有料老人ホームが増加傾向にある中、サービス付き高齢者向け住宅も増え、利用者も増え続けています。
高齢者向けの施設が増えている中、どの施設が自分に合っているのかわからない方も多いのではないでしょうか。
今回は、サービス付き高齢者向け住宅について紹介した上で、有料老人ホームとの違いも紹介していきます。
- サービス付き高齢者向け住宅について
- サービス付き高齢者向け住宅のサービス内容
- サービス付き高齢者向け住宅の料金
- サービス付き高齢者向け住宅のメリット・デメリット
- 有料老人ホームとの違い
- シニア向け分譲マンションとの違い
サービス付き高齢者住宅を検討する際の参考にしていただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
介護施設に興味がある方は下記の記事も併せてお読み下さい。
一括りに老人ホーム・介護施設といっても、種類によって目的や入居条件はさまざまです。初めての老人ホーム・介護施設探しでは、分からないことばかりだと思います。どの施設がいいのか決められない人も多いのではないでしょうか?本記事では、老人[…]
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サービス付き高齢者向け住宅とは
高齢者だけの生活が不安で、高齢者向けの施設を探してみたものの、今までの生活から変わってしまうことに不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
サービス付き高齢者向け住宅は上記のような不安を抱えている方におすすめです。
サービス付き高齢者向け住宅は自由度が高く、今までの生活とほとんど変わらない生活を送ることができます。
サービス付き高齢者向け住宅とは
サービス付き高齢者向け住宅とは、医療スタッフが常駐することで安否確認と生活相談を義務付けられた、高齢者向けのバリアフリー住宅です。
外泊・外出自由だったり、施設によっては同居人と入居、ペット可だったりと、有料老人ホームと比べて自由度の高い生活を送ることができるのが特徴です。
一般型の場合は入居一時金もないため、初期費用が安く、生活支援や介護サービスも無いため月額費用も抑えることができます。
入居条件
対象者の年齢は60歳以上の高齢者、もしくは要介護認定を受けた60歳未満の方です。
要介護度合いによって、後述する「一般型」か「介護型」に分かれます。
また、ほとんどの施設で連帯保証人と身元引受人が必要となります。
生活保護を受けている方や認知症の方も施設によっては入居可能です。
種類
サービス付き高齢者向け住宅には「一般型」と「介護型」があります。
ほとんどのサービス付き高齢者向け住宅は一般形です。
一般型
ほとんどの方が一般型を利用しており、介護サービスが無いタイプです。
介護サービスを利用する場合は外部の介護サービスと契約することで、必要な分だけ利用することができます。
一般型の場合、契約形態が賃貸契約になります。
介護型
要介護度合いが重い方に対応するために介護型があります。
介護サービスがついており、要介護度合いに基づいた定額制で介護サービスを利用できます。
介護型の場合、契約形態が利用権契約になるため、入居一時金が必要になるケースがほとんどです。
有料老人ホームとの違いについて知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
退去要件はある?
