脈拍と血圧は、私たちの心臓の働きや全身の血流状態を示す重要な指標です。
これらの数値を把握することで、自分自身の健康状態をよりよく理解し、適切なライフスタイルを選択することが可能になります。
しかし、脈拍と血圧の正常値は一体何なのでしょうか?
また、これらの値が健康にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
この記事では、脈拍と血圧の正常値について以下の項目を中心に解説します。
- 脈拍と血圧の性別、年代別の正常値
- 脈拍と血圧の健康への影響
- 脈拍と血圧の相互作用
最後までお読みいただくことで、自分自身の健康管理に役立つ情報を得ることができます。
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脈拍と血圧の基礎知識とその重要性
脈拍と血圧は、私たちの健康状態を理解するための重要な指標です。
これらは心臓の働きや全身の血流状態を示し、健康管理において欠かせない情報を提供します。
以下では、それぞれの定義、測定方法、そして健康への影響について詳しく説明します。
脈拍とは何か
脈拍とは、体表から触れることのできる動脈の拍動のことを指します。
これは心臓の働きによって血液が全身に送られる過程で生じます。
具体的には、心臓が収縮して血液を送り出すとき(心拍)と、その拍動が末梢動脈に伝わるときの2つのステップが必要です。
脈拍の測定は、動脈が体の表面近くを通る部位で行います。
具体的には、
- 首の側面(頸動脈)
- 手首の内側(橈骨動脈)
- 足の内側のくるぶし近く(後脛骨動脈)
などが一般的な測定部位です。
測定は指の腹部を用いて行い、1分間に何回脈拍を感じるかを数えます。
脈拍数と心拍数の違い
心拍数もまた同様に、一定時間内に心臓が拍動する回数のことをいいます。
心拍と脈拍は同じリズムを刻んでいるため、通常は同じ意味で用いられます。
ただし、不整脈がある場合は心臓が拍動していても脈拍として伝わらないこともあるため、必ずしも「心拍数=脈拍数」ではありません。
心拍数 | 心臓が血液を全身に送り出す際の拍動の回数 |
脈拍数 | 心臓が血液を送り出す際に動脈に生じる脈動の回数 |
(出典:日本心臓団体「心拍数と心臓病」)
血圧とは何か
血圧とは、心臓から送り出された血流が血管の内壁を押す力(圧力)を指します。
血圧は、
- 心臓が1回の拍動で全身に送り出す血液量(心拍出量)
- 血管のしなやかさ(弾力性)
- 血液が血管に流れ込む際の末梢血管の抵抗力(血管抵抗)
- 血液の粘度
などが決定要因となります。
血圧は「上」と「下」の2つの数値で表されます。
最高血圧(収縮期血圧)は、心臓が収縮して血液を送り出すときの圧力を示し、最低血圧(拡張期血圧)は、心臓が収縮した後、大動脈が末梢血管に血液を送り、元の太さに戻ろうとするときの圧力を示します。
脈拍と血圧の健康への影響
脈拍と血圧は、健康状態に大きな影響を及ぼします。
特に高血圧患者では、心拍数が増加するに従い、心疾患の発症や死亡のリスクが高まることが確認されています。
また、血圧・脈拍数がより高くなるほど、心疾患の発症や死亡のリスクも高まるとされています。
一方、血圧が低い状態や脈拍数が異常に速い状態は、体に何か異変が起こっている可能性を示すサインとなります。
これらの状態が持続すると、心臓や血管に負担がかかり、重篤な病気を引き起こす恐れがあります。
したがって、血圧と脈拍の適切な管理は、健康維持にとって非常に重要です。
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成人の脈拍と血圧の正常値
以下では、成人男性と成人女性の脈拍と血圧の正常値について詳しく説明します。
成人の脈拍と血圧の正常値
成人男性と成人女性の脈拍数と血圧は、共に以下が正常値とされています。
脈拍数 | 1分間に60〜90回 |
血圧 | 収縮期血圧が120mmHg未満かつ 拡張期血圧が80mmHg未満 |
これはあくまで目安であり、個々の健康状態や生活習慣により異なることがあります。
また、男性よりも女性の方が脈拍数が多い傾向にあるともいわれています。
さらに、年齢によって血圧の平均値は変化します。
例えば、50歳代の男性の血圧平均値は138/85mmHg、50歳代の女性の血圧平均値は133/81mmHgとされています。
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年齢別と性別別の脈拍と血圧の正常値
以下では、年齢別と性別別の脈拍と血圧の正常値について詳しく説明します。
年齢別の脈拍と血圧の正常値
