「ジスロマックはマイコプラズマに効くの?」
「服用しているけど効果がないような気がする」
ジスロマックについて知りたい人の中には、マイコプラズマへの有効性を知りたい人もいるのではないでしょうか。
ジスロマックは、細菌感染によって引き起こされる病気の治療に効果が期待できるため、マイコプラズマ肺炎を治療する際に最初に処方される薬としても知られています。
そこで本記事では、以下の点を中心に詳しく解説します。
- ジスロマックについて
- ジスロマックがマイコプラズマに効かないときの対処法
- マイコプラズマ肺炎になったときの注意点
ぜひ最後までお読みください。
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ジスロマックとは?
まずはじめに、ジスロマックはマクロライド系抗生物質に分類され、細菌が原因となる多くの病気に効果があるとされる薬です。
いろいろな細菌に効果が期待できるため、風邪や呼吸器系、そして耳鼻科関連の病気の治療にも利用されています。
また、マイコプラズマは細胞壁を持たない特殊な細菌のため、効果のある薬が限られます。
ジスロマックは、細菌のタンパク質合成を阻害して細菌の増殖を抑えるので、マイコプラズマのような特殊な細菌にも効果が期待できる薬です。
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ジスロマックの詳細
本項目では、ジスロマックの特徴や副作用について、以下の7つのテーマに分けてご紹介します。
- 薬の種類
- マイコプラズマへの効能
- 投与期間
- 副作用
- 服用時の注意
- 服用できない人
薬の種類
ジスロマックの解説の1つ目は「薬の種類」です。
ジスロマックは、主に以下の4種類に分けられます。
- 錠剤(250mg/600mg)
- 小児用カプセル
- 小児用細粒
- 成人用ドライシロップ
これらの4種類の薬は、マイコプラズマに感染した人の体重、年齢などによって使い分けます。
また、小児用細粒の中には、子どもでも飲みやすいように、果物風味の味がついている薬もあります。
錠剤の服用が苦手な子どもは、細粒やシロップなどに変更できないか、医師と相談するとよいでしょう。
マイコプラズマへの効能
2つ目は「マイコプラズマへの効能」です。
先ほどもご紹介したとおり、ジスロマックはマイコプラズマに効果があるとされる薬で、マイコプラズマ肺炎の確定診断が出たときに処方されます。
しかし近年、ジスロマックのようなマクロライド系抗菌薬に耐性を持つマイコプラズマが出現したことから、ジスロマックがマイコプラズマ肺炎に効きづらくなっています。
そのため、ジスロマックを服用後も効果が得られないときは、テトラサイクリン系抗菌薬やニューキノロン系抗菌薬といった別の薬への服用に切り替えて治療を行うこともあります。
投与期間
3つ目は「投与期間」です。
一般的なジスロマックの投与期間は3日間で、1日1回の服用になります。
ジスロマックは、3日間の連続服用で1週間効果が持続するため、毎日しっかり飲み切れば効果が高いとされる薬です。
ただし、症状や体調によっては3日間以上、服用を続ける場合もあります。
ジスロマックを処方されたら医師の指示どおり、決まった時間や期間を守って服用しましょう。
副作用
4つ目は「副作用」です。
ジスロマックは比較的副作用の少ない薬ですが、稀に以下のような副作用があらわれることがあります。
- 吐き気
- 下痢
- 腹痛
- 胃痛
- 心室頻拍
特に2歳未満の子どもでは、副作用に下痢症状が見られることが多いです。
胃腸が弱い方などは整腸剤と併せての処方が可能ですので、医師へ事前に相談しましょう。
また、副作用だけでなくアレルギー反応にも気をつけるべきです。
服用後に身体に異変が生じていないかなど、服用前後の体調を観察し、異変がある場合はすぐに医師や薬剤師に相談してください。
服用時の注意
5つ目は「服用時の注意」です。
ジスロマックを服用するときは、以下の3点について注意が必要です。
- 飲酒しない
- 他の薬との飲み合わせ
- 自動車の運転
アルコールは薬の作用を強くしてしまう恐れがあるため、薬の服用時の飲酒は避けるべきです。
また、ジスロマックと飲み合わせの悪い薬もあります。
心臓の薬であるジゴキシンや血栓症の薬であるワルファリンなどは、副作用のリスクが高まるので特に注意が必要です。
しかし、他の治療薬との併用でも副作用が出るリスクは十分にあるため、治療中の病気があれば必ず医師へ情報提供してください。
