現在、日本は超高齢社会に突入しています。
独居又は高齢者夫婦のみで生活している家庭も多く、「私(たち)だけで生活するのは心配」という意見があります。
同じ家に住み続けるべきか、どこに住めば安心できるか、と悩まれている方もいます。
一方、仕事や育児、家事などにかけていた時間を趣味や健康維持に使いたいと、前向きに考えている方もいます。
今回は、有料老人ホームの中で「健康的で楽しみをもった高齢者」を目的とした施設である “健康型有料老人ホーム” についてつぎの項目を中心に解説します。
- 健康型有料老人ホームのサービス内容
- 健康型有料老人ホームの設備や特徴
- 健康型有料老人ホームの費用
- 健康型有料老人ホームの入所条件や入所方法
健康型有料老人ホームを知り、他の高齢者サービスとの違いについて理解を深めてください。
ぜひ、最後までご覧ください。
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健康型有料老人ホームのサービス内容
健康型有料老人ホームでは、日常生活の支援を受けることができます。
具体的には、食事提供、洗濯、掃除などです。
栄養士や調理師が配置されているため、健康的で栄養のある食事が提供されます。
また、洗濯や掃除などの家事から解放された生活を送ることができます。
健康型有料老人ホームでは、安否確認、緊急時サポート体制も整っています。
原則365日職員が常駐しているため、安全確認や日常生活の相談に応じることができます。
医療機関と連携している施設も多く、身体の心配が少ないです。
また、様々なイベントやレクリエーションなどが用意されており、活発的な生活を送ることができます。
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健康型有料老人ホームの設備
健康型有料老人ホームには以下のような設備があります。
- 食堂(1人あたり3㎡程度)
- 居室(1人あたり13㎡以上、原則個室、比較的広めの1LDKなど、トイレやバス、キッチン付き)
- 共有スペース(プール、フィットネス、カラオケルーム など)
健康型有料老人ホームは、他の介護施設と比較し、居室は広めに設計されています。
各居室に、トイレやバス、キッチン等の設備が設置されています。
また、共有スペースとして、プールやカラオケルームなど、健康増進やレクリエーションを目的にしている施設が多いです。
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健康型有料老人ホームの特徴
健康型有料老人ホームの特徴は「介護の必要がない」「日常生活が自立している」人が利用できる施設です。
具体的な特徴についてメリット・デメリットに分けて説明します。
メリット
まず、健康型有料老人ホームの特徴として、メリットをあげていきます。
家族が安心
世帯を分けた家族にとって安否確認は最も心配する点です。
転倒による骨折、心臓病など不慮の事故がいつ起こるか分かりません。
高齢者世帯を抱える家族は、高齢者が健康的に過ごせているか不安です。
健康型有料老人ホームでは一日一回職員が入所者の居室に訪問します。
日々のチェックがあるので、家族は安心できます。
自宅での生活による不安が解消できる
高齢者が在宅生活を続けるうえで、「このまま自宅で住み続けられるか?」「将来介護が必要になるのでは?」など不安を抱えることは少なくありません。
加齢による筋力低下や生活範囲の狭小化などが、不安を増長させます。
健康型有料老人ホームでの生活は、必ず職員と接する機会があるため、そのような不安は解消されます。
充実したセカンドライフを送ることができる
健康型有料老人ホームは、他の介護施設と比較し、生活を充実させるためのレクリエーションや娯楽イベントが豊富です。
プールやフィットネスなど健康増進を目的とした施設、サークル活動など余暇を目的とした活動、など楽しい生活を営むことができます。
また、日常生活支援サービスを利用し掃除、洗濯などの家事を施設スタッフに依頼することで、セカンドライフにより多くの時間を使うことができます。
デメリット
次に、健康型有料老人ホームのデメリットを紹介していきます。
要介護状態には対応していない
健康型有料老人ホームは、自立ないし要支援状態の高齢者を対象とした施設です。
そのため、常時介護が必要となった場合対象外となり、退去する必要があります。
終身同じ施設で過ごしたいと考えている方には、適していない施設です。
健康型有料老人ホームと類似した施設として、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅があります。
どちらの施設も要介護状態になっても住み続けることができ、訪問介護サービスなど外部サービスを利用することができます。
費用が他施設と比較し高い
他の介護施設と比較すると入居一時金や初期費用が高めに設定されています。
また、居室や共有スペースのグレードアップを考える場合、さらに高額となります。
全国的に施設数が圧倒的に少ない
平成25年度の厚生労働省による実態調査研究によると、全国の有料老人ホーム8,424件ありますが、健康型有料老人ホームは16件と全体の1%に満たないほどです。
健康型有料老人ホームに入りたくても、施設数が少ないため入所することができない場合もあります。
健康型有料老人ホームの費用
健康型有料老人ホームの費用は以下のとおりです。
入居一時金
入所時に支払うもので「家賃などの前払金」にあたります。
一定期間内に退去した場合、償却金という形で返金があります。
償却期間や償却率は各施設によって異なるため、入所前に必ず条件を確認しておく必要があります。
また、健康型有料老人ホームは入居一時金を高めに設定している傾向があります。
立地場所や設備面、人員数によって費用に差が生じるため、中には数千万円を超える施設もあります。
月額利用料
家賃をはじめ、管理運営費、水道光熱費、食費、その他の生活費に該当します。
月額利用料は約10万〜40万円と施設によって幅があります。
入居一時金が高額の場合、月額利用料を抑えている傾向があります。
健康型有料老人ホームの入所条件
健康型有料老人ホームでは基本的に 「おおむね60歳以上」の「自立、または要支援状態」の高齢者を前提として入所条件を設けています。
そのため、入所中に要介護状態や認知症になると、退去しなければならない場合が多いですが、介護付き有料老人ホームと提携している場合もあります。
また、身元引受人の有無を確認する場合や、健康型有料老人ホームに関する費用を十分に支払うことが可能か、収入や資産などがチェックされる場合もあります。
健康型有料老人ホームへの入所方法
健康型有料老人ホームに入所するためには、まず各施設に申し込みの手続きが必要です。
必要書類としてまず入居申込書を提出します。
その後施設職員との面談があり、健康診断書、住民票、所得証明書、などを提出します。
総合的に判断し、条件がクリアできていれば入所することができます。
健康型有料老人ホームまとめ
ここまで健康型有料老人ホームのサービス内容や費用、入所条件などを中心にお伝えしてきました。
- 健康型有料老人ホームは、健康維持、セカンドライフを支援するサービスがある
- 健康型有料老人ホームの設備は、広い個室があり共有スペースが充実している
- 健康型有料老人ホームの特徴は、健康的な高齢者は充実したサービスを受けることができるが、要介護状態等になると退去しなければならない
- 健康型有料老人ホームの費用は、他の介護施設と比較し高額
- 健康型有料老人ホームの入所条件は、おおむね60歳以上の健康的な高齢者
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。