高齢になり、糖尿病の治療を続けながら介護施設への入居を検討する方や、そのご家族は増えています。
「糖尿病を患っていても、介護施設で適切な治療やサポートは受けられるのだろうか?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、介護施設における糖尿病治療(インスリン注射など)の対応可否をはじめ、安心して過ごせる施設選びのポイント、糖尿病の予防・改善方法について詳しく解説します。
ご自身の状態に合った最適な介護施設を見つけるための参考にしてください。
関連記事:介護施設の種類と選び方!それぞれの特徴や入居基準まとめ
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1. 糖尿病の人も介護施設で治療(インスリン注射)を受けられる?
結論から言うと、糖尿病を患っている方でも、条件に合った介護施設であれば入居しながら治療を継続することが可能です。
糖尿病の主な治療の一つに「インスリン注射」がありますが、これは医療行為に該当します。
そのため、原則として介護職員が代行して注射を打つことは法律で禁止されています。
インスリン注射を行えるのは、医師や看護職員、あるいは医師の指導を受けた患者本人およびその家族のみです。
ご自身でインスリン注射ができない場合でも、看護職員が配置されている介護施設に入居すれば、専門スタッフによる注射や血糖値の管理を受けることができます。
また、医師の指示のもと、施設スタッフが薬局へ処方薬を取りに行ったり、薬剤師が施設まで薬を届けてくれたりするサービスを利用できるため、外出の負担なく治療を続けられます。
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2. 糖尿病の方が介護施設を選ぶ際の3つのポイント
糖尿病の方が安全に生活できる介護施設を選ぶためには、以下の3つのポイントを必ず確認しましょう。

① 看護職員の常駐体制(配置状況)
自分でインスリン注射ができない方は、看護職員が配置されている施設を選ぶことが必須です。
施設の種類によって、法令で定められた看護職員の配置基準は異なります。
- 特別養護老人ホーム(特養): 看護職員は配置されているが、夜間はオンコール対応(緊急時の呼び出し)が一般的
- 介護老人保健施設(老健): 医師が日中常駐し、看護職員は24時間体制(夜勤あり)での配置
- 介護付き有料老人ホーム: 看護職員の配置義務はあるが、24時間常駐か日中のみかは施設によって異なる
- 住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅: 法的な看護職員の配置基準はないが、外部の訪問看護ステーション等を利用して対応可能な場合がある
② 対応可能な勤務時間(インスリンの回数との適合)
インスリン注射は、患者によって1日1回〜4回以上など、決められた時間と回数で行う必要があります。
- 1日2〜3回(朝・昼・夕)の場合: 日中に看護職員が勤務していれば対応可能なケースが多い
- 1日4回(就寝前も含む)などの場合: 夜間にも注射が必要となるため、看護職員が24時間常駐している施設を選ぶ必要があること
ご自身の治療スケジュールと、施設の看護職員の勤務形態が適合しているかを事前にしっかりとすり合わせましょう。
③ 食事や生活面、メンタル面のサポート
インスリン治療だけでなく、日常の「食事」と「運動」の管理も糖尿病治療の重要な柱です。
- 食事対応: 糖質制限食、カロリー制限食など、糖尿病向けの治療食(療養食)の提供可否
- 運動サポート: 適切なリハビリや運動療法を日常に取り入れているか
また、糖尿病患者は厳しい自己管理のストレスから、うつ状態に陥りやすい傾向があります。
体調の変化だけでなく、心の不調にも気づき、寄り添ってくれるスタッフがいる施設を選ぶことも大切です。
関連記事:失敗しない介護施設の選び方!見学時のチェックポイントと注意点
3. 糖尿病の予防と改善に向けた生活習慣
糖尿病の多くは、長年の生活習慣が原因で発症・進行します。
施設入居前はもちろん、入居後も健康を維持するためには、食事と運動の見直しが欠かせません。
食事のポイント
- 糖質を適度に控える: ご飯やパンなどの炭水化物の量を少し減らし、重ね食い(ラーメンとチャーハンなど)を避けること
- 食物繊維を積極的に摂る: 野菜、海藻、きのこ類を食事の最初に食べることで、血糖値の急激な上昇を抑えること
- 間食や飲み物を工夫する: おやつは糖質の少ないナッツ類などにし、飲み物は水、お茶、無糖コーヒー、無塩トマトジュースなどを選ぶこと
運動のポイント
以下の2種類の運動を組み合わせると、血糖値の改善に効果的とされています。
- 有酸素運動: ウォーキング、ジョギング、水泳など、全身の大きな筋肉を使う運動(週3〜5回、週合計150分以上が目安)
- レジスタンス運動: スクワットや軽いダンベル体操など、筋肉に抵抗(負荷)をかける運動(週2〜3回)
※運動は、食後の血糖値が上がりやすい「食後1〜2時間」に行うのが推奨されています。ただし、持病がある方は必ず医師に相談の上で行ってください。
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4. 高齢化に伴う介護と糖尿病の今後の課題
日本国内では、急速な高齢化に伴い、高齢の糖尿病患者数が著しく増加しています。
加齢や認知症の進行により、食事制限やインスリン注射の「自己管理」が難しくなる方も少なくありません。
その結果、家族だけでは支えきれず、介護施設へ入居するニーズが高まっています。
しかし、介護現場では以下のような課題が議論されています。
- 看護職員不足による、インスリン対応可能な施設の受け入れ枠の不足
- 介護職員によるインスリン注射や血糖値測定のサポートの是非(現在は原則禁止)
- 訪問看護の利用制限の緩和など、制度面の見直し
今後、自己管理が困難な高齢糖尿病患者が安全に暮らせるよう、介護施設における医療連携体制の整備や、ルールの見直しがさらに求められていくでしょう。
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まとめ
本記事では、介護施設での糖尿病治療について解説しました。要点は以下の通りです。
- 糖尿病であっても、条件が合えば介護施設でインスリン注射などの治療を継続できること
- 施設選びでは、インスリンの回数に合わせた「看護職員の配置時間」と、「糖尿病食(療養食)の対応可否」を確認することが重要であること
- 糖尿病の悪化を防ぐためには、糖質を控えた食事と、食後の適度な運動を習慣づけることが基本となること
施設見学や面談の際には、ご自身の治療内容を正確に伝え、施設側がどこまで安全に対応できるかをしっかりと確認しましょう。