介護施設は、重要事項説明書や入居契約書等に退去要件が明記されています。
サービス付き高齢者向け住宅でも退去要件に該当すると退去を求められる場合があります。
退去要件に該当する例として以下の場合があります。
- 迷惑行為
迷惑行為とは他入居者やスタッフに対する暴言や暴力、大声を発する等です。
迷惑行為により他入居者やスタッフに危害が及ぶ場合があります。
結果、退去を求められる場合があります。
迷惑行為の原因として、認知症が起因する場合があります。
認知症が起因する場合でも迷惑行為が続くと退去を求められる場合があります。
- 入居者の長期入院
傷病等を理由に長期入院(一般的には3カ月以上)が必要となる場合があります。
長期間施設を空けると施設に戻ることができないと判断される可能性があります。
結果、退去を求められる場合があります。
- 心身機能低下や重度の医療行為が必要などによる生活の変化
病状悪化や入院等により心身機能が著しく低下する場合があります。
結果、身体介護や医療行為が必要となり、生活に変化が見られる場合があります。
車いすや医療行為等施設で対応困難になると退去を求められる場合があります。
- 入居費用の滞納
入居施設を利用する場合家賃等毎月の支払いが発生します。
経済状況の変化等により入居費用の支払いが難しくなる場合があります。
結果、退去を求められる場合があります。
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サービス付き高齢者向け住宅のサービス内容
ここではサービス内容について紹介します。
サービス付き高齢者向け住宅には、提供を義務付けられた基本のサービスと任意のサービスがあります。
施設によって提供しているサービスは異なりますので、施設選びの際は事前の確認が必要です。
基本のサービス
安否確認と生活相談のサービスが義務付けられています。
安否確認サービス
安否を確認するために、常駐の医療スタッフが定期的に居室を訪問する見守りサービスです。
安否確認が行われる頻度は施設の運営基準によります。
夜間は施設によって24時間常駐の有無、緊急ボタンの設置などの対応があります。
サービス付き高齢者向け住宅を考えられている場合、夜勤体制や人員の配置基準、緊急時の対応を確認しておいた方がいいでしょう。
生活相談サービス
居室内の電気の交換や、重い荷物運びのお手伝いなどの日常の困りごと、急病や怪我などの緊急対応から家族への連絡まで、生活全般で困った時にサポートしてくれるサービスです。
施設によってはレクリエーションやイベントのサポートもします。
追加のサービス
施設によっては、以下の任意サービスも行っています。
生活支援サービス
食事の提供や洗濯、掃除などのサポートをします。
家事の負担軽減にもなり、充実した生活につながります。
食事提供サービス
必要であれば食事を準備していただけます。
大半のサービス付き高齢者向け住宅で導入されています。
施設によりますが、食事しない分は基本的に請求されません。
介護サービス
一般型であれば、外部サービスを利用しますが、施設によっては介護事業を併設しているなど、介護サービスを行なっている場合もあります。
介護保険が適用される要介護者の場合、要介護度合いによって限度額が決まっています。
限度額を超えないように注意しましょう。
レクリエーション
施設によってはレクリエーションを行っている場合もあります。
あやとりやカラオケ、体操、ボーリングなど様々あります。
有料老人ホームと比べて活発に行っているところは多くありません。
看取り
近年、看取りを行う施設が増えています。
医師、看護師、ケアマネージャーの方々が連携してケアに当たります。
医療ケア
併設・提携しているしている医療機関から医療ケアを受けることができる場合があります。
しかし、病院と異なり全ての医療行為を受けることができるとは限りません。
また、施設によって受けることができる医療ケアの種類は異なります。
サービス付き高齢者向け住宅で受けられる医療ケアの例は以下の通りです。
喀痰吸引 | 在宅酸素療法 | インスリン注射 |
胃婁による経管栄養 | 人工肛門(ストーマ) | バルーンカテーテル |
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サービス付き高齢者向け住宅の費用相場は?