また、ジスロマックの服用によって急な意識障害が起こる可能性があるため、自動車の運転は避けるようにしましょう。
服用できない人
6つ目は「服用できない人」です。
以下の人は、ジスロマックを服用できないので注意しましょう。
ジスロマックの服用によって、病気や疾患を悪化させる恐れがあります。
- マクロライド系の薬にアレルギー既往歴のある人
- 肝機能障害のある人
- 心疾患のある人
また、妊娠中の人や授乳中の人もジスロマックの服用を避けるのが望ましいです。
ジスロマックは母子への安全性が確立されていなかったり、薬の成分が母乳の中に移行する可能性があるためです。
ジスロマックがマイコプラズマに効かないときの対処法
本項目では、マイコプラズマ感染の治療でジスロマックが効いていないと感じたときの対処法をご紹介します。
- 抗生剤を変更する
- 医療機関で再検査する
抗生剤を変更する
ジスロマックが効いていないと感じたときの対処法の1つ目は「抗生剤の変更」です。
マイコプラズマには、ジスロマックのようなマクロライド系抗菌薬に耐性を持つ細菌もいます。
そのため、ジスロマックから別の抗菌薬に変更するだけで、効果があらわれて症状が改善することがあります。
ジスロマックを服用後2日経っても解熱しなかったり、1週間以上症状の改善が見られないときは、薬の変更も視野に、医療機関での再受診をおすすめします。
ただし、8歳以下の子どもはテトラサイクリン系抗菌薬を2週間以上使用すると、歯が黄色くなったり、骨の発達に影響を与える恐れがあります。
患者の年齢やアレルギー既往歴などの情報は、医師や薬剤師に共有しておくようにしましょう。
医療機関で再検査する
2つ目は「医療機関での再検査」です。
薬を服用しても症状の改善が見られないときは、医療機関での診断結果が誤りであった可能性もあります。
特に、マイコプラズマの検査でよく利用する抗原検査は、精度が低いというデメリットがあるため、陽性反応が正しいとは言い切れません。
マイコプラズマの検査には、抗原検査の他にも血液検査やレントゲン検査があります。
マイコプラズマの感染かどうか不安な人は、医師に相談の上で再検査をしてみることをおすすめします。
子どもがジスロマックを服用しないときの対処法
本項目では、子どもがジスロマックを服用しないときの対処法をご紹介します。
ジスロマックは苦味のある薬のため、子どもにとって飲みにくい薬でもあります。
口に含んでもすぐに口から出してしまうときは、以下の飲料や食べ物に混ぜて飲ませると苦味がやわらぐのでおすすめです。
- 牛乳
- バニラアイス
- ココア
- メープルシロップ
一方、オレンジジュースやスポーツドリンクなどの酸味のある飲み物は、ジスロマックの苦味がよりいっそう強くなるので注意しましょう。
ジスロマックと飲み合わせの悪い薬
本項目では、ジスロマックと飲み合わせの悪い薬をご紹介します。
以下の3つの薬については、副作用を強める可能性があるため併用しての服用は避ける必要があります。
- ワルファリン(抗血栓薬)
- シクロスポリン(免疫抑制薬)
- ジゴキシン(心臓の薬)
また、制酸剤である水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウムはジスロマックとは相性が悪く、治療効果が激減してしまうので注意が必要です。
マイコプラズマ肺炎以外にも治療中の病気があれば、必ず医師や薬剤師に情報共有をしてください。
服用している薬やおくすり手帳を持参すると、これまで服用した薬についてスムーズに説明できるでしょう。
ジスロマックを飲み忘れたときの注意点
本項目では、ジスロマックを飲み忘れたときの注意点についてご紹介します。
まず、ジスロマックの服用を忘れてしまったときは、気がついたときに1回分だけ服用してください。
このときに、2回分を一度に服用しないよう注意しましょう。
2回分を一度に服用すると、症状が悪化したり、副作用が出やすくなるので大変危険です。
もし、前回の服用から1日以上経っている場合は医師や薬剤師に相談し、服用について指示を仰いでください。
マイコプラズマ肺炎を早く治す方法
本項目では、マイコプラズマ肺炎を早く治す方法についてご紹介します。
用法用量を守る
マイコプラズマ肺炎を早く治す方法の1つ目は「用法用量を守ること」です。
医師は出ている症状や年齢などから、効果が得られる用量の薬を処方します。
ジスロマックは、続けて服用することで高い効果が期待できる薬のため、服用をやめてしまうと効果が半減する恐れがあります。
