介護の排泄ケアの一環で、オムツが必要になることは多いです。
介護に使用するオムツですが、いざ選ぶとなると種類が多すぎて困ってしまうかもしれません。
そこで本記事では、介護に使用するオムツの種類について以下の点を中心にご紹介します。
- 介護に使用するオムツの種類
- 介護オムツの選び方
- 介護オムツの処理方法
- 介護オムツの医療費控除について
介護オムツの種類について理解を深めるためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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介護に使用するオムツは種類が豊富?
介護オムツには大きく分けて外側オムツ(アウター)と、尿取りパッド(インナー)の2種類があります。
介護オムツを使用する方の生活環境、体の状況によって使い分けられています。
外側オムツ(アウター)
外側オムツとは文字通り、外側から装着するタイプのオムツです。
パンツタイプとテープ止めタイプの2種類が代表的です。
それぞれのタイプについて説明していきます。
パンツタイプ
パンツタイプの外側オムツは、「オムツ」と聞いて多くの人が想像する形のものです。
下着のように履いて装着します。
通常の下着と見た目や形が比較的似ているので、オムツをあまり使用したことがない方でも使用しやすいでしょう。
パンツタイプの外側オムツは、下記に該当するような介護レベルが軽い方に向いています。
- 自力でトイレに行ける
- 介助があればトイレに行ける
テープ止めタイプ
おなか周りの部分でテープを止めて使用するタイプの外側オムツです。
テープで固定するので、体にフィットし、パンツタイプよりも快適に感じられる方もいます。
また、しっかり装着できれば、横漏れや背中漏れをしにくい点もメリットと言えます。
テープ止めタイプの外側オムツは、以下のようなトイレへの移動が難しい方に向いています。
- 寝て過ごす時間が長い
- 寝たきり
尿取りパッド(インナー)
こちらは、外側オムツの内側に装着して使用する吸水パッドのことです。
外側オムツとの併用によって、外側オムツの交換の手間を省き、介護の負担を軽減させることができます。
また経済的に優しく、ゴミの削減にも繋がるといったメリットもあります。
尿取りパッドには、パンツタイプのアウターに装着するものと、テープ止めタイプのアウターに装着するタイプの2種類があります。
ご使用時に、間違って買ってしまうということがないように注意してください。
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種類が豊富なオムツの選び方は?
介護に使用するオムツには種類が多いので選び方に困る方もいると思います。
外側オムツ、尿取りパッドのそれぞれの選び方について見ていきましょう。
外側オムツの選び方
こちらでは、パンツタイプとテープ止めタイプの2種類に分けて説明していきます。
パンツタイプの選び方
パンツタイプは以下の点に注意して選ぶと良いです。
- 体型に合わせてウエストサイズがピッタリのものを選ぶ
- 必要な吸収量のものを選ぶ
パンツタイプの外側オムツは、ゴムの伸縮によってオムツをフィットさせるので細かい調整は不可能です。
そのため、サイズがジャストフィットするものを選ぶと失敗が少ないです。
また、パンツタイプの外側オムツを選ぶ際は、脚周りのフィット性があるかどうかも重要です。
脚周りに隙間ができず、ウエストもピッタリのものを選べるとベストです。
吸収量についても、「排泄を何回分吸収できるか」ということがパッケージに記載されています。
介護が必要な方のトイレでの排泄頻度に合わせたものを選ぶと良いでしょう。
例えば、自力で歩いてトイレに行ける方は2回分、介助ありで歩いてトイレまで行ける方は4回分、トイレまでの歩行が困難な方は5回分といった具合に選んでみてください。
テープ止めタイプの選び方
以下の点に注意して選ぶと良いです。
- ヒップサイズがあっているものを選ぶ
- 必要な吸収量と、その他必要な機能のものを選ぶ
テープ止めタイプの外側オムツは、おしりのサイズでテープの止まり具合が変わります。
テープを止めたときにウエスト部分と、脚周りの部分に指が1本入るくらいのサイズがちょうど良いとされています。
テープ止めタイプの外側オムツの場合、テープでフィッティングを調整することはある程度は可能です。
そうは言っても、背中漏れや横漏れを防ぐには適正サイズを選ぶことが大事です。
また、パンツタイプ同様に吸収量も介護が必要な方に合わせたものを選ぶと良いです。
構造上、テープ止めタイプはパンツタイプに比べてどうしても横漏れや背中漏れが多くなってしまうという特徴があります。
そのため、横漏れや背中漏れを低減するための機能がついた様々な種類が販売されています。
背中漏れ防止ポケットがついたもの、素早く吸収するタイプのもの、消臭効果のあるものなど色々な種類があるので介護が必要な方の状況に合わせて選んでみると良いです。
尿取りパッドの選び方
パンツタイプの外側オムツ用と、テープ止めタイプの外側オムツ用の2種類に分けて説明していきます。
パンツタイプ用の尿取りパッドの選び方
以下の点に注意して選ぶと良いです。
- テープ止めタイプ用ではなくパンツタイプ用を選ぶ
- 必要な吸収量のものを選ぶ
大前提として、「間違えてテープ止めタイプ用のものを買ってしまった」ということはないように気をつけてください。
また、介護が必要な方の尿の量と、パッドの吸収量があったものを選びましょう。
テープ止めタイプ用の尿取りパッドの選び方
以下の点に注意して選ぶと良いです。
- パンツタイプ用ではなくテープ止めタイプ用を選ぶ
- 必要な吸収量のものを選ぶ
こちらも同様に、パンツタイプ用のものを間違えて買わないように注意してください。
テープ止めタイプ用の尿取りパッドは寝たきりの方の使用が多いので、パンツタイプ用のものに比べて吸収量のラインナップが多いです。
介護が必要な方の排泄量や頻度に合わせたものを選ぶと良いですね。
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介護オムツの交換は大変?
