマ肺炎の症状についてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。
- マイコプラズマ肺炎は、細胞壁を持たない細菌による感染症で、飛沫や接触で広がり、検査には画像や血液検査が使われ、治療は耐性菌に対応した抗菌薬が必要になる
- マイコプラズマ肺炎の主な症状は、長引く発熱や乾いたせき、嘔吐や下痢などの消化器系の症状があり、特にせきは数週間続くことが多く、注意が必要
- マイコプラズマ肺炎を予防する方法として、手洗い・うがいとアルコール消毒を徹底すること、マスクを着用すること、感染者との接触を避けることが有効とされる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。