日本は高齢化が進み、2025年になると国民の3人に1人が高齢者になると言われています。
要介護者も増加する見込みです。
介護スタッフの人材不足もあり、要介護者を増やさないためには「介護予防」「健康維持」が必要という意識を持たなければなりません。
介護予防健康アドバイザーとは、高齢者に対してどんなことができるのでしょうか。
本記事では介護予防健康アドバイザーについて以下の点を中心にご紹介します。
- 介護予防健康アドバイザーとは
- 介護予防健康アドバイザーの資格取得方法
- 介護予防健康アドバイザーの職場について
介護予防健康アドバイザーについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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介護予防とは
厚生労働省によると、介護予防とは「要介護状態の発生をできる限り防ぐ(遅らせる)こと、そして要介護状態にあってもその悪化をできる限り防ぐこと、さらには軽減を目指すこと」と定義されています。
介護予防には、どのようなことが必要なのかをご紹介します。
高齢者の生活の質向上を目指す
生きいきとした暮らしを送ることで心身が満たされ、生きる上での満足度を高めます。
毎日の満足感が高まると、高齢者の生活の質は向上します。
高齢者が充実感を得やすい例として、以下が挙げられます。
- 家族と団らんする
- 趣味に熱中する
- 社会や地域とつながっている
- 美味しいものを食べる
- 友人や知人と会う
人生観や価値観は人それぞれ違います。
本人が「何を幸せとするか」を知り、生きがいを感じることが大切です。
運動機能の向上
身体機能の低下は、心身ともにストレスを与え「生きがい」を感じにくくなります。
生きづらさを感じないためにも、身体活動量・運動量を保つことが大切です。
運動機能の向上を図るためには、ストレッチやウォーキングなど楽に行える運動から始めます。
慣れてきたら、高齢者向けの筋力トレーニングを取り入れることが望ましいと考えられています。
介護予防の対象となる高齢者は?
介護予防サービスは、基本的に自立している健康な高齢者か要支援1〜2の高齢者が対象です。
しかし、下記項目に当てはまる人も介護予防の対象となる可能性があります。
No. | 質問項目 | 回答 | |
1 | バスや電車で1人で外出していますか | 0.はい | 1.いいえ |
2 | 日用品などの買い物をしていますか | 0.はい | 1.いいえ |
3 | 預貯金の出し入れをしていますか | 0.はい | 1.いいえ |
4 | 友人の家を訪ねていますか | 0.はい | 1.いいえ |
5 | 家族や友人の相談にのっていますか | 0.はい | 1.いいえ |
6 | 階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか | 0.はい | 1.いいえ |
7 | 椅子に座った状態から何もつかまらずに立ち上がっていますか | 0.はい | 1.いいえ |
8 | 15分位続けて歩いていますか | 0.はい | 1.いいえ |
9 | この1年間に転んだことがありますか |
| 0.いいえ |
10 | 転倒に対する不安は大きいですか |
| 0.いいえ |
11 | 6ヶ月間で2~3kg以上の体重減少がありましたか |
| 0.いいえ |
12 | 身長 cm 体重 kg(BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))が18.5未満 |
| 0.いいえ |
13 | 半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか |
| 0.いいえ |
14 | お茶や汁物等でむせることがありますか |
| 0.いいえ |
15 | 口の渇きが気になりますか |
| 0.いいえ |
16 | 週に1回以上は外出していますか | 0.はい | 1.いいえ |
17 | 去年と比べて外出の回数が減っていますか |
| 0.いいえ |
18 | 周りの人から「いつも同じことを聞く」などの物忘れがあると言われますか |
| 0.いいえ |
19 | 自分で電話番号を調べて、電話をかけることをしていますか | 0.はい | 1.いいえ |
20 | 今日が何月何日かわからないときがありますか |
| 0.いいえ |
