介護の資格を取得する上で、どのような資格があるのか気になると思います。
初任者研修以外にも介護の資格があり、介護福祉士実務者研修や介護福祉士についても知りたいところです。
本記事では、介護福祉士実務者研修を中心に以下の点をご紹介します。
- 介護福祉士実務者研修とは
- 介護福祉士実務者研修の学習内容
- 介護福祉士実務者研修をするメリット
- 介護福祉士になるまでのステップ
ここでの記事の内容が、介護福祉士実務者研修を知りたい方に良いものであるとうれしい限りです。
ぜひ最後までお読みください。
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介護福祉士実務者研修とは
介護福祉士実務者研修について解説します。
介護サービスを提供する上で、より実践的で質の高い介護サービスを提供するための研修です。
初任者研修よりも専門性とスキルが高い研修となっています。
受講資格や受講形態、どのぐらいの期間と費用が必要なのかを解説します。
受講資格
受講資格は特に制限は無く、だれでも受講できます。
未経験の方から、すでに仕事をしている方まで多くの方が受講しています。
初任者研修を修了せずに受講可能です。
受講形態
受講形態には、通信講座や通学講座があります。
通信講座とは、介護福祉士実務者研修の課題を自宅で出来る受講形態です。
紙での解答用紙の場合もあれば、パソコンやスマートフォンなどで回答する方法もあります。
仕事をしながら休みの日に自分のペースで課題を進めることができるため、自分のペースで受講することができます。
すべての講義を通信講座で受講する事は出来ないため、注意が必要です。
通学講座とは、介護福祉士実務者研修の講義する学校に直接行き授業を受ける受講形態です。
直接講師と対話をしながら講義をするため、分かりづらい部分を質問しやすいです。
「介護過程Ⅲ」と「医療的ケア(演習)」は通学での受講が必須となります。
期間
期間についてです。
介護福祉士実務者研修には全カリキュラムが20科目あり、合計で450時間あります。
日数にすると6ヶ月ほどの研修を修了する必要があります。
初任者研修を修了していれば、実務者研修の一部科目を免除できます。
その場合、通信講座の自宅学習と7日から10日ほどの通学で2ヶ月ほどで取れてしまいます。
費用
介護福祉士実務者研修はスクールにより費用が異なります。
以下のスクールは、全国に講座を開講しています。
地方に住んでいる方は、近くに会場があるか確認してみましょう。
- ニチイ
- 三幸福祉カレッジ
- 資格の大原
- しかくの学校ホットライン
また、受講料は初任者研修資格取得者向け講座で12万円が平均値となっています。
高いスクールだと19万円程度や、安いところで8万円程度とスクールによって差があります。
初任者研修取得者の場合は、割引があるので確認しましょう。
合格率
介護福祉士実務者研修の修了判定は、一律に決まっていません。
また、研修を実施しているスクールによって多少の差があります。
しかし、しっかりと講師の説明を聞いていれば理解できる内容なので、合格率はほぼ100%となっています。
座学では、学習した内容を復習するような課題が提出されます。
間違いが多ければ繰り返し課題を提出する可能性もあります。
介護福祉士実務者研修は落とすための試験ではないので、落ち着いて挑みましょう。
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スクール選びのポイント
介護福祉士実務者研修は、通学または通信講座で開講されています。
しかし、通うのが面倒だからという理由で通信講座を選ぶのはやめましょう。
通信講座でもスクーリングによる履修科目はあります。
自分に合ったカリキュラムを選ぶ
働きながら実務者研修を受講しようと考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、受講スケジュールを事前に確認していても仕事の都合上、受講できないこともあると思います。
スクールによっては、振替受講や受講期間延長制度などのサポートがあるので、講座を選ぶ際はチェックしましょう。
サポート制度
振替制度は、仕事をしながら受講する方には最も大切な制度です。
カリキュラムは長期間あるため、仕事の都合や体調不良などで休まなければならないこともあるかと思います。
振替制度はスクールによって内容が異なります。
そのため、スクールを選ぶ際にはよく確認しましょう。
受講期間延長制度は、受講開始しても長期的に休む必要があったり、期間内に修了できないこともあるでしょう。
延長制度があるスクールであれば、延長できるので安心です。
また、延長制度がないスクールでは、事情を話せば融通を効かせてくれる場合もあるので、確認しましょう。
そのほか、勉強していく中で疑問に思うことや質問がでてくると思います。
授業終了後に質問して解決できる場合もありますが、自宅で勉強中に解決したいときに電話やメールで質問できると安心です。
スクールによってはサポート体制やサポート方法も異なるので、事前に確認することが大切です。
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介護福祉士実務者研修の学習内容
介護福祉士実務者研修の学習内容を解説します。
履修科目は20科目あります。
それぞれの研修時間についても記述します。
研修科目 | 履修時間 | 研修科目 | 履修時間 | ||
1 | 人間の尊厳と自立 | 5時間 | 11 | 認知症の理解Ⅰ | 10時間 |
2 | 社会の理解Ⅰ | 5時間 | 12 | 認知症の理解Ⅱ | 20時間 |
3 | 社会の理解Ⅱ | 30時間 | 13 | 障がいの理解Ⅰ | 10時間 |
4 | 介護の基本Ⅰ | 10時間 | 14 | 障がいの理解Ⅱ | 20時間 |
5 | 介護の基本Ⅱ | 20時間 | 15 | こころとからだのしくみⅠ | 20時間 |
6 | コミュニケーション技術 | 20時間 | 16 | こころとからだのしくみⅡ | 60時間 |
