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健達ねっと>介護お役立ち記事>ユニットケアの特徴とは?メリットとデメリットも解説

ユニットケアの特徴とは?メリットとデメリットも解説

介護施設には、さまざまなタイプの施設があります。
ユニットケアは介護施設のタイプの1つです。
ユニットケアとはどのような介護なのでしょうか?

また、どのようなメリットやデメリットがあるでしょう?
本記事ではユニットケアについて以下の点を中心にご紹介します。

  • ユニットケアについて
  • ユニットケアの特徴
  • ユニットケアのメリット、デメリット

ユニットケアについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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ユニットケアとは

ユニットケアとは介護を必要とする高齢者に対し、一人ひとりの尊厳を守りながら行う個別ケア型の介護サポートです。
厚生労働省では「ユニットケアの目指すもの」として「介護が必要な状態になっても、ごく普通の生活を営むこと」としています。
ユニットケアは、目指す個別ケアを実現するためのサポートを行います。

ユニットケアが行う主なサポートは以下のようなものです。

  • 自宅に近い環境の介護施設でサポート
  • 他の入居者や介護スタッフと共同生活しながらサポート
  • 入居者一人ひとりの個性と生活リズムを尊重したサポート

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ユニットケアの特徴

ユニットケアが目指すものの実現には、以下の3つの要素が必要です。

  • 環境の整備(ハード面)
  • 暮らしのサポート(ソフト面)
  • システムの構築

それぞれの内容についてご紹介します。

環境の整備(ハード面)

ユニットケアの実現には、高齢者が快適な生活を送ることができる施設の環境整備が必要です。
ユニットケアは、暮らしの場を1ユニット10人程度の個室と共有スペースで構成します。
施設の生活環境は、リビングなどの共用スペースと個室で構成されています。

共用スペースと個室の生活が効果的に活用されるように、ハードウエアが配置されているのが特徴です。
環境の整備として以下のような点が配慮されています。

  • 交流の活性化促進のための個室と共用スペースの効果的な配置
  • プライベートが確保できる鍵付き個室
  • 普段通りの生活が継続できるように、今まで使用していた家具や愛着のある品々の持ち込み
  • プライベートの確保と日常生活の維持のために、個室で使える洗面化粧台の装備
  • 専用トイレ(プライベートの確保、ただし施設による)

暮らしのサポート(ソフト面)

ユニットケアの最大の特徴は、入居前と変わりない生活様式や生活習慣が行えることです。
各ユニットにはスタッフが固定で配置され、一人ひとりの生活リズムに合わせて生活できるようにサポートします。
スタッフは入居者の個性や心身の状況、入居までの生活様式や生活習慣の具体的な把握に努めることが重要です。

入居者のさまざまな情報を具体的に把握することで、一人ひとりのケアの質を高めることにつなげています。
また、施設のニット内での円滑な生活のためには、入居者同士のコミュニケーションに注視する必要もあります。
入居者同士の適切なコミュニケーションサポートは、スタッフの大事な役割です。

システムの構築

環境の整備と暮らしのサポートの2つが効果を発揮するためには、施設を運営するシステム構築が重要です。
ユニットケアを成功させるために重要なことを以下に挙げます。

  • スタッフのユニットケアの理念の理解と共有
  • スタッフ間の連携、情報共有
  • 研修などによるスタッフの意識・技術の向上
  • 施設長、各ユニットリーダーによるマネジメント
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ユニットケアのメリットとは

ユニットケアにはメリットが多くあります。
利用者と介護職員、それぞれの具体的なメリットについてご紹介します。

利用者

利用者のメリットには以下のようなものが挙げられます。

  • プライバシーの確保(尊厳の確保)
  • 自分のペースに合わせた生活(日常生活の連続性確保)
  • 固定化されたスタッフでの安心感
  • 個室による家族の訪問しやすさ
  • 住み慣れた地域で暮らせる精神的メリット
  • 個室と共有スペースの有効活用で、入居者同士の社会的関係の構築が可能
  • 感染症リスクが集団ケアに比べて低い

