夏場に気温や湿度が高くなり、室内でも熱中症にかかる方が多くいらっしゃいます。
特に高齢者や小さなお子さんは自律神経がうまく働かず、熱中症になりやすいので注意が必要です。
熱中症の後遺症と自律神経にどのような関わりがあるのでしょうか?
本記事では熱中症の後遺症と自律神経について以下の点を中心にご紹介します。
- 熱中症の後遺症は自律神経の乱れを引き起こすか
- 熱中症の後遺症にはどのようなものがあるか
- 自律神経を整えるにはどうしたらいいか
ぜひ最後までご覧いただき、熱中症の後遺症による自律神経失調症の改善にお役立てください。
自律神経について詳しく知りたい方は下記の記事もあわせてお読み下さい。
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熱中症の後遺症が自律神経の乱れにつながる
熱中症は、体温調節をコントロールする自律神経の働きが機能しなくなることで起こります。
同時に、熱中症の後遺症として自律神経失調症を引き起こす可能性もあります。
熱中症の後遺症と自律神経との関係を解説します。
熱中症とは
熱中症は、気温や湿度の高い状態に長くいることで、体温をコントロールする機能が働かず、体内の水分・塩分バランスが崩れる症状です。
めまいや意識障害、頭痛、けいれんなどを起こし、適切な処置が遅くなると死に至ることも珍しくありません。
熱中症を引き起こす要因として「環境」と「身体の状態」の2つがあります。
環境要因では、気温や湿度が高く、風がない、日差しが強いなどが挙げられます。
身体の状態では、季節の変わり目で暑さに身体が慣れていない、激しい運動で体内が高温になった、疲れや睡眠不足で体調があまりよくないなどが挙げられます。
自律神経とは
自律神経とは、生命を維持するための身体の働きを調節する神経です。
交感神経と副交感神経から成り立っており、体温調節も自律神経の働きによるものです。
身体の機能を統括する司令塔である自律神経ですが、さまざまな原因からバランスが崩れることがあります。
自律神経が乱れた状態が続くと自律神経失調症を引き起こします。
原因は、過度なストレス、不規則な生活、偏った食生活、季節の変わり目、ホルモンバランスの変化などです。
自律神経と体温調節の仕組み
人の身体には体温調節システムが備わっており、コントロールしているのが自律神経です。
体温調節の方法は皮膚から熱を放出・発汗の2種類です。
自律神経が正常に働いて体温調節が適切に行われれば、熱中症を回避することができるということです。
皮膚から熱を放出
自律神経から身体の熱を下げるという指令が出されると、皮膚の血管を拡張します。
皮膚に血液を集中させることで身体の表面温度が上昇して、体内の温度を身体の外へと放出します。
発汗
外気温が高く、皮膚からの熱放出ではまだまだ足りない場合は、交感神経からアセチルコリンという物質が汗腺を刺激します。
汗腺から汗がでると、蒸発するときの気化熱の効果で体内の熱を下げることができます。
自律神経失調症について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。
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熱中症の後遺症の症状
熱中症は軽度であれば、ほとんど後遺症を残さずに回復します。
しかし、重症化すると、後遺症を残すことがあり、短期間で回復するケースや長期間後遺症に苦しむケースもあります。
軽い後遺症
軽い後遺症としては、体のだるさ、頭痛、下痢、さらには食欲不振や筋肉痛の症状が続きます。
身体全体の脱水の影響がまだまだ残っているため、熱中症から回復しても一週間から2カ月ほどは後遺症として症状が残ります。
重い後遺症
熱中症が重症になると、脱水や体温の上昇に加えて血液中のミネラルバランスが崩れます。
脳や腎臓、肝臓などの生命維持に重要な臓器にダメージを与えます。
重度の熱中症の後遺症は、時間とともに改善するといったことはほとんどなく、障がいが残る可能性が高くなります。
「何となく疲れやすく体調が悪い。」「イライラしたり、気持ちが落ち込んだりする。」気になって病院で検査しても異常がないと言われる。それはもしかすると、自律神経失調症かもしれません。ストレス社会では、自律神経失調[…]
自律神経の整え方
熱中症にならないためにも、自律神経を整えておく必要があります。
自律神経を整えるために、日ごろから心がけておくべき点を紹介します。
規則的な生活リズムをこころがける
人間の身体は、一定のリズムに沿って生活しています。
自律神経もリズムに合わせて、交感神経と副交感神経のスイッチが入れ替わります。
活発に活動するときには、交感神経が優位になり、休むときには副交感神経が優位になります。
徹夜や夜更かし、昼夜逆転の生活などが続いて不規則になると、自律神経のスイッチの切り替えがうまくいかなくなります。
決まった時間に寝て、決まった時間に起きるという習慣が大切です。
そして、朝起きたら朝日を浴びることで、神経伝達物質のセロトニンが活性化され、自律神経を整えることができます。
バランスのいい食事をこころがける
栄養バランスのとれた食事も自律神経を整えるために必要です。
特に、ビタミンやミネラルは身体の機能を調節する働きがあるので積極的に摂りましょう。
また、腸内環境を整えることも重要です。
腸内環境を整えるため、できるだけ発酵食品や食物繊維を意識して摂るように心がけましょう。
体温を一定に保つようにする
着脱しやすい服装にすることで、体温を一定に保つようにしましょう。
身体の過度な温度の変化を抑えることで、自律神経のコントロールをサポートします。
また、暑さ対策として最近ではハンディー扇風機や冷感タオルなどのアイテムがあります。積極的に利用するようにしましょう。
その他
自律神経の乱れの多くは、過度なストレスだといわれています。
ストレスを溜め込む前に、少しずつでも解消するように心がけましょう。
ストレスの解消法は人それぞれですが、すぐにできそうなものとしておすすめを紹介しましょう。
入浴
特に夏場は、シャワーだけで済ませている方も多いのではないでしょうか。
ストレスを緩和するためには、36℃~40℃くらいの温めのお風呂に入りましょう。
副交感神経が優位になるため、心身ともにリラックスすることができます。
熱いお湯では、交感神経が優位になってしまうので注意しましょう。
軽い運動
適度に身体を動かすことは、ストレス解消にもつながります。
血流をよくして、気分転換にもなり、生活にリズムを与えてくれるので自律神経を整えるのにも効果があります。
散歩やウォーキング、ストレッチなど無理のない範囲で身体を動かす習慣を身につけましょう。
熱中症の後遺症と自律神経まとめ
ここでは、熱中症の後遺症と自律神経との関係についてご紹介しました。
熱中症の後遺症と自律神経についての要点を以下にまとめます。
- 熱中症の後遺症によって、自律神経の乱れを引き起こすことがある
- 熱中症の後遺症には「体のだるさ」「頭痛」「下痢」「食欲不振」「筋肉痛」など
- 自律神経を整えるには「規則正しい生活」「バランスのとれた食事」「体温の調節」「ストレス解消」が大切
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。