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健達ねっと>介護お役立ち記事>介護施設>親を施設に入れるとは?入居を嫌がられた時の対処法も解説!

親を施設に入れるとは?入居を嫌がられた時の対処法も解説!

少子高齢化が進み介護をする人が増えています。
介護の負担を減らす手段として、介護施設の利用が挙げられます。

親を介護施設に入れるにはどのような手続きが必要なのでしょうか?

今回は、親を施設に入れる手順について、以下の項目を中心に解説します。

  • 親を施設に入れる手順とは
  • 施設への入居のタイミング
  • 高齢者を介護するにあたっての不安の解消法

親を施設に入れる手順を理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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親を施設に入れる手順

親を施設に入れるにはどのような手順が必要となるのでしょうか?
親を施設に入れる手順をご紹介します。

1.本人を含む家族で話し合い

親を施設に入れる手順の1つ目は、本人を含む家族での話し合いです。
まずは本人の意思を把握することが大切です。

施設への入居だけでなく、自宅での介護・ホームペルパーなども視野にいれましょう。
どの選択が良いのか十分な話し合いが必要です。

2.施設の情報を集める

親を施設に入れる手順の2つ目は、施設の情報を集めることです。
漠然と施設を探し始めると大変なので、条件にあう施設を探すのが良いでしょう。

立地・周辺環境

施設の近くに公園やスーパー等があります。
施設外へ散歩に出かけたり、嗜好品を購入したりすることが可能です。

また、交通手段に応じて、

  • 駅から近いかどうか
  • 駐車場はあるかどうか
  • バスの本数はどのくらいか

なども調べておきましょう。

坂道や階段が多く車いすの家族が面会に行けない、交通量が多く自転車で走れない、といったこともあります。
実際に施設に出向いて立地を確認することが大切です。

費用

老人ホームによって料金が大きく異なります。
中には、入居の際に初期費用として入居一時金が必要な場合もあります。

毎月どれくらいの費用を捻出可能か、目途を立てることが必要です。
資産や年金等の収入を把握し、許容できる範囲内の施設を選びましょう。

医療・看護の体制

常時医療を受ける必要のある方は、必ず医療従事者の配置数や勤務時間について把握しましょう。
施設によってどの程度医療に対応できるかは異なります。

入居前に医療面での問題がなくても、持病が悪化することで退去を余儀なくされることがあります。
今後の生活と持病との兼ね合いを考慮に入れる必要があります。

サービス内容

施設に入居した後も楽しみや生きがいを持ち続けることは大切なことです。
施設によって、レクリエーションに特化していたり、リハビリに特化していたりと様々な特色があります。

自宅での生活をできるだけ維持できるよう、サービス内容にも注目しましょう。

居室タイプ

居室には、個室と多床室があります。
個室と他床室には以下のような特徴があります。

居室タイププライバシー面費用面
個室個室のため担保される他床室と比べると高い
他床室共同生活のため損なわれる可能性あり個室と比べると安い

それぞれの特徴を検討しましょう。

共用施設

施設によっては温泉や図書室、運動ジムが併設されています。
生活にこだわりがあり、費用面の心配がない場合は検討するのも良いでしょう。

以下のような方法から施設を検討しましょう。

  • 施設のホームページをみる
  • 施設のパンフレットを集める
  • 役所の福祉課や地域包括支援センターを利用する
  • 民間の紹介センターを利用する

3.条件に合う施設を選ぶ

親を施設に入れる手順の3つ目は、条件に合う施設を選ぶことです。
情報が集まったら、希望条件に一番合う施設を選びます。

入居する施設を決定するのではなく、候補の絞り込みが目的となります。

施設を絞り込む際は、

  • 自宅や家族の住まいからの所要時間はどのくらいかかるのか
  • 費用は予算に合うか
  • 居室や共用スペースにどのような設備があるのか
  • 介護サービスや医療ケア、生活支援サービスの内容
  • 認知症に対応しているか
  • 看取りに対応しているか

