介護サービスには訪問看護やショートステイなどさまざまな種類がありますが、中でも利用者が多いのが「デイサービス(通所介護)」です。
デイサービスは、要介護者が施設に通ってさまざまなサービスを受けるものですが、具体的に「週に何回通えるのか」「どのような運動をするのか」疑問に思う方も多いでしょう。
本記事では、要介護者のデイサービスについて、以下の点を中心に詳しく解説します。
- デイサービスの役割と目的
- 介護度別の支給限度額と利用回数の目安
- デイサービスで行われる運動内容
- 生活機能向上連携加算の現状
要介護者のデイサービス利用について正しく理解し、適切なサービスを選択するための参考にしてください。
関連記事:デイサービスとは?種類や費用、受けられるサービス内容を解説
スポンサーリンク
デイサービスとは?
デイサービスにはどのような目的があり、利用することでどのようなメリットが得られるのでしょうか。

デイサービスの目的
デイサービス(通所介護)は、要介護認定を受けた方が利用できる介護保険サービスです。
利用者は日帰りで施設に通い、食事や入浴の介助、機能訓練(リハビリ)、レクリエーションなどのサービスを受けます。
最大の目的は、要介護者が自宅で自立した日常生活を送れるように心身の機能を維持・向上させることです。
また、自宅と施設間の送迎サービスが基本として含まれているため、通所に対するハードルが低く設定されています。
※要支援1・2の認定を受けた方は、通所介護ではなく「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」の枠組みの中でデイサービスに相当するサービスを利用します。
デイサービスを利用するメリット
デイサービスを利用するメリットは、利用者本人の「生活の質の向上」と、家族の「介護負担の軽減」の2点に大きく分けられます。
自宅での介護が中心になると、家族にとって身体的・精神的な負担が大きくなりがちです。
デイサービスを利用している間、家族は休息をとったり自分の時間を持ったりできるため、心にゆとりが生まれます。
また、利用者本人にとっても、専門スタッフによる運動やリハビリを受けることで健康維持につながります。
他者との交流を通じたコミュニケーションは、脳への良い刺激となり、認知症の予防や進行遅延にも効果が期待できます。
関連記事:デイサービスを利用するメリット・デメリットとは?選び方も解説
スポンサーリンク
支給限度額とデイサービス利用回数の目安
デイサービスは、原則として利用回数に法的な上限はありません。
しかし、介護保険制度では要介護度ごとに1ヶ月あたりの「区分支給限度基準額」が定められており、この範囲内で利用頻度を調整するのが一般的です。
介護度別支給限度額一覧(1ヶ月あたり)
介護保険から給付される1ヶ月あたりの支給限度額(1単位=10円で計算した場合の目安)は以下の通りです。
- 要支援1:5万320円
- 要支援2:10万5,310円
- 要介護1:16万7,650円
- 要介護2:19万7,050円
- 要介護3:27万0,480円
- 要介護4:30万9,380円
- 要介護5:36万2,170円
介護保険が適用される範囲内であれば、利用者は実際にかかった費用の1〜3割(所得に応じて変動)を自己負担することでサービスを利用できます。
ただし、支給限度額を超えてサービスを利用した分については、全額(10割)自己負担となります。
また、施設での食費やおむつ代、レクリエーションの材料費などの日常生活費は介護保険の対象外となり、全額実費負担となります。
デイサービスにはどのくらい通うべき?(回数の目安)
限度額の範囲内でデイサービスのみを利用する場合、要介護度に応じた週あたりの利用回数の目安は以下のようになります。
- 要介護1〜2の方:週に3〜4回程度
- 要介護3〜4の方:週に4〜5回程度
要介護度が上がるにつれて支給限度額も高くなるため、利用できる回数も増えます。
ただし、訪問介護やショートステイなど、他の介護サービスを組み合わせて利用する場合は、その分の費用も支給限度額から差し引かれるため、デイサービスの利用回数を調整する必要があります。
最適な利用回数については、ご本人の状態やご家族の就労状況などを踏まえ、担当のケアマネジャーと相談して決定しましょう。
健康になるにはどれくらいの運動が必要?
