多くの介護施設は地域の医療機関と連携して、入所者の健康を管理しています。
中でも病院併設の介護施設は、持病のある高齢者にとって安心できる環境が整っています。
病院併設の介護施設はどのような機能を持っているのでしょうか?
今回は、病院併設の介護施設について、以下のポイントを中心に解説していきます。
- 病院併設の介護施設とは
- 病院併設の介護施設の魅力と特徴
- 病院併設の介護施設の実情
病院併設の介護施設について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ、最後までお読みください。
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病院併設の介護施設とは?
病院併設の介護施設は、病院がそばにある分、アクセスが良いことが特徴です。
具体的にどのように併設されているのか、説明していきます。
病院併設の介護施設は、病院と介護施設が廊下でつながっています。
そのため、車いすの高齢者の方でも、外に出ることなく、簡単に行き来ができます。
また、中には病院の上階フロアが介護施設となっているケースもあります。
「エレベーターですぐ病院に行ける」という手軽さに魅力を感じる入所者も増えています。
病院併設の介護施設は、一般的な介護施設と比べ、気軽に医療ケアが受けられます。
したがって、医療サポートが充実している施設といえます。
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病院併設の介護施設の魅力
病院併設の介護施設は、病院がすぐそばにあることで、多くのメリットがあります。
- 緊急時の対応が迅速
- 日常的な医療ケアの提供
- 24時間体制で医師が常駐
- 入院時の手続きが簡単
それぞれ詳しく見ていきましょう。
緊急時の対応が迅速
病院併設の介護施設では、緊急時の医療対応が一般施設に比べ、より迅速に行われます。
入所者やご家族にとって、緊急時にすぐ病院で診察してもらえることは利点になります。
特に体調に不安のある方にとっては、身を任せやすい環境が整っているといえます。
日常的な医療ケアの提供
病院併設の介護施設では、専門的な医療的ケアを必要とする方も受け入れられます。
例えば、ストーマや人工透析などの医療的ケアを提供しています。
医療依存度の高い方にとっては、万全の医療体制の中で過ごせますので安心です。
また、病院に受診する際には、施設職員が付き添ってくれるケースもあります。
通常多くの場合、準備してから帰ってくるまで、かなり時間がかかります。
したがって、介護職員の付き添いは、受診に付き添えないご家族の負担軽減になります。
24時間体制で医師が常駐
医師の常駐は、入所者やご家族はもちろんですが、勤務者にとっても安心といえます。
理由として下記のような事が挙げられます。
- 急変時にはその場で指示を仰げる
- 些細な問題・症状などについて、いつでも相談できる
細かい変化にも気づきやすくなるので、迅速な対応ができます。
入院時の手続きが簡単
一般的な介護施設では、体調が悪化したとき、連携する病院に入院することになります。
地域によっては介護施設から離れていたり、環境が大きく変わったりすることもあります。
そうすると、入所者やご家族の負担も大きくなります。
一方、病院併設の介護施設は、入院しても慣れている場所です。
そのため、移動や環境の変化の心配はほとんどありません。
また、医療・介護的な情報共有も容易にできるので、手続きもスムーズに進みます。
入所者とご家族の負担も最小限に抑えられます。
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病院併設の介護施設の実情
病院併設の介護施設はメリットがある一方、デメリットもあります。
- 全国的に施設数が少ない
- 費用が高くなるケースもある
- 勤務者にとって負担が大きい
それぞれ見ていきましょう。
全国的に見ても施設数が少ない
病院併設の介護施設は、一般的な施設と比べて、数が少ないのが現状です。
したがって、住んでいる地域に存在しないこともあります。
また、人気があるので、常に飽和状態といった状況です。
そのため、すぐに利用したくても出来ない場合も珍しくありません。
費用が高くなるケースもある
充実した医療・介護を受けられますが、その分費用がかかることもあります。
介護施設を利用する費用として、入居一時金・月額利用料の支払いが必要です。
また、施設ごとによって設定金額が違うので、事前に確かめることをおすすめします。
勤務者にとっては負担が大きい
病院併設の介護施設の利用者は、平均的な要介護度が高い傾向にあります。
また、日常的な医療・介護ケアの量も比例して、多くなっています。
介助の少ない有料老人ホームなどと比べると、勤務者の負担が大きくなります。
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介護付有料老人ホームとの違い
「介護付有料老人ホーム」は医療連携という点では、共通している部分もありますが、異なる点もあります。
介護付有料老人ホームとの違いを詳しく見ていきます。
介護付有料老人ホームは、特定施設入居者生活介護の指定を受けています。
そして、主に民間企業によって運営されています。
入所者は常駐する介護スタッフにより、日常生活介助などの介護サービスを受けられます。
また、全ての介護付有料老人ホームは、医療機関との連携が義務づけられています。
そのため、定期的な健康診断や訪問診療も行われています。
一方で、病院併設の介護施設とは違い、緊急時の場合病院への移動に時間がかかります。
また、夜間帯に看護師を配置しないので、迅速な対応ができないこともあります。
ただし、独自のサービスとして、人員を増やしている施設もあります。
24時間医師を常駐させる、看護師の数を増やすなどして、緊急時対応に備えています。
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介護療養型医療施設と介護医療院
病院併設の介護施設と類似した施設として「介護療養型医療施設」があります。
- 介護療養型医療施設とは
- 新設された介護医療院とは
詳しく説明していきます。
介護療養型医療施設
「介護療養型医療施設」では、医師・看護師による手厚い医療ケアを受けられます。
その他にも、理学療法士・作業療法士指導のリハビリを受けられるのも特徴です。
また、介護療養型医療施設は医療法人が運営している場合がほとんどです。
介護サービスも提供しますが、あくまで医療ケアの提供を目的としています。
したがって、法律上は「病院」と同じ扱いとなります。
入居一時金を支払う必要がないため、費用を抑えられるということで、人気があります。
ところが、令和5年度末を期限として、制度を廃止することが決定しています。
そのため、展開している事業者数は年々減少傾向にあります。
つまり、早急に利用したくてもなかなか空きがない状態になっています。
介護医療院
廃止される介護療養型医療施設に代わり、厚生労働省は「介護医療院」を新設しました。
介護医療院は2018年4月の第7期介護保険事業計画に則り、新たに法定化された施設です。そして、介護療養型医療施設の主な移行先としての機能があります。
介護医療院は、要介護者で、長期療養が必要な方を対象としています。
長期的な医療・介護ケア、機能訓練を一体的に提供することを目的としています。
出典:厚生労働省【介護療養型医療施設】
出典:厚生労働省【介護医療院】
出典:厚生労働省【介護療養病床・介護医療院のこれまでの経緯】
病院併設の介護施設についてのまとめ
ここまで病院併設の介護施設についてお伝えしてきました。
病院併設の介護施設の要点を以下にまとめます。
- 病院併設の介護施設は病院と直結していることで、充実した医療ケアを受けられる
- 緊急時の対応が早いため、入居者や家族が安心して過ごせる
- 利用者にとっては入居難易度が高く、勤務者の負担が大きい現状がある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。