21 | (ここ2週間)毎日の生活に充実感がない |
| 0.いいえ |
22 | (ここ2週間)これまで楽しんでやれていたことが楽しめなくなった |
| 0.いいえ |
23 | (ここ2週間)以後は楽にできていたことが今ではおっくうに感じられる |
| 0.いいえ |
24 | (ここ2週間)自分が役に立つ人間だと思えない |
| 0.いいえ |
25 | (ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする |
| 0.いいえ |
出典:厚生労働省【基本チェックリスト】
項目の【1.はい】 にチェックが多いなど、気になる兆候があったら、お住まいの市町村や地域包括支援センターに相談できます。
市町村が提供する介護予防事業を利用できる可能性があります。
介護予防のサービス内容に関心がある方は、こちらもあわせてご参考ください。
介護予防サービスは、高齢者が住み慣れた地域で生活し続けられるように支援するサービスです。複数のサービスがあり、高齢者の状態やニーズによってさまざまなサービスを利用できます。では、どのように介護予防サービスを利用するのでしょうか?[…]
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介護予防健康アドバイザーとは
介護予防健康アドバイザーは、中高齢者が安全に運動できるように適切にアドバイスをします。
健康的な暮らしをサポートする役割を担っています。
要介護となる原因のひとつに身体の疾患があります。
中高齢者一人ひとりの身体機能や主な運動器疾患、安全管理などの知識をもとに無理なく効果的な運動ができるようアドバイスします。
介護予防健康アドバイザーの資格について
介護予防健康アドバイザーになるには資格が必要です。
健康アドバイザーの資格の
- 取得方法
- 取得メリット
について説明していきます。
取得方法
介護予防健康アドバイザーの資格は、ユーキャン通信講座で学び検定試験を受けることで取得できます。
トレーナー育成のプロである「NESTA JAPAN」が全面監修・認定する介護予防資格です。
短期速習カリキュラムが組まれており、3ヶ月で資格取得が目指せます。
テキストは2冊という少なさで
- 基礎となる知識
- 実践的なエクササイズ
を気負いすることなく学んでいきます。
添削の最終課題が資格認定試験です。
マークシート方式で自宅にて、自分の都合が良いタイミングで受験します。
制限時間もなく、受講期間中は何度でも受験が可能です。
受験資格はなく、介護の実務経験も関係ないので、誰もが受講できます。
介護予防健康アドバイザーの資格取得メリット
介護予防健康アドバイザーの資格は、全ての人に役立ちます。
家庭や大切なパートナー、ご両親が健康であるための手助けができます。
介護職に就いている方も、レクリエーションの体操や日頃の運動の際に役立ちます。
仕事のキャリアアップの第一歩にもなります。
介護予防健康アドバイザーの資格は、いろいろな場面で役立つところが資格取得のメリットです。
介護予防健康アドバイザーの資格を活かせる職場は?
介護予防健康アドバイザーの資格は、介護関係はもちろん、高齢者へ運動指導する場でも役立てることができます。
介護予防健康アドバイザーの資格を活かせる職場としては、
- 特別養護老人ホーム
- 有料老人ホーム
- 介護老人保健施設
- デイサービス
などの高齢者入居施設や通所施設があります。
介護関係以外でも民間企業の
- 健康クラブ
- 中高年のスポーツクラブ
などさまざまな場所で役立ちます。
高齢者施設では介護予防の運動を取り入れている施設が多くあります。
介護士も運動指導する機会があります。
高齢者向けの運動知識があれば役立ちます。
介護施設の種類やサービスについても解説していますので、こちらもあわせてご参考ください。
一括りに老人ホーム・介護施設といっても、種類によって目的や入居条件はさまざまです。初めての老人ホーム・介護施設探しでは、分からないことばかりだと思います。どの施設がいいのか決められない人も多いのではないでしょうか?本記事では、老人[…]
介護予防健康アドバイザーの試験内容
試験は、ユーキャンの「介護予防健康アドバイザー講座」の中で最終添削課題として実施されます。
試験内容は、いままでテキストで学習した「知識」と「実践」から集約されたもので、合格で受講修了、資格取得となります。
試験内容 | マークシート方式筆記試験 |
合格基準 | 基準点を満たすと合格 |