サービス付き高齢者向け住宅は、一般型と介護型でかかる費用が異なります。
介護型は前払金を含め初期費用の負担が大きくなっています。
一般型と介護型の二種類の費用について細かく紹介していきます。
初期費用・入居一時金
老人ホームは通常、入居一時金が初期費用としてかかります。
サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金はどれくらいなのでしょうか。
一般型
契約形態が賃貸方式のため、入居一時金は不要です。
別途、敷金など初期費用として数十万円かかるところもあります。
介護型
基本的に利用権方式のため、入居一時金が必要となります。
入居一時金は数十万~数千万円と考えられます。
月額費用
高齢者向け優良賃貸住宅だけではなく、サービス付き高齢者向け住宅で生活する方も、家賃等の月額費用が必要です。
自治体によっては収入等に応じて家賃補助を受けられるところもあるそうです。
また、夫婦で入居する場合、2部屋で入居するより2人部屋を利用することで月額費用を抑えられます。
一般型
一般形の月額費用は、5万~25万円程度です。
食事の提供を受ける場合は、召し上がった分だけの請求になるため、食事しなかった分は料金がマイナスされます。
水道光熱費も使用した分となります。
介護型
介護型の月額費用は15万円~40万円程度です。
介護型は食事サービスを受ける前提とされています。
補助金・家賃補助
家賃の負担を軽くしたい方におすすめの住宅には、高齢者向け優良賃貸住宅があります。
高齢者向け優良賃貸住宅は法律に基づき、高齢者が安心して暮らすために国や自治体が家賃補助を行う住宅です。
高齢者向け住宅には、ほかに高齢者円滑入居賃貸住宅、高齢者専用賃貸住宅もありましたが法律の改正によりサ高住に統一されました。
高齢者向け優良賃貸住宅は、初期費用は不要で、入居後に月額費用として生活費の負担をします。
しかし、介護が必要な方は、訪問介護サービスや通所介護サービスなどを利用することになります。
介護サービス費は、介護度に応じて自己負担分を支払います。
また、施設により配膳費、掃除、洗濯費、健康管理費などの料金が設定されています。
配膳費、清掃費などは入居者本人が負担しますので、施設に確認しましょう。
高齢者向け優良賃貸住宅の費用は、負担能力に合わせて入居者本人と配偶者や子どもなどが負担します。
高齢者向け優良賃貸住宅の費用は、通常、収入額や課税額などによる差はありません。
しかし、市町村が事業を運営している場合は、所得額によって入居者に対して、家賃補助をする制度があります。
高齢者向け優良賃貸住宅は、住宅供給公社やUR都市機構などが設置、運営し、都道府県単位で認定された住宅です。
有料老人ホームなどに比べると高齢者向け優良賃貸住宅は費用が抑えられています。
収入が一定の基準以下の場合、国や自治体から最大で40%ほどの家賃補助が受けられます。
また、施設内は段差がなく、手すりが設置されている、通路が広いなどバリアフリー化が義務付けられています。
制度を利用する場合は、自治体の担当や施設に問い合わせてみましょう。
サービス付き高齢者向け住宅のメリット・デメリット
有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅はそれぞれの特徴があります。
施設選びで失敗しないために、それぞれの特徴を把握するようにしましょう。
ここではサービス付き高齢者向け住宅のメリット・デメリットを紹介します。
メリット
メリットには、以下の点が挙げられます。
- 一般型であれば賃貸契約のため入居しやすい
- 希望に合ったプランを選びやすい
- 自由度が高い
一般型であれば賃貸契約のため入居しやすい
入居金を払うことがないため、入居がしやすくなっています。
ただし、一般型の場合、介護度合いが軽くないと入居が容易ではありません。
介護度合いが重い場合、介護型であれば、入居金などの初期費用を払うことで入居できる可能性があります。
希望に合ったプランを選びやすい
サービス付き高齢者向け住宅は急速に増え、施設によって特徴が様々です。
また、施設内でも、希望に合ったプランに近いものを選べる施設もあります。
そのため金額やサービスなど自分に合ったプランを選べます。
自由度が高い
有料老人ホームと違い、自宅のような自由度の高い生活を送れることも魅力の一つです。
たとえば、外出や外泊も自由にできたり、施設によっては同居したりすることも可能です。
また、賃貸契約のため、一般住宅のように引っ越しなどもスムーズに行うことができます。
