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健達ねっと>介護お役立ち記事>介護予防>サルコペニアの治療と予防法!自己診断法と2つの原因を説明

サルコペニアの治療と予防法!自己診断法と2つの原因を説明

サルコペニアは、加齢により生じる病気の1つです。
サルコペニアによって、日常生活が大変になったり、閉じこもりに陥ることがあります。

サルコペニアには、どのような治療があるのでしょうか。

本記事では、サルコペニアについて以下の点を中心にご紹介します。

  • サルコペニアについて
  • サルコペニアの治療法
  • サルコペニアのセルフチェック方法

サルコペニアと治療について理解するためにも、ご参考にしていただけますと幸いです。
ぜひ、最後までご覧ください。

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サルコペニアとは?

サルコペニアとは、ギリシャ語における、「サルコ=筋肉」と「ぺニア=喪失」を組み合わせた造語です。

サルコペニアは、加齢による

  • 筋肉量の減少
  • 身体機能の低下

のことを指します。

日本における、サルコペニアの有病率は、7.5%〜8.2%です。
サルコペニアを患っている人は、100人に7〜8人と予想されます。
出典:公益財団法人 日本医療機能評価機構【サルコペニア診療ガイドライン2017年版 一部改訂

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サルコペニアの治療法と予防

サルコペニアは、筋肉量の減少と、それに伴う身体機能の低下が主な症状です。

筋力を上げる、筋肉を増やすなどの医薬品による治療法はありません。
したがって、生活習慣によって改善する必要があります。

ここでは、サルコペニアに対して行われる治療法について、以下のように紹介します。

  • 運動療法
  • 食事療法

紹介する治療法は、サルコペニアの予防にもなります。

 

運動療法

筋肉量の減少に対して行われる治療で重要なのは、運動療法になります。

加齢により、衰えやすい下半身を中心に鍛える必要があります。

以下のような運動が効果的です。
取り入れやすい運動を行ってみましょう。

  • スクワット
  • 寝た状態で行う尻上げ
  • 椅子に掴まって踵上げ
  • 太もも上げ
  • 散歩
  • 階段昇降

スクワットなどの運動は、下半身にある大きな筋肉を効率よく刺激することができます。

ただし、いきなり多くの回数を取り入れてしまうと、怪我や、過度な疲労に繋がる危険性があります。

最初は、少し息が上がるくらいの回数を行いましょう。
徐々に回数を上げていくと、安全に運動できます。

食事療法

運動と併せて行われる治療は、食事療法です。
食事療法を取り入れることで、改善スピードが上がります。

特に、筋肉の原料となるタンパク質を積極的に摂取するよう心がけましょう。

タンパク質を豊富に含む、以下のような食品を中心とした食事を心がけましょう。

  • 肉類
  • 魚類
  • 大豆製品

バランスよく補給することで、運動で傷ついた筋肉を回復させることができます。

他にも筋肉を動かすための炭水化物や腸を整える食物繊維など、いろいろな栄養素も補給する必要があります。

高齢になると、食事量が減少しやすくなる傾向があります。
それに伴い、治療に必要な栄養量が摂取できません。

高品質の食材や栄養補助食品などを取り入れる工夫も必要です。

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サルコペ二アの自己診断

 

自分や家族が、サルコペニアなのかと気になったときは、以下のテストを行ってみましょう。

  • 指輪っかテスト
  • 片足立ちテスト
  • 歩行速度テスト

引っかかるようであれば、治療のために医療機関に相談してみましょう。

指輪っかテスト

指輪っかテストは、筋肉量をセルフチェックする簡単な方法です。

  • 両手の親指と人差し指で、輪っかを作る
  • 利き足ではないほうのふくらはぎの1番太いところに、指輪っかを通す
  • 輪っかとふくらはぎの間に、隙間があるか確認