資格認定団体 | NESTA JAPAN |
受験資格・経歴 | なし |
試験会場 | 自宅受験 |
介護予防健康アドバイザーに向いている人は
介護予防健康アドバイザーに向いている人をご紹介します。
介護・福祉の業界で働いている人
介護・福祉に携わっている人は、基礎知識があり馴染むのも早いでしょう。
職場でも介護予防健康アドバイザーの資格は重宝され、キャリアアップを目指せます。
健康について興味がある人
日頃から健康について考えている人は、自分の身体にも役立ちます。
高齢者とともに知識を増やせることにやりがいを感じるでしょう。
身近に中高年の人がいる人
家庭や職場に中高年がいる場合、その人の将来を案じ知識習得への意欲が高まります。
また高齢者特有の生活パターンや性格にも馴染みが早く、どの場面でも役立つスキルとなります。
似ている資格との比較
【介護予防運動指導員】
高齢者に対して筋力トレーニングや低栄養を防ぐ食事の摂取方法、口腔ケアなど、適切な支援をする存在です
【高齢者体力つくり支援士】
高齢者の運動習慣化、介護予防やアンチエイジングを推進し、自立支援を目指します
【介護予防運動トレーナー】
転倒、骨折による寝たきりを防ぐ転倒予防や、失禁予防のための運動が実践できます
【介護予防指導士】
元気な方も対象として介護を予防するための指導する知識が身につきます
【シニアフィットネストレーナー】
シニア世代の暮らしをサポートするためのストレッチやトレーニングを組み合わせたメニュー作りの方法を学びます
【介護予防運動スペシャリスト】
要介護者等の自立支援に必要不可欠である“身体機能の回復・維持・向上”を主たる目的にしています
【中高老年期運動指導士】
元気に活動している中高年(アクティブシニア)の健康を支える運動指導者です。
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健康アドバイザーの資格が活かせる求人
健康アドバイザーの資格を活かせる場所は、多くあります。
例えば
- 通所介護施設
- 地域包括支援センター
- 中高年のスポーツクラブ
- 介護予防教室
- カルチャーセンター
などがあります。
介護現場の他に、地域や自治体の施設などで介護予防に関する講習を担当することもあるようです。
幅広い職場で知識を活かして働けます。
介護予防の通所介護についても解説していますので、こちらもあわせてご参考ください。
介護予防サービスには大きく分けて、訪問介護と通所介護の2種類があります。通所介護は在宅被介護者が寝たきりにならないためにも、近年特に重要視されています。皆さんは通所介護が近年変化していることをご存知ですか?この記事では通[…]
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健康寿命を伸ばすために
健康寿命とは、介護を受けないで自立している期間のことです。
高齢化社会に伴い、健康寿命を伸ばすことが重要になります。
健康寿命を伸ばすためには、要介護となる前に、生活機能の低下を早期に発見し進行を防ぐことが大切です。
従って
- 適度な運動
- 食事
- 禁煙
- 生活習慣の改善
などが重要です。
一人ひとり、いつまでも生きいきと暮らせるように健康寿命を伸ばしていく努力が必要です。
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介護予防の意識やニーズは今後高まる
平均寿命が伸びる一方で、健康でなければいけないという意識は高まっています。
高齢化社会の中、国は介護予防を推進しています。
介護予防にはいろいろなアプローチの仕方があります。
住民が主体となり、人とのつながりを生かした地域づくりなどが求められています。
今後、介護予防の意識やニーズは高まります。
従って、介護予防の健康アドバイザーの知識が役立つ場面も増えるでしょう。
介護予防健康アドバイザーについてのまとめ
今回は、介護予防健康アドバイザーについてご紹介しました。
介護予防健康アドバイザーについての要点を以下にまとめます。
- 介護予防健康アドバイザーとは、高齢者の生活の質と運動機能の向上をサポートする
- 介護予防健康アドバイザーの資格は、通信講座を受講し、試験の合格基準値を満たせば取得可能
- 介護予防健康アドバイザーは、福祉・介護業界に留まらず様々な場所で必要とされる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。