万が一のための安否確認と生活相談のサービスがついているので安心して過ごせます。
デメリット
サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ際には、以下のようなデメリットに注意しましょう。
- 一般型であれば要介護度合いが高くなると退去させられるか移動させられやすい
- 一般住宅の費用より高くなる
要介護度合いが高くなると退去させられるか移動させられやすい
一般型は自立できる方や要介護度合いが軽い方を中心とした住宅となっています。
そのため、要介護度合いが重くなってしまうと、施設によっては退去か介護型へ移動させられることもあります。
また、規定に則った行動ができない、施設内トラブルの原因となる、などの場合も退去させられることがあります。
一般住宅の費用より高くなる
一般型であれば、介護付きサービス有料老人ホームよりは10万近く費用を抑えることができますが、一般住宅より費用は高くなってしまいます。
安否確認や生活相談に加え、オプションで生活支援サービスや介護サービスなど、一般住宅と違い、その分のサービスがついています。
価格帯は高くなりますが、高齢者が安心して生活をおくることのできる住宅となっています。
[blueFrame title="サ高住の問題点" texts="・囲い込みによる不当な請求・利益重視の施設もある・入居者のニーズと運営体制のズレ"]サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者の住居として人気の高い生活施設です。[…]
サービス付き高齢者向け住宅への入居が向いている人の特徴
様々な施設を選択する上で、上記メリット・デメリットを考慮する必要があります。
状況によってはサービス付き高齢者向け住宅以外の介護施設が向いている場合があります。
サービス付き高齢者向け住宅の入居が向いている人の特徴は以下の通りです。
サ高住への入居がおすすめな人
- 一人暮らしや高齢者のみの世帯
- 経済的に有料老人ホームは難しいがある程度余裕がある方
- 日常生活が自立している、または介護度が軽い方
- 食事などセルフケアは自立しているが掃除など生活支援や安否確認や必要な方
サ高住以外の介護施設の検討が必要な人
- 介護度が重く、食事などセルフケアに介助が必要な方
- 医療ケアの割合が高い方
- 認知症を患い、周辺症状で迷惑行為等がみられる方
- 常時見守りが必要な方
- 経済的に不安のある方
サービス付き高齢者向け住宅の入居までの流れとポイント
サービス付き高齢者向け住宅の生活条件を決め、様々な手段で条件に合う施設を探します。
条件に合った施設を見つけた後から実際入居するまで7つの工程が必要です。
具体的には以下の通りです。
見学
条件に合った施設を実際に足を運んで見学します。
事前に施設の担当者に連絡を取り、希望日時を決定しておくとスムーズに見学できます。
施設スタッフの案内の際、利用料金や周辺状況など確認しておくといいでしょう。
1つの施設見学だけでは立地や部屋環境など比較することが出来ません。
複数の施設を見学し、施設内外の特徴を比較することをおすすめします。
仮申し込み
見学した情報をもとに、入居希望が固まったら仮申し込みを行います。
主な手順として、施設指定の入居申込書に記入し提出します。
施設によっては仮申し込みの段階で身分証明等を求められる場合があります。
入居審査
仮申し込み後、申し込みした方の入居の可否について入居審査があります。
入居審査は以下のポイントをもとに審査されます。
- 家賃等の支払い能力
- 身元保証人の確保
- 施設生活が可能な健康状態
入居審査の際、必要な書類は施設により異なります。
必要書類の一般例は以下の通りです。
- 身分証明書
- 健康保険証
- 介護保険証
- 年金など収入が明示された書類
- 健康診断など健康状態を証明する書類
- 連帯保証人や身元引受人になる方の身分証明書
面談
契約前に入居希望者と、施設側との面談があります。
面談の目的は施設情報の再確認と入居希望者の状態把握です。
施設側が提示したサービス内容や設備内容、月額費用、利用方法などを確認します。
また、入居希望者の健康状態や施設への要望なども聴取します。
面談は主に施設内で行いますが、自宅や入院先等で行う場合もあります。
本契約
入居審査、面談終了後、入居希望者と施設側の意向が確定したら本契約となります。
まず、施設側から利用に関する重要事項の説明があります。
重要事項の内容は主に以下の通りです。