介護オムツの交換について状況別に解説していきます。
本人が立っている場合
パンツタイプの場合、以下の順番でオムツを交換します。
- 手すりなどを利用し、つかまり立ちの状態になってもらう
- オムツをおろす
- 介護者が支えながら便座などにゆっくりと座ってもらう
- オムツを足から抜いて、新しいオムツに足を通す
- 陰部とおしりを拭き、つかまり立ちになってもらってオムツを上げる
本人が座っている場合
次にパンツタイプの場合の交換方法をご紹介します。
- 介護される方と向かい合う
- 手を介護者の首にまわしてもらうようにする
- 体を左右に傾けておしりを浮かせながらオムツをおろしていく
- オムツを足から抜いて、新しいオムツに足を通す
- 片方のおしりを浮かせるようにして陰部やおしりを拭く
- 体を左右に傾けておしりを浮かせながらオムツを上げる
本人が横たわっている場合
テープ止めタイプの場合のオムツの交換方法は以下の通りです。
- 仰向けの状態でテープを外しオムツを広げる
- 陰部を洗い、拭き取る
- 使用済みオムツを丸め、横向きになってもらい、おしりを拭き取る
- 新しいオムツを使用済みのものの横に敷く
- 使用済みのオムツを引き抜き、仰向けになってもらう
- 足を伸ばして、オムツをあててテープで止める
介護オムツはどう処理すれば良い?
介護用オムツは、汚れている面を内側にして丸めて新聞にくるみ、袋に密封して可燃ゴミとして捨てます。
ただし、不燃ごみとして捨てる場合もあるので注意が必要です。
なお、外出先ではオムツのゴミは捨てないようにしてください。
また介護オムツはどうしても排泄物が絡んでくるので臭いが気になることもあると思います。
臭いの対策として、以下が挙げられます。
- 消臭スプレーを使用
- 専用のゴミ箱を用意
- 部屋の十分な換気
介護オムツは医療費控除に当たる?
結論、介護オムツは「おむつ使用証明書」によって「医師による治療のために必要な費用」と認められた場合のみ医療費控除の対象になります。
おむつ使用証明書とは、「医師によって、オムツを使う必要があると判断された際に発行される書類」です。
おむつ使用証明書があれば、オムツ代金を医療費控除の対象にすることができます。
介護をしていく中で、「オムツ代」は意外と金銭的な負担が大きいことが多いです。
月に1万円以上かかることも珍しくありません。
介護オムツ代の医療費控除を受けるにはどうしたらよいのでしょうか?
大前提として以下のような場合のみ、介護オムツの医療費控除の対象になります。
- 何らかの病気によって、およそ6ヵ月以上寝たきりであること
- 医師からオムツの使用を認められていること
さらに、介護オムツ代の医療費控除を受けるには書類手続きとして以下のことが必要です。
- 確定申告書に医療費控除の明細を添付
- 「おむつ使用証明書」を確定申告書に添付、または、確定申告書を提出する際に提示する
上記の手続きを行えば、介護オムツ代を医療費控除の対象にすることができます。
介護にかかる経済的な負担を少しでも減らすために、ぜひ覚えておいてください。
介護オムツの種類のまとめ
ここまで介護オムツや介護オムツの種類についての情報を中心にお伝えしました。
要点を以下にまとめます。
- 介護オムツは大きく分けて外側オムツ(アウター)と、尿取りパッド(インナー)の2種類がある
- 介護オムツは、体型やオムツのサイズ、吸収量に考慮して選ぶと良い
- オムツ交換の際は、介護される方に負担をかけないようにオムツ交換を行う
- 介護オムツは、可燃ごみとして汚れている面を内側にして丸めて新聞にくるんで袋に密封して処理
- 「おむつ使用証明書」によって「医師による治療のために必要な費用」と認められれば、介護オムツ代は医療費控除の対象になる
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。