この時、輪っかとふくらはぎに隙間がある場合は、筋肉量が減少している可能性があります。

片足立ちテスト

片足立ちテストは、高齢になると衰えやすいバランス能力を測ることができます。

  • ベッドサイドや椅子など、バランスを崩しても安全な環境を整える
  • 腰に手をあて、5cmほど片足を上げる
  • 60秒程度キープする

片足立ちが15秒以上キープできない場合は、バランス能力が低下しています。

歩行速度のテスト

歩行速度テストでは、歩く能力を計測しています。

  • 6m以上のスペースを確保
  • スタート地点、1m地点、5m地点、6m地点に印を付ける
  • 1m地点から5m地点までに、掛かった時間を計測

この時、歩行速度が0.8m/秒以下の場合、サルコペニアが疑われます

サルコペニアでよくみられる症状

サルコペニアは、筋肉量が減少し、身体機能が低下していきます。

以下のような症状が当てはまる場合は、セルフチェックまたは医療機関へ受診してみましょう。

  • 筋肉量の減少による症状
  • 筋力の低下による症状
  • 身体機能の低下による症状

詳しく説明していきます。

筋肉量の減少による症状

 

筋肉は、身体を動かす以外に熱を作り出したり、エネルギーを貯めておく働きがあります。

筋肉量が減ることで、以下のような症状が起きることがあります。

  • 体重減少
  • 冷え性
  • 熱中症・脱水症
  • 骨粗しょう症
  • 糖尿病

体重減少

筋肉量が減ることで体重が減っていきます。

半年〜1年で4.5kg以上の体重が減少すると、サルコペニアの症状である、体重減少が疑われます。

冷え性

筋肉は、熱を生み出す機関です。

サルコペニアによって筋肉量が減少すると、冷え性になりやすいです。

熱中症・脱水症

身体は、半分以上が水分で構成されています。

筋肉が減ると、身体の中に貯めておける水分が減少し、熱中症や脱水症になりやすくなります。

 

骨粗しょう症

骨は、刺激を受けることで強くなります。

しかし、筋肉が減ると、腱を介して骨に与える刺激が減り、骨粗しょう症が進んでしまいます。

 

糖尿病

筋肉を動かすためには、食事から摂取した糖が使用されます。

筋肉量が減ると、食事から摂取した糖が入り込むスペースが減ってしまいます。

筋肉が減少したことで、取り込むことができなくなった糖は、身体に悪影響を及ぼし、糖尿病になってしまいます。

 

筋力の低下による症状

筋肉が減ると、筋力も低下していきます。

筋力が低下することで、以下のような日々の動作が大変になります。

  • 立ち上がるのが困難になる
  • 力を入れた作業ができない
  • 疲れやすい
  • 転びやすい

 

立ち上がるのが困難になる

サルコペニアにより下半身の筋力が低下すると、立ち上がる動作が困難になります。

立ち上がるとき、掴まるものが必要になったり、床から立ち上がれなくなったりします。

力を入れる作業ができない

上半身の筋力が低下すると、握力が弱くなっていきます。

ペットボトルのキャップや、瓶の蓋などを開けることが難しくなります。

疲れやすい

全身の筋力が低下すると、なにをするにも疲れやすくなります。

筋力が低下すると、全力を出して動くことになり疲労が溜まりやすくなります。

 

転びやすい

筋力が低下すると、バランス能力も低下していきます。

歩いているときや方向転換において、転びやすくなります。

自己診断で片足立ちが引っかかる人は、注意が必要です。

身体機能の低下による症状

筋肉、筋力が低下すると、日常生活でも困ることが多くなります。

以下のような困りごとが当てはまるか、確認してみてください。

  • 横断歩道を渡りきれない
  • 階段昇降が難しい
  • 閉じこもりがちになる

 

横断歩道を渡り切れない

歩く速度が低下してくると、横断歩道を時間内に渡れなくなります。

青信号の時間を延長するボタンが設置されている横断歩道では、積極的に活用しましょう。

 