介護職員

介護者のメリットには以下のようなものが挙げられます。

  • 入居者一人ひとりに合った丁寧なケアが可能
  • 入居者との信頼関係が構築しやすい
  • 少人数のケアで目が届きやすい

ユニットケアのデメリットとは

ユニットケアには、メリットばかりではなくデメリットもあります。
利用者と介護職員、それぞれの具体的なデメリットについてご紹介します。

利用者

利用者のデメリットには以下のようなものが挙げられます。

  • 少人数のユニットなため、人間関係のトラブルが発生した場合の気まずさがある
  • 人によっては個室によって孤独感が増す場合がある
  • 従来型に比べてコストが高い

介護職員

介護者のデメリットには以下のようなものが挙げられます。

  • 少人数のスタッフで行動するため、情報的に孤立してしまう危険がある
  • ユニットごとの仕事になるため、スタッフ一人ひとりの責任や仕事の負担が大きい
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ユニットケアは従来型とは違う?

従来型介護施設とユニット型介護施設には違いがあります。
それぞれについて具体的に違いをみていきましょう。

従来型

従来型介護施設の部屋の構造は、複数人が一緒に生活する多床室です。
廊下を挟んで直線的に配置された4〜6人部屋の先に、大食堂があるのが一般的な構造です。
従来型の施設は以下のような特徴が挙げられます。

  • 食事、入浴などすべて施設のスケジュール管理ができるため、スタッフの効率的介護が可能
  • プライベートの確保が難しく、自分の生活ペースを守れない
  • 同室者同士の交流を避けて生活する傾向がみられる

ユニット型

ユニット型介護施設は、一人ひとりに個室が用意されているのが大きな特徴です。
1ユニットは10人程度とし、それぞれの個室とリビングなどの共有スペースで構成されています。
従来型のように直線的な配置にはなっていません。

個室がリビングを囲んで小グループを形成するなど、ユニット内の交流活性化の工夫がされています。
ユニット型には以下のような特徴が挙げられます。

  • 個室があることでプライベート空間を確保できる
  • 個室で小グループを形成することで入居者間の交流が生まれやすい
  • スタッフが固定されているため、入居者との距離感が近い
  • 個室化されているため、感染症のリスクは従来型に比べて低い
薬の使い方

ユニットケアの費用

介護老人福祉施設の利用者段階別の自己負担を以下の表に示します。

利用者負担段階ユニット型(万円)従来型(万円)
第1段階約4.9約2.4
第2段階約5.2約3.8
第3段階約8.4約5.5
第4段階約12.8約9.2

出典:厚生労働省【介護老人福祉施設 (参考資料).P21

ユニットケアを導入する施設が増えている?

厚生労働省の「介護老人福祉施設 (参考資料)」によれば、ユニットケアを導入する介護老人福祉施設は年々増えていることがわかります。
介護老人福祉施設の個室ユニット化率は、平成18年の14.8%から平成27年には40.5%に増えています。
さらに個室ユニット化率は、2025年には50%以上を目標として定めるよう努めることとなっています。

高齢介護者の施設利用者が増えるなか、個別ケア型の介護サポートはますます重要です。
ユニットケアは、個別ケアを実現するための手段として、今後ますます需要が増えることが予想されます。
出典:厚生労働省「介護老人福祉施設 (参考資料),P20

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ユニットケアのまとめ


ここまでユニットケアについてお伝えしてきました。
ユニットケアの要点を以下にまとめます。

  • ユニットケアとは、介護が必要な高齢者の尊厳を守りながら行う個別ケア型の介護サポート
  • 個室と共用スペースの小グループユニットで入居者をサポートできる
  • 入居者一人ひとりの生活リズムに合った生活をサポートすることができる
  • 入居者のプライバシーを確保し、普通の生活を継続できるのがメリット
  • 従来型に比べて自己負担が高額になることはデメリット

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
  • 小規模多機能型居宅介護
  • その他介護事業所運営
  • 食事管理
  • 栄養提供
  • 福祉用具販売
  • 障がい者雇用

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