年齢によって脈拍と血圧の正常値は変化します。
一般的に、若い人は脈拍が多く、血圧は低めです。
そして、年齢が上がるにつれて、脈拍は減少し、血圧は上昇する傾向があります。
20代の平均値
男性 | 女性 | |
血圧 | 115.9/68.1mmHg | 105.7/63.8mmHg |
脈拍数 | 63回前後 | 69回前後 |
50代の平均値
男性 | 女性 | |
血圧 | 129.7/81.0mmHg | 121.8/74.5mmHg |
脈拍数 | 68回前後 | 68回前後 |
70代以上の平均値
男性 | 女性 | |
血圧 | 133.9/74.5mmHg | 133.1/73.9mmHg |
脈拍数 | 63回前後 | 66回前後 |
性別ごとの脈拍と血圧の正常値
性別によっても脈拍と血圧の正常値は異なります。
一般的に、男性より女性の方が脈拍が多い傾向があります。
一方で、男性の血圧は女性よりも高い傾向にあります。
男性の脈拍数の正常値は、一般的に1分間に60〜90回が基準とされています。
一方、女性の脈拍数の正常値は、一般的には1分間に70〜100回が基準とされています。
血圧については、男性の平均血圧は124/81mmHg、女性は118/76mmHgとされています。
しかし、これらの数値はあくまで目安であり、個々の健康状態や生活習慣により異なることがあります。
したがって、定期的な健康チェックと適切な生活習慣が重要です。
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脈拍と血圧の関係性とその影響
以下では、脈拍と血圧がそれぞれがどのように相互作用し、なぜ変動するのかについて詳しく説明します。
脈拍と血圧の相互作用
脈拍と血圧は密接に関連しています。
脈拍数は心臓だけでなく身体全体の状態を知るうえでも大切な情報です。
一般的に、血圧が上がった時は脈拍数は減少し、血圧が下がった時は逆に脈拍数は増加する傾向が見られます。
これは、体の調子に問題がなく、安静の環境下での血圧変化と脈拍数の動きの逆方向の関係を示しています。
しかし、血圧が高いからといって、必ずしも心拍数も高いとは限りません。
体が健康な人の場合、血圧が上がるまでには至らず、脈もすぐ落ち着きますが、高血圧などが進行している人の場合には脈拍の戻りも遅く、血圧も高くなってしまいます。
脈拍と血圧の変動の理由
脈拍と血圧の変動は、日常生活の行動や体の状態によって引き起こされます。
- 日常の行動での変動:食事、排尿、排便、階段の上り下り、会話、咳、くしゃみ、運動などにより変動する
- 1日の変化(日内変動):寝ている間は低くなり、起床すると高くなるのが一般的で、血圧の数値に関わらず見られる現象
- 季節による変動:冬は体温を逃がさないように血管が収縮するため、高くなる傾向がある
また、日照時間やホルモンの年周期なども血圧変動の原因です。
高血圧について
以下では、高血圧の定義や影響について詳しく説明します。
高血圧の定義とその影響
高血圧とは、診察室で測った血圧で、収縮期血圧が140mmHg以上になるか、拡張期血圧が90mmHg以上になる状態を指します。
血圧は、心臓から送り出される血液の量と、血管の壁の固さに左右されます。
高血圧は、心臓や血管に関するさまざまな問題の兆候であり、早期対策と治療が重要になってきます。
特に、高血圧は心臓病や脳血管障害(脳卒中)や認知症のリスクを高めます。
また、心臓は高い血圧にうち勝つために無理をすることになり、心臓肥大が起こり、心不全になることもあります。
高血圧については、以下の記事で詳しく解説しています。
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脈拍と血圧の正常値のまとめ
ここまで脈拍と血圧の正常値についてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。
- 脈拍数は1分間に60〜90回、血圧は収縮期血圧が120mmHg未満かつ拡張期血圧が80mmHg未満が正常値とされているが、一般的に若い人は脈拍が多く、血圧は低めの傾向がある
- 血圧・脈拍数が高くなるほど、心疾患の発症や死亡のリスクも高まるとされている一方で、血圧が低い状態が持続すると心臓や血管に負担がかかり、重篤な病気を引き起こす恐れがあるため、血圧と脈拍の適切な管理は健康維持にとって非常に重要
- 脈拍と血圧は密接に関連しており、一般的に、血圧が上がった時は脈拍数は減少し、血圧が下がった時は逆に脈拍数は増加する傾向が見られる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。