介護施設は多くの方をサポートできるよう、多様なサービスを提供しています。
しかし、胃ろうがある方の場合、慎重に介護施設を選ぶ必要があります。
介護施設は胃ろうがあっても入居できるか?
胃ろうがあっても受け入れてくれる介護施設とは?
本記事は介護施設における胃ろうの方への対応について、以下の点を紹介していきます。
- 胃ろうとは
- 胃ろうでも介護施設に入居できるのか
- 胃ろうの方が入居できる介護施設の選び方
介護施設での胃ろうについて理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
介護施設について詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
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胃ろうとは
※画像はイメージです
胃ろうとは栄養摂取の1つの手段です。
- 胃ろうとはどのようなものなのか
- 胃ろうの方の生活の様子
など詳しく説明していきます。
「胃ろう」とは胃に穴をあけ、カテーテル(管)を通すことで、栄養を摂取する方法です。
また、別名PEG(ペグ:Percutaneous endoscopic gastrostomyの略語)といいます。
胃ろうが必要となるのは、以下の方です。
- 経口からの食事がうまく取れない
- 飲み込みがうまくできない
- むせて肺炎などを起こすリスクが高い
胃ろうがあっても経口から摂取できる方もいます。
また、胃ろうの管理さえ理解すれば、入浴等の日常生活にもあまり支障はありません。
つまり、自宅で生活することも可能です。
ただし、定期的に胃ろうのカテーテル交換が必要なので、医療処置が不可欠です。
胃ろうについて詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
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胃ろうでも介護施設に入居可能?
胃ろうの方は医療処置が必要です。
- どのような職種が胃ろう処置できるのか
- 受け入れる施設はあるのか
詳しく紹介していきます。
もともとは看護師常駐の介護施設のみ、胃ろうの方の入居を受け入れていました。
しかし、2012年の法改正に伴い、介護職員も胃ろうの対応が可能になりました。
ただし、研修を受ける必要があります。
そして、法の改正後、胃ろうの方を受け入れる介護施設が急速に増加しました。
とはいえ、施設ごとに入居条件は様々なので、条件によって入居が難しい場合もあります。
したがって、入居を検討する際は、各介護施設へ事前に確認するようにしましょう。
出典:厚生労働省【平成23年介護保険法改正について】
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胃ろうの受け入れが可能な介護施設
※画像はイメージです
胃ろうの受け入れが可能な介護施設は以下の3つです。
- 介護医療院
- 介護老人保健施設
- 介護付き有料老人ホーム
それぞれ紹介していきます。
介護医療院
「介護医療院」は2018年4月より新設されました。
もともとは、2017年に廃止された「介護療養型医療施設」の転換先でした。
介護医療院で受けられるサービスは以下の通りです。
- 日常生活の身体介助
- 生活支援
- 日常的な健康管理
- ターミナルケア
- 看取り
生活の場を意識してサービスを提供しています。
また、介護医療院は2種類の形態があります。
- Ⅰ型介護医療院:介護療養病床相当(比較的重症度の高い方が対象)
- Ⅱ型介護医療院:老人保健施設相当以上(Ⅰ型よりも容体が安定している方が対象)
介護医療院における人員配置は以下の通りです。
職種 | Ⅰ型 | Ⅱ型 | |
医師 | 48名に対し1名(施設で3名以上) | 100名に対し1名(施設で1名以上) | |
看護職員 | 6名に対し1名 | ||
介護職員 | 5名に対し1名 | 6名に対し1名 | |
薬剤師 | 150名に対し1名 | 300名に対し1名 | |
リハビリ専門職 | 適当数 | ||
介護支援専門員 | 100名に対し1名(施設で1名以上) | ||
放射線技師 | 適当数 | ||
栄養士 | 定員100名以上で1名 |
医療機関に近い職種や職員数が配置されており、医療的ケアにおいて安心感があります。
出典:厚生労働省【介護医療院】
介護施設の人員配置基準について詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
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介護老人保健施設
「介護老人保健施設」は介護保険が適用できるサービスです。
長期入院していた方などが在宅復帰を目指し、リハビリを中心に行う施設です。
また、介護・医療・看護などの包括的なケアサービスを受けられます。
対象は65歳以上の要介護1~5に認定された方です。
なお、特定疾患がある場合、満40歳以上65歳未満、要介護であれば、利用できます。
介護老人保健施設では、以下の職員の配置が定められています。
職種 | 人員配置基準 |
医師 | 常勤1名以上、100名に対し1名 |
薬剤師 | 実情に応じた適当数(300名に1名の目安) |
看護職員・介護職員 | 3名に対し1名、うち看護師2/7程度 |
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 | 100名に対し1名以上 |
栄養士 | 入所定員100名以上の場合、1名以上 |
介護支援専門員 | 1名以上(100名に1名の目安) |
医師や看護師が常勤している施設も多いので、医療的ケアも充実しています。