階段昇降が難しい

今まで、なにも掴まらずに上れていた階段が、登れなくなります。

手すりが必要になったり、1段に対して両足を乗せる必要が出てきたりと、階段昇降のスピードが遅くなります。

閉じこもりがちになる

疲れやすいことに加えて、移動に時間が掛かるなどのストレスにより、外出しなくなっていきます。

自宅に閉じこもりがちになると、筋肉がさらに減少します。
サルコペニアの症状についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

 

健達ねっとECサイト

サルコペニアの原因は2種類ある

http://www.zaitakuiryo-yuumizaidan.com/textbook/pdf/2-1_2.pdf

サルコペニアの原因は、大きく以下のような

  • 一次性サルコペニア
  • 二次性サルコペニア

の2種類に分類されます。

一次性サルコペニア

 

一次性サルコペニアは、加齢のみが原因とされるものです。

加齢

40歳を境に、筋力は徐々に低下していきます。

加齢に伴い、筋肉量、筋力が低下していきます。

その結果、生じるのが一次性サルコペニアです。

二次性サルコペニア

二次性サルコペニアは、加齢以外が原因となるサルコペニアです。

主に、以下が影響し、サルコペニアが生じます。

  • 活動量の低下
  • 病気
  • 栄養不足

生活活動量の低下

寝たきり状態や、閉じこもりなどの活動量の低下が、サルコペニアに繋がっていきます。

 

病気

心臓や肝臓などに重篤な病気を抱えてしまい、治療のための安静期間が長くなってしまうと、筋肉量が減少します。

ガンなども、治療のための入院が必要となります。

動く機会が減ることで、サルコペニアが生じます。

不摂生による栄養不足

食欲の低下や、食べたものを上手く吸収できないことで、サルコペニアが生じます。

また、筋肉のもとであるタンパク質が不足しても、サルコペニアが進んでいきます。

薬の使い方

加齢による運動機能の衰え

厚生労働省の「高齢者の筋肉減弱およびフレイルに関するデータ」によると、地域高齢者において、

  • 男性4.1%
  • 女性7.9%

の人が、サルコペニアを患っています。

男女において身体や、運動機能に異なる部分があります。

身体的変化では、男性は高齢になるほど腕や足が細くなっていきます。
反対に女性では、腕や足は細くなっていきますが、男性より変化は少ないです。

運動機能では、男性より女性の方が運動機能が低下していました。
「5回連続で椅子から立ち上がる時間」においては、加齢に伴う変化が、大きく影響しています。

このように、男性は、高齢になるほど痩せやすくなる特徴があります。
女性は、運動機能が落ちやすい特徴があります。

加齢による身体的変化や、運動機能が低下することには男女の差はありますが、共通しています。
出典:厚生労働省【高齢者の筋肉減弱(サルコペニア)およびフレイル(虚弱)に関するデータ

サルコペニアの治療のまとめ

ここまで、高齢者に起きやすいサルコペニアと治療についてお伝えしてきました。
サルコペニアの要点をまとめると、以下のとおりです。

  • サルコペニアとは、加齢に伴って筋肉量が減少し、身体の機能が低下すること
  • サルコペニアの治療法は、身体を動かす運動療法と、バランスよく食事を摂る食事療法がある
  • サルコペニアのセルフチェック方法は、指輪っかテスト、片足立ちテスト、歩行速度テストがある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

監修者 メディカル・ケア・サービス

  • 認知症高齢者対応のグループホーム運営
  • 自立支援ケア
  • 学研グループと融合したメディア
  • 出版事業
  • 社名: メディカル・ケア・サービス株式会社
  • 設立: 1999年11月24日
  • 代表取締役社長: 山本 教雄
  • 本社: 〒330-6029埼玉県さいたま市中央区新都心11-2ランド·アクシス·タワー29F
  • グループホーム展開
  • 介護付有料老人ホーム展開
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