老人ホームを検討していて、建物賃貸借方式という言葉を目にしたことはありませんか?
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅には、契約方式があります。
本記事では建物賃貸借方式について、以下の点を中心にご紹介します。
- 建物賃貸借方式が他と違うところ
- 建物賃貸借方式を使用している場所
- 建物賃貸借方式の良いところ
建物賃貸借方式について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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建物賃貸借方式とは?
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老人ホームの契約には、
- 建物賃貸借方式
- 終身建物賃貸借方式
- 利用権方式
があります。
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終身建物賃貸借方式や利用権方式との違い
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終身建物賃貸借方式との違い
大きな違いは「終身」の言葉通り、終身建物賃貸借方式は、契約者が亡くなった時点で契約終了です。
ただし、夫婦で入居されている場合にのみ、契約終了に限らず、1ヶ月以内に申し出ることによって、継続して住み続けることが可能となります。
それに対し建物賃貸借方式は、借地借家法に基づいた契約で、借地権が適用されます。
例えば、契約者本人である夫が亡くなっても、配偶者や親族が借地権を相続する形で、入居する妻が住み続ける権利が保障されているのです。
終身建物賃貸借方式は「高齢者の居住の安定確保」に基づいて整備されています。
しかし、終身建物賃貸借方式は、都道府県知事から認可を受けた施設のみしか採用できません。
全国でも利用可能な施設は限られているのが現状です。
利用権方式との違い
利用権方式は、老人ホームで1番採用されている方式です。
利用権方式は、
- 居住費
- 介護サービスの利用料
- 生活支援の利用料
が一体化した方式です。
利用者が、他に契約する必要がありません。
利用の際にかかる費用は、入居一時金から支払われます。
高額な理由は、1ヶ月にかかる費用と平均寿命から入居期間が算出されるため、入居一時金で終身の利用ができるからです。
その反面、建物賃貸借方式では、一般的な賃貸と同様、居住費を月ごとに賃料として支払っていく方式です。
注意する点は、介護サービスが任意のため、利用する方は別途契約する必要があります。
介護サービス | 初期費用 | 相続 | 利用料金 | |
利用権方式 | 利用料に含まれる | 高額(数千万) | 不可 | 入居一時金で賄われる |
建物賃貸借方式 | 別途、契約が必要 | 敷金 | 可 | 毎月、支払う |
利用権方式と建物賃貸借方式では、利用中の入居継続の権利も変わります。
利用権方式は、施設と入居される方との契約です。
本人が亡くなった時点で権利は消滅し、親族に相続はされません。
また、入居中に要介護度が上がるなど、入居されている施設と本人の身体状況が合わなくなった場合に、退去を求められる可能性があります。
建物賃貸借方式は、契約者本人が亡くなっても、同居する配偶者や親族が借地権を相続し、住み続けることができます。
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建物賃貸借方式老人ホームの種類
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ここまで、老人ホームの契約形態について違いを見てきました。
平成25年度の公益社団法人全国有料老人ホーム協会による調査では、67.8%が利用権方式、27.4%が建物賃貸借方式でした。
施設によっては、利用権方式の契約ができない施設もあるので、契約方法は事前に確認する必要があります。
では実際に、建物賃貸借方式を採用している老人ホームは、どのようなものがあるのか以下のように紹介していきます。
- 有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
有料老人ホーム
有料老人ホームの中でも
- 住宅型老人ホーム
- 健康型老人ホーム
は、建物賃貸借方式を選ぶことが可能です。
住宅型老人ホーム
住宅型老人ホームは、手すりやスロープが設置してあるバリアフリーな施設です。
主な入居者は、以下の通りです。
- 自立した60歳以上
- 軽度な要介護者
要介護者の入居が可能な施設もあります。
生活相談員が在籍しているところや、レクリエーション・イベントが豊富なところが多いようです。
また、介護サービスは外部と契約するため、入居者に合わせたサービスを自由に組み合わせることができるのがメリットといえるでしょう。
健康型老人ホーム
健康型老人ホームは、自立型有料老人ホームとも呼ばれています。
健康型老人ホームは、以下の方を対象にした施設です。
- 自立した生活が送れる
- 本格的な介護の必要がない高齢者
原則として、有資格者が常駐しており、日中は生活相談を行ってくれます。
60歳以上の自立した入居者が多いので、図書館やジムを併設した施設もあります。
外へ、レクリエーションなどで出かけることもあります。
しかし、身体状況が変わり、要介護度が高くなると他の施設へ移る必要が出てきます。
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅の各部屋には、キッチンやトイレ、浴室がついている施設もあります。
料理も自分で作れることなどから、比較的、入居者の自由度が高いのが特徴です。
入居条件は、以下のような方が対象となっています。
- 60歳以上
- 介護度が低い
- 自立した生活が送れる方
サービスの内容は、基本的に
- 安否確認
- 生活相談
が受けられます。
その他に、オプションや個別契約をすれば受けられるサービスとして、
- 生活支援
- 身体介護
- リハビリ・医療行為
などがあるようです。
建物賃貸借方式のメリット・デメリット
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建物賃貸借方式の契約を採用している有料老人ホームが、いくつかあることが分かりました。
では、具体的にどのようなメリットとデメリットがあるのか確認しましょう。
建物賃貸借方式のメリット
建物賃貸借方式には、以下のような4つのメリットがあります。
- 初期費用が比較的安い
- 借地権の相続が可能
- 費用が月払い
- 介護サービスが任意で契約できる
利用権方式は、支払方法を選ぶこともできますが、数千万かかる場合もあります。
しかし、建物賃貸借方式は、家賃が毎月払いなので、初期費用の負担が少ないところがメリットです。
また、契約者が亡くなった後も借地権が相続されます。
必要があれば親族が入居することも可能で、新たに探す必要がありません。
自立した高齢者であれば、不要な介護サービス費用を払わなくていいのも特徴です。
建物賃貸借方式のデメリット
建物賃貸借方式には、以下のような3つのデメリットがあります。
- 建物賃貸借方式を採用している施設が少ない
- 毎月の支払いが高額になる可能性がある
- 更新手続きや更新料の支払いが必要なこともある
有料老人ホームの契約形態は、利用権方式がほとんどです。
建物賃貸借方式の施設が少ないので、見つけにくいといえるでしょう。
また、家賃に加え、管理費や水道光熱費に相当する金額を毎月支払います。
それにより、月々の支払いが高額となる可能性があります。
建物賃貸借方式はどんな人におすすめ?