事業主体概要 | サービス付き高齢者向け住宅事業の概要 | 建物概要 | サービス内容 | 職員体制 |
利用料金 | 入居者の状況 | 苦情や事故等に関する体制 | 入居希望者への事前の情報開示 | その他 |
重要事項の内容を理解・合意した後、契約書に押印します。
本契約の際、必要な書類等は以下の通りです。
- 入居希望者の印鑑、印鑑証明書
- 連帯保証人や身元引受人の印鑑、印鑑証明書
- 入居希望者の戸籍謄本、住民票
入居金支払い
本契約締結後、施設から提示された入居金を支払います。
入居金は敷金として支払う場合が多く、施設により金額は異なります。
敷金以外に契約付きの日割り家賃や翌月分の家賃を支払う場合があります。
入居
契約、入居金支払い後、入居の準備を始めます。
住民票の異動、身分証明書等の住所変更等の手続きが必要となります。
水道・電気・ガスなどの契約は施設により個人契約または施設契約など異なります。
サービス付き高齢者向け住宅の選び方のポイント6選
サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ際、6つポイントがあります。
具体的には以下の通りです。
検索手順
サービス付き高齢者向け住宅は様々な手段で検索することができます。
具体的には以下の通りです。
- 介護施設等の検索サイト
希望の条件を入力するとある程度絞り込みが可能。
類似した施設の比較が可能。
- 市町村や公的機関の情報
近隣の施設間の比較が可能。
- ケアマネージャーの情報
ケアマネージャーは施設の詳細な情報や空き情報など把握していることが多い。
対応可能な要介護度
施設によって要介護度の受け入れは異なります。
また入居後心身機能の変化により要介護度が重くなり退去要件に該当する場合があります。
しかし、施設によっては要介護5でも受け入れてくれる施設はあります。
事前に対応可能な要介護度を確認しておくことをおすすめします。
立地条件
入居後、生活の利便性は重要となります。
近くにお店や公共機関、医療機関や金融機関などがあると生活が便利になります。
家賃やサービス費用
一般的な賃貸物件と比較しサービス付き高齢者向け住宅は家賃が高くなる傾向があります。
また、都心部や周辺環境がよい場合は家賃が高くなる傾向があります。
外部から介護サービス等を利用する場合、月額料金に上乗せされて請求されます。
自身の収入や身体状況等に応じた条件で施設を探すことをおすすめします。
部屋の広さ
サービス付き高齢者向け住宅は居室等の最低面積が法律で定められています。
しかし、上限は定められていないため部屋の広さは施設により異なります。
居室内でどのような説活を営むか十分に考えた上で部屋の広さを選びましょう。
医療体制の充実度
一般的にサービス付き高齢者向け住宅は医療機関と提携しています。
しかし、施設内に医師は常駐していないところがほとんどです。
通院等の送迎の有無や医師等の訪問診療の有無なども確認することをおすすめします。
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有料老人ホームとの比較
有料老人ホームはサービス付き高齢者向け住宅と類似点があり、よく比較対象となります。
有料老人ホームの種類によっては比較するサービス内容の項目が異なります。
サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの種類による比較は以下の通りです
有料老人ホームはサービス付き高齢者向け住宅と類似点があり、よく比較対象となります。
有料老人ホームの種類によっては比較するサービス内容の項目が異なります。
サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの種類による比較は以下の通りです
- サービス内容
- 利用目的
- 費用
住宅型有料老人ホームとの違い
サービス内容
住宅型有料老人ホームは安否確認と生活相談に加え、食事提供や掃除、洗濯などの生活支援サービスも義務付けられています。
また、レクリエーションやイベントも活発的で、サービス付き高齢者向け住宅と対照的です。
利用目的
生活支援サービスや外部の介護サービスを受けられることで、充実した生活と自立を目的とした生活を送っています。
サービス付き高齢者向け住宅の一般型は、要介護度合いの軽い高齢者が対象で、緊急時に対応できる環境のもと、自立を前提とした自由度の高い生活を送ることを目的としています。
費用
住宅型有料老人ホームは利用権契約で、サービスや設備、イベントなどが充実しています。