7 | 生活支援技術Ⅰ | 20時間 | 17 | 介護過程Ⅰ | 20時間 |
8 | 生活支援技術Ⅱ | 30時間 | 18 | 介護過程Ⅱ | 25時間 |
9 | 発達と老化の理解Ⅰ | 10時間 | 19 | 介護過程Ⅲ | 45時間 |
10 | 発達と老化の理解Ⅱ | 20時間 | 20 | 医療的ケア | 50時間 |
1、2、4、7、8、11、13、15、17の講義は、初任者研修を修了していると免除となります。
介護福祉士実務者研修をするメリット
介護福祉士実務者研修をするメリットを5つ紹介します。
1、サービス提供責任者になって給料アップ
実務者研修を修了すると、訪問介護事業所のサービス提供責任者になれます。
サービス提供責任者の主な仕事内容は、訪問介護計画書の作成業務、介護スタッフの指導と教育です。
専門的な仕事ができるため、他の介護職員よりも給料が高い傾向があります。
令和2年の給料平均では、介護職員よりもサービス提供責任者が3万円ほど高い給料となっています。
2、国家資格である介護福祉士の受験資格を得られる
国家資格である介護福祉士の受験資格を得られます。
介護福祉士を受験するためには、実務経験3年以上と介護福祉士実務者研修を終了している必要があります。
次への資格のステップを目指せるのはメリットです。
3、専門性の高い知識や技術が身につく
専門性の高い知識や技術が身につきます。
介護福祉士初任者研修では、介護過程の展開について学べます。
他の受講生と一緒に課題を検討し、自分の意見や他の受講生の意見を合わせて利用者のためのケアを検討します。
介護過程の展開ができれば、生活上の問題を解決して利用者の生活の質を上げる事につながります。
また医療的ケアを学べます。
たんの吸引や経管栄養について実践的に学べます。
実務者研修を修了しただけでは医療ケアをすることはできません。
ですが実務者研修を修了した後にそれぞれの研修を受講することで、医療的ケアを行うことができます。
研修を受講しなくても、専門的な知識を知れるのは大きなメリットです。
4、スキルアップできて周囲から認められる
実務者研修を修了することで、専門性が高い事を他職員へのアピールできます。
介護過程の展開や医療的ケアの知識は、専門性が高く自分の自信にもつながります。
利用者のケアの向上やケアのレベルアップにも繋がり、出来る仕事が増えます。
5、就職や転職に有利
介護業界は無資格、未経験の募集が多い業界です。
中には特定の資格以上を条件に募集をする事業所もあります。
その中で介護福祉士実務者研修の資格持っていると、募集をする事業所の印象が違ってきます。
訪問介護事業所ではサービス提供責任者になれるため、就職や転職に有利な資格と言えます。
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介護職員のキャリア
介護業界は、無資格でも活躍できる業界でもあり、未経験の職員や、資格を所持していない職員も多く働いています。
しかし、無資格の場合は仕事内容が限られてしまったり、給料が低めになることもあります。
そのため、初任者研修や実務者研修などの資格を取得することで、仕事の幅を広げましょう。
介護職員のキャリアアップには、以下の順の方法があります。
- 初任者研修
- 実務者研修
- 介護福祉士
- 認定介護福祉士
初任者研修、実務者研修は無資格でも受講できます。
しかし、実務者研修は介護初心者には難しい可能性があります。
また、介護福祉士国家試験を受ける場合、経験年数が浅いうちは受験要件を満たすことができません。
そのため、介護職員として働き始めたばかりで資格取得を急いでいないときは、初任者研修から受講するのがおすすめです。
介護福祉士になるまでのステップ
介護福祉士になるまでのステップを解説します。
ここでは介護業務の実務経験を積んだ上でのルートとなります。
1、実務者研修を修了する
介護福祉士試験の受験資格に実務者研修の修了が必須となりました。
ですので実務者研修を修了する必要があります。
介護福祉士を目指していてまだ取得していない場合は、取得しましょう。
2、就業期間3年以上、かつ従事日時540日以上
介護業務を3年以上仕事をして、なおかつ540日以上勤務する必要があります。
介護施設に勤務していても、業務によっては介護福祉士受験資格に該当する介護業務に当たらない場合もあります。
年次有給休暇、特別休暇、出張、研修などで介護業務していない日数は含まれません。
心配であれば施設職員に確認することをお勧めします。
3、介護福祉士試験
介護福祉士試験では、試験会場で筆記試験を受けることになります。
筆記試験はマークシート式で、5つの選択肢から正解を1つ選ぶ試験です。
4領域12科目と総合問題を合わせた13科目の範囲から全部で125問が出題されます。
合格基準は、総得点の6割ほどで、問題の難易度により合格点が上下します。
1つの科目で1点も点数が無い場合は、他の科目の点数を合計して合格点だった場合でも不合格となります。
介護福祉士試験に合格すれば、介護福祉士の合格証と一緒に登録申請書が届きます。
資格登録をすれば、介護福祉士の資格取得となります。
介護福祉士の試験内容についてより詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてください。
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介護福祉士実務者研修まとめ
ここまで介護福祉士実務者研修についてを中心に書いてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- より実践的で質の高い介護サービスを学ぶ研修
- 介護過程の展開や、医療的ケア等の専門的な知識を学習する
- 3年の実務経験と介護福祉士実務者研修を修了すると介護福祉士の受験資格が得られる
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。