高齢者の健康維持と自立支援において、適度な運動は欠かせません。
要介護状態の予防と介護保険制度
近年の急速な高齢化により、介護保険制度の財源確保が国全体の課題となっています。
デイサービス等を利用して適切な運動を行い、要介護状態の重度化を防ぐこと(または要介護状態になるのを予防すること)は、利用者の健康寿命を延ばすだけでなく、社会全体の医療・介護費用の適正化にもつながります。
どの程度運動すればいいの?
厚生労働省が示す「健康日本21(身体活動・運動)」や「健康づくりのための身体活動基準」によると、高齢者に推奨される運動量の目安は以下の通りです。
- ストレッチや体操:1日10分程度
- 散歩やウォーキングなど:1日20分程度
- 下肢および体幹の筋力トレーニング:週に2回程度
適度な運動は全身の血流を促進し、精神的な安定をもたらします。
また、日中に体を動かすことで適度な疲労感が得られ、夜間の良質な睡眠につながるため、生活リズムが整うという効果もあります。
どのように運動すればいいの?
デイサービスでは、集団で行うラジオ体操や椅子に座ったままできるストレッチ、専用の機器を使った筋力トレーニングなど、利用者の身体状況に合わせた多様な機能訓練が提供されています。
専門スタッフの指導のもと、他の利用者と一緒に楽しく取り組めるため、一人では運動が続かない方でもモチベーションを維持しやすいのが特徴です。
また、自宅でも「安全に配慮しながら家事を手伝う」「室内を少し多めに歩く」など、日常的に身体を動かす意識を持つことが重要です。
関連記事:デイサービスの個別機能訓練加算とは?算定要件や訓練内容を解説
スポンサーリンク
生活機能向上連携加算の現状と課題
デイサービスにおいて、より専門的で効果的なリハビリを提供するための仕組みとして「生活機能向上連携加算」があります。
生活機能向上連携加算とは?
生活機能向上連携加算とは、デイサービスの職員が、外部の医療機関や訪問リハビリテーション事業所の専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医師など)と連携して個別機能訓練計画を作成・評価した場合に、事業所が算定できる加算です。
算定区分には(Ⅰ)と(Ⅱ)があり、それぞれ以下のような要件と単位数が定められています。
- 生活機能向上連携加算(Ⅰ):100単位/月(3ヶ月に1回を限度)
外部の理学療法士等が、ICT(動画やテレビ電話など)を活用して利用者の状態を把握し、助言を行うこと。 - 生活機能向上連携加算(Ⅱ):200単位/月
外部の理学療法士等が、3ヶ月に1回以上デイサービス事業所を直接訪問して助言を行うこと。
事業所側と利用者側のメリット
デイサービスにはリハビリの専門職(理学療法士等)が常駐していないケースも多くあります。
この加算を活用して外部の専門職と連携することで、事業所側は機能訓練の質を大きく向上させることができます。
利用者側にとっても、リハビリの専門家の視点が入った適切な訓練計画に基づいてケアを受けられるため、身体機能の改善や自立支援の可能性が高まり、より安心してサービスを利用できるというメリットがあります。
算定できていない理由とICTの活用
メリットが多い一方で、外部の専門職とのスケジュール調整が難しいことや、手間がかかる割に算定できる単位数が少ないことなどから、十分に普及していないという課題がありました。
これを解消するため、現在ではICTの活用が認められています。
利用者の様子を動画で撮影して専門職に送信したり、ビデオ通話でリアルタイムに情報共有したりすることで、直接訪問の手間を省きつつスムーズな連携が可能になっています。
スポンサーリンク
要介護者のデイサービスまとめ
ここまで、要介護者のデイサービスについて解説してきました。
要点を以下にまとめます。
- デイサービスは、要介護者の身体機能の維持・向上と、家族の介護負担軽減という重要な役割があること
- 利用回数の目安は、要介護1〜2で週3〜4回、要介護3〜4で週4〜5回程度(支給限度額の範囲内でケアマネジャーと相談して決定する)であること
- デイサービスでは専門職の指導のもと、状態に合わせた体操や筋力トレーニングが行われ、外部の専門職と連携(生活機能向上連携加算など)した質の高い訓練も提供されていること
これらの情報が、デイサービスの利用を検討されている皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。


