自宅で受けられる介護サービスについて、インターネットで探していると「居宅介護」「訪問介護」というキーワードが目につくかと思います。
この居宅介護と訪問介護、似た言葉ではありますがどのような違いがあるのでしょうか?
そこで今回は、居宅介護と訪問介護の違いについて、以下の点を中心に説明していきます。
- 居宅介護と訪問介護のサービス内容の違い
- 居宅介護と訪問介護の対象者の違い
- 居宅介護と訪問介護の費用、自己負担割合
本記事を読んで、どちらを利用するか検討する際の参考にしていただけると幸いです。
居宅介護と訪問介護の違いについて正確に理解するために、ぜひ最後までお読みください。
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居宅介護と訪問介護の違いとは?
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「居宅介護」と「訪問介護」のいずれも、訪問介護員(ホームヘルパー等)が利用者の居宅に訪問して、介護サービスを提供することに違いはありません。
しかし、サービスの根拠となる法律上の制度が異なるため、利用対象者とサービスの内容が行政上は明確に区分されています。
居宅介護とは
居宅介護は障害者総合支援法による、介護給付サービスの1つです。
入浴・排せつ・食事等の介護、調理・家事並び生活等に関する相談、その他生活全般に渡る援助を行います。
居宅介護の他にも、障害者総合支援法による介護給付サービスには、次のようなものがあります。
- 重度訪問介護
- 同行援護
- 行動援護
- 重度障害者等包括支援
- 短期入所(ショートステイ)
- 療養介護
- 生活介護
- 施設入所支援
訪問介護とは
訪問介護は介護保険法の下で行われる、指定居宅サービスのことを指します。
別名「ホームヘルプサービス」ともいい、自宅へホームヘルパーが訪問し、食事・排せつ・入浴などの身体介護や、料理・掃除といった生活援助を行います。
ケアマネージャーなどが、介護保険サービスの調整や相談を行うことを「居宅介護支援」といいます。
似た言葉でややこしいのですが、障害者総合支援法の介護給付サービスによる、「居宅介護」とは違います。
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居宅介護と訪問介護の対象者の違い
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居宅介護と訪問介護、法律制度に違いがあることを説明しましたが、対象となるのはどんな人なのでしょうか。
居宅介護
対象は、18歳以上の身体障害・精神障害・知的障害で障害支援区分1以上と認定された方及び18歳未満のこれに相当する障害児となります。
通院時等の乗降介助を受ける場合は、障害支援区分2以上で、障害支援区分の認定調査項目のいずれか1つ以上認定されることが必要です。
障害支援区分 認定調査項目
- 歩行 :全面的な支援が必要
- 移乗、移動:見守りの支援が必要、部分的な支援が必要又は全面的な支援が必要
- 排尿、排便:部分的な支援が必要又は全面的な支援が必要
訪問介護
訪問介護は下記の方々が対象となります。
- 65歳以上の第1号被保険者で要介護状態にある方
- 40~64歳の第2号被保険者で、特定疾病が原因で要介護状態にある方
特定疾病とは、末期がんやパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症など全16種類の病気を指します。
高齢化が進み、要介護者の増加や介護期間の長期化などがみられるようになりました。また、老老介護という言葉もあるように介護する家族も高齢化しています。そういった現状を踏まえ、介護の負担を減らすために作られた制度が介護保険です。[…]
居宅介護と訪問介護の受けられるサービスの違い
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居宅介護と訪問介護で利用できるサービス内容についてそれぞれまとめました。
どちらのサービスでも、利用者の直接的な援助にならないものや、医療行為を受けることはできません。
居宅介護
ホームヘルパーによる身体介護、家事援助、その他生活全般の援助のサービスを受けられます。
受けられるサービス
- 身体介護:食事、排せつ、入浴、着替えなど
- 家事援助:調理、掃除、洗濯、生活必需品の買いものなど
- 通院時の乗降、移乗介助
訪問介護
対象者は違いますが、訪問介護でも受けられるサービスには大きな違いはありません。
ホームヘルパーが利用者の自宅に訪問し、下記のような援助をしてくれます。
受けられるサービス
