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トップページ>介護お役立ち記事>在宅介護>看護小規模多機能型居宅介護のサービス内容や利用料金など徹底解説!

看護小規模多機能型居宅介護のサービス内容や利用料金など徹底解説!

看護小規模多機能型居宅介護(看多機)というサービスを知らない人も多いのではないでしょうか。
名前は聞いたことがあるけれども、どんなサービスを受けられるのかよくわからないという方も多いでしょう。
また、看護小規模多機能型居宅介護を使いたいけれども、メリットはあるのか、利用したらいくらかかるのか心配な方も多いと思います。

今回は、看護小規模多機能型居宅介護について、以下の項目を中心にお伝えしていきます。

  • 看護小規模多機能型居宅介護のサービス内容
  • 看護小規模多機能型居宅介護のメリット
  • 看護小規模多機能型居宅介護の利用条件
  • 小規模多機能型居宅介護との違い

ぜひ最後までお読みいただき、看護小規模多機能型居宅介護の利用を考える際の参考にしてください。

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看護小規模多機能型居宅介護のサービス内容

看護小規模多機能型居宅介護とは、小規模多機能型居宅介護に「訪問看護」の機能が加わった介護保険サービスのことです。
小規模多機能型居宅介護は、「訪問(訪問介護)」「通い(通所介護)」「泊まり(短期入所)」の3つの介護サービスを提供するサービスのことです。
これに、「訪問看護」が加わることにより、医療依存度の高い人の在宅生活のサポートもすることが可能なサービスになります。

小規模多機能型居宅介護の3つの介護サービスである「訪問介護」「通所介護」「短期入所」についてそれぞれ解説していきます。

  • 訪問介護:利用者の家で生活の支援や身体介護(食事、入浴、排泄介助など)をするサービス
  • 通所介護:利用者が事業所に通って、生活の支援や身体介護を受けるサービス
  • 短期入所(ショートステイ):泊まりで身体介護を受けられるサービスです。

医療ケアや看取りの程度・有無

看護小規模多機能型居宅介護の通所介護では医療ケアを受けることができます
通所介護における医療ケアは主治医と連携のもと提供されます。

看護小規模多機能型居宅介護では訪問看護でがん末期等の看取り期の支援も行います
看取り期の支援とは充実した最後を自宅で迎えることを希望する方に対するケアです。
訪問看護は主治医の指示書に基づいて行われます。

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看護小規模多機能型居宅介護のメリット・デメリット

看護小規模多機能型居宅介護には、以下のようなメリットがあります。

  • 利用者に合わせたサービスが提供される
  • 医療処置も受けられる

逆に、看護小規模多機能型居宅介護には、以下のようなデメリットがあります。

  • 1日の利用人数制限
  • 継続利用に大きくかかわる人間関係

それぞれ、どのようなメリット・デメリットなのか具体的に見ていきましょう。

【メリット】利用者に合わせたサービスが提供される

看護小規模多機能型居宅介護は、登録定員が29名と少人数になっています。
また定額制で利用回数の制限がありません。

別々にサービスを頼む場合、ケアマネージャーに連絡して、ショートステイの手配をしてもらうことになります。
しかし、当日や直前の場合空きがなく利用できないということが多いのです。

看護小規模多機能型居宅介護であれば「家族に休養が入ったため、デイサービスのあとにショートステイを利用したい」と言った場合でも対応が可能となります。

【メリット】医療処置も受けられる

小規模多機能型居宅介護の場合では、訪問看護の機能がありません。
したがって、医療度の高い方が在宅生活を続ける場合、改めて訪問看護をお願いしなくてはいけません。
それに対して、看護小規模多機能型居宅介護の場合は、訪問看護の機能がついているため、改めて訪問看護を契約する必要はありません。
さらに、同じ施設のスタッフが関わっていくので、連携もとりやすく、ご利用者様を熟知したうえでさまざまな場所での介入が可能となります。