等がポイントとなります。

4.実際に施設の見学・体験入居をする

親を施設に入れる手順の4つ目は、実際に施設の見学・体験入居することです。

施設を決定する際は、絞りこんだ施設を実際に見学や体験入居をし、比較・検討すると良いでしょう。
ホームページやパンフレットの内容と実情は異なる場合がある為、必ず自分の目で確かめてください。

見学時のチェックポイントとして、

掃除が行き届いていて臭いが気にならないか入居者の表情が明るく、髪型や服装に清潔感があるか
どういった年齢・性別、要介護度の入居者が多いかスタッフは身だしなみが整っていて、明るくあいさつをして、いきいきと働いているか
スタッフは言葉遣いが丁寧で、入居者と良好なコミュニケーションを取っているかスタッフが介助する際、入居者に無理がないか
食事はメニューに偏りがなく、季節感を取り入れたものを提供しているかレクリエーション、イベントの内容、スタッフの取り組み姿勢、入居者の表情
リビングなど共用スペースの広さ、設備、明るさ居室の広さ、設備、日当たり

等を中心にチェックしてみてください。

5.施設の契約をして入居する

親を施設に入れる手順の5つ目は、契約をして入居することです。
介護施設が決定後、申込み、面談や入居審査を経て契約を結び、入居という流れになります。

契約時に必要な書類は以下の通りです。

戸籍謄本住民票印鑑証明印鑑
健康診断書
(施設指定の項目があるもの)
診療情報提供書、看護サマリーなど
(入院されていた方)
連帯保証人・身元引受人

上記は一般的に必要とされている書類です。
契約する施設に応じて、準備してください。

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施設への入居を検討するタイミング

施設への入居を検討するタイミングは以下のものがあります。

  1. 介護者が側にいない状態では危険を感じるとき
  2. 認知症の症状の進行によって、在宅介護を続けることに不安を感じたとき
  3. 介護者への介護の負担が重くなり、疲れが回復しないとき
  4. 介護者が身体介護の負担から腰を痛めたとき
  5. 介護者に気持ちの余裕がなくなり、イライラすることや不安になることが増えたとき

介護者が負担を感じている状態では、良い介護ができている状態とはいえません。
施設への入居を検討し、距離をとった方が、より良い関係を続けていけます。

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入居を嫌がられた時の対処法

親を施設に入れる手順のなかで、親が入居を嫌がる場合があります。
親が入居を嫌がる場合とその対処法をご紹介します。

嫌がられた時の対処法

施設に入居するのを嫌がるのには幾つかの理由があります。
それぞれの事例に分けた対処法をご紹介します。

家を離れたくない

住みなれた自宅で生活を続けたいといった気持ちは誰にでもあるものです。
家で過ごすことが困難な理由と、老人ホームで実現できる生活について親と話し合いましょう。

他人の世話になりたくない

要介護者は、他人に身体を触れられ、場合によっては排泄物処理の介助を必要とする場合もあります。
羞恥心や不安を持つことは当然です。

見学や体験等で施設のスタッフと実際に会いましょう。
親と施設スタッフが信頼関係を築けるように家族が気を配ることも必要です。

知らない人と共同生活することへの不安

老人ホームに入るということは、知らない人と衣食住をともにするということです。
また、嫌になったら生活をやめるというわけにもいきません。

親の性格に合わせて、1人で過ごすスペースを確保するなど、施設のスタッフに相談しましょう。

気をつけるべき点

施設への入居を嫌がられた場合の対処法をご紹介します。

親としっかり話し合う

施設に入居すると、住み慣れた家から離れ、新しい環境で、新しい人間関係を築く必要があります。

高齢の親にとってどれほど不安なことなのかを理解したうえで、本人の気持ちをすべて話してもらいましょう。
どんな意見でも、まずはしっかりと聞き入れることが大切です。

施設での生活がどのなものなのか具体的に理解してもらう

本音をしっかりと聞けたら、不安を解消しながら、施設に入ることのメリットを説明しましょう。
一方的にメリットを伝えるのではなく、本人の気持ちに共感しながら不安を取り除くことが重要です。

