高齢化が急速に進んでいる中で、介護職のニーズはますます高まっています。
今回、訪問介護に向いている人について解説しながら、訪問介護の仕事内容や待遇についてご紹介します。
- 訪問介護に向いている人はどんな人?
- 訪問介護の仕事内容
- 訪問介護員になる方法
ぜひ最後までご覧ください。
訪問介護の仕事を考える際の参考にしてください。
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訪問介護とは
訪問介護とは、訪問介護員(ホームヘルパー)や介護福祉士(ケアワーカー)などが利用者の自宅に訪問し、食事・入浴・排泄などの「身体介護」や調理・洗濯・掃除などの生活援助を行うサービスをいいます。
介護保険における居宅サービスの中でも代表的な訪問介護。条件によっては、訪問介護が利用できない場合もあります。一体、どのような条件や特徴があるのでしょうか?今回は、訪問介護について以下の点を中心にご紹介します。 […]
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訪問介護に向いている人はどんな人?
訪問介護はどのような人に向いているのでしょうか?
一般的に訪問介護に向いている人といわれる7つの特徴を詳しく見てみましょう。
利用者一人ひとりと向き合える人
訪問介護は利用者の自宅を訪問し、1対1で接する仕事です。
そのため、利用者一人ひとりとしっかり向き合い、相手の気持ちを汲み取って介護を行うことができる人が訪問介護に向いている人といえるでしょう。
些細な変化に気づける人
利用者の自宅に訪問し、一人ひとりの利用者と長い時間関わるのが訪問介護員(ホームヘルパー)になります。
そのため、日常での些細な変化にも気づくことができ、報連相ができ、適切な対応をとることができる人が訪問介護に向いている人といえるでしょう。
コミュニケーション能力の高い人
訪問介護の仕事は利用者のみではなく、家族や他スタッフとの意思疎通が欠かせません。
身体介護や生活援助をしながら、おしゃべりを楽しみたいという利用者もいます。
そのため、コミュニケーション能力が高く、聞き上手な人は訪問介護に向いている人といえるでしょう。
臨機応変に動ける人
利用者の自宅に1人で訪問し、さまざまなサービスをこなさなければなりません。
臨機応変に対応できる人が訪問介護に向いている人といえるでしょう。
責任感のある人
利用者の自宅に1人で訪問し、必要な介護や援助を自身の判断で行わなければなりません。
他のスタッフがフォローできる環境ではないため、すべての業務に対して、1人で責任を持って行動できる人が訪問介護に向いている人といえるでしょう。
判断力がある人
訪問介護は利用者の自宅に1人で訪問し、介護や援助を行います。
そのため、何かトラブルがあった場合や緊急事態が起こった場合、冷静に判断し行動できる人が訪問介護に向いている人といえるでしょう。
体力に自信のある人
訪問介護は1日に数件の家を訪問し、利用者の自宅でも介護や援助をするなど常に身体を動かしている仕事です。
そのため、体力に自信がある人が訪問介護に向いている人といえるでしょう。
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訪問介護の仕事内容
訪問介護の仕事内容は、「身体介護」「生活援助」「通院介助」の3つに分けられます。
それぞれの仕事内容について詳しく見てみましょう。
身体介護
身体介護とは、利用者の身体に触れて行う介護のことをいいます。
具体的には、食事介助・服薬介助・入浴介助・清拭・排泄介助・更衣介助・歩行介助・体位交換・移乗介助他見守り的援になります。
利用者の身体状況や精神状況に合わせて、必要な身体介護を行います。
定められた研修を修了している訪問介護員(ホームヘルパー)は、たんの吸引や経管栄養を実施することもできます。
生活援助
生活援助とは、利用者自身や家族が何らかの理由により、家事ができない場合に行う日常生活の援助のことをいいます。
具体的には、調理・掃除・洗濯・買い物・内服薬の受け取りになります。
利用者自身や家族の状況に合わせて必要な生活援助を行います(原則一人暮らしの場合に利用可能)。
通院介助
通院介助とは、利用者を病院まで送迎したり、受診手続きを手伝ったりすることをいいます。
利用対象者は、要介護1~5の認定を受けている方になります。
通院介助は、介護保険適用外になることが多いサービスでしたが、2021年の介護報酬改定でルールが緩和されたことから、今後需要が高まっていくサービスといえるでしょう。
訪問介護員になる方法
介護保険法において訪問介護を行う人のことを訪問介護員(ホームヘルパー)といいます。
訪問介護員になるためには、介護職員初任者研修・介護福祉士実務者研修・介護福祉士のいずれか1つ以上の資格を取得する必要があります。
それぞれの資格取得方法について詳しく見てみましょう。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護職員として働くために必要な基礎知識や技術を学ぶことができる研修制度です。
受験資格はなく、すべての方が対象となっています。
民間団体、公営法人が運営する130時間のカリキュラム全課程の講義を受講修了後、筆記試験に合格することで修了者として認定されます。
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、介護についてより詳しく幅広い知識や技術を学ぶことができる研修制度です。
国家資格である介護福祉士の受験資格の1つとなっており、介護福祉士の養成校卒業と同等レベルの知識や技術を学ぶことができます。
受験資格はなく、すべての方が対象となっています。
スクールや通信講座で450時間のカリキュラム全課程の講義を受講修了後、修了者として認定されます。
介護福祉士実務者研修の資格を取得するとたんの吸引や経管栄養を実施することができます。
介護福祉士
介護福祉士は、豊富な知識や技術を学び、介護職員への指導や助言、多職種との連携、環境整備などさまざまな役割を担います。
介護資格の中で上位の資格であり、国家資格になります。
受験資格は福祉系高校卒業者、養成施設卒業者、または介護実務経験が3年以上あり、介護福祉士実務者研修の修了者になります。福祉系高校卒業者に関しては卒業した年月や種類によって受験資格が異なりますので詳細はご確認ください。
1年に1回開催される介護福祉士国家試験を受験し、合格することで介護福祉士として認定されます。
訪問介護員の就職場所は?