症状が改善してきたからと言って突然服用をやめてしまうと、また症状があらわれて悪化する可能性があるため、処方された薬は用法用量を守り、すべて服用しましょう。
自然治癒力を上げる
2つ目は「自然治癒力を上げること」です。
ジスロマックを服用していても、食生活や睡眠の質が悪いと病気の治りが悪くなります。
自身の免疫を上げていくことも早期改善に必要な要素であるため、療養中は食事や睡眠にも気をつけましょう。
自然治癒力が高まる食材は、主に下の2つです。
- 納豆やヨーグルトなどの発酵食品
- 梅干し(疲労回復に効果あり)
また、睡眠は免疫を高める効果が期待できるため、6時間以上の睡眠を取り、身体をしっかり休めましょう。
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マイコプラズマ肺炎になったときの注意点
本項目では、マイコプラズマ肺炎になったときの注意点についてご紹介します。
マイコプラズマ肺炎になったときは、以下の3つに注意して療養を行うようにしましょう。
- 周りにうつさないよう感染予防を行う
- 解熱後2日経過するまでは外出を控える
- 同居しているときは隔離する
周りにうつさないよう感染予防を行う
マイコプラズマ肺炎になったときの注意点の1つ目は「感染予防」です。
マイコプラズマ肺炎は咳症状が出るため、同じ場所に長時間もいたり、会話することで周りの人にうつしてしまう可能性があります。
周りへの配慮も込め、広めないための感染予防を徹底して行いましょう。
- マスクを着用する
- 人混みを避ける
- 長居を避ける
- タオルや食器の共用を避ける
- 手洗いうがいの徹底
- 衣類はこまめに変える
解熱後2日経過するまでは外出を控える
2つ目は「外出を控えること」です。
発熱しているときは、体内で増えた菌を体外に排出する動きが活発化します。
そのため、発熱時に外出すると、周りの人にマイコプラズマをうつすリスクが高まってしまいます。
発熱がある場合は、解熱後2日経過するまでは自宅で安静に過ごすようにしてください。
同居しているときは隔離する
3つ目は「同居時の隔離」です。
マイコプラズマ肺炎にかかった人がいるときは、隔離して療養するようにしてください。
特に子どもの場合は、大人と比べて免疫が低いため、短い接触時間でもマイコプラズマに感染することがあります。
また、家族間に感染が広がると、治ったとしても別の人からまた感染するといった、再感染も起こるので、症状が治まるまでは自室で一人で過ごすようにしてください。
感染症の予防方法について、以下の記事で詳しく解説しています。
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マイコプラズマの潜伏期間
最後に、潜伏期間とは感染してから症状が発生するまでの時間を指します。
マイコプラズマの潜伏期間は2〜3週間程度と比較的長く、感染後も無自覚で過ごす人が多いです。
他の人からマイコプラズマをもらわないためにも、手洗いやうがい、人混みを避けるなどの感染予防対策を日頃から行い、体調管理に努めましょう。
マイコプラズマ以外の風邪の原因について詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてお読みください。 夏場になると、突然の体調不良に見舞われることはありませんか?それは一般的に「夏風邪」と呼ばれ、意外にも多くの人が経験しています。夏風邪は、ただの風邪と侮ることなく、しっかりと対処する必要があります。特にエアコンによる温度差や不規[…]
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ジスロマッのマイコプラズマ感染症への効果まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、ジスロマッのマイコプラズマ感染症への効果などを中心にご紹介しました。
要点を以下にまとめます。
- ジスロマックは、マクロライド系抗生物質に分類され、細菌が原因となる多くの病気に効果があるとされる薬のことを指す
- ジスロマックがマイコプラズマに効かない場合には、抗生剤を変更する、医療機関で再検査するなどで対処する
- マイコプラズマ肺炎になったときには、周りにうつさないよう感染予防を行う、解熱後2日経過するまでは外出を控える、同居しているときは隔離することなどに注意する
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。