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人工透析に対応可能な介護施設はある?施設探しのポイントを徹底解説

数日に1度、定期的な通院が必要となる人工透析。
透析を受ける本人や家族の方々にとって、人工透析に対応した介護施設探しは難航する傾向にあります。

介護施設から医療施設までの送迎の有無や水分調整、食事管理など考慮しなくてはならない点が多数あります。

本記事では人工透析の対応が可能な介護施設について以下の点を中心にご紹介します。

  • 人工透析治療の種類
  • 介護施設での人工透析に対するケアの方法
  • 人工透析の対応が可能な介護施設を選ぶ際のポイント

人工透析の対応が可能な介護施設について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
近年の人工透析治療患者増加の主な原因も解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

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人工透析とは

※画像はイメージです

人工透析とは、腎臓の機能低下により老廃物や水分を体外に排出できなくなった際に行う腎臓機能の代替治療です。
人工透析は1度開始すると、生体腎移植をしない限り永続的治療を必要とします。

腎臓の働きが弱ると人工透析が必要になる

腎臓の働きが低下すると、体の中に老廃物が留まり尿毒症や水分過多による心不全で命に関わることがあります。
そのため、腎臓機能の役割を担う人工透析が必要となります。

腎臓の働きは主に以下の5つです。

  • 尿を作る
  • 電解質バランスや水分量を調節し、体内を弱アルカリ性に保つ
  • 健康的な骨の栄養素であるビタミンDを活性化する
  • 血圧を調節する
  • 過剰摂取した塩分・水分を排出して体液を一定に保つ

腎臓機能の低下が進むと、浮腫や高血圧尿の異常(タンパク尿・血尿等)が認められるようになります。

腎臓は、体内の体液量を正常に保ち、健康的な体を維持するためには必要不可欠な臓器です。
しかし、少し機能が低下する程度では目立った症状が出にくいため異常の早期発見が難しいといわれています。

人工透析の種類

人工透析には2種類の方法があります。

  • 血液透析
  • 腹膜透析

違いを解説します。

血液透析

腕の血管に針を刺し、ポンプを利用して体内から取り出した血液をダイアライザーという人工透析器に通します。

1分間に200mlの血液を取り出し、体に溜まっていた老廃物や余分な水分を取り除いて浄化した血液を体内に戻します。

全国の透析を受ける人のうち、95%以上が血液透析を行っています。

腹膜透析

手術で腹腔内にカテーテルを埋め込み、自身の腹膜にスペースを作ります
腹腔内に透析液を入れ、体内で血液浄化を行う方法です。

事前にカテーテルを腹腔内に入れる手術が必要となります。

ゆっくりと時間をかけて行うため、体への負担も比較的少ないといわれています。
ただ、透析を繰り返すことで腹膜機能が低下するため、腹膜透析を行える期間は限られています。

血液透析と腹膜透析を比較した表が以下の通りです。

血液透析腹膜透析
行うことのできる場所病院・透析機関自宅等(清潔な場所)
行う人医療者自分
1回あたりの治療時間週3回5~8時間(着替時間別)毎日3~4回(1回30分程度)
通院頻度週3回月1~2回
透析開始までの手術腕血管シャント作成腹部カテーテル埋め込み
食事制限厳しい

(カリウム・塩分・水分制限)

安定していればゆるい

(尿減→塩分・水分制限)

透析可能期間安定していれば一生可能5~8年(いずれは血液透析)

透析治療において体重の管理は非常に重要です。

透析をすると、体内の水分や老廃物が排出されるので、体重が減少します。
治療を受ける人によって、どのくらいの量を排出するかは異なるので、1か月ごとに設定・見直して、水分排出量を調節し適正体重に近づけます。

適正体重はドライウェイトと呼ばれ、血圧、貧血の有無など身体の状態をみて医師が決定します。

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介護施設における人工透析

※画像はイメージです

人工透析をしている方が介護施設に入所する場合、医療施設への送迎や人工透析に関するケア、食事管理などが必要なので受け入れてもらえない場合があります。

そのため、対応可能な介護施設を探さなければなりません。
【透析患者を受け入れる介護施設職員に求められるケアの種類】

  • 透析治療後の体調管理
  • シャントの管理
  • 塩分・水分管理含む食事管理
  • 透析を行う方が認知症患者の場合、常にそばで見守る配慮

透析後は体力を消耗するため、服薬管理や睡眠状態等を職員が把握する必要があります。
透析治療をスムーズに行い、穿刺を楽にするために腕の中に作る透析用の血管をシャントと呼びます。
シャントの管理は以下のような注意が必要です。