そのため、初期費用と月額費用は一般型のサービス付き高齢者向け住宅より高くなります。
介護付き有料老人ホームとの違い
サービス内容
介護付き有料老人ホームは原則要介護度1以上の方が利用できます。
介護スタッフが24時間常駐し、セルフケアやリハビリなどのサービスが受けられます。
また、毎月提携病院から往診があるため健康面の管理が行いやすいです。
利用目的
介護付き有料老人ホームは要介護の方が自立して地域で暮らすことを目的にしています。
セルフケアや生活等の援助、リハビリ等利用者の状態に合わせてサービスを受けられます。
サービス付き高齢者向け住宅は日常生活が自立又は介護度が軽い方が対象となります。
生活の不安を解消するため、緊急時の対応や自立度の高い生活の確保を目的にしています。
- 費用
介護付き有料老人ホームは、住宅型有料老人ホームと同じく利用権契約です。
介護サービスを手厚く提供するため人員配置が充実しています。
結果、初期費用と月額費用はサービス付き高齢者向け住宅より高くなります。
住宅型有料老人ホームについて詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。
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シニア向け分譲マンションとの違い
また、シニア向け分譲マンションとの違いはなんでしょうか。
以下の点を中心に解説していきます。
- サービス内容
- 利用目的
- 費用
サービス内容
シニア向け分譲マンションは安否確認と緊急時の対応に加え、食事や洗濯、掃除などの生活支援サービスを提供しています。また、マンション内でのレクリエーションやイベントも活発で、サービス付き高齢者向け住宅と対照的です。
利用目的
シニア向け分譲マンションは、民間事業者によって販売・運営されているバリアフリーの分譲マンションです。
そのため、緊急時に対応できる環境のため、高齢者は安心して住むことができます。
サービス付き高齢者向け住宅の一般型は、要介護度合いの軽い高齢者が対象で、緊急時に対応できる環境のもと、自立を前提とした自由度の高い生活を送ることを目的としています。
費用
一般の分譲マンション同様、購入費用と毎月の管理費、修繕積立金、食費がかかります。
一括で購入する場合、数千万~数億円の購入費用と、十万~数十万円の月額費用がかかります。
サービス付き高齢者向け住宅の一般型は賃貸契約のため、初期費用と月額費用を安く済ませることができます。
シニア向け分譲マンションについて詳しく知りたい方は下記の記事も併せてお読み下さい。
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サービス付き高齢者向け住宅の設備基準と人員配置基準は?
サービス付き高齢者向け住宅は「高齢者住まい法」に定められた施設です。
施設を開設するために設備基準や人員配置基準を満たす必要があります。
具体的な基準は以下の通りです。
設備基準
設備基準は居室面積や共有スペースの面積等が定められています。
具体的には以下の表の通りです。
基準項目 | 内容 |
居室 | 1戸あたりの床面積は原則25㎡以上 ※居間・食堂・台所等共用の設備がある場合は18㎡以上 |
各戸に必要な設備 | 台所、水洗便所、収納設備、洗面設備及び浴室 を備える必要がある |
床 | バリアフリー |
廊下幅 | 78cm以上 |
出入り口の幅 | 居室は75cm以上、浴室は60cm以上 |
浴室の規格 | 短辺120cm、面積1.8㎡以上 ※1戸建の場合、短辺130cm、面積2㎡以上 |
手すり | 便所、浴室及び住戸内の階段に手すりを設置 |
エレベーター | 3階建以上の共同住宅は、エレベーター設置義務 |
出典:高知県「サービス付き高齢者向け住宅登録基準(概要)」
人員配置基準
人員配置基準は日中1人以上医療・介護の有資格者が常駐する必要があります。
人員配置基準に必要な資格等の例は以下の表の通りです。
医療法人、社会福祉法人、指定居宅サービス事業者等に従事する者 | 医師 | 看護師 | 准看護師 |
介護福祉士 | 社会福祉士 | 介護支援専門員 | 介護職員初任者研修修了者 |
人員配置基準は一般型と介護型で異なります。
具体的には以下の表の通りです。
介護職員 | 看護職員 | 夜勤の職員 | |
一般型 | 常駐 | 必須ではない | 必須ではない |
介護型 | 24時間常駐 | 常駐 | あり |
サービス付き高齢者向け住宅で働くには?
