「睡眠薬にはどのような種類があるのか気になる」
「睡眠薬の効果や副作用について知りたい」
現在、睡眠について悩んでいる方の中には、このように考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、睡眠薬の種類について以下の点を中心に詳しく解説します。
- 睡眠薬の種類
- 睡眠薬の副作用
- 睡眠薬を正しく服用するためのポイント
睡眠薬の種類にご興味のある方はご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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睡眠薬の効果
まずは、睡眠薬の効果について解説します。
睡眠薬は大きく分けて、脳の機能を低下させる睡眠薬と、自然な眠気を強める睡眠薬の2種類があります。
さらに、脳の機能を低下させる睡眠薬はベンゾジアゼピン系と、非ベンゾジアゼピン系の2つに分かれます。
ベンゾジアゼピン系は睡眠作用と筋弛緩作用、抗不安作用が含まれるため、脳をリラックスさせる効果が期待できる点が特徴です。
反対に、非ベンゾジアゼピン系は睡眠作用が主となっているが、効果時間は比較的短時間です。
また、自然な眠気を強める睡眠薬はメラトニン受容体作動薬と、オレキシン受容体拮抗薬の2種類があります。
メラトニン受容体作動薬は、体内時計のリズムを司るメラトニンの働きを強め、オレキシン受容体拮抗薬は覚醒状態に働くオレキシンをブロックしてくれます。
人間の身体はストレスに大きく左右されます。
ストレスと不眠症状の関係について解説している記事もありますので、ぜひご覧ください。
疲れていたり、緊張していたりすると、夜間眠れないということがあります。疲労感があるのに眠れない原因の1つに、「ストレス」があります。なぜストレスがあると、眠れないのでしょうか。ストレスで眠れない場合の対処法とはどのようなもの[…]
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睡眠薬の副作用
次に、睡眠薬の副作用について、以下の4つをご紹介します。
- 眠気
- 運動機能低下やふらつき
- 健忘
- 反跳性不眠(離脱症状)
①眠気
睡眠薬の副作用の1つ目は「眠気」です。
睡眠薬は夜の間に眠れるように、効果を発揮する薬ですが、効きすぎてしまうと効果が翌朝まで残ってしまいます。
次の日まで効果が残ることを「持ち越し効果」と呼び、朝に起きられなくなったり、強い眠気で日中も居眠りしたりといった副作用が発生します。
特に、長時間型に分類される睡眠薬に多い副作用です。
もし、持ち越し効果が起こった場合は薬の量を減らす、持続効果の短い睡眠薬に変更するなどの対応します。
②運動機能低下やふらつき
2つ目は「運動機能低下やふらつきが起きること」です。
主に、筋弛緩作用がある睡眠薬を服用していると、うまく物を掴めなかったり転びやすくなったりします。
特に高齢者の場合は、夜中にトイレなどで起きた際にふらついて転倒し、骨折などの怪我につながる可能性もあります。
ふらつきや運動機能の低下が気になる場合は、持続効果の短い薬への変更などを、医師へ相談しましょう。
③健忘
3つ目は「健忘が起こること」です。
健忘とは物忘れのことで、睡眠薬を服用していると、服用後から寝るまでの記憶が抜け落ちてしまう場合があります。
例えば、睡眠薬を服用した後にお菓子を食べて寝たが、翌朝起きた時にその記憶がなく、ゴミなどを見て驚くことがあります。
主に、作用時間が短い睡眠薬や、アルコールを一緒に摂取した場合に起きやすいとされています。
物忘れしやすくなるだけのため、日常生活に大きく影響が出ることはほどんどないでしょう。
しかし、少しでも不安を減らして服用を続けるためには、服用タイミングを寝る直前にする、アルコールと一緒に摂取しないなどの対策をしましょう。
④反跳性不眠(離脱症状)
4つ目は「反跳性不眠(離脱症状)があること」です。
反跳性不眠は、睡眠薬を長期間服用していた人が、服用をやめた時や減量した時に起こる症状です。
睡眠薬を服用している期間が長いと、体が成分に慣れてしまうため起こるとされています。
そのため、服用をやめた際に、反動で服用前よりも強い不眠が出る場合があります。
特に、強い睡眠作用のある薬を服用していた場合に起こりやすい副作用です。
少しでも反跳性不眠を改善させるためには、できるだけ少量で短期間の使用に留め、睡眠環境を整えるなどが重要です。