出典:厚生労働省【社保審ー介護給付費分科会 介護老人保健施設(参考資料)】
介護付有料老人ホーム
介護付有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐しています。
したがって、日常生活におけるあらゆる介助サービスを受けられます。
また、様々な状態にある入居者を受け入れているのが特徴です。
介護度が低い方から、医療依存度の高い方まで、幅広く対応しています。
そして、日中は看護師やリハビリ職員(理学療法士、作業療法士)が常駐しています。
そのため、医療処置やリハビリを受けられます。
さらに、協力医療機関との連携により、定期的な健康診断や訪問診察も可能です。
夜間緊急時は、看護師がオンコール体制で待機し、即座に搬送できるよう対応しています。
老人ホームについて詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
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介護施設に胃ろうの方が入居する手順
※画像はイメージです
介護施設に胃ろうの方が入居する手順は以下の順番です。
- 受け入れ可能な介護施設を探す
- 介護施設を絞る
- 見学に行く
それぞれ詳しく紹介します。
受け入れ可能な介護施設を探す
介護施設を探す方法として、「かかりつけの病院からの紹介」という手段があります。
病院等の医療機関は地域医療連携の窓口として、地域と連携している場合があります。
ゆえに、医療的ケアが必要な方が入居できる介護施設を紹介してくれることもあります。
その他にも、自分や家族が「インターネットなどで検索してみる」という方法があります。
まずは、地域で「医療的ケアをしている介護施設」で検索してみると良いでしょう。
介護施設を絞る
医療的ケアや胃ろうの対応が可能な介護施設をピックアップしましょう。
自分に適した介護施設が見つかったら、その施設へ問い合わせをしてみましょう。
入居予定の方の状態を伝え、入居が可能か聞いてみましょう。
可能であれば、パンフレットなどの資料を取り寄せてみましょう。
見学に行く
いくつか施設パンフレットを取り寄せたら、比較してみましょう。
そして、気になる介護施設が見つかったら、見学の問い合わせをしてみましょう。
施設見学時には、再度入居予定の方の状態を伝え、入居可能か確認するようにしましょう。
胃ろうの方が介護施設を選ぶ際の注意点
※画像はイメージです
胃ろうの方が介護施設を選ぶ際に注意すべき点は以下の2点です。
- 施設の対応体制を確認する
- 施設によっては受け入れをしていない
それぞれ紹介していきます。
施設の対応体制を確認する
中には医師が常駐せずとも、協力医療機関の支援が受けることのできる施設があります。
また、24時間対応で訪問診察や訪問看護の体制が整っている施設もあります。
そして、胃ろう、痰の吸引、床ずれなどの処置は医療行為です。
医師の指示の下、看護師や研修を受けた介護職員など対応できる人員が必要です。
以上のことをふまえ、介護施設を決める上で確認することは以下の通りです。
- 協力医療機関
- 施設の人員体制(看護師、研修を受けた介護職員の有無)
- 医療ケアやリハビリなどの対応
- 看取りの体制
介護施設の対応体制をしっかり把握してから、検討するようにしましょう。
施設によっては受け入れをしていない
胃ろうはあくまでも医療行為の1つです。
そのため、誰もが対応できる行為ではありません。
法改正により、研修を受けた介護職員でも胃ろうへの対応ができるようになりました。
そして、胃ろうの方を受け入れる介護施設は急増しました。
しかし、研修を受けた介護職員がいない、看護師が常駐していないということもあります。
そうすると、受け入れが難しいという介護施設もでてきます。
そのため、胃ろうの方は介護施設の入居が難しい場合もあることを理解しておきましょう。
特別養護老人ホームでも胃ろうの受け入れが可能
※画像はイメージです
特別養護老人ホームでも、胃ろうを受け入れるケースが増えてきています。
どのような条件下であれば受け入れが可能なのか、詳しく説明していきます。
特別養護老人ホームでは、看護師の24時間配置が義務付けられていません。
そのため、胃ろうなどの医療依存度の高い方の受け入れが難しいケースが多くありました。
しかし、以下の条件を満たすことで、医療依存度の高い方を受け入れやすくなりました。
- 看護師と連携して介護職員が安全に実施できる
- 実施する介護職員について、看護師との連携のもと配置医が承認する
- 体制を理解した上で、介護職員の医療行為について、書面上の入居者と家族の同意
看護師と介護職員の連携により、胃ろうの方の受け入れもできるようになってきました。
しかし、特別養護老人ホームでも地域差や施設によっては対応が異なることもあります。
したがって、事前に確かめるようにしましょう。
出典:厚生労働省【介護現場等におけるたんの吸引等を巡る現状】
特別養護老人ホームについて詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
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介護施設での胃ろうのまとめ
※画像はイメージです
ここまで介護施設における胃ろうの対応についてお伝えしてきました。
介護施設での胃ろうについて以下にまとめます。
- 胃ろうは食事にリスクがある方に対して、胃に管を通して栄養を摂取する方法
- 胃ろうでも介護医療院、老人保健施設、介護付き老人ホームなどに入所可能
- まず胃ろうへの対応体制を把握してから、見学に行く
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。