介護施設における食事はとても重要な要素の一つです。
調理補助は、それぞれの身体の状況に合わせたきめ細かな食事を美味しく食べてもらえるように準備し提供するのでやりがいのある仕事と言えます。
本記事では、介護施設での調理補助の仕事内容やその魅力について以下の点を中心に取り上げます。
- 介護施設での調理補助の仕事内容
- 介護施設での調理補助に向いている人
- 介護施設での調理補助の魅力と大変な点
介護施設の調理補助についての理解を深めるためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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介護施設の調理補助の仕事内容
調理補助とは、料理のための準備、下ごしらえ、後片付けなどをする仕事です。
料理のメイン部分は担当しないため未経験でもできる仕事です。
調理補助の具体的な仕事内容は下記の通りです。
調理師のサポート
調理補助は主に調理師のサポートを行います。
具体的な業務内容は下記の通りです。
- 冷蔵庫から必要な食材を出してそろえる
- 野菜や果物の皮むき
- 魚を下ろす
- 簡単な盛り付け
- パックに入っている肉や魚を取り出す
介護施設の場合は通常の調理補助とは異なります。
体調が悪い方や持病を持っておられる入所者のために正しい分量で決められた分量をしっかりと計量し調理の準備をする必要があります。
また入所者の中には嚥下能力が低下している方もいるため、カットにもアレンジを加える必要があります。
出来上がった食事をミキサーにかけて食べやすくする場合もありますし、刻み食と呼ばれる食事を提供するために細かく食材をカットする場合もあります。
在庫の確認
食材の残数の確認や在庫が無ければ発注する作業も調理補助の仕事です。
介護施設では管理栄養士の指導のもと、毎日の献立が決められています。
その献立を確認しながら先々の必要な食材を把握して在庫を管理しなければなりません。
配膳補助
介護施設での調理補助の仕事には配膳補助も含まれます。
施設での食事の時間は決まっているので、その時間までに配膳を終えなければなりません。
配膳自体は看護師さんや介護士さんの仕事の範疇です。
入所者たちの疾患等に合わせたメニューを間違いなく配膳する必要があるからです。
しかし、部屋に運ぶ前の段階までは調理補助がサポートします。
廊下に配膳しやすいように食事を配置します。
時折、配膳も任されることがあります。
その際は前述のとおり、入所者それぞれのメニューがあるため間違えないように配膳することが非常に重要です。
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介護施設の調理補助に向いている人
調理補助は料理のスキルは求められていません。
未経験者でも働くことができます。
しかし、向き不向きが別れる仕事でもあります。
どのような人が介護施設での調理補助に向いているのでしょうか。
几帳面な人
食事の時間は決まっています。
それまでに仕上げなければなりません。
施設の規模によってはたくさんの食事を準備する必要があります。
決められた時間までに分量通り、きれいに仕上げることが求められるので几帳面な人が向いています。
臨機応変な人
厨房などの調理現場は状況が刻々と変わります。
そのため、変化に対応し先を読んで調理に取り掛かっていく必要があります。
食材が足りない、決まっていたメニューができなくなった、スタッフが急に休んで人手が足りないなど、イレギュラーなことが生じた際に頭が真っ白になってしまうと食事を提供することができません。
ですから、こういった場合でも臨機応変に冷静に対応できる人が向いています。
体力がある人
調理補助の仕事は基本的に立ち仕事なため、体力がある人が向いています。
作る食数も多いため動き回ることも多いです。
また量が多いために重いものを運ぶこともあります。
そのため、腰痛や腱鞘炎などになる場合もあります。
さらに水や洗剤に触れることも多いので手荒れに悩む方もいれば、暑さや寒さが厳しいということもあります。
早起きが得意な人
介護施設での朝食の時間は、一般的に午前8時からです。
つまり8時までに盛り付けて配膳されている必要があります。
介護施設によって異なりますが、朝食の時間から逆算すると朝3時や4時から準備を開始することになります。
必然的に早朝からの仕事となるため、早起きが得意な人が向いていると言えます。
また、毎日同じシフトとは限りません。
朝食後からの出勤になることもあれば、お昼前後からの出勤になることもあり不規則な生活になります。
慣れれば問題ありませんが、生活リズムをうまく管理できる人が調理補助に向いています。
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調理補助の魅力
では調理補助の仕事の魅力はなんでしょうか。
調理経験が必要ない
調理補助の大きな魅力の一つは、未経験でも調理補助の仕事をすることができる点です。
料理を作ることが好きな方、食事を通して人に喜んでもらいたいと考えている方にとっては魅力的な仕事です。
調理師を目指せる
今後調理師の資格を取りたいと考えている人にとってはとても有利な仕事です。
調理師が料理を作っている様子を間近で見ることができるので、手順や段取り、料理の技術などを勉強することができます。
介護施設の調理補助として2年以上の実務経験を積むと調理師免許の試験を受けることができます。
調理の仕事を今後も続けるならば、調理師の資格を取っておくと良いでしょう。
スキルアップ、キャリアアップ、給与アップにつながります。
調理補助の大変な点
入所者の体調や病状や持病などによって、作る料理に変化が生じます。
そのため一律ですべて同じ食事を作るのではなく、作業にひと手間かかることが多々あります。
調味料の分量など入所者の健康に直結するので高いレベルの正確性が求められます。
それが面倒な作業となる可能性もあります。
また、個別対応があるため食事の準備に通常よりも時間がかかってしまいます。
しかし食事の時間は決まっているため、その時間までに食事を作り配膳をし終えなければいけません。
効率的に作業を進めていくことが求められます。
さらに手順や作業など、料理を作ること以外でも覚えることが多いことも大変な点の一つです。
調理補助以外の仕事は何がある?
介護施設では調理補助以外にどのような職種の方たちが働いているのでしょうか。
栄養士
栄養士の主な役割は、先述のとおり献立作成や調理などの給食管理業務を担い、食事を提供します。
利用者の身体状況に合わせた調理方法を考えます。
また季節ごとの行事食やイベントなどを催して、食べる意欲を引き出します。
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保育士
身体に障害のある子どもや知的障害を持つ子どもなどがいる施設で保育士は求められています。
仕事内容としては、食事や排泄、着替え、入浴などの援助があります。
また身体能力やコミュニケーション能力の維持、向上訓練をおこないます。
行事や遊び、社会参加活動の準備や援助をすることもあります。
PT/OT/ST
理学療法(PT)、作業療法(OT)、言語聴覚療法(ST)の仕事もあります。
理学療法(PT)は基本動作能力の向上に必要な移動動作能力の獲得を目指して治療や動作練習を実施します。
作業療法(OT)は作業活動を通じて上肢の機能低下の治療や食事・排泄・入浴・移動などの日常生活動作の能力の向上を図っていきます。
言語聴覚療法(ST)は、失語症や構音障害等で「コミュニケーション」能力が低下した方、摂食嚥下機能が低下して「食べる」ことにお困りの方への治療や訓練を実施して機能の向上を図ります。
理学療法士について詳しく知りたい方は下記の記事も合わせてお読みください。
まとめ:介護施設の調理補助
今回は、介護施設での調理補助の仕事についてご紹介しました。
以下に要点をまとめます。
- 介護施設での調理補助の仕事内容は調理師のサポートや在庫管理、そして配膳準備など
- 介護施設での調理補助に向いている人は几帳面な人、臨機応変な人、体力のある人、早起きが得意な人
- 介護施設での調理補助の魅力は未経験でも始められることと調理師の免許を目指せること
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。