そのほか、睡眠薬の服用で倦怠感や頭痛などの副作用があります。
睡眠薬を服用する際には、どのような副作用があるのか、服用前に一度確認しましょう。
睡眠薬の種類
続いて、睡眠薬の種類について、以下の4つをご紹介します。
- 超短時間型
- 短時間型
- 中間型
- 長時間型
①超短時間型
睡眠薬の種類の1つ目は「超短時間型」です。
超短時間型の睡眠薬は作用時間が2〜4時間と短く、効果のピークは1時間未満です。
代表的な超短時間型の睡眠薬には、ハルシオンやアモバン、マイスリー、ロゼレムなどがあります。
寝つきが悪く、布団に入っても30分〜1時間以上眠れないという、入眠障害がある場合に処方されるケースが多くあります。
超短時間型の睡眠薬は作用時間が短いため、次の日まで眠気が残るなどの持ち越し効果が起こりにくいという特徴もあります。
②短時間型
2つ目は「短時間型」です。
短時間型の睡眠薬は、作用時間が6〜10時間ほどで、効果のピークは1〜3時間です。
代表的な短時間型の睡眠薬には、デパスやレンドルミン、リスミー、エバミールなどがあります。
短時間型の薬は入眠障害のほか、眠りが浅くて途中で何度も起きてしまう、中途覚醒の症状がある場合にも処方されます。
持ち越し効果が発生する確率は低い傾向にありますが、場合によっては、健忘などの副作用が起きる可能性がある点は知っておきましょう。
③中間型
3つ目は「中間型」です。
中間型の睡眠薬は、効果の作用は20〜24時間と長いですが、効果のピークは1〜3時間と短時間型と同様です。
代表的な中間型の睡眠薬には、ベンザリンやユーロジン、サイレースなどがあります。
途中で起きてしまう中途覚醒のほか、早朝に目が覚めてから二度寝ができない、早朝覚醒にも効果が期待できます。
効果がゆるやかに継続するため、翌朝に眠気やふらつきなどの副作用が発生する場合があります。
④長時間型
4つ目は「長時間型」です。
長時間型の睡眠薬は、効果の作用が24時間以上で、効果のピークは3〜5時間と最も効果が長いタイプです。
代表的な長期的な睡眠薬には、ドラールやベジノール、ダルメートなどがあります。
長期型の睡眠薬は、中途覚醒や早朝覚醒のほか、ぐっすり眠った感覚を得られない熟眠障害の場合にも処方されます。
薬の効果作用時間が長いため、ふらつきや眠気などの副作用が発生しやすい点が特徴です。
慢性的な不眠で悩んでいる方には、離脱症状が少ない傾向にある、長時間型の睡眠薬が処方されます。
逆に日中常に眠い場合もなんらかの病気の兆候かもしれません。
うつ病と眠気に関する記事は以下です。
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睡眠薬を服用する際の注意点
次に、睡眠薬を服用する際の注意点を4つ解説します。
- 用法用量を守って服用する
- 自己判断でやめない
- 副作用のリスクを知っておく
- 自然な睡眠リズムに沿って服用する
①用法用量を守って服用する
睡眠薬を服用する際の注意点の1つ目は「用法用量を守って服用すること」です。
睡眠薬は効果と安全性を確かめたうえで、用法用量が決められています。
そのため、用量を超えて服用しても効果が高まることはないですが、体には負担がかかってしまいます。
もし、処方されている用量以上の量を服用すると、睡眠薬の副作用の効果が高まるほか、減薬時の離脱症状が発生する可能性も高まります。
服用していて思うような効果が得られないと感じた場合は、勝手に服用する量を増やすのではなく、医師に相談しましょう。
②自己判断でやめない
2つ目は「自己判断でやめないこと」です。
睡眠薬を服用し始めて眠れるようになり、少しずつ薬をやめたい、反対に不安症状が出てきて怖くなったので薬をやめたい、と考える人もいるでしょう。
しかし、突然自己判断で服用をやめると、めまいや不安感の増大、抑うつ状態などの離脱症状を発生させます。
服用している中で、少しでも不安や気になる点がある場合は、医師に相談したうえで減薬や服用中止の判断をしてもらいましょう。
本来、睡眠薬の服用を中止する時は、1〜2週間など時間をかけて少しずつ減薬していく必要があります。
不眠の症状を悪化させないためにも、勝手な判断で服用をやめるのは避けましょう。
③副作用のリスクを知っておく
3つ目は「副作用のリスクを知っておくこと」です。
睡眠薬には副作用があり、薬の種類によって副作用の症状も異なります。
睡眠時無呼吸症候群が悪化したり、悪夢を見たり夢遊症となるなどの症状が出ることがあります。