サービス付き高齢者向け住宅で働く場合必要な資格や給料等情報収集する必要があります。
働く条件としては以下の通りです。
必要な資格やスキル
前述の人員配置基準に基づく資格は必要となります。
常勤スタッフは介護職員初任者研修修了者や介護福祉士が多い傾向にあります。
しかし、事務作業や簡単な生活サポート等の仕事は無資格・未経験で働くことも可能です。
主な仕事内容|1日の流れ
サービス付き高齢者向け住宅の主な仕事は安否確認と生活相談です。
安否確認は最低1日1回以上居室訪問や電話にて入居者の状況把握をする必要があります。
生活相談は入居者の相談や要望に応じ、買い物代行や家族連絡等生活サポートを行います。
介護型サービス付き高齢者向け住宅の場合上記に加えセルフケアや身体介護も含まれます。
1日の流れは事業体の運営形態により異なります。
具体的には以下の通りです。
- 訪問介護併設型:介護が必要な利用者宅に訪問し介護サービスの提供
- デイサービス併設型:日中はデイサービスを利用し、夜間の見守りや介護等を行う
- 併設なし:おおむね日中に安否確認や状況把握、フロント業務など
給料の相場
給料は働く場所や施設の規模、夜勤や賞与の有無等により異なります。
東京都の給料の相場は以下の通りです。
- 月給:20~32万円
- 年収:250~450万円
働く上で知っておくべきメリット・デメリット
サービス付き高齢者向け住宅で働く場合、様々なメリットやデメリットがあります。
具体的には以下の通りです。
メリット
- 身体負担が少ない:利用者が自立、要介護度の軽い方が多いため身体介護が少ない
- 接遇やマナーの学習:利用者とのコミュニケーションを通じて学ぶことができる
- 長期間利用者と関われる:利用者との関係性の向上、利用者の変化を感じられる
デメリット
- 介護技術が磨きにくい:身体介護が少なく実技のスキルアップが図りにくい
- 給料が安い:介護事業所でないため介護職員処遇改善手当の対象外になる
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サービス付き高齢者向け住宅は看取り可能?
看取りとは、無理に延命治療せず自然に亡くなるまで見守ることをいいます。
延命治療は行わず、看取り看護を施すことで、亡くなるまで心身ともに苦痛を和らげることができます。
近年、サービス付き高齢者向け住宅で看取りを実施している施設、実施可能としている施設が増えていることが分かっています。
実際に看取りを行っているサービス付き高齢者向け住宅があるのが現状ですが、本来は病院や介護付き有料老人ホームなどの、介護施設が担うべきことを代わって看取りを行っていることになります。
これは高齢化社会の進行に伴い、終末期高齢者の受け入れができる施設が足りなくなってきており、サービス付き高齢者向け住宅で看取ることになってしまっていると考えられています。
しかし、実際にはサービス付き高齢者向け住宅の居住者の大半は人生の最後まで住みたいと思う方は少なくありません。
サービス付き高齢者向け住宅での看取り介護が施設職員によるものなのか、外部からの訪問介護によるものなのか、正しい介護ができているのか、など調査が必要であることが現状です。
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サービス付き高齢者向け住宅のまとめ
今回は、サービス付き高齢者向け住宅のサービスや他施設との違いについてご紹介しました。
サービス付き高齢者向け住宅についての要点を以下にまとめます。
- サービス付き高齢者向け住宅では、自由度の高い生活を送ることができる
- サービス付き高齢者向け住宅のサービス内容は、安否確認と生活相談を基本サービスとし、そのほか追加サービスがある
- サービス付き高齢者向け住宅は、入居しやすいなどのメリットがあるが、要介護度合いが重くなると退去させられる可能性がある
- サービス付き高齢者住宅は看取りを実施しているが、正しい看取り介護ができているか今のところ保証はできない
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。