- 身体介助:食事や入浴など、利用者の身体に直接触れて行う介助
- 生活援助:家事の援助
- その他生活全般の援助
居宅介護と訪問介護の費用・利用期間の違い
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居宅介護と訪問介護の費用、利用期間についてまとめました。
居宅介護
障害福祉サービスである居宅介護は、基本的に利用金額の1割を自己負担することになっています。
障害の程度やサービスの利用状況は関係せず、利用者の所得で自己負担する上限が決められます。
この上限金を超えて、サービス料金を支払うことはありません。
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限額 |
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)※入所施設利用者、グループホーム利用者を除く | 9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
サービス支給期間は、ほとんどの場合1か月を単位とし、1年までの期間で支給されています。
訪問介護
介護保険サービスに分類される訪問介護は、所得に応じて1割~3割の自己負担額が発生します。
3割負担となる場合:両方の項目に該当する方
- 65歳以上の方で合計所得金額が220万円以上
- 合計所得金額と年金収入の合計が340万円以上
(同一世帯65歳以上の人数が2人以上の場合は、合計463万円以上)
2割負担となる場合:両方の項目に該当する方
- 65歳以上の方で合計所得金額が220万円以上
- 合計所得金額と年金収入の合計が280万円以上340万円未満
(同一世帯65歳以上の人数が2人以上の場合は、合計346万円以上463万円未満)
または、下記の両方の項目に該当する方
- 65歳以上の方で合計所得金額が160万円以上220万円未満
- 合計所得金額と年金収入の合計が、280万円以上
(同一世帯65歳以上の人数が2人以上の場合は、合計346万円以上)
1割負担となる場合:いずれかの項目に該当する方
- 65歳以上で合計所得金額が160万円未満
- 合計所得金額と年金収入の合計が280万円未満
(同一世帯65歳以上の人数が2人以上の場合は、合計346万円未満)
- 65歳未満の方
- 市民税非課税の方
- 生活保護受給者の方
介護保険利用期間内であれば、ケアマネージャーに相談して、訪問介護の利用頻度を調整することができます。
居宅介護と訪問介護の資格の違い
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居宅介護事業所・訪問介護事業所には、ホームヘルパーが多く配属されています。
ホームヘルパー(訪問介護員)になるには、介護職員初任者研修(または上位資格の介護福祉士実務者研修)の修了が必須です。
どちらの事業所もホームヘルパーの他に、介護福祉士や看護師が働いています。
そして、サービス提供責任者が必ず配置されています。
居宅訪問系サービス従業者の資格要件は、それぞれ次のように定められています。
サービス提供責任者
- 介護福祉士、看護師、准看護師
- 実務者研修修了者、介護職員基礎研修修了者
- 居宅介護従業者養成研修(訪問介護員養成研修)1級課程修了者
- 居宅介護職員初任者研修(介護職員初任者研修)修了者であって、3年以上介護等の業務に従事した者
従業員
- 介護福祉士、看護師、准看護師
- 実務者研修修了者、介護職員基礎研修修了者
- 居宅介護従業者養成研修(訪問介護員養成研修)1級課程修了者
- 居宅介護職員初任者研修(介護職員初任者研修)修了者
- 障害者居宅介護従業者基礎研修(訪問介護養成研修3級課程)修了者
居宅介護と訪問介護の違いのまとめ
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ここまで居宅介護と訪問介護について、サービス内容の違いや、自己負担割合の違いなどについて説明してきました。
本記事のポイントをおさらいすると、以下の通りになります。
- 居宅介護と訪問介護ではサービス内容に大きな違いはないが、背景にある法律制度が違う
- 居宅介護は障害支援区分1以上に認定された方、訪問介護は要介護状態の高齢者が主な対象となる
- 居宅介護は基本的に1割が自己負担、訪問介護は所得によって1割~3割負担となる
これらの情報が、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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