  • 詰まらないようにする
  • 清潔に保つ
  • 感染症に気をつける

専門的な業務のため、職員も人工透析に関しての知識を持つことが重要です。

認知症の症状がある方の透析治療は、針を抜いてしまったり、透析中に必要以上に動いてしまうなどの行動が多く見られます。
そのため、治療中は主に家族が見守り、トラブルを未然に回避する必要があります。

上記以外にも、透析を行う方の日常生活における注意点を把握し、状況に合わせたケアが求められます。

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施設選びのポイントや注意点

※画像はイメージです

人工透析を行う方を受け入れる介護施設を探す際に注意すべきポイントを挙げます。

  • 透析機関の併設や移動手段を確認する
  • シャントの管理
  • 合併症リスクに備えた施設を選ぶ
  • 食事・水分摂取量の管理

順番に解説していきます。

透析機関の併設や移動手段を確認する

血液透析は週3回の通院を必要とするため、以下のような確認が必要です。

  • 介護施設に透析機関の併設があるか
  • 利用する医療施設や透析機関が送迎サービスを行っているか
  • 送迎サービスがない場合、介護タクシーの利用が可能か

介護タクシーを利用する場合は、頻回利用のため費用が高額になる可能性があります。

シャントの管理

透析治療に欠かせないシャントは、以下のような日常生活の中での配慮が必要です。

  • 重いものを持たない
  • 圧迫しない
  • シャントがある腕で血圧を測らない
  • 常に清潔に保つ

万が一に備えて、適切な処置が可能か確認する必要があります。

合併症リスクに備えた施設を選ぶ

心不全や貧血、骨関節障害などの人工透析による合併症に対応できるかどうかも確認しましょう。
命に関わる異常が起きた際は、迅速に医師の診察が可能かということも重要です。

日々の体調チェックに関しては、食事や水分管理など他の入居者の方とは違った目線で観察する必要があります。
そのため、対応実績が豊富な施設を選ぶと安心です。

食事・水分摂取量の管理

透析が必要な方は食事制限があります。

  • 野菜(カリウム)の制限
  • 塩分制限
  • 水分制限

透析患者の方は、野菜に多く含まれるカリウムを過剰摂取するとうまく排出できず蓄積します。
カリウムは心不全の原因となるため、注意する必要があります。

野菜を多く摂取できない影響として、食物繊維不足による便秘になることが考えられます。
そのため、医師と相談しながら下剤を適切に使用し排便をコントロールする必要があります。

また塩分を過剰摂取すると、喉が渇いて水分摂取量が増えます。
透析患者の方は、体内の塩分・水分量を正常に保つことが難しいため適切な管理が重要になります。

介護施設の選び方について詳しく解説していますので、こちらの記事もあわせてご参考ください。

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透析患者数は年々増加!主な原因は糖尿病

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近年、糖尿病が透析導入患者増加の主な原因になっているというデータがあります。

日本透析医学会によると、2011年までは慢性糸球体腎炎が第1位でした。
しかし、2020年の透析患者の主な原因で最も多いのは糖尿病でした。
これは全体の39.5%を占めます。

調査が始まった1983年から、糖尿病が原因による透析患者は常に上昇しています。
透析導入をする患者数自体も増加しており、その平均年齢も69.4歳と高いです。

増加し続ける上に高年齢化する透析患者の方に対応するために、病院だけでなく受け入れ可能な介護施設の必要性が高まっています。

同敷地内に透析室のある介護施設の新設や透析装置を扱える職員の常駐といった、新たな取り組みも望まれています。

認知症やアルツハイマー病と糖尿病の関係についても解説していますので、興味のある方はあわせてご参考ください。

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人工透析の対応が可能な介護施設まとめ

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ここまで、人工透析の対応が可能な介護施設についてお伝えしてきました。
人工透析の対応が可能な介護施設の要点をまとめると以下の通りです。

  • 人工透析治療の種類は、血液透析・腹膜透析の2種類
  • 介護施設での人工透析に対するケアは、食事制限やシャントの管理など専門的な配慮が必要
  • 人工透析の対応可能な介護施設を選ぶ際のポイントは、施設側の透析患者に対する対応実績や医療機関との連携の有無

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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