また安全に生活を送るため、服用期間中は車の運転を控えなければならない薬もあります。
睡眠薬を服用すると、どのような副作用が起こるのか、必ず確認しましょう。
④自然な睡眠リズムに沿って服用する
4つ目は「自然な睡眠リズムに沿って服用すること」です。
睡眠薬を飲む際は、自身の睡眠リズムに合わせて服用しましょう。
例えば、服用から就寝までに数時間の間がある場合、寝られる準備が整っていない中で寝ることになるでしょう。
この場合、リラックスした状態で寝られないほか、質のいい睡眠が取れなくなり、翌朝以降の体調に影響が出る可能性もあります。
なるべく、薬を服用せずに寝ていた時と同じようなサイクルに近づけるように、睡眠時間に合わせて服用しましょう。
また、薬の効き方には個人差があるほか、ふらつきなどの副作用が出る場合もあるため、なるべく服用後はすぐに布団に入りましょう。
少しでも自然に眠るためのポイント
最後に、少しでも自然に眠るためのポイントを4つご紹介します。
- お酒に頼らない
- 無理に早く寝ようとしない
- 生活習慣を見直す
- 起床時間を統一する
①お酒に頼らない
少しでも自然に眠るためのポイントの1つ目は「お酒に頼らないこと」です。
お酒を飲むと眠気を誘発して、よく眠れると感じる人もいるでしょう。
しかし、お酒は睡眠の質を落とすため、睡眠時間は確保していてもよく寝た気がしないとなる可能性があります。
そのほか、トイレに起きてしまう、舌の筋肉がゆるむために呼吸がしにくくなる、少しずつ依存性が高まるなどの問題もあります。
また、お酒に頼って眠っていると、やめたときに不眠が悪化する可能性があります。
寝つけないからといって、お酒に頼るのはやめましょう。
②無理に早く寝ようとしない
2つ目は「無理に早く寝ようとしないこと」です
少しでも睡眠時間を確保しようと、早くから布団に入って寝ようと考える人もいるでしょう。
しかし、無理に寝ようとするのは、かえって逆効果です。
布団の中でゴロゴロと過ごす時間が増えると「なかなか眠れない」という、認知を強めてしまいます。
さらに、眠らなければというプレッシャーによって、余計に寝付けなくなる可能性も高まります。
不眠気味な場合は睡眠薬を使うのはもちろん、無理をせずにギリギリまで睡眠時間を絞って、しっかりと眠れたという体験を積み重ねましょう。
③生活習慣を見直す
3つ目は「生活習慣を見直すこと」です。
不眠はさまざまな原因で起こりますが、生活習慣が乱れることで起こる場合もあります。
寝る前はスマホなど刺激が強いものは見ない、食事は寝る3時間前までに済ませるなど、快適に眠れるような習慣を取り入れましょう。
また、寝る直前のカフェインやタバコ、お酒の摂取は覚醒作用によって、入眠を妨げられる場合があります。
眠る前にどうしても何か飲みたい場合は、ノンカフェインのハーブティーなどがおすすめです。
そのほか、適度な運動は入眠を促進するだけではなく、中途覚醒も減らせます。
睡眠と覚醒のメリハリを付けられるよう、少しずつ生活習慣を見直してみましょう。
④起床時間を統一する
4つ目は「起床時間を統一すること」です。
毎朝同じ時間に起きて、太陽の光を浴びると、体内時計をリセットできます。
例えば、休日だからといって起床時間を遅くすると、その分体内時計がズレてしまい、夜型の生活になっていきます。
夜型の生活にさせないために、普段の生活では、可能な限り起床時間を統一させましょう。
また、どうしても日中に眠くなる場合は、午後3時までに20分ほどの昼寝を取りましょう。
短い昼寝を1日の早い段階で取り入れると、眠気の改善はもちろん、集中力の向上にもつながります。
安眠グッズで快適な眠りを目指すこともできます。
簡単な安眠促進の方法を、以下の記事で解説しています。
睡眠は私たちの生活において大切な要素であり、睡眠の質は私たちの日々のパフォーマンスに密接に関わっているとされています。そして「安眠」は、心地よい目覚めと活力ある一日をもたらすための要素と考えられます。では、「安眠」はどのようにし[…]
睡眠薬の種類についてまとめ
ここまで睡眠薬の種類についてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。
- 睡眠薬には作用や効果時間に応じて4つの種類がある
- 睡眠薬には眠気やふらつき、健忘などの副作用がある
- 睡眠薬を正しく服用するには、用法用量を守るほか、自己判断でやめないことが大切
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。