本人の不安に合わせて、

  • 家族と離れることを寂しがる場合、いつでも会いに行けること
  • 他の入居者=他人ではなく、お友達を増やすといったポジティブ思考に変換する
  • 施設での生活が快適である

など様々なことを伝えましょう。

第三者に話をしてもらう

家族だけでは、感情的になり、全く話を聞かないといったケースがあります。
その場合、第三者(地域包括支援センターの職員・施設の職員など)に話し合いの場に同席してもらうことが有効です。

無理矢理入居させるのはNG

本人の同意なしに入居を強行すると、後々のトラブルの原因になります。

場合によっては、施設側から退去を命じられる事もあります。
また、家族の絆に溝ができ、修復不可能となってしまうことも考えられます。

出典:内閣府『高齢者介護に関する世論調査』

施設にかかる相場費用

施設には公的施設と民間の施設の2種類があります。
それぞれの費用をご紹介します。

公共の介護施設の場合

施設種別月額費用初期費用入居対象者
特別養護老人ホーム12万円程度0円原則要介護度3以上の認定を受けた65歳以上の高齢者
介護老人保健施設10万円程度0円要介護1以上の認定を受けた65歳以上の高齢者

民間の介護施設の場合

施設種別月額費用初期費用入居対象者
介護付き有料老人ホーム25万円程度50万円程度65歳以上の高齢者
住宅型有料老人ホーム10万円程度6万円程度60歳または65歳以上、自立~要介護5の高齢者
健康型有料老人ホーム10万円~40万円0~数千万円程度自立した生活が可能である60歳以上の高齢者
グループホーム18万円程度16万円程度医師から認知症の診断書が発行されている65歳以上の高齢者で、要支援2および要介護1~5の認定を受けている方
高齢者向け分譲マンション10万〜20万円程度数千万〜数億円程度自立した生活が可能な高齢者

民間施設の場合の初期費用は、施設によって数十万~数千万円とばらつきが大きいです。

民間の介護施設の場合、入居条件は施設ごとに異なる場合があります。
検討している施設に直接問い合わせることをおすすめします。

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高齢者介護に対する不安

内閣府の世論調査によると、超高齢社会についてどの程度関心があるか聞いたところ「関心がある」とする人の割合が85.6%いることが分かっています。

以下、同じく内閣府の世論調査において、自分に介護が必要になった場合と、家族に介護が必要になった場合の困る点についての回答を記します。

【自分自身に介護が必要になった場合に困る点】

困る点割合
家族に肉体的・精神的負担をかけること68.1%
介護に要する経済的負担が大きいこと53.6%
収入がなくなること27.9%
人生の楽しみが感じられなくなること27.6%

【家族に介護が必要になった場合に困る点】

困る点割合
食事や排泄、入浴など世話の負担が重く、十分な睡眠が取れないなど肉体的負担が大きいこと62.5%
ストレスや精神的負担が大きいこと57.9%
家を留守にできない,自由に行動できないこと52.5%
介護に要する経済的負担が大きいこと50.3%

介護する側は、精神的・肉体的に負担がかかることに対しての不安を持っていることが分かります。
一方介護される側は、家族に対して負担をかけたくないという不安を持っていることが分かります。

現在、介護される側の方はもちろん、自らも将来的には”される側”になります。
今のうちから介護施設の知識をしっかりとつけておくことで、自分の立場が変わった時の不安感が軽減されます。

また、知識があることで施設への入居を受け入れやすくなることから、家族への負担も最小限に抑えられるはずです。

出典:内閣府『高齢者介護に関する世論調査』

薬の使い方

親を施設に入れる手順のまとめ

今回は親を施設に入れる手順についてご紹介しました。
親を施設に入れる手順についての要点を以下にまとめます。

  • 親を施設に入れる手順は、話し合い→情報集め→施設を選ぶ→見学・体験→契約
  • 介護者が介護を負担に感じた時が、施設への入居検討のタイミング
  • 普段から介護の知識を入れておくことで、不安から解消される

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
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  • 障がい者雇用

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