このようなことから、看護小規模多機能型居宅介護は医療度の高い方でも住み慣れた地域で生活を望む方の希望にこたえられるサービスです。

【デメリット】1日の利用人数制限

看護小規模多機能型居宅介護には以下のように1日の利用人数に制限があります。

サービス登録定員(29人以下)利用定員
通いサービス25人以下登録定員の2分の1から15人まで
26人又は27人16人
28人17人
29人18人
宿泊サービス通いサービス利用定員の3分の1から9人まで

出典:厚生労働省【看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)について(人員基準)】

看護小規模多機能型居宅介護は1日の利用人数制限の為に希望するときに利用できない場合があります。
利用希望日はあらかじめ複数挙げておく必要があります。

【デメリット】継続利用に大きくかかわる人間関係

看護小規模多機能型居宅介護は継続利用するのに人間関係が大きくかかわります。
看護小規模多機能型居宅介護は少人数で決まった利用者になるためです。

看護小規模多機能型居宅介護では以下のような場合、人間関係が原因で継続利用が難しくなることがあります。

  • スタッフとの相性が悪い
  • 利用者間の人間関係がうまくいかない

また、利用を決める前にうまくなじんで生活していけそうか

  • スタッフの様子
  • 他の利用者の様子や雰囲気

などを確認しておきましょう。

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看護小規模多機能型居宅介護の入所条件

上記のメリットがあり、ぜひ使いたいという方もいるのではないでしょうか。
ただ、看護小規模多機能型居宅介護には、以下のような利用条件があります。

  • 要介護1~5の認定を受けている方
  • 事業所と同じ市町村に住んでいる方

病状などによっては利用できない可能性もありますが、医療行為が必要だけれども状態が落ち着いている方は上記の条件を満たせば基本的に利用可能です。

看護小規模多機能型居宅介護の入所までの流れ

看護小規模多機能型居宅介護の入所までの流れは以下のようになります。

  • 担当ケアマネジャーまたは地域包括支援センターに相談する
  • サービス事業者と契約
  • ケアプランの作成

それぞれについて説明します。

【担当ケアマネジャーまたは地域包括支援センターに相談】

利用者に適したサービス事業所を紹介してもらいます。
サービス事業所の紹介は利用者の実情を把握しているところに判断してもらうためです。

【サービス事業者と契約・入所】

紹介された事業所で面談になります。
できれば面談前にパンフレットでチェックや見学して気になるところを確認しておきます。
サービス事業者との契約は納得したうえで行いましょう。

【ケアプラン作成】

サービス事業所のケアマネジャーによるケアプランの作成が行われます。

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看護小規模多機能型居宅介護の費用相場(入居費用&月額費用)

看護小規模多機能型居宅介護を利用した場合、いくらかかるのか気になるところです。
以下、表にまとめてみたので参考にしてみてください。

介護区分同一建物以外に居住の場合(1ヶ月につき)同一建物に居住の場合(1ヶ月につき)
要介護度112,401円(12,401単位)11,173円(11,173単位)
要介護度217,352円(17,352単位)15,634円(15,634単位)
要介護度324,392円(24,392単位)21,977円(21,977単位)
要介護度427,665円(27,665単位)24,926円(24,926単位)
要介護度531,293円(31,293単位)28,195円(28,195単位)

出典:厚生労働省「看護小規模多機能型居宅介護の報酬・基準について(検討の方向性)」

介護保険の自己負担額は収入に応じて、1割負担、2割負担、3割負担の3つがあります。
今回は1単位10円の自己負担額1割負担で計算しています。

また、基本は1単位10円の計算ですが、地域によっては地域加算というものが加わります。
地域加算は、地域毎に加算の値段が変わります。
単位数は全国一律で変わりませんが、地域によってその地域加算で料金が高くなる場合があるので注意が必要です。