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老人ホームの建物賃貸借方式は以下のような方におすすめの契約方式です。
【初期費用を抑えたい方】
建物賃貸借方式は初期費用を抑えることができるのが大きな特徴です。
利用権方式のように利用料金の一括前払いなどの必要がありません。
建物賃貸借方式の場合は通常のアパートや賃貸マンションと同じ敷金と礼金のみです。
【自立した生活を送ることができる方】
老人ホームの建物賃貸借方式は自立した生活ができる方に向いた契約方式です。
建物賃貸借方式は居住部分と介護サービスの契約が別になっています。
したがって、本人が健康なうちは介護サービスが別契約のため費用が掛かりません。
利用権方式のように利用しない介護サービスの費用負担がないということです。
サービス付き高齢者向け住宅情報提供
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高齢者の人口が増加することに比例して、老人ホームも年々増えてきています。
多種多様な老人ホームを選ぶときに参考になるのが、「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」です。
国土交通省・厚生労働省が所轄する「高齢者の居住安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」の改正により創立され、2011年から事業所の登録が始まりました。
事業者にとっては、検索エンジンの上位に入るサイトでの公開ができます。
また、入居者の求める情報や写真が見やすく表示されることで、希望者に伝わりやすくなり、検討対象施設となるメリットがあります。
入居を検討されている方にとっては、都道府県から選ぶことができ、写真でのイメージ補足やサービス・費用の比較検討がしやすくなっています。
各施設の紹介は、
- 費用
- 支援サービス
- 建物の特徴
- 入居者分布
など詳しい内容が分かります。
1年ごとの更新があるので、常に最新の情報が見られることがメリットです。
出典:厚生労働省・国土交通省【サービス付き高齢者向け住宅のご案内】
契約の前に確認すべき費用・支払い方法
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建物賃貸借方式の契約前に確認すべき費用や支払い方法について以下の2つを説明します。
- 利用料
- 支払い方法
利用料
建物賃貸借方式で家賃相当額以外の月額利用料金には以下のようなものがあります。
- 管理費
- 食費
- 水光熱費
それぞれの項目について簡単に説明します。
【管理費】
職員の人件費等の施設を維持・管理するための費用でケアスタッフは除きます。
【食費】
老人ホームでの食事サービスの費用です。
月額料金は3食30日分の金額がパンフなどに記載されるのが一般的です。
月額料金は月によって日数に違いがあるので注意が必要です。
また、食費には以下のようなものが含まれたり別途料金になったりします。
- 3食の食費
- おやつ代
- 厨房維持費
- 厨房人件費
それぞれが含まれているのかどうかの確認が必要です。
また食費は定額支払いなのか食事をとった回数分なのかも施設によって違いがあります。
【水光熱費】
水光熱費の利用料金については
- 月額利用料に水道代・電気代が定額で含まれているか
- 各居室ごとのメーターに基づく実費精算か
の確認が必要です。
【その他の利用料】
その他の利用料として以下のようなものがあります。
- 有料の共用施設利用料
- レクリエーション参加費用などの介護サービス以外のサービス費用
- 介護サービスを受ける場合の利用料金のシステム
支払い方法
建物賃貸借方式老人ホームを利用する場合の支払い方式は以下のようになります。
- 月払い方式で前払金を納めず家賃相当額や管理費、食費、水光熱費などを月払いする方式
- 敷金・礼金は施設によって必要かどうか異なる場合があるので確認が必要
有料老人ホームではクーリングオフ制度が適用されています。
有料老人ホームのクーリングオフ制度は入居後90日以内に退所したときの入居金を返還する制度です。
返還される入居金は家賃を除く全額となります。
ただしクーリングオフの対象は都道府県によって異なります。
クーリングオフの対象範囲を確認しておきましょう。
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建物賃貸借方式老人ホームのまとめ
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ここまで、建物賃貸借方式についてお伝えしてきました。
建物賃貸借方式についての要点を以下にまとめます。
- 建物賃貸借方式が他と違うところは、家賃を毎月支払う、相続権がある
- 建物賃貸借方式を使用している場所は【住宅型老人ホーム】【健康型老人ホーム】【サービス付き高齢者向け住宅】
- 建物賃貸借方式の良いところは、初期費用が安い、相続可能、介護サービスが任意
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。