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健達ねっと>健康お役立ち記事>パーキンソン病>パーキンソン病の予防法とは?具体例を用いて徹底解説!

パーキンソン病の予防法とは?具体例を用いて徹底解説!

パーキンソン病は進行性の神経変性疾患ですが、症状の進行を予防することが可能です。
しかし、専門的な領域のため、どのような方法で予防できるのか難しく感じる方も多いことでしょう。

実はパーキンソン病の進行予防は自分自身で行うこともできるのです。

そこで今回は以下について解説します。

  • パーキンソン病の治療方針
  • パーキンソン病の進行の予防方法

パーキンソン病の方の脳機能に基づいた科学的根拠のあるセルフケア方法も解説していますので、ぜひ最後までお読みください。

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パーキンソン病とは

そもそもパーキンソン病とは一体どのような病気なのでしょうか。
ここでは、パーキンソン病の症状や原因を解説します。

パーキンソン病の概説

パーキンソン病は、振戦、固縮、無動、姿勢反射障害などの症状を示す病態(パーキンソニズム)を示す神経変性疾患です。

パーキンソン病の発生頻度は高齢者において高く、発症年齢のピークは、50歳代後半から60歳代で最も高くなります。
高齢者における神経変性疾患のなかでのパーキンソン病の発生頻度は、アルツハイマー病に次いで頻度が高い疾患です。
日本での患者数は約15万人、人口10万に対して120~130人です。
パーキンソン病患者数は全人口の約 0.3%ですが、年齢65歳以上の人口では3%に達しています。

また、40歲以前に発症するものを若年性パーキンソニズムといいます。
生存率は、発症後15~20年間までは一般人と比較してほとんど差がありません。

パーキンソン病の原因

パーキンソン病は、中脳黒質緻密層のドパミン性神経細胞の変性によって大脳基底核の機能障害を起こす疾患です。

病理所見の特徴としては、中脳黒質の神経細胞が変性し、レビー小体が出現します。
黒質緻密層に含まれるドパミンニューロンが変性・脱落しドパミン産生が減少し、線条体へのドパミン作動性入力が消失します。
その結果、直接路の活性が異常に低くなり、間接路の活性が高くなるため、大脳基底核出力部からの抑制性出力が増強します。

これにより、運動機能障害や高次脳機能障害・精神障害が誘発されます。
しかし、中脳黒質の変性がなぜ生じるのかについては現在も解明されていません。

パーキンソン病について詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。

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パーキンソン病が発症してしまったら

症状

ここまでパーキンソン病について解説してきました。

パーキンソン病発症の根本的なメカニズムは現在も解明されていません。
そのため、科学的根拠に基づく予防方法がありません。

しかし、パーキンソン病の発症後の進行を抑制したり、症状を改善させたりする方法はあります。
ここからは、パーキンソン病発症後の治療方針について説明していきます。

まずは専門機関で診察を受ける

パーキンソン病の4大症状である筋固縮、無動(寡動)、安静時振戦、姿勢反射障害が出現してきたと感じた場合、まずは専門機関で診察を受け、詳しく検査を実施します。

検査方法としてはSPECT検査があります。
これは微量の放射性物質を注射し、その後専用のカメラで撮影することで、ドパミンの脱落・変性を画面上で確認することができる検査です。

しかし、それだけでパーキンソン病と診断できるわけではありません。

2006年に出されている厚生労働省の「特定疾病にかかる診断基準」によると、診断基準は以下の通りです。

  1. 4大症状のうち少なくとも2つ以上の症状が存在すること。
  2. L-ドパまたはドパミンアゴニストによって明らかな症状の改善を認めること。
  3. 頭部CTまたはMRI所見に原則として明らかな異常所見を認めないこと。
  4. 感染、薬物や中毒などによるパーキンソン症候群を除外できること。

上記をすべて満たした場合にパーキンソン病と診断します。

また、MIBGシンチグラフィーとよばれる心臓の交感神経の機能をみる検査を行うことで、進行性核上性麻痺や多系統萎縮症などとの鑑別診断が行われることがあります。


このように、パーキンソン症状を示す疾患はパーキンソン病だけでなく、脳血管障害、薬物の副作用、その他の神経変性疾患など多く存在します。
そして、同じパーキンソン症状であっても疾患が異なれば治療方法が異なります。

様々な検査を組み合わせて鑑別診断を行うことが、専門機関で検査を受ける大きな意味となります。

初期は経過観察

パーキンソン病治療の中心は薬物療法です。

しかし、パーキンソン病の診断を受けたとしても、現段階で生活や仕事に支障が生じていない場合は薬物療法や外科治療は行いません。
初期段階では、定期的な診察、教育、リハビリテーションが行われます。

すぐに薬物治療を行わない理由は2つあります。

一つ目の理由は、薬物によって根治することがないからです。
パーキンソン病の最も強力な薬物としてL-ドパがありますが、これはパーキンソン病によって不足したドパミンを補充する薬であり、パーキンソン病の発症原因である中脳黒質の変性を治療するものではありません。

そして、中脳黒質の変性を治療する薬物は存在していません。
つまり、現段階で症状がほとんど出ておらず、日常生活に支障が出ていない方に対して、副作用の強いパーキンソン病治療薬を処方するメリットがないのです。

2つ目の理由は、パーキンソン病治療薬の副作用による弊害が大きいからです。
パーキンソン病治療薬であるL-ドパやドパミンアゴニストは、副作用としてジスキネジアや幻視、ウェアリング・オフ現象などが生じます。
これらの副作用そのものが日常生活に支障をきたすものであるため、初期の段階では原則処方されません。