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看護小規模多機能型居宅介護の人員配置基準・設備基準


看護小規模多機能型居宅介護の人員配置基準・設備基準についてまとめます。
看護小規模多機能型居宅介護の人員配置基準は以下のようになります。

職員(日中)
  • 通い:常勤換算で利用者3名に対し1名以上(うち看護職員1名以上
  • 訪問:常勤換算で2名以上(うち看護職員1名以上
職員(夜間)
  • 夜勤:時間帯を通じて1名以上
  • 宿直:時間帯を通じて1名以上
  • 泊り利用がない日は職員(夜勤・宿直)配置不要
  • 看護職員の配置は必要に応じた対応体制で可
看護職員
  • 常勤換算で2.5名以上(1名以上は常勤の看護師又は保健師)
  • 訪問看護ステーションと一体運営の場合は看護職員の兼務可
介護支援専門員介護支援専門員の配置が必要です。
介護支援専門員は兼務や非常勤が可能です。
管理者管理者は専従かつ常勤で配置する必要があります。
管理者の要件は以下の通りです。

  • 特養などで認知症の利用者に対する3年以上の介護経験を有し、かつ
  • 厚生労働省の認知症対応型サービス事業管理者研修を修了した者、または
  • 保健師もしくは看護師(認知症対応型サービス事業管理者研修の受講不要)

看護小規模多機能型居宅介護の設備基準は以下のようになります。

【利用定員】

利用定員については【デメリット】1日の利用人数制限のところをご参照ください。

【事業所】

  • 居間、食堂、台所、宿泊室、浴室、消火設備、その他非常災害に際して必要な設備、その他サービス提供に必要な設備及び備品等を有すること
  • 居間・食堂:機能を十分に発揮しうる適当な広さを有すること
  • 個室:定員1名(床面積:7.43㎡以上)
  • 個室以外:(利用定員-個室定員)×7.43㎡以上

出典:厚生労働省【看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)について

薬の使い方

看護小規模多機能型居宅介護の事業所数と利用者数

看護小規模多機能型居宅介護の需要は年々伸びてきています。
事業者数では、平成25年で38事業所だったのが、平成31年では531事業所まで増えており、一度も下がることなく毎年約80事業所が増えています。

また、利用者数も事業所数と同様に右肩上がりで、平成24年6月では49人だったのが、平成25年4月には724人にまで増えました。
そして、平成31年4月時点では、11,442人まで増加しています。

この統計を見ても、看護小規模多機能型居宅介護の需要は増々高まって来ることが予想されます。

小規模多機能型居宅介護との違い

先ほども述べたように小規模多機能型居宅介護には訪問看護サービスがありません。
要介護者の自宅での生活を推奨している中で、退院直後や終末期などで症状が不安定な方も在宅生活しなくてはいけない状況になってきています。
そんなとき、小規模多機能型居宅介護では対応しきれないケースも多々出てくるでしょう。
そんな医療度の高い人の生活サポートに対応できるのが、看護小規模多機能型居宅介護になってきます。

また、看護小規模多機能型居宅介護は、医療度の高い方だけでなく、重度の要介護者を持つ家族の身近な相談先としての位置づけになることも可能です。

今後、在宅医療がますます進んでいく中で、看護小規模多機能型居宅介護は地域包括ケアの中で中心を担う役割になっていくことでしょう。

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看護小規模多機能型居宅介護のまとめ

ここまで看護小規模多機能型居宅介護の概要やメリット、小規模多機能型居宅介護との違いなどを中心にお伝えしてきました。
看護小規模多機能型居宅介護の要点について以下にまとめます。

  • 看護小規模多機能型居宅介護は、「訪問」「通所」「短期入所」に加えて、「訪問看護」の機能を備えたサービスである。
  • 登録定員が29名と小人数のため一人ひとりに合わせたサービスが提供できる。
  • 要介護1~5の認定が出ており、かつ事業所と同じ市町村に住んでいる人が利用できる。
  • 小規模多機能型居宅介護との違いは、医療度の高いご利用者様を受け入れることができるかできないかである。小規模多機能型居宅介護では医療度の高い方の受け入れは難しい。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
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