訪問介護員は訪問介護事業所といわれる介護保険法で指定された場所で働きます。
事業所を運営する組織には、社会福祉法人やNPO、民間企業などがあり、近年民間企業による訪問介護事業所(ヘルパーステーション)が増えてきています。
訪問介護員は訪問介護事業所以外でもさまざまな場所で働くことができます。
訪問介護員の就職場所について、それぞれ詳しく見てみましょう。
訪問介護事業所(ヘルパーステーション)
社会福祉法人やNPO、民間企業が運営する事業所になります。
訪問介護員の多くが、訪問介護事業所で活躍しています。
訪問介護事業所に所属し、施設スタッフとミーティング後1人で利用者の自宅に訪問し、「身体介護」や「生活援助」を行います。
訪問介護事業所では、ミーティングの他、訪問介護の準備や後片付けを行います。
有料老人ホーム
有料老人ホームにもさまざまな種類がありますが、訪問介護員が必要とされる就職場所としては、住宅型有料老人ホームがあります。
住宅型有料老人ホームは、介護付き有料老人ホームとは異なり、施設のスタッフは常駐していますが、介護サービスを行うことができるスタッフは常駐していません。
利用者の状況に応じて、訪問介護員による訪問介護サービスが提供されます。
介護サービス付き高齢者住宅
民間企業が運営するバリアフリーの賃貸住宅になります。
訪問介護員利用型とデイサービス併設型の2種類があり、訪問介護員利用型の場合は訪問介護員が活躍しています。
高齢者専用住宅
民間企業などによって運営される高齢者専用の賃貸住宅になります。
2011年に高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)が改正されたことにより、現在は上記で紹介した介護サービス付き高齢者住宅に統一されています。
そのため、介護サービス付き高齢者住宅と同様に、訪問介護員が活躍しています。
訪問介護員の給料や福利厚生
訪問介護員として働くときに、気になるのが給料や福利厚生です。
それぞれについて詳しく見てみましょう。
給料
訪問介護員の平均給料は常勤で月給18万円~23万円前後、年収273万円~297万円前後となっています。
訪問介護員として働くときに給料の内訳としてチェックしたいのが、「介護職員処遇改善手当の有無」や「賞与を含めた年収」になります。
介護職員の処遇を改善するために、通常の介護報酬に加算して「介護職員処遇改善加算」や「介護職員等特定処遇改善加算」などが請求できます。
これらを算定し給料に反映しているかどうかは重要なチェックポイントになります。
また、この手当を含めた月収のみではなく、賞与を含めた年収も確認しましょう。
福利厚生
福利厚生は、給料とは別に従業員やその家族の暮らしを支えるために雇用側が提供するものです。
法律で定められている「法定福利厚生」と企業などの雇用する側が独自に提供する「法定外福利厚生」の2種類があります。
「法定福利厚生」には、雇用保険や厚生年金、介護保険などがあり、「法定外福利厚生」には、住宅手当や通勤手当、託児所、社員寮、退職金制度、特別休暇制度など企業など雇用する側で実にさまざまです。
訪問介護に向いている人まとめ
ここまで、訪問介護に向いている人や仕事内容、待遇などを中心にお伝えしてきました。
訪問看護に向いている人や仕事内容についての要点を以下にまとめます。
- 訪問介護とは訪問介護員が利用者の自宅に訪問し、「身体介護」や「生活援助」を行うサービスである
- 訪問介護に向いている人は一人ひとりと向き合える人、些細な変化に気づける人、コミュニケーション能力が高い人、臨機応変に動ける人、責任感のある人、判断力のある人、体力に自信のある人
- 訪問介護の仕事内容は、「身体介護」「生活援助」「通院介助」の3つに分けられる
- 訪問介護員になる方法は、介護職員初任者研修・介護福祉士実務者研修・介護福祉士のいずれか1つ以上の資格を取得する必要がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。