薬物治療

薬物治療はパーキンソン病治療の中心となります。

主に使用される薬物はL-ドパとドパミンアゴニストです。
これら2つとも、パーキンソン病によって不足したドパミンを補充し、症状を改善させる薬です。

対症療法の薬物であるため、薬効が切れることで症状は再び悪化します。
そのため、薬物は薬効時間を計算して処方されます。

また、L-ドパやドパミンアゴニストの作用を高めたり、副作用を抑えたりする目的で、抗コリン薬、MAO-B阻害薬、COMT阻害薬、L-ドパ賦活薬などが併用されます。

外科治療

外科治療は、パーキンソン病によって崩れた神経回路のバランスを取り戻し、症状を改善することを目的として行われます。
適応となる条件は、パーキンソン病が進行期に入り、安静時振戦、ウェアリング・オフ現象、ジスキネジアなどを薬物療法でコントロールすることが困難になった場合や、薬物療法の副作用が強くて、薬物療法が困難な場合です。

期待される効果は、オフ時間(薬が効いていない時間)の半減、ジスキネジアの減少、パーキンソン病治療薬の減量です。

具体的な外科的治療方法として、深部脳刺激療法と破壊術の2つがあり、臨床では視床下核刺激療法が良く行われています。
これはMRI、CTなどの画像を基に位置を把握し、標的に対して微小電極針を挿入し、電気刺激を行う方法です。

治療の流れとしては、約一週間の検査入院をします。
その後、外科治療が適応となった場合は約2週間の入院を行い、その中で外科治療が行われます。
術後は外来通院で刺激調整や薬物調整が行われ、加えて定期的な受診による検査も行われます。

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パーキンソン病の症状の進行を予防する方法

パーキンソン病の中心治療は薬物療法ですが、自分自身でできることもあります。

薬物治療やリハビリテーションと合わせてセルフケアをしていくことで、さらに効果的な予防に繋がります。
以下に方法を5つ挙げ、それぞれ詳しく説明していきます。

運動をする

パーキンソン病における運動効果はたくさんありますが、その中でも廃用症候群をはじめとする二次的障害の発生予防として効果的です。

パーキンソン病は筋固縮や無動といった運動症状によって動作が困難になってきます。
すると、必然的に運動量が減少し、心身機能が低下します。
運動を開始する時期は早ければ早い方がよく、定期的に継続していくことが大切です。

具体的な方法としては、心肺機能維持のための有酸素運動、下肢筋力維持のための筋力トレーニング、転倒予防のための応用歩行練習が効果的です。

また、パーキンソン病では二重課題とよばれる、複数の事柄を同時に遂行する能力が低下します。
そのため、症状が比較的軽度な時期から、二重課題練習(しりとりをしながら歩行)を行っていきましょう。

規則正しい生活をする

パーキンソン病の症状として睡眠障害があります。
睡眠障害には、入眠困難、中途覚醒、熟眠困難など様々な症状があります。

薬物による副作用で日中に眠気が来て、昼夜逆転になる方もいます。
薬物による副作用を抑えることは不可能ですが、セルフケアとして起床時間、入眠時間の設定、朝は日光を浴びる、定期的に運動をするといった事を継続していきましょう。

そうすることで睡眠覚醒リズムの崩れを最小限に抑えることができます。

水分を摂る

パーキンソン病の方の8割に便秘症状が出現します。
便秘の原因としては筋固縮によって排便に関わる筋肉が上手く調節されないことに加え、水分不足が挙げられます。
水分が不足することで便が固くなり、排泄が困難となります。

水分不足になる原因は、ジスキネジアにより必要以上に汗をかくこと、嚥下障害のある方は飲み込みにくさによって水分摂取量が減少すること、トイレへ何度も行くのが億劫であえて水分を取らないようにしていること、などが挙げられます。
また、パーキンソン病の方は自律神経機能も低下し、脱水になりやすいので、こまめに水分補給するようにしましょう。

楽しく過ごす

パーキンソン病は中脳の黒質の変性によりドパミンの産生が低下する病気です。

しかし、全くドパミンが産生されないわけではありません。
セルフケアとして積極的にドパミンを分泌させるよう心がけることによって、症状を和らげることに繋がります。
脳が楽しく感じているときは、ドパミンが分泌されている時です。
自分が楽しいと感じることを積極的に行っていきましょう。

社交性をつける

パーキンソン病は精神機能障害として抑うつ傾向を示しやすい疾患です。
これらを予防するためには、他者と交流することが効果的です。
会話をすることで脳への刺激が加わり、脳機能の低下を予防できます。
また、楽しさをもって交流することでドパミンの分泌を促進させることが出来ます。

以上の5項目が自分でできるパーキンソン病の進行予防です。

パーキンソン病の予防のまとめ

ここまでで、パーキンソン病についての情報や、治療方針、自分でできる進行予防の方法をお伝えしてきました。

今回の記事をおさらいすると以下の通りです。

  • パーキンソン病の治療方針は、まず専門機関で検査をし、診断基準に基づき診断される
  • 発症初期は薬物療法は行わず、教育やリハビリテーションが主体
  • 症状の進行に伴い、ドパミンを補充する薬物療法や、症状を改善させるための外科治療が行われる
  • パーキンソン病の進行予防の方法としては、運動をする、規則正しい生活をする、水分を摂る、楽しく過ごす、社交性をつけるなど
  • パーキンソン病の進行を予防していくためには医者に頼るだけでなく、自分自